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111 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:19:58 ID:dA/dAzGo0
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.........
......
...
クーとの生活が始まって数日が経った。
部屋のなかで二人。
いきなりの共同生活。
ああ、なんて心踊る日常。
彼女と共に歩む生活。
ただ側にいるだけなのにこんなにも明るい気持ちになれるなんて。
('A`)「クー、今日はどうしよっか?」
川 ゚ -゚)「ん?そうだな......ドクオ、君は何をしたい?」
('A`)「んーそうだなー」
したいことなんてない。
こんな風に二人でいられるのなら。
それだけで、俺は幸せなのだ。
ああ、今の俺。
最高の気分だ。
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112 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:20:38 ID:dA/dAzGo0
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川 ゚ -゚)「なら、今日もゆっくりしようか」
(*'A`)「うん」
二人っきりの部屋で。
ただただくっついて座るだけ。
それだけでこんなにも心踊るのは。
ああ、目に映る全てのものが輝いている。
まるで世界が俺達を祝福してくれてるかのようだ。
('A`)「クー」
川 ゚ -゚)「ん?なんだ?」
('A`)「愛してる」
川 ゚ -゚)「ああ、私もだ」
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113 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:21:38 ID:dA/dAzGo0
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そしてまた、何度目かもうわからない口づけを交わす。
ああでもダメだ。
こんなんじゃまだ、伝えきれない。
この俺の気持ちはまだ、こんなものじゃない。
なのに伝えられないこのもどかしさ。
('A`)「好きだ」
川 ゚ -゚)「私もだ、ドクオ」
だから俺は何度もいい続ける。
彼女にこの気持ちのすべてが伝え終わるまで何度も何度も何度も。
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114 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:22:23 ID:dA/dAzGo0
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('A`)「大好きだ」
川 ゚ -゚)「私も愛してる」
('A`)「愛してやまないんだ」
川 ゚ -゚)「何時までも一緒にいよう」
まだ、伝え終わらない。
でも、いいんだ。
こんな時間も、俺にとって大切で幸せな時間だから。
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115 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:22:57 ID:dA/dAzGo0
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('A`)「......あ、もうこんな時間か」
気がつくともう、夕飯時になっていた。
話をしているうちに時間を忘れてしまっていたようだ。
('A`)「んじゃ、夕飯を作りますかな」
川 ゚ -゚)「手伝おうか?」
('A`)「いや、休んでて」
川 ゚ -゚)「ん、そっか」
こうは言ったもののクーと離れるのが、凄く辛い。
同じ屋根の下にいるのに。
少ししか離れないのに。
彼女がこの瞳に映っていないだけで心が締め付けられるような感覚に陥る。
彼女がいなくなってしまうような気がしてきてしまうんだ。
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116 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:23:37 ID:dA/dAzGo0
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あり得ないことだって分かってる。
だって約束したから。
ずっと、一緒にいようと。
なのに、なんなんだ。
この、気持ちは。
('A`)「......」
頭がいたい。
胸が苦しい。
なんなんだ、これは。
でも、それがなんなのか。
考えたくない。
考えたら、ダメだ。
何故かは分からない。
けど、ダメなんだ。
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117 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:24:09 ID:dA/dAzGo0
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('A`)「......クー」
俺は彼女の名前を呼ぶ。
目を向けず。
ただ言葉だけを放る。
川 ゚ -゚)「ん?どうかしたか」
('A`)「......いや、なんでも」
答えは、あった。
思わず笑いそうになる。
ああ、俺はやっぱりバカだ。
クーはそこにいる。
それでいい。
それだけでいいじゃないか。
頭を軽く振り、料理に取りかかる。
気がつけば先程の不快感はもう、どこにもなかった。
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118 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:24:41 ID:dA/dAzGo0
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.........
......
...
あれから俺は、幸せな毎日を過ごしている。
たぶんこの世で一番幸せだ。
悪いなみんな。
俺は今、最高にリア充だ。
嫉妬される立場だ。
なんて気分がいいんだ。
今日もまた一日、幸せに過ごすとしよう。
('A`)「......んあ?」
目を覚ましてすぐに違和感に気がついた。
なんか、いい匂いがする。
これは、ご飯と味噌汁の匂い?
どこからだ?
まだしょぼしょぼする目で辺りを見渡してみるとすぐに匂いの元は見つかった。
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119 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:25:37 ID:dA/dAzGo0
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('A`)「......これ、朝食か?」
なんか、机の上に綺麗に並んでる。
これぞ日本人の和食っていう感じの。
('A`)「??俺作ってないけど......」
川 ゚ -゚)「ん、起きたか。おはよう」
('A`)「あ、おはよ......あ、クー!もしかしてこれ」
川* ゚ -゚)「あ......ああ、私が作ったんだ」
薄く頬を染め、恥ずかしそうに彼女がいう。
ああ、朝からこんな彼女を見られるなんて。
これだけでもお腹一杯です。
あ、朝食は別腹な。
どんな状態でもくうわ。
クーが作ったんだ。
食わないわけがない。
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120 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:27:00 ID:dA/dAzGo0
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('A`)「じゃ、食べていいかな?」
川 ゚ -゚)「ん、どうぞ」
さて、まずは一口。
味噌汁を啜り、ご飯を口へ運ぶ。
......うまい。
ご飯はうまいし、味噌汁も出汁をちゃんと取ってありさらにご飯が進む。
('A`)「うまいっ!」
川 ゚ -゚)「ふふっ......どんどん食べてくれ」
('A`)「ああ」
ああ、本当に手が止まらない。
ふっくらご飯がうまい。
煮干し出汁の味噌汁もうまい。
だし巻き卵もうまい。
焼き魚もうまい。
何もかも、全部が美味しい。
勿体ないと思うが食べる速度はどんどん上がっていく。
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121 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:27:58 ID:dA/dAzGo0
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......ゴクリ。
('A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「?どうかしたか?」
('A`)「あ、いや」
なんか今、味噌汁の中にあった固いなにかを飲み込んだ気がする。
......まあ、気にすることはないか。
変な味もしないし。
たぶん、食材の何かだろう。
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122 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:28:57 ID:dA/dAzGo0
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('A`)「なぁ、クー」
川 ゚ -゚)「ん?なんだ?」
('A`)「その、迷惑じゃなければなんだけどさ」
川 ゚ -゚)「?」
('A`)「これからも、食事、作ってくれないか?」
川 ゚ -゚)「......」
('A`)「......駄目か?」
川 ゚ ―゚)「気が向いたらな」
('A`)「!クー!」
ああ、これからもこのご飯が食べられるのか。
やはり俺は今日も、幸せのようだ。
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123 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:29:37 ID:dA/dAzGo0
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.........
......
...
あれからと言うもの。
彼女は何だかんだ言いながら毎日朝食を作ってくれている。
さらに、掃除や洗濯もしてくれているようで、最近では夕飯までも作ってくれている。
ああ、彼女は天使なのだろうか。
('A`)「......ん」
そしてまた、気がつくと時間は夕飯時に近づいていた。
目を机の方に向けるとそこには今日も美味しそうなご飯が並んでいる。
ああ、神様仏様クール様。
ありがとう。
今日もおいしくいただきます。
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124 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:30:22 ID:dA/dAzGo0
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('A`)「クー、そろそろご飯にしないか?」
('A`)
('A`)「......あれ?」
そういえば彼女はどこにいった?
さっきまで近くにいた気がするのに。
部屋のなかを見渡す。
独り暮らしのこの家は狭い。
隠れたってすぐに見つけられるはずだ。
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125 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:30:58 ID:dA/dAzGo0
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('A`)「あれ?」
いない。
おかしい。
なんでだ?
なんでいないんだ?
だって、ここにご飯があるんだ。
さっきまで彼女は。
ご飯を作っていたんだから。
この部屋にいないとおかしい。
あれ?
じゃあ。
今いないのは。
それは。
川 ゚ -゚)「ドクオ!」
('A`)「っ!?クー!」
川 ゚ -゚)「全く、何度も呼び掛けたのになぜ反応しないんだ。ご飯が冷めるところだったぞ」
('A`)「え?」
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126 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:31:32 ID:dA/dAzGo0
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川 ゚ -゚)「ん?どうした?」
('A`)「......そこに、いた?」
川 ゚ -゚)「ああ、ずっとな」
おかしい。
だってさっき見たときには居なかったはず。
あれ?
じゃあ、何で。
......
......
......いや、考えちゃダメだ。
単なる、気のせい。
気にしなくても、いい程度の些細な問題だ。
川 ゚ -゚)「どうかしたのか?」
('A`)「いや、何でも。それよりご飯にしよう」
川 ゚ -゚)「ん、そうだな。さ、召し上がれ」
('A`)「ん、いただきます」
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127 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:32:12 ID:dA/dAzGo0
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今日もご飯が美味しい。
手が止まらない。
米粒ひとつも残さず全てを完食。
('A`)「あーうまかった」
川 ゚ -゚)「そうか、よかったよ」
('A`)「おう」
川 ゚ -゚)「今日はこれからどうする?」
('A`)「......なんか疲れたから寝ていいか?」
川 ゚ -゚)「む?そうか。じゃあ今日は寝るとしよう」
('A`)「ごめんな」
なんか今日は気分が悪い。
頭が重い。
早く寝たい。
なんでこんな気分になっているんだろうか。
俺は今、幸せなのに。
ああ、なんかモヤモヤする。
早く寝て、こんな気持ちを忘れたい。
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128 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:32:55 ID:dA/dAzGo0
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適当にシャワーを浴び、大して乾かしもせず布団に向かう。
なんかもう、めんどくさい。
('A`)「......おやすみ」
川 ゚ -゚)「ああ、おやすみドクオ」
布団に入り目を閉じる。
ああ、布団が冷たい。
何故こんなに冷たいんだ。
体が乾ききってないからだろうか。
まあ、それもあるだろう。
けど、一番の理由は。
いつも彼女が添い寝してくれるのにしてくれないからだろう。
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129 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:33:49 ID:dA/dAzGo0
-
.........
......
...
おかしい。
何かがおかしい。
何か、俺の日常が狂っている。
考えるたびに頭が痛む。
考えるたびに目眩がする。
俺はただ、彼女と共に日常を過ごしたいだけなのに。
なんで、こんな。
(;'A`)「クー!クー!」
最近、彼女がどこにいるのか分からない。
呼んでも出てきてくれない時が増えてきた。
どこからか視線は感じる。
だから、どこかにいるはずのに。
なのに、見つからない。
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130 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:34:57 ID:dA/dAzGo0
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川 ゚ -゚)「なんだドクオ?」
(;'A`)「っ!!お前、どこいってたんだ!?」
川 ゚ -゚)「どこもなにもここにいたぞ?」
(;'A`)「......」
何かがおかしい。
でも、なにがおかしいんだ。
分からない。
分かりたく、ない。
川 ゚ -゚)「さあ、ご飯にしよう」
ご飯は変わらずに、いつものように並べられていた。
ほかほかと湯気がたち、いい匂いがする。
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131 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:35:53 ID:dA/dAzGo0
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ひとつ、適当におかずを口に運ぶ。
いつものように美味しい。
だけど、頭の痛みはとれない。
目眩も落ち着かない。
気分が悪い。
食欲は最悪。
だけど、無理矢理にご飯を詰め込む。
彼女が作ったものを無駄にしたくない。
ゴクリ、と全てを流し込み、飲み込む。
ああ、気持ち悪い。
('A`)「......寝る」
食べ終わると同時に立ち上がり風呂に向かう。
早く、寝よう。
そうすれば。
明日にはもしかしたら全てを忘れてまた少し前みたいに過ごせるかもしれない。
そんな希望を抱いて。
('A`)「......はぁ」
ため息が思わず出てしまう。
......ああ、今の俺。
幸せじゃない。
好きな人の側にいるはずなのに。
こんなに遠くに感じるのは何故なのだろうか。
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132 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:37:53 ID:dA/dAzGo0
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今日もまた、いい匂いに腹を刺激され目が覚める。
頭は重く、気分も最悪だ。
少し前までこの匂いを嗅ぐだけで気分が高まったのに。
今では眠りを妨げるその匂いのせいで鬱陶しく感じてしまう。
それでも、彼女が作ったものなんだ。
食べよう。
食べれば、もしかしたら元気になるかもしれない。
そう考えモソモソと朝食を腹の中に詰め込んでいく。
手が重く、思うように食は進まない。
('A`)「......あ」
そういえば彼女はどこいるんだろう。
今日はまだ、見てない。
辺りを見渡し彼女を探す。
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133 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:38:24 ID:dA/dAzGo0
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('A`)「......」
見つからない。
日に日に彼女が俺から離れていくような感覚に陥る。
こんなにも側にいたいのに。
なのに、なんでこんな。
('A`)「......ん?」
ふと考え事をしながらご飯を食べ進むと何か固いものが口の中にあるのに気がついた。
そういえば前も何回かこのようなものが入っていたのを思い出す。
そのたびに何か確認する前に飲み込んでしまっていたが。
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134 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:39:26 ID:dA/dAzGo0
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('A`)「なんだろ......」
飲み込んでしまう前に口から取り出す。
小さく、固く。
少し丸みを帯びたその物体。
取りだし手のひらに乗ったそれは赤と白の物体。
('A`)「あ......?」
俺はこれを知っている。
でも、なんでこんなものがここにある?
だってこれは。
これは。
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135 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:39:58 ID:dA/dAzGo0
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(; A ) 「あ、あぁあああぁぁぁあああああ!!!!」
嫌だ。
やめろ。
やめてくれ。
思い出したくない。
考えたくない。
俺は幸せだったんだ。
なのに、どうして。
こんな。
(; A )「クー!クー!」
狂ったように彼女の名前を呼ぶ。
いや、実際俺は狂っている。
もう、思い出してしまった。
考えてしまった。
あのカプセルを見たときから。
彼女は俺の妄想。
どこにもいない、存在なのだと。
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136 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:40:30 ID:dA/dAzGo0
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(; A )「クー!いるんだろ!?どこにいるんだよぉ!!」
でも、それでも。
俺はそれでもよかった。
考えず、忘れて。
彼女と過ごした時間は幸せだったんだ。
なのに。
なぜ。
どうして。
思い出してしまったんだ。
(; A )「......なんで」
彼女の返事はない。
彼女の姿はない。
彼女はどこにもいない。
そして、理解してしまう。
もう彼女は、どこにもいない。
一時の夢から俺は、覚めてしまったんだ。
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137 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:41:41 ID:dA/dAzGo0
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(; A )「う、あ......」
嫌だ。
嫌だ嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
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138 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:43:00 ID:dA/dAzGo0
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なんで、夢を見続けさせてくれないんだ。
幸せだったんだ。
それで、いいじゃないか。
それだけじゃ、ダメなのか?
(; A ) 「あぁあああぁぁぁああああああぁあああぁぁぁああああああぁあああぁぁぁああああああぁあああぁぁぁああああああぁあああぁぁぁあああああ!!!!」
ただひたすらに絶叫し、絶望する。
もう、あのときは戻ってこない。
その、受け入れがたい現実に。
俺はただ、無意味に叫び、無意味に拒絶することしかできなかった。
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139 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:43:48 ID:dA/dAzGo0
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なにも考えたくない。
なにも見たくない。
ただただ幸せだったときを思い出す。
ああ、なんで俺は目を覚ましてしまったんだ。
どうしてもう一度、見ることができないんだ。
ただひたすら絶望する。
ただひたすら涙を流す。
「......」
世界から音がなくなったかのようだ。
世界から光がなくなったかのようだ。
俺の世界は止まってしまった。
狂ってしまった。
壊れてしまった。
もう、戻らない。
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140 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:44:21 ID:dA/dAzGo0
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「......」
ずっと一緒にいる。
何度もそう、約束した。
何度も。
何度も何度も。
だけど、無意味だった。
消えてしまったんだ。
その事を思いだし、また涙が溢れる。
「......」
もう俺は死んでしまった。
呼吸はしてる。
心臓も動いている
けど、彼女がいない。
だから、もう俺は死んでるも同然だ。
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141 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:45:20 ID:dA/dAzGo0
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目を閉じる。
現実から目を背けるために。
また夢を見るために。
また、幸せな夢を見れることを祈り、俺は目を閉じる。
ああ、神様。
お願いします。
また再び彼女に会わせてください。
それで、それだけで。
俺は、幸せなんだ。
だから、どうか。
神様。
俺の願いを聞いてください。
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142 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:45:54 ID:dA/dAzGo0
-
......ギシッ
.
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143 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:46:28 ID:dA/dAzGo0
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('A`)「......え?」
暗闇に包まれた部屋のなか。
俺しかいないはずの部屋のなか。
床のきしむ音が響いた。
('A`)「......誰?」
日が暮れ太陽の光が入らなくなり電気もつけていない部屋ではそこになにがいるか、分からない。
でも、何かがいる。
そこに何かの存在を感じる。
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144 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:47:00 ID:dA/dAzGo0
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('A`)「......あ」
ふと、窓から月の光が差し込んだのか、そこにいる何かを照らす。
見えたのは月の光に煌めく綺麗な黒髪の長髪。
('A;)「......ぁあ」
ああ、それは。
その、髪は。
知っている。
その、髪の持ち主を知っている。
暗闇で姿は見えないが。
俺は、彼女を知っている。
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145 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:47:31 ID:dA/dAzGo0
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(;A;)「クー!」
「......ああ、私だよ。ドクオさん」
(;A;)「あぁああああ!!」
帰ってきてくれた!
帰ってきてくれたんだ!
もう二度と、会えないと思ったのに。
もう二度と、幸せな時は戻らないと思ったのに。
(;A;)「クー!」
彼女に駆け寄り、抱き締める。
ああ、暖かい。
その体温に彼女がそこにちゃんといるのだと感じ、安堵する。
そして、もう二度と失わないように強く、強く抱き締める。
それに答えるように彼女も抱き締めてくる。
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146 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:48:05 ID:dA/dAzGo0
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暗闇のなか、俺と彼女は抱き締めあう。
「もう二度と、離さないからな」
「うん、私も、絶対離さない」
「あぁ、あぁ!」
「私だけを見てね、ドクオさん」
「あぁ!」
ああ、俺は今、満たされている。
こんな奇跡が起こるなんて。
俺はもう、この幸せを手放すつもりはない。
だからこれからもこの幸せは続いていくだろう。
彼女の側に俺は居続ける。
クーが俺の側にいてくれる。
ただそれだけで。
それだけでいい。
もう他に欲しいものなど、ない。
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147 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:48:58 ID:dA/dAzGo0
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「幸せだ」
「うん、私も」
闇に包まれた部屋のなか。
二人っきりの世界で抱き締めあう。
いつまでも、いつまでも。
この幸せが続くように願いながら。
ああ、俺、幸せだ。
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148 名前: ◆/KVxnknLxg[] 投稿日:2016/03/27(日) 01:49:34 ID:dA/dAzGo0
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はっぴーえんど
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