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45 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/17(日) 16:19:29 ID:2uZ87zlE0
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[壁|*゚∀゚)"
"(゚∀゚*三*゚∀゚)" キョロキョロ
(*゚∀゚)アッタ ―終―
(*゚∀゚) 終―
―と彡
(*゚∀゚) 終―
づへどバキバキ
へ⌒ヾ(゚∀゚*)ポーイ
ミ│
(*゚∀゚)∩ 終
(*゚∀゚)
づへどバキバキ
ポーイ(*゚∀゚)ノシ⌒へ
(*゚∀゚)……… 終
ノコリハキサマダ(*゚∀゚)σ 終
(*゚∀゚)づ終
彡 ミ
糸と(*゚∀゚)つ冬 ブチィ
((((*゚ー゚) (*-∀-)-3
(*゚ー゚)? "(゚∀゚*)
(;*゚ー゚)そ ♪(゚∀゚*)ニア ,,糸 ,,冬
自分でもここで終わらせるのは勿体無いと思ったのと出したいキャラが結構居たので中、長編として続きを書きます
祭りが終わった後ぐらいに一話投下予定。
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50 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 22:47:41 ID:.OdM98ko0
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( )『ある晴れた 昼下がり 市場へ 続く道』
( )『荷馬車が ごとごと 子牛を 乗せてゆく』
( )『かわいい子牛 売られて行くよ』
( )『悲しそうなひとみで みているよ』
( ´ー`)クローンが蔓延るこの世界で、のようです
第一話
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51 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 22:48:31 ID:.OdM98ko0
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夢を見た。少年少女が荷台に積まれて何処かへ向かっていく夢を
少年少女達は皆同じ顔していた。比喩とかではなく、本当に同じ顔をしていたのだ。
その集団の中にも自分が居た。一人の少女と何か約束をしたような気がしたけどノイズ混じりで聞き取れなかった
そうして連れてこられて早一時間。でこぼことした山道を走り、とある工場へ着いて――――
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52 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 22:49:24 ID:.OdM98ko0
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( ^ν^)
目が覚めた。ついうたた寝してしまったのだろう。仕事柄寝不足になってしまうのは仕方がない事だろうと考えてしまうが、自分らしくないと思わずため息をついた
早く仕事に戻らなければ
( ^ν^)「……つってもたーだモニター見るだけだしなぁ」
頬杖をつきながら画面を見る男――入速は警備員だ。好きでこの仕事をやっているのではなく、ただ単にお偉方に気に入られただけ。人と違う箇所を上げればクローン人間だという所であろう
そんな成り行きで2年以上勤務している訳だがよく続けられると思った。まぁ、やめてやってもいいがその時は豚の餌 それだけはごめんだ。
( ^ν^)(ていうかなんで気に入られたんだ俺)
( ^ν^)(もっと適した人間なんか沢山居るだろうに)
( ^ν^)(う〜〜〜ん……)
( ^ν^)「めんどくせっ」
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53 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 22:51:13 ID:.OdM98ko0
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( ^ν^)(しかしあの夢……)
数分前まで見てた夢の内容を思い出す。同じ顔した少年少女達が連れてかれ、自分もその中に混じっていた夢だ。
普通に考えたら奇妙な夢だろう。
だが、クローンの人口が半数を占めている現在では珍しくもない。むしろほぼ毎日のように見る光景だ
今やクローン人間は家畜や奴隷と同じ扱い。手伝いとして買っていく者も居れば性欲を満たす為に買っていく者も居る
殺そうが食べようが放置しようが関係ない。何故なら簡単に増やせるが故に人権が存在しないのだ
そうして先程見た夢と今まで連れて行かれたクローン達を思い出しながら肩を震わせた
:( ν ):
傍から見たら悲しい現実や連れて行かれた仲間達を悔やんでいるように見えるだろう。
だがこの男
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54 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 22:52:44 ID:.OdM98ko0
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(*^ν^)「さいっっっこ――にメシウマだなぁオイ!!」
かなり楽しんでいる様子だった
(*^ν^)「劣等コピーめ!!今頃は変態共のおもちゃか物好きの食卓の上に並んでるって事か!!」
(*^ν^)「この俺が、そう安々と売られる訳ないだろ!?」
(*^ν^)「むしろ仕事を与えてもらっている!ここの!クローン生産所で!この俺が!」
(*^ν^)「ざまぁみやがれカス共!!恨むなら自分の不甲斐なさを恨むんだな!!」
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55 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 22:53:41 ID:.OdM98ko0
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誰も居ない警備室で腹を抱えながら笑う。楽しくて仕方がないのだ。自分の様なクズが生き残り、純粋無垢なクローン達は世の中の汚い部分を見せ付けられる
最高にクソみたいな世界だな、鼻で笑いながら真っ白な天井を見上げた。蛍光灯の光がじくじくと目に突き刺ささって痛い。
薄暗い部屋を好む入速にとってはやはり慣れないものだった。
( ^ν^)(目、痛い。何考えてるんだ)
( ^ν^)「………」
( ^ν^)スゥー
数秒間を置いて、最後の締めにと思いっきり息を吸い込み
( ^ν^)「生きてるって最高!!!!!!!」
皮肉たっぷりな台詞を吐き出すかのように叫んだ。
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56 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 22:54:28 ID:.OdM98ko0
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……さて、余談だがこの警備室、大雑把な性格の入速によりドアが半開き状態なのだ。おまけに声が響き渡る廊下。これらを合わせたら一体何が起こるのだろうか
(#^ω^)「コラー!!うるさいおー!!」バァン
( ^ν^)「やべっ聞こえてた」
言わずもがなである。
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57 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 22:55:58 ID:.OdM98ko0
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(#^ω^)「全く声のボリュームを考えろお!さっきからゲラゲラうるさいうえに更に声のボリュームをデカくするんじゃないお!」
( ^ν^)「今はお前がうるさい」
(#^ω^)「ムキー!!誰のせいだと思ってるんだお!!さっきからヘソで茶を沸かしそうな勢いで!!何がそんな面白いんだお!!」
( ^ν^)「さぁ?」
(#^ω^)「舐めてんのかお」
( ^ν^)「内藤塩分濃そうだから嫌だ……」
(#^ω^)「ムキャ――――ッ!!!」
( ^ν^)(猿か)
声を荒らげながら入速に掴みかかる男、内藤もクローン人間だ。同じクローンでも入速との性格は真反対で穏やかで基本的には人懐っこい性格。
その性格が幸いしたのか、この施設の研究員として働いている
胸元のナンバープレートには「No.710」
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58 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 22:56:34 ID:.OdM98ko0
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(#^ω^)「ふぅ……ふぅ……ニュッくんに怒るのはここまでにするお」
( ^ν^)「そんなキレやすいと早死にすっぞ」
( ^ω^)「誰のせいだと」
こほん、と咳払いをし真剣な目つきで内藤は口を開いた
( ^ω^)「今日、生まれてくるはずのクローンが一人死んだのは聞いたおね?」
( ^ν^)「聞いたぜ。たまーにある事だな」
( ^ω^)「おっお。だけどねそのクローンが息を吹き返したんだお」
( ^ν^)
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59 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 22:57:12 ID:.OdM98ko0
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( ^ν^)「マジで?」
( ^ω^)「マジで。」
唖然とした。そりゃ誰もが死んだと思った生物が突然生き返ったらびっくりするが桁が違う。むしろ違いすぎて逆に信じられないのだ
( ^ν^)「う、嘘だろお前……ゾンビじゃあるまいし」
( ^ω^)「そりゃ最初僕だって信じられなかったお……普通に掃除屋呼んじゃったし……」
( ^ν^)「呼んじゃったか……」
( ^ω^)「おーん……」
( ^ω^)^ν^)"ヒョコ
「ていうかその一回死んだクローン後ろに居るし」
( ^ν^)「わーお」
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60 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 22:58:07 ID:.OdM98ko0
-
( ^ν^)
内藤の後ろから出てきたクローンの顔は入速そのものだった。
人を見下す様なその目も、下唇を軽く吸う口元も、青白い肌も全く一緒だ
( ^ν^)「………」
もう何百人見てきたクローンだが鏡も置いてないのに自分の顔も体型もそっくりそのままの生き写しが目の前に居るのは気持ちが悪い。
早くどっか行ってほしいがそんな事を言ったらまた内藤が怒り出しそうなので言葉を飲み込みつつ雑談と言う名の新人いびりを始めることにした
( ^ν^)σ「めっちゃ不健康面……」
( ^"ν^)「お前よりかは健康的な顔してるわ死ね」
( ^ω^)(最初の一言が死ねって……)
( ^ν^)「は?」
残念な事に同じなのは顔だけではなく性格もそのままだった。
これは負けじと入速も次に反論する言葉を考える
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61 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 22:58:48 ID:.OdM98ko0
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( ^ν^)「大体お前死んでた癖に何生き返ってるんだよ。洋服まで来ちゃってぷ――wwww」
( ^ν^)「うるせぇな隣に居る豚まんに貸してもらったんだよ」
( ^ω^)「同じ顔で喧嘩すrおい待て今なんつった?」
( ^ν^)( ^ν^)「「豚まん」」
(#^ω^)「テメェら何揃いも揃ってハモってるんだお!!誰が豚まんじゃコラ!!せめて水餃子にしなさい!!そっちの方がヘルシーな感じあるし!!」
( ^ν^)「やだ……自分の事を水餃子ですって……」ヒソヒソ
(^ν^ )「自称ぽっちゃりのデブと似たような感じしません……?ありゃもうケバブと同然ですよ207さん……」ヒソヒソ
( ^ν^)「言えてるわ死体さん……ここで研究員やってるより屋台の丸焼き肉の方がお似合いじゃなくって?」
(#゚ω゚)「ぶっ殺されたいか不健康共おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
-
62 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 22:59:33 ID:.OdM98ko0
-
―――――
――――――――
(; ω )ゼェ……ゼェ……
(; ω )「本題はそうじゃなくて……生き返ったクローンの方だお……」
壁にもたれかかり、ぐったりとした様子で内藤は呟いた。ここまで来ると哀れに見えてくる
-
63 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:00:29 ID:.OdM98ko0
-
(;^ω^)「普通クローンは生まれたらすぐナンバープレートを作るおね」
( ^ν^)「アイツか」
(;^ω^)「そーそー。うちのお偉い変人さん。だけど今あの人寝てて……」
(;^ω^)「しかも叩いても起きない人だからここは上司でも同僚でも容赦ないニュッくんにどーんと」
( ^ω^)「あ、ちなみにニュッくんは本当に起きなかった時の最終兵器として使うから普通に起きた時は用済みだお」
( ^ν^)「ひでぇ言い草だし俺は必要なのか必要ないのか。まぁ手伝ってやらん事もないぞ」
( ^ω^)「ありがとうだおー。でも頭蓋骨陥没する勢いで殴っちゃ駄目だお」
( ^ν^)「ちょっとやそっとじゃ死ななそうだから平気だろ」
( ^ω^)「それもそうだおねー。それじゃあレッツゴーだおー」
( ^ν^)「へいへい」
やや強引に背中を押され、部屋を後にする3人。
警備室がもぬけの殻になるが入速にとってはどうでもよかった。どうせ他の警備員なんか大量に居る。
仕事は他の奴らに任せて今はあの変人を引っ叩きに行こう
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64 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:01:14 ID:.OdM98ko0
-
警備室を出て右左、壁も床も真っ白な廊下を歩く。
さっきまでぐったりした内藤は上機嫌で歌いながらぎこちないスキップをしながら進んで行った
( ^ω^)「ドナドナドォーナードーナー♪」
サビのフレーズが気に入ったのか、はたまたその部分しか知らないのか。壊れたレディオの様に繰り返しながら歌う
しかし残念な事に内藤は破滅的な音痴だ。おまけに今居る場所は廊下。どこぞのガキ大将のリサイタル並に音程の外れた歌声が響き渡って不愉快だ
( ^ω^)「おおおおーおーおーおー♪」
ついには謎のアレンジまで始まってしまった。「メシマズが作る創作料理かよ」と突っ込もうとしたが目的の場所に着いたので心の中で止めとく事にしよう。
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65 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:02:07 ID:.OdM98ko0
-
( ^ω^)o" コンコンコン
『医務室』と書かれたプレートのドアを三回ノックする。部屋に入る時は必ず三回ノックしろと教えられた。そんな細かい事決定づけなくていいのに、
二回ノックするのはトイレだとか、ドアは両手で閉めろだとか、お偉方は色々とうるさい。まぁ覚えていて損はないが
シーン
( ^ω^)
予測はしていたが返事は無し。やはりまだ寝てるのだろうか。ふむ、と内藤は手で口を抑え別の方法を考えついた
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66 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:03:29 ID:.OdM98ko0
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( ^ω^)(………起きる可能性は低いけど、アレを試してみる価値はあるおね)
( ^ω^)(久々の『嫌いな奴の悪口ラッシュ』!)
『嫌いな奴の悪口ラッシュ』は昔クローン内で流行った遊びだ。気に入らない上司や職員の悪口をひたすら機関銃の様に吐き出すだけ。定期的に競い合ったりする事も少なくもない。
相手に聞こえるか聞こえないぐらいの声の大きさで言ったり、わざと本人の前で言って施設内を使った鬼ごっこに発展したりとなかなかスリルがある遊び……だが、
冗談が通じる相手を選ばないと洒落にならないので、今ではあまりやるクローンが居ない。
そんな内藤は『嫌いな奴の悪口ラッシュ』の優勝候補(一位は入速)。寝ている相手を怒らして起こすのもお茶の子さいさい。だが、今回は質が違う。
なにせ『どんな悪口を言っても怒らないしどんなに叩き起そうとしても起きない事に定評のある男』と評される相手だ。そう簡単には起きないだろう
( ^ω^)(腕が鳴るお)
以前から優勝候補として名をかけていた血が騒ぐ。ドアとの至近距離、竜の咆哮の様に内藤は叫んだ。
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67 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:04:10 ID:.OdM98ko0
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( ^ω^)「バカ!!アホ!!スカポンタン!!変態!!犯罪予備軍!!えーっと……サイコパス!歪んだ性癖!」
( ^ν^)・'.。゜ ブフォ
そ(^ν^;)(汚ぇ!!)
( ^ω^)「カス!ボロ雑巾!社会不適合者!生きる価値もないゴミ虫が!ありんこの方がまだ生きる価値あるお!」
( ^ω^)「お?反論無しかお?ビビって顔も出せねぇのかお弱虫?こんな家畜も同然なクローンに色々と言われてる人間様とか恥ずかしくねぇのか?あ?」
( ^ω^)「だったら部屋から出て一発でも殴ってみろよこの腐葉土」
(*^ν^)"ケラケラケラ
(^ν^;)(どこまで信頼されてないんだよここの上司……)
( ^ω^)「…………」
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68 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:05:09 ID:.OdM98ko0
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シーン
機関銃かの如く罵倒を叩き込んだが、返事無し。それどころか物音さえ無く
(;^ω^)「また負けたおおおおおおお!!!」
内藤は膝から崩れ落ち、悔しそうに床に叩いた。
(*;ν;)"ゲヒャヒャヒャヒャwwwwww
(^ν^;)(そこまで悔しいのか!?)
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69 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:05:42 ID:.OdM98ko0
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(;^ω^)「ぐうう……これで敗北10回目……」
( ^ν^)「まだまだだな、内藤」
(;^ω^)「やっぱ強敵だお……やっぱりここはニュッくんに任せるお……」
( ^ν^)b
(^ν^;)(なんでこんなくだらない事で10回も敗北してんだよ……理解出来ねぇよ……)
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70 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:06:25 ID:.OdM98ko0
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(;^ω^)「ぐうう……これで敗北10回目……」
( ^ν^)「まだまだだな、内藤」
(;^ω^)「やっぱ強敵だお……やっぱりここはニュッくんに任せるお……」
( ^ν^)b
(^ν^;)(なんでこんなくだらない事で10回も敗北してんだよ……理解出来ねぇよ……)
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71 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:07:48 ID:.OdM98ko0
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(;^ω^)つ「もう勝手に入るお……おじゃまんぼだお」ガチャ
ドアを開けるとふわりと薬品の匂いが鼻を突く。この独特の匂いはなかなか慣れるものじゃない。
あまり長居はしたくないものだ
(((( ^ν^)「杏仁豆腐食いてぇ」スタスタ
そんなのはお構いなしかのように入速は部屋の中に入っていく。怖いもの知らずというか、何というか
(((( ^ω^)
入速の後に付いていくように内藤も部屋の中に入る。しかし、一人足りないような感覚がして後ろを振り向くと
│ ^ν^)「…………」
(;^ω^)
もう一人の入速(以下名無し)は警戒するように顔を覗き込んだ。なかなか警戒心が強い
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72 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:08:52 ID:.OdM98ko0
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(;^ω^)「おー……大丈夫だお死体さんー別に危険な場所ではないから」
( ^"ν^)「その名称は固定かよ」
( ^ω^)「ごめんだお。でもすんなり出てきてくれたおね。ニュッくんより素直だお」
(^"ν^ )チッ
舌打ちをしてそっぽを向く名無し。やはり同じクローンでも少々個体差が居るようだ。
対する入速は思いっきり内藤を睨みつける。視線がなかなかキツイが割と慣れてきてるのでスルーして机の上で涎の海を作っている男に近づいた
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73 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:11:02 ID:.OdM98ko0
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(;^ω^)「あーあーきちゃねぇお」
( -∀-)zzz
(;^ω^)ノシ
試しに顔の前で手を振ってみる。そんな事はお構いなしとスヤスヤと眠り続ける男。
寝ているので分かりにくいがやや童顔気味の整った顔立ちをしていて少々腹立たしいと思いつつもまじまじと見つめた。
( ^ω^)
クローンである内藤にとってはなかなか珍しいと思うものだ。自分以外の顔、似たような顔ではなく、完全に別人の顔を見る事はあまりない。
昔はそうだったのだろう。だけど皆違う顔と言うのも不気味に思えてしまうのはこの時代に生まれたからか
( ^ω^)(皆顔が違うっていうのがよく分からんお)
いまいち信じられなかった。
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74 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:12:03 ID:.OdM98ko0
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( ^ν^)「見事にぐっすりだな」
いつの間にか隣に居た入速の声で我に返る。
(;^ω^)「あ、うん。そうだおね。疲れてるのかもしれないけど見事な爆睡っぷりだお……」
( ^ν^)「まぁここは俺に任せろ」
そう言って不敵な笑みを浮かべる入速。何処からか取り出した拡声器を手に持ち
( ^ν^)「耳塞いでろよお前ら」
(;∩^ω^)∩「なんでそんな物持ち歩いてるんだお!」
(∩^ν^)∩
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75 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:12:50 ID:.OdM98ko0
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( ^ν^)<あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"Σ(・∀・;)あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!
寝ている男の耳元で思いっきり叫んだ。
(;∩^ω^)∩(い、いくら起きないとはいえ耳元で拡声器は拷問だお……)
(∩^"ν^)∩(うるせっ)
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76 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:13:53 ID:.OdM98ko0
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(;・∀・)そ「うおおおおおおおなんじゃあああああああい!!?」
流石にここまですれば起きた。
突然の事に軽くパニックになってる上司を見て鼻で笑いつつ挨拶だけはしようと思った
( ^ν^)「あー……」
(;・∀・)「何!?何なの!?高校野球!?」ガンッ
(;・∀・)「いでっ!肘ぶつけた!」
(;・∀・)「ああああああ腕がビリビリする!!」
( ^ν^)(一人で楽しそうだな)
……が、あっちはテンションが高い。
それはそれで滑稽な姿だが話が進まないので軽く小突いた後にもう一度声を掛ける
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77 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:14:58 ID:.OdM98ko0
-
( ^ν^)「とりあえずおはよう」
(;・∀・)「あ、うん!おはよう!!耳が痛いんだけど!!」
( ^ν^)「そっか」
(;・∀・)「軽いなチクショウ!!」
耳元を軽く撫でながら涙目で騒ぐ男、モララーは入速の足を踏みつけながら目を凝らす。それでも見えなかったのか更に近づいた。
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78 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:16:12 ID:.OdM98ko0
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( ・∀・)「……今頃だけど誰?」
( ^ν^)「No.207」
( ・∀・)「あっニュッくんか」
( ^ω^)「よく分かるおね……」
( ・∀・)「その声はブーン?ブーンも居るんだね」
( ^ν^)「なんで俺は分かんねぇんだよぶっ飛ばすぞ」
(;・∀・)「ごめんて」
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79 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:16:58 ID:.OdM98ko0
-
( ・∀・)「もー……今日コンタクトじゃないからよく見えないんだよ……それでなんか用?」
( ^ν^)「……いや、お前には用はない」
(;・∀・)そ「散々人を叩き起して用無しとか酷くない!?ねぇ!?」
( ^ν^)「今俺が用があるのは……」
そう言って卓上にある眼鏡を手に取ると――
「こっちの方」( ^ν^)三つ) ∀ ;)そ「もぎゃん!」
思いっきりモララーの顔面に叩きつけた。
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80 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:18:14 ID:.OdM98ko0
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( ^ν^)「ふん」
(;^ω^)「ちょ、ま!そんな事したら眼鏡がぶっ壊れるお!」
( ^ν^)「知るかボケ。それにお前、あっちは苦手だって言ってただろ」
(;^ω^)「そ、そうだけど……今は関係ないお……」
(;-@∀@)"「あーもう……寝起き早々なんやねんホンマ……」
( ^ν^)「やっとお出ましか。今度こそちゃんと見えるよな?」
(-@∀@)「視界いっぱいにへちゃむくれの顔が見えますわ」
( ^ν^)
(;^ω^)「きゃあああ!!耐えるんだおニュッくん!!殴りかかろうとしちゃ駄目だお!!」
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81 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:18:56 ID:.OdM98ko0
-
( ^ν^)"
(;^ω^)-3 ホッ
( ^ν^)ノ「せんせーさっき内藤君が先生の悪口言ってましたー腐葉土とか言ってましたー」
(;^ω^)「ちょ、今そのタイミングで言うのかお!!」
(-@∀@)「ええやん腐葉土。お芋さんとかお花さんとか家庭菜園する時に必要やし、土にいい影響を与えてくれる」
(-@∀@)「優秀な人材育て上げる僕にピッタリな言葉だと思わへん?」
(;^ω^)「ムッキャああああああ!!ポジティブ関西人があああああ!!」
( ^ν^)「それ逆に褒めてねぇ?」
(^ν^ )イジイジケッケ
Σ(^ω^;)「ああっ!散々会話に入れない挙句のけ者にされた死体さんがいじけてるお!おいでおいでだお!」
(-@∀@)「自分らホンマおもろいな」
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82 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:20:10 ID:.OdM98ko0
-
―――――
――――――――
名無しが生き返って医務室に行くまで早一時間、ようやく本題に入る事が出来た。
いつもなら数十分で終わるこの流れもどっかの誰かさんが寝てたせいで無駄な時間を食ってしまったが、自分達も言える立場ではないし
またここで時間を食っても勿体無い。
内藤は一連の流れを説明した。
( ^ω^)「――……って事で、僕の隣に居る彼がそうだお」
(-@∀@)「一回死んだクローンがまた生き返ったねぇ……」
キャスター付きの椅子を座りながら回し、説明を聞く上司。心なしかつまらなそうだ。一度引っぱたいてやりたい
( ^ω^)「そうだお。他の警備員曰く死体安置所から物音……何かを叩く音が聞こえたらしくて開けたらまぁ、さっき言った通りだお」
(-@∀@)「ふーん……」
(;^ω^)「お?」
やけに反応が薄い。一度死んだクローンが数時間後には息を吹き返したと言うのに驚きはしないのだろうか
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83 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:21:17 ID:.OdM98ko0
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(-@∀@)「あんなぁ、確かに一回死んだクローンが生き返るっちゅーのは珍しい事やけど過去に何回かあったんやで?」
( ^ω^)「そうなのかお……?」
(-@∀@)「せや。クローンに限らず生き返る人間が稀に居るらしいで。どっかの国のばーちゃんもそんな例あったな」
(;^ω^)「うえー……報告して損したおー……」
( ^ν^)「ぐえっ」
がっくり、隣に居る名無しに項垂れながら唇を尖らせる。世紀の大発見を期待してた内藤には聞きたくない言葉だった
(-@∀@)「まぁそない落ち込むな。飴ちゃんやるで飴ちゃん」
( ´ω`)「おーん……」
そう言って白衣のポケットから飴を取り出し内藤の手に握らせる。
受け取った飴の包装を破り口の中へ。イチゴ味。甘ったるいのは嫌いじゃない。むしろ好きな方だ
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84 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:22:15 ID:.OdM98ko0
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噛み砕かない程度に飴を齧りながら内藤は呟いた
( ^ω^)「やっぱ嫌いにはなれないお……」ボソッ
言葉こそはキツイが定期的に飴をくれたり飴をくれたり飴をくれたりするので悪い人ではないと思う。
ただハッキリと言うだけであって根はいい人だと信じたい。じゃないとただ単に餌付けされて機嫌を取らされてると考えてしまうので
……決して餌付けじゃない、決してチョロイ奴ではない。
内藤が飴を舐め終わる頃には作業が終わったのか、名無しにナンバープレートを手渡した。
(-@∀@)ノ「さ、内藤が飴ちゃん一粒で機嫌直してる間にへちゃむくれ二号のナンバープレート用意したで」ポーイ
(;^ν^)「うわっ」
( ^ω^)(前言撤回)
正確に言えば適当に投げたのだが。
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85 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:23:05 ID:.OdM98ko0
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( ^ν^)ツケツケ
渡されたナンバープレートを右胸に付ける。やや斜めに曲がってしまったがそんな細かい事は気にしない
隣に居る内藤がそわそわとこちらを見てくるが正直言って鬱陶しい。
無事付け終わった後、次は何をするのか話そうとしたがあちらから話しかけてくれた
(-@∀@)「どこか具合悪いとか怪我したとか無い?」
( ^ν^)「今の所はない」
(-@∀@)「そう。クローンは一応商品やからな。売り物に病気やらあったら困るんですわ」
(-@∀@)「何か怪我したりしたら報告しなはれ」
( ^ν^)
"商品"と来たか。初めて会った警備員に聞いたがやはり下級生物と同じくくりにされているのであろう。
まぁ一応怪我をしたり軽い病気にかかったりしても多少は直してくれるらしいのでまだマシだ
(-@∀@)「あ、ちなみに感染症とかだったら即刻処分になるから。そこ覚えてえな」
( ^ν^)(全然マシじゃなかった)
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86 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:23:58 ID:.OdM98ko0
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(-@∀@)「さて……もう要件は済んだはずや。さっさと出てけ」
(;^ω^)「言われなくても出ていきますおーだ」
べーっと子供みたいに反論する内藤。
彼がまだ幼子だったら可愛げがあったかもしれないが見た目20そこそこの男がやっても可愛さのひとかけらもない。
冷め切った目でやり取りを見ているとふと、言いかけた言葉が一つ。
そういえばさっきと性格が違うような気がする。
……いや、性格どころじゃない、口調そのものが違うのだ。
何故こんなにも違いが分かりやすいのにこの誰も口に出さないのだろうか。それともあえて言わないようにしているのか
名無しは思い切って聞いてみる事にした。
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87 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:26:02 ID:.OdM98ko0
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( ^ν^)「質問があるんだけど」
( ^ω^)「お?なんだお?ニュッくんがドアの前でオブジェみたいになってるからなるべく早くするお」
( ^ν^)「それはどうでもいい」
( ^ω^)(どうでもいいって)
( ^ν^)「さっきからずっと言いたかったんだが……アンタさっきとキャラが全く違うわねぇか?」
(-@∀@)
(-@∀@)「……自分が何言っとるのかさっぱり分かりまへんが」
怪訝そうな顔をされた。自覚がないのだろうか知らないが、こっちのセリフだと反論したくなる
( ^ω^)「あー……」
対する内藤はボリボリと頬を掻く。素振りからして事情を知ってるように見えた
( ^ω^)「死体さんが言いたいのこの事だおね?」パッ
そう言って内藤は眼鏡を取り上げると――
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88 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:26:52 ID:.OdM98ko0
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( ・∀・)「やあ!!」
素顔と同時に先程とは明らかに違うテンションに変わっていた。
さっきの気だるそうな雰囲気、眼鏡を外したせいか多少目付きは悪くなっているが嫌味ったらしい目つきは何処に
(;^ν^)
本当に何者だ、この男。
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89 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:28:40 ID:.OdM98ko0
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( ・∀・)「さっきぶりだね、新しいクローン君!」
( ・∀・)「驚くのは無理もないさ!!だって俺とキミは初めて会うからね!!よろしく!!」
(;^ν^)「よ、よろしく」
(^ν^;)「お、おい……これは一体どういう事なんだ?」
( ^ω^)「簡潔に言うとだおね」
( ^ω^)「アサピーもといモララーは多重人格なんだお」
( ^ν^)「たじゅうじんかく」
( ^ω^)「っつっても分からんおね。スイッチのON・OFFみたいに人格が入れ替わるんだお」
( ^ν^)「つまり発動条件が眼鏡という訳か?」
( ^ω^)「そうだお」
(;^ν^)「えぇ……」
( ・∀・)「そうさ!今の俺はモララーなんだからな!」
( ^ω^)三つ「うんそうだおねーじゃあもう今回の出番はないお」ドスッ
(; ∀ )・'.。゜「クレラップッ!!」
(;^ν^)「えええええええ!!?」
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90 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:29:26 ID:.OdM98ko0
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(-@∀@)「……なんか顔痛いんやけど」
( ^ω^)「気のせいじゃないかおー」
(;^ν^)
内藤が顔面に眼鏡を叩き込んで数分、やかましいぐらいに騒いでいたのが大人しく、いや、気だるい雰囲気へと様変わりした。
モララーからアサピーに戻ったのだ。
(-@∀@)「て言うかさっきはよ出てけ言ったハズやけど」
( ^ω^)「もう流石に出て行くお」
(^ω^ )「てな訳でニュッくんも警備室に……」
シーン
(^ω^;)「いねええええええ!!!」
(-@∀@)「へちゃむくれならさっき出てったで」
(;^ω^)「せ、せめてなんか言ってほしいけど……まぁいいお」ガラッ
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91 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:31:45 ID:.OdM98ko0
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( ^ω^)「失礼しましたお」
部屋を出て一言
ぱたむ、ドアを閉める。
( ^ω^)ハァ-
なんだかいつもより疲れた様な気がしてならないが、まだまだ仕事が残っている。頑張らねば
先の長い廊下を歩きながら自分に言い聞かせてると不意に名無し……ではなく44が話しかけてきた。
( ^ν^)「なぁ、この後俺はどうなるんだ?」
( ^ω^)「さあ?」
(;^ν^)「さあって……」
( ^ω^)「だってそんなもんは運次第で変わるお。ここで働くか、別の場所で働くか、家族の一員として向かわれるのか、変態のおもちゃか」
( ^ω^)「自分達で決められたら苦労はしないおー」
( ^ν^)「……そうか」
( ^ω^)「少なくとも食肉にはならないと思うからそこは安心していいお!」
(;^ν^)「なんだそれ」
( ^ω^)「食肉クローンはまた別の棟だお」
( ^ω^)「ついでにクローンについても説明するお。……実物見た方が早いと思うけど、ね」
そう言って内藤は歩いていた足を止める。エレベーターだ
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92 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:33:46 ID:.OdM98ko0
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( ^ν^)「まさか解体作業を間近で見せる訳じゃねぇよな」
( ^ω^)「解体作業は食肉センターだお。別にそっちを見せる訳じゃないお」
( ^ν^)「じゃあ何を……」
( ^ω^)「僕達のお母さんに会いにいくお」
(;^ν^)「それって」
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93 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:34:50 ID:.OdM98ko0
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ポーン
No.44が言いかけると同時にエレベーターのドアが開く。どうやら先客が居たらしくエレベーターの中から一人の男が出てきた。
(,,^Д^)
明るめの青いキャップ、同色の作業着、手にはゴム手袋。
やや大きめなポリバケツの中身は雑巾やら霧吹きやらスポンジやらが雑に詰め込まれている。
( ^ω^)「………」
掃除屋だ。不覚にも呼んだのをすっかり忘れてしまった。
多分ここに来たばかりなのだろう。男、宝田は苦笑いをしながら内藤に話しかけた
(,;^Д^)「あのー……お電話受けて来たんですけど……」
(;^ω^)「あ、ごめんなさいお……つい手違いで呼んじゃって……」
(,;^Д^)「あらら。そうなんですか……クローン生産所だからてっきり死体安置所の掃除かと……」
(;^ω^)人「ほんっとに申し訳ないです!宝田さん!」パンッ
(,;^Д^)「いえいえ!こちらも一人じゃ死体処理は難しいしぶっちゃけあまり……」
(;^ω^)「ですおね!ハウスクリーニングの仕事が主な仕事内容ですし!」
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94 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:35:52 ID:.OdM98ko0
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(,;^Д^)そ「ハッ!ついお客さんの前で弱音を……」
(;^ω^)「いやいやいや!それが本来の反応ですお!」
(,;^Д^)「いやいやいやいや!路地裏や人気のない場所に転がってるクローンの死体を片付けるのが我々の仕事ですしもっと小森君を見習わければ……」
(;^ω^)「いやいやいやいやいや!宝田さんにはそのままで居てほしいですお!!」
( ^ν^)「お前ら謝罪合戦みたいなのしてるけどエレベーター閉まったぞ」
(,;^Д^)そ「ハッ!僕はなんて事を!すいませんすいません!お急ぎの用事だったのに引き止めて!」
(;^ω^)「気にしないでくださいお!電車乗り過ごした訳じゃないので!」
(,;^Д^)「でもすいません!僕はここでドロンします!それじゃあ!」
(;^ω^)「こっちも手違いで呼んでごめんなさいお!」
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95 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:36:47 ID:.OdM98ko0
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掃除屋の宝田とひたすら長ったらしい謝罪合戦を済ますと内藤達はエレベーターに乗り込んだ。
B1のボタンを押し、「閉」のボタンを押してドアを閉める。
未だにこの閉鎖感と体がふわりと落ちていきそうな感覚は慣れない。
停電なんかになったらきっと発狂してしまうだろう。
そんな不安な事を考えていたらいつに間にか目的の場所へ着いた。今日も無事だ
エレベーターのドアが開くと同時にひんやりとした空気が流れ込んだ。
上の階とは対照的に薄暗い廊下が広がる。鉄板の床を踏むとかつん、かつんと足音がこだまする。
( ^ω^)「はふぅ……いつでもここに行くのは緊張するお。あ、そのまま真っ直ぐ」
さっきの慌てぶりは一体なんだったのか、内藤は落ち着いた素振りで呟いた。
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96 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:37:24 ID:.OdM98ko0
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( ^ν^)
進んだ行き止まりだ。いや、正確に言えば重たいドアが立っていた。
とてつもなく嫌な雰囲気がする。見てはいけない、知ってはいけない、そんな言葉が頭の中でぐるぐる回って気持ち悪い。
でも知らなければならない、そんな気がして。
( ^ω^)「ぴっぴっぴーっと」
そんなのはお構いなしと壁に取り付けてあるロックを解除し、ドアを開けた。
( ^ω^)「……さ、ここだお」
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97 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:39:13 ID:.OdM98ko0
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着いた先は巨大な地下シェルターだった。
先程歩いた廊下とは対照的にほんのりと明るい。
だが、シェルター全体を明るくしているのは照明ではなく何十、何百と取り付けられたカプセルからだった。
( ^ω^)「僕達はあの中から生まれたんだおー」
内藤がY型のカプセルを指差す。
【(*- -)。゚】【(*- -)。゚】【(*- -)。゚】
その指先の向こうには同じ顔した少女が複数並んでいた。
カプセルの下に取り付けられたタイマーの様な機械には"残り三日"と記された文字
( ^ω^)「あ、あの子達は後三日で生まれるって事だお」
( ^ω^)「ちなみに年齢調節も出来るから便利だおねー」
(;^ν^)
( ^ω^)「大丈夫?顔色悪いお?」
(;^ν^)「お、おう」
( ´ω`)「やっぱ気味が悪いと思うおね……でもこれも大事な事だから……」
( ´ω`)「後このカプセル、妙な形だと思わんかお?」
( ^ν^)「妙……って言われても分かんねぇな」
( ^ω^)「だおね。僕も最初分からなかったけどこのカプセル」
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98 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:39:47 ID:.OdM98ko0
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( ^ω^)「子宮をイメージして作ってるんだって」
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99 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:41:23 ID:.OdM98ko0
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(;^ω^)「……とか言っても分かんないおね。ごめんお。分からない事ばっかの話で」
( ^ω^)「人間……人間限定じゃないけど哺乳類って普通はお母さんのお腹の中で育つんだお」
( ^ω^)「だけど僕達クローン人間なんか母親なんて個体存在しないしお腹の中で育たないお」
( ^ω^)「だからね、せめてのも情けって言うのかな?形だけでも普通の人間みたいな育て方」
( ^ω^)「でもぶっちゃけ悪趣味にも程があるお」
(;^ω^)「あ、補足するけど世界中のカプセルがこんな形だから別にウチだけこんなんなじゃないお。一応フォローね」
( ^ω^)「まぁ、僕達からすればお母さんだお!生みの親だお!」
(; ν )
(;^ω^)「……やっぱちょっと刺激が強すぎたかお?」
(; ν )「戻りたい……」
(;´ω`)「あちゃぱー……まだ早かったかお……無理矢理連れてきた僕が悪いお。じゃあ戻ろっか」
(; ν )"コクコク
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100 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:41:56 ID:.OdM98ko0
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(((( ^ω^)テクテク
((((; ν )テクテク
(;^ν )"チラッ
【( -ω-)。゚】【( -ν-)。゚】
(;^ν )(見たくない……)
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101 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:42:20 ID:.OdM98ko0
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―――――
――――――――
( ^ω^)「ここが僕達の部屋だお」
あの悪趣味な地下シェルターを見せつけられ数十分。内藤は自室に案内した。
(;^ν^)「………」
まさに男部屋というか、なかなか散らかった部屋だった。いっそのことさっき来た掃除屋に清掃させるべきだと思った。
おまけにあまり気分が優れない
(;^ω^)「本当はもうちょっと他の場所案内したかったけど具合悪いおね……」
(;^ν^)「ああ……ていうか勝手にこの部屋使っていいのか?」
( ^ω^)「うん。ちょうど一人枠が空いてるし、死体さんと仲良くなりたいんだお」
(;^ν^)(仲良くしたい相手にあんな場所連れてくるか普通)
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102 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/05/08(日) 23:43:03 ID:.OdM98ko0
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(;^ω^)「じゃあ、僕はまた仕事に戻るお。テレビ見たり漫画見たり自由にしてていいから」
( ^ν^)「おう……なんか色々すまねぇな」
(;^ω^)「謝る必要はないお。じゃあ」
( ^ω^)「楽しい毎日を」
ぱたん
第一話 おしまい