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111 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/22(月) 23:55:13 ID:ZSm4mMU.0
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カタン キー……
(((*゚∀゚)"ヌキアシサシアシ
( ´ー`)zzz
(*゚∀゚)(ターゲット発見)
( ´ー`)zzz
(*゚∀゚)(……寝てんのか起きてんのかわかんねー顔してんなー)
"(゚∀゚*)「………」
(*゚∀゚)(よーし)
=o==∩=
(*゚∀゚)「発射!」
「つめてええええええええええ!!」
( ´ー`)クローンの蔓延るこの世界で、のようです
第二話
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112 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/22(月) 23:56:26 ID:ZSm4mMU.0
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( ´ー`)
白井は怒っていた。何故なら自身に水をぶっかけた挙句に自室までずぶ濡れにされたからだ。
最初こそは困惑したが、目の前に引き笑いをしたつーが居たこと、手元にホースを持っていたことで確信した。
『あ、犯人コイツだ』
毎度毎度やられる度に子供の悪戯だと許していたが流石に今日は堪忍袋の尾が切れた。
懲りない悪ガキに大人の威厳と言うやつを見せてやろう。
( ´ー`)「つーさん?」
まず手始めとしていつもより高めの声で悪ガキの名前を呼ぶ。ついでに笑顔も追加だ。にこにこ
(;*゚∀゚))))
するとどうだろう、いつもは反論してくるクソガキが青ざめた顔で後ずさりをする。
これで本気で怒ってることを証明してみせるのだ。ついでに後ろは壁だ、バカめ
(;*゚∀゚)「あっ!」
とうとう後ろに追いやられたクソガキは絶望と言わんばかりの声を上げる。
少女を壁際に追い込む大人と言う図はなかなか犯罪臭がするものだが少女がクローンの限りこの世界にそんな道理は存在しない
さあ、これにてラストスパートと言わんばかりの悪い笑みを浮かべる
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113 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/22(月) 23:57:09 ID:ZSm4mMU.0
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( ´ー`)「嬢ちゃん、なんで俺はこんなびしょ濡れなんだヨ?」
(;*゚∀゚)「ね、寝汗じゃないかなー……」
( ´ー`)「人と話す時は目線合わせなきゃダメだって親に教えられたよな?」
(;*゚∀゚)「親居ねーし大体白井が親代わりだろ……」
( ´ー`)
( ´ー`)「正直にごめんなさいと言ったら許してやろう」
(;*゚∀゚)「あー!話逸らしたな!大人ってズリー!」
(#´ー`)「黙らっしゃい!!寝てる人に向かって水ぶっかけるか普通!?しかもホース潰して威力上がってるし!」
(;*゚∀゚)「目が冴えて暇だったんだよ!テレビはカラーバー、しぃは寝てる!じゃあ白井を起こそう!」
(#´ー`)「だーかーらーふっつーに起こせっつてんだヨおおおおおおおおおお!!」
(;*゚∀゚)「起こしても怒るクセにいいいいいいいいいいいいいいい!!」
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114 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/22(月) 23:57:54 ID:ZSm4mMU.0
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(#´ー`)「今日という今日は……」
( ´ー`)「許さ……」
( ´ー`)「待てよ」
(*゚∀゚)「ぬん?」
怒りが徐々に落ちていき、一つ疑問点が上がった。
この家に住んでいるもう一人の少女、しぃが寝ているのならば誰が蛇口を捻ったのだろうか。
いや、つーが蛇口を捻ってまた戻ってきたと言う可能性もあるが起きた時には水は止まっていたのでその可能性は低いだろう。
名探偵ばりの名推理だと思い込み、すっかり悦に浸った白井は床に座り込んだつーに問いかけた。
( ´ー`)「つーさん、もう一つ俺に隠し事してない?」
(;*゚∀゚)ギクゥ
問いただすと図星と言わんばかりにつーの体が跳ね、目線を天井に向けた。
(;*゚∀゚)「い、いや何も〜!それよりつーちゃんお腹が空いたなー」
そう答えると部屋から逃げるが如くそそくさと歩いて行く。それを逃がさんばかりと白井はつーの肩をがっちりと掴んだ
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116 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/22(月) 23:59:44 ID:ZSm4mMU.0
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(;*゚∀゚)「ぎゃー!離せー!湿った手でつーちゃんの肩を掴むんじゃねー!」
(;´ー`)「なんかその言い方だと俺の手汗が凄いみたいな感じだろ!正直に言え!」
(;*゚∀゚)「実際に今ずぶ濡れじゃん!レモナ!レモナが来てんだよー!」
(;´ー`)「レモナ……?」
つーの口から飛び出た言葉は、以前友人が連れて来たクローンの名だった。
いくら今が夏とは言え午前五時。外はまだ薄暗くヒグラシの鳴き声が響き渡る。
そんな中来客、ましてやクローンが来るのはありえないことだ。
(;´ー`)「ま、まだ早朝だよな……」
(*゚∀゚)ソローリソローリ
(;´ー`)「あっ!コラ待て!」
(*゚∀゚)チッ
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117 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:00:38 ID:8QK7gMu20
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|゚ノ ^∀^)「おっはよーございまーす!!」バーン!!
二人のやり取りを遮断するかの様にドアが開き、少女の見た目をしたクローンが部屋へと入っていった。
(;*゚∀゚)「レモナー……」
|゚ノ ^∀^)「もう!ネタばらしが早すぎるよつーちゃん!」
(;*゚∀゚)「だって……」
両手に腰を当てながら膨れっ面で話す姿は誰もがあざといと思うだろう。だが残念な事に
( ´ー`)(男かー……男なのかー……)
れっきとした男である。未だに半信半疑な白井は二人のやり取りを聞き流しながらレモナに目を向けた。
白い肌、長いまつげ、細い腰、サラサラとした金髪。おまけに黒いTシャツとジーンズが艶かしい細さを強調させる
そこら辺の路地裏にほっぽり出したらすぐさま変態が群がるでろう容姿だと白井は考えた。
……だがレモナを見つめる視線こそ変態そのものであった。その横でつーが冷ややかな目線を送るが気づかない。
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118 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:01:22 ID:8QK7gMu20
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いい加減横のスケベにしびれを切らしたつーは本人に文句を言うことにした。
(*゚∀゚)「……白井、目線がいやらしい」
( ´ー`)「いやまぁ、スケベな体つきしてんなーって」
_,
(*゚∀゚)
が、あまりにも直球すぎる答えに眉をしかめるつー。
なんでこんな大人が親代わりをしているのだろうと考えるだけで諦めてしまう。これで何度目だろうとため息を吐いた。
(*゚∀゚)(ぜってーレモナもドン引きしてっだろコレ……空気読めよなー)
同情を求め、目の前に居るレモナに視線を移したが
|゚ノ*^∀^)「きゃー!えっちー!」キャッキャ
(;*゚∀゚)(どえええええええええい!?)
まんざらでもなかった。
|゚ノ ^∀^)「僕はそんな安いクローンじゃないよ?仮に僕の所有権はモナーくんだしぃー」
( ´ー`)「そこを頼む!金ならいくらでもはずむヨ!」
|゚ノ ^∀^)「どうしよっかなー」
(;*゚∀゚)「朝からなんちゅう話してんじゃこの変態共おおおおおおおお」
――
―――――
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119 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:02:06 ID:8QK7gMu20
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( ´ー`)「すまんすまんちょっと遊びすぎたヨ」
|゚ノ ^∀^)「つーちゃんにはまだ早すぎたかなー?」
(;*-∀-)(ムカつく)
暴走する二人を抑え口をへの字に曲げるつー。
さっきまで怒られている対象だったのにすっかり立場が逆転しまった。全く腹ただしい。
(*゚∀゚)「あーチクショウ!怒ったら腹減ったぜ!」
|゚ノ ^∀^)「そろそろ朝ごはんの時間だもんね。僕も食べてってもいい?」
(*゚∀゚)「つーちゃんは全然構わないぜ!食卓がさらに盛り上がるしな!」
( ´ー`)「……飯の前に二人で水浸しになった部屋を綺麗にしとけヨ」
(*゚∀゚)「流石に乾いてるだろ」
( ´ー`)「乾いてネーヨびちゃびちゃだよ。俺の服も生乾きだし、着替えてる間に片付けとけ」
(*゚∀゚)「雑巾はー?」
( ´ー`)「あー……俺の服でいいヨ」ヌギヌギポーイ
(;*゚∀゚)「ここで脱ぐんじゃねぇ!」
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120 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:02:49 ID:8QK7gMu20
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ぱたん、とドアが閉まる。それと同時に一瞬静寂が生まれた。
先程まで騒がしかった部屋が一気に静まると何か違和感を感じてしまう。ぐしゃぐしゃの衣類で床を拭こうとしたら隣から笑い声が聞こえた。
|゚ノ ^∀^)「ふふふ」
(*゚∀゚)「……何が面白いんだよー」
|゚ノ ^∀^)「いやね、仲いいなーって」
口元を押さえながらくすくすと笑うレモナ。
自身より女の子らしい仕草をするレモナにつーは何とも言えない気分だ。
(*゚∀゚)「レモナだって仲のいい家族居るだろ?」
|゚ノ ^∀^)「うん。僕とモナー君はとっても仲良しだけどあんな風な喧嘩はしないから面白くって」
(*゚∀゚)「そんな喧嘩憧れちゃダメだぜー。モナーは好印象を与えるけど白井に至ってはクソみたいな印象しか残らないからさ」
<キャー!!
(#゚∀゚)「……主に今みたいな状況が、な!」
部屋の奥から聞こえる少女の悲鳴と同時につーは立ち上がり、ドアを蹴っ飛ばし走り去っていく。
あまりの行動の速さにレモナは唖然としたが、すぐさまつーの後を追った。
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121 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:03:40 ID:8QK7gMu20
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(*;∩ー∩)「見てません!私は何も見てません!」
(;´ー`)「今回俺は悪くネーもん!俺悪くネーもん!」
(#゚∀゚)「るせぇ!しぃの涙は命よりも重いんだよ!」
|゚ノ;^∀^)
急いでレモナがリビングの様子を覗き込むと部屋の中は阿鼻叫喚。
顔を覆い座り込む少女、ひたすら無実を訴える男、少女を庇うように両手を広げるもう一人の少女。
|゚ノ;^∀^)
なんだこれは
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122 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:04:13 ID:8QK7gMu20
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三人の様子は置いといて、何も状況を把握出来ないレモナは近場に居た白井に話を聞くことにした。
|゚ノ ^∀^)「えーっと白井さん。ついに手を出しました?」
(;´ー`)そ「ついにって何!?何もしてないヨ!?」
(*;゚ー゚)「い、いえ!私が悪いんです!殿方の裸を見てつい……!」
|゚ノ ^∀^)「白井さん……」
(;´ー`)「違う!上着てなかっただけ!ズボンもパンツも履いてます!!」
(*゚∀゚)(なんだこの世界一無意味な会話)
――
――――――
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123 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:04:49 ID:8QK7gMu20
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(*;゚ー゚)「……と言うことなんです」
まだ顔に赤みは残ってるものの、しぃは先程の状況を話した。
簡潔にまとめるとシャツを探し回って廊下を出たところ、ちょうど起き出したしぃにばったり出会ってしまったのだ。
まぁ何というか、お騒がせというか。その場で脱ぎ捨てた白井もそうだが一つ屋根の下暮らしてる異性の半裸ぐらい慣れるものじゃないかとレモナは思った。
口に出したところでつーに睨まれるのでそのまま飲み込んだが。
(*゚ー゚)「情けない悲鳴上げちゃってつーちゃんやレモナさんに迷惑かけてごめんなさい」
そう言ってペコリと頭を下げるしぃ。なんて清い少女だろうか、眩しくて直視出来ないレベルである。
( ´ー`)「……俺は?」
(*゚ー゚)「白井さんはちょっと……」
( ´ー`)「oh……」
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124 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:05:29 ID:8QK7gMu20
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(;´ー`)「まぁいいや朝飯作るヨ……スクランブルエッグでいいかヨ?」
(*゚ー゚)「はい!」
(*゚∀゚)「異議なーし!」
|゚ノ ^∀^)「僕もー!」
( ´ー`)「んじゃあ早速作るか」
腰を上げ、朝ご飯の用意に取り掛かろうとしようとしたが
コンコン
玄関を叩く音が聞こえた。来客だ。
((((;´ー`)「タイミングわるぅー……」
白井は苦虫を噛んだ様な顔をしながら玄関に向かって行くことにした。
「朝ご飯には一歩遠くなった」とつーからのブーイングが後ろから飛んできたがそのまま無視し、ドアノブを開ける。
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125 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:06:05 ID:8QK7gMu20
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( ^ω^)「新聞ですおー」
( ^ω^)「おー」
玄関の前に黒い帽子にきっちりとした制服を着込んだクローンが二人立っている。新聞配達だ。
ドアの隙間から差し込む朝日に目をしかめて睨みつける形になってしまったのか、白井の顔を見た二人のクローンは慌てて謝ろうとした。
(;^ω^)「ご、ごめんなさい!新聞要らなかったかお?それなら申し訳ないお!」
(;^ω^)「これでも仕事なんですお!だから暴力だけは勘弁してくださいお!」
(;´ー`)「いや別に怒ってネーヨ!眩しいだけで!新聞は貰うヨ!」
(;^ω^)「そうでしかお……こちらこそすみませんお取り乱して」
(;^ω^)「こちら今朝の新聞ですお」
( ´ー`)「サンキューな。お前ら気をつけて仕事しろヨ」
(*^ω^)「ありがとうございますおーところでついこの間起きた事知ってますかお?」
( ^ω^)「知ってますかお?」
( ´ー`)「なんだ……」
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126 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:07:00 ID:8QK7gMu20
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( ^ω^)「いや聞いてくださいお、ここいらで殺人事件があったって」
( ^ω^)「怖いおー」
( ´ー`)「……人間のだよな?」
( ^ω^)「なーに当たり前のこと言ってんだお!クローンの殺人なんかニュースにもならんお!」
( ^ω^)「そんなの珍しいことでもないお。おにーさん面白いおねー」
(;´ー`)「ははは……」
( ^ω^)「それでおー遺体の状況が酷いらしくて」
( ^ω^)「ナイフでメッタ刺し!そりゃもうグサグサと!」
( ^ω^)「被害者の傍らには絞殺されたクローンの遺体があったらしいけどそっちは犯人が殺したのか被害者が殺したのか謎だお」
( ^ω^)「だお」
( ^ω^)「あ、犯人はまだ捕まってないけどその家で引き取られたクローンの可能性が高いお」
( ^ω^)「被害者はよくC型クローンを買うことが多いからって聞いたお」
( ^ω^)「物騒だねー」
( ^ω^)「物騒だおー」
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127 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:07:47 ID:8QK7gMu20
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( ^ω^)「今頃掃除屋が探し回ってるところだお」
( ^ω^)「人間を殺したクローンは殺されちゃうからね」
( ^ω^)「あ、すっかり話し込んじゃったお。仕事戻らないと」
( ^ω^)「戻らないと」
( ^ω^)「それじゃあお気をつけて」
( ^ω^)「お気をつけて」
新聞配達のクローンの話が終わると
ばたん、とドアを閉めた。
(;´ー`)(ほぼ二人の世界じゃネーかヨ)
空腹の状態で放置されるのはどうなのかと思いリビングへ向かう。
随分と時間が経ってしまった。さっさと作ってさっさと食べてしまおうと思い部屋の様子を見ると
(;*゚ー゚)「あ、すいません。食べちゃってます……」
(*゚∀゚)「先にいただくぞー」
|゚ノ ^∀^)「卵かけご飯おいしー」
我慢できなかったのか、先に食事をするしぃ達が居た。
作る手間が省けたのでどちらかと言えばラッキーと内心ほくそ笑み、テーブルの上に置いてあるクロワッサンを貪りながら先程のクローンが言ってた話をしてみることにした。
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128 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:08:14 ID:8QK7gMu20
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( ´ー`)「あ、さっき新聞配達の輩に聞いたんだけどヨー。ここ近くで殺人が起きたって」
|゚ノ;^∀^)「殺……」
(*゚∀゚)「うーっわ物騒な」
たくあんに手を伸ばしたレモナの手がピタリと止まる。
( ´ー`)「なんでもナイフでぐっさぐさぶっ刺したらしいヨ。相当な恨み買ってんだな」
|゚ノ;^∀^)「ひぇ……」
先程まで朝ご飯を楽しんでいたレモナがすっかり落ち込んでしまった。
その点に関しては申し訳ないと思ったが、特にこれといったリアクションもせずに黙々とご飯を食べるつー達にちょっと引いてしまう。
生まれ育った環境、というやつだろうか。
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129 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:08:41 ID:8QK7gMu20
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|゚ノ;^∀^)「話聞いてたらお腹いっぱいになってきちゃった……ごちそうさま」
(*゚ー゚)「ご馳走様です」
(*゚∀゚)「ごっそさん」
( ´ー`)「おーう。あ、もう九時じゃん。そろそろレモナ帰った方がいいんじゃないか?」
|゚ノ ^∀^)「ホントだはやーい」
( ´ー`)「どうせなら送っていくぞ。お前一人じゃあぶねーからな」
|゚ノ ^∀^)「いいの?」
(;´ー`)「クローン一人が外をうろつくなんてほぼ危険でしかネーヨ。て言うかよく一人で来たな……」
|゚ノ ^∀^)「僕皆みたいなクローンじゃないから……」
(;´ー`)「まぁそうだけどヨ……しぃ、つー、レモナ送ってくからお前らも着いて来いヨ」
(*゚∀゚)「ほーい」
(*゚ー゚)「はい!」
( ´ー`)「じゃあ準備しとけヨー」
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130 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:09:54 ID:8QK7gMu20
-
(*゚ー゚)"
靴を履き、外に出る。久々に見た太陽は眩しくて肌に突き刺すような暑さだった。
(*;゚ー゚)(あつーい)
(*;゚ー゚)(……?)
流れる汗をぬぐい、背中に何か視線を感じた。
│;;-゚)
恐る恐る振り返るとそこには自分と同じクローンの少女がこちらを見つめていた。
ボサボサの髪に傷だらけの体、薄汚れてボロボロになったワンピースを身にまとい、お世辞にも綺麗な状態とは言えなかった。
(*゚ー゚)「………」
同じ顔なのに、同じクローンなのにどうしてここまで差がついてしまうのだろう。
目の前に与えられる現実を見てしぃは目を伏せた。
(*゚ー゚)(こんなの、同情でしかない)
(*゚ー゚)(私は………)
( ´ー`)「しぃーもう行くぞー?」
(*゚ー゚)「あ、はーい!」
白井の声で我に返り、そのまま彼に着いていった。
│;;-゚)
(*゚ー゚)
――ボロボロのクローンを横目に見ながら
第二話 おしまい
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131 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:10:28 ID:8QK7gMu20
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おけま:レモナちゃん誕生の流れまで
(゚、゚トソン「お客様のクローンを?」
( ´∀`)"「モナ」
(゚、゚トソン「珍しいですね。ここ最近はC型やB型が支流なのに」
( ´∀`)「……自分のことを理解してるのは自分モナ。その方がいいと思って」
(゚、゚トソン「なーるほどなるほど。では手続きの書類をウンタラカンタラ……」ペラペラ
( ´∀`)
( ´∀`)(めんどくせぇ……これだったら普通に買ってった方が楽モナ……)カリカリ
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132 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:11:09 ID:8QK7gMu20
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(゚、゚トソン「……はい、手続き完了ですね。ではこちらに案内します」ガチャ
( ´∀`)「はいモナ」
(゚、゚トソン「クローン作成にはお客様の一部が必要なので採取させていただきますね」
( ´∀`)「エロ同人誌みたいなことしませんよね」
(゚、゚トソン「しませんよ」ブチィ
( ´∀`)「いった!遠慮なく髪の毛ぶち抜いたモナこいつ!いった!」
(゚、゚トソン「すいませんお客様がエロ同人みたいに!エロ同人みたいに!」
( ´∀`)「だからってそんなブチブチ人の髪の毛抜くモナ?雑草じゃないモナよ?」
(゚、゚トソン「グチグチうるせぇお客様ですね」
( ´∀`)「対応わるーい。やだ変えてー」
(゚、゚トソン「やめてください上司呼ぶと色々面倒なんですよちょっと口が滑っただけなんですよ」
(゚、゚トソン「あ、ちなみに髪の毛は一本で十分ですね」
( ´∀`)「てめぇ十本ぐらい抜いてっただろ返せや僕の毛根」
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133 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:11:47 ID:8QK7gMu20
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(゚、゚トソン「体型や顔を変えることも出来ますがどうしますか?」
( ´∀`)「うーんあんまりにも僕とクリソツだったら気持ち悪いから少し似るくらいに」
(゚、゚トソン「かしこまりました。性玩具が自分と同じ顔だったら最悪ですもんね」
( ´∀`)「誰が性玩具っつったモナ。せいぜいお手伝い出来る程度でいいモナ」
(゚、゚トソン「性的な処理をですか」
( ´∀`)「テメーの頭の中は男子高校生か」
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134 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:12:27 ID:8QK7gMu20
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(゚、゚トソン「しかし本当に珍しいですね。こっちの方が料金取られるのに」
( ´∀`)「ああいうのはどうも好かんモナ」
(゚、゚トソン「分かります。私もあのファッキンクソ関西二重人格メガネのことはどうも好きになれません死ねばいいのに」
( ´∀`)「何言ってるかさっぱり分からんモナが明らかに別のこと言ってるモナね」
(゚、゚トソン「メガネ外した方は好きですよ。好印象ですよ。ですがメガネの方はもう最悪ですねあの人格消えればいい」
(゚、゚トソン「しかもファッキンカスボケナスメガネ私が仕事で失敗したとき鼻で笑いやがったんですよ足の小指ぶつけて死ね」
( ´∀`)「わー仕事の闇を感じるモナー」
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135 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:13:09 ID:8QK7gMu20
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(゚、゚トソン「ハッ!つい私としたことが取り乱してしまいました。全てはあのうんこのせいですね。くたばれ」
( ´∀`)「誰のことだか知らんモナが役所と製造は違うんじゃないモナ?」
(゚、゚トソン「確かに違いますが仕事上同じ様なものですからね。たまにあっちで仕事があるんですよ」
( ´∀`)「ほーん。あっちの業界は闇が深そうだから近寄りたくもないモナ」
(゚、゚トソン「ボロクソ言われてるけど否定できない」
( ´∀`)「それで僕のクローンはいつ出来るモナ?」
(゚、゚トソン「早くても数日はかかります。その時はお電話しますので後日また来てください」
( ´∀`)「わーおそれを先に言って欲しかったモナ雑談してる場合じゃねぇ」
(゚、゚トソン「そういう私も窓口が詰まってましてね」
( ´∀`)「はよ仕事戻れや」
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136 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:13:40 ID:8QK7gMu20
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―数日後
(゚、゚トソン「おめでとうございます!元気な男の子ですよ!」
( ´∀`)「出産みたいに言うなし。まぁそんな感じに近いかもしれないれども」
(゚、゚トソン「早速案内しますね」
( ´∀`)(生命の神秘が今や大量生産の時代になってしまったモナね)
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137 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:14:12 ID:8QK7gMu20
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ウィーン
|゚ノ ^∀^)「はじめましてー……かな?もう一人の僕!」
( ´∀`)
( ´∀`)「あのちょいとお姉さん」
(゚、゚トソン「なんでございやしょう」
( ´∀`)「これ僕のクローンモナよね。取り違えとかじゃないモナね」
(゚、゚トソン「正真正銘貴方のクローンですよ」
( ´∀`)「性別は?」
(゚、゚トソン「男です」
( ´∀`)「パツキンさっらさらのロン毛でまつ毛もばっさばさなんですけど」
(゚、゚トソン「でも股間に一本槍付いてますよ」
( ´∀`)「一本槍とか言うな」
|゚ノ*^∀^)キャッ
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138 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:14:42 ID:8QK7gMu20
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( ´∀`)「あーうんそうモナね。確かに僕に雰囲気似てるし顔つきも近いモナね」
( ´∀`)「でも見た目女モナよこれ」
(゚、゚トソン「喉仏もありますしれっきとした男ですよ」
( ´∀`)「男っつーかこれ巷で言う男の娘って奴だろこれ」
(゚、゚トソン「私の趣味です」
( ´∀`)「職員の趣味で僕のクローンこんなんになっちまったよ」
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139 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:15:13 ID:8QK7gMu20
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(゚、゚トソン「ナンバープレートも用意しましたので、後は名前を付けるだけですね」
( ´∀`)「名前モナか………」
( ´∀`)「じゃあ、今日からお前はレモナで」
(゚、゚トソン「可愛らしいお名前ですね」
( ´∀`)「NO.0と僕の名前を合わせてレモナにしてみたモナ」
(゚、゚トソン「なるほど」
|゚ノ*^∀^)「名前嬉しいなー!今日からレモナって呼ぶね!もう一人の僕!」
( ´∀`)「その『もう一人の僕』ってのやめるモナ。僕はモナーって名前があるモナ」
|゚ノ ^∀^)「モナー君!」
( ´∀`)「君は要らないけど……まぁいいか」
(゚、゚トソン「それでは入口までお見送りいたします」
( ´∀`)「どうも」
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140 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:15:35 ID:8QK7gMu20
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ウィーン
(゚、゚トソン「また来てくださいね」
( ´∀`)「次の担当がお前じゃなかったらな」
(゚、゚トソン「遠回しのツンデレってやつですね」
( ´∀`)「ポジティブゥ〜」
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141 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/08/23(火) 00:16:05 ID:8QK7gMu20
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( ´∀`)テクテク
|゚ノ ^∀^)テクテク
( ´∀`)「あー……改めてだけど」
|゚ノ ^∀^)「何かな?」
( ´∀`)「今日からレモナは僕の家族ってことで、よろしくモナ」
|゚ノ ^∀^)
|゚ノ*^∀^)「うん!」
おしまい