-
128 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:28:38 ID:fUYK5Ec.0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(゚、゚トソンフラジールのようです
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(゚、゚トソン「……? フラジールってなんですか」
(´・ω・`)「僕もそう思ってね、調べたよ。すると、薬だってさ」
(゚、゚トソン「薬、ですか」
(´・ω・`)「それはそうとね、この話は深いよ」
(゚、゚トソン「深い……話が、ですか?」
(´・ω・`)「糞野郎とはまた別の効能を持ってる。
. 喧騒の中を生きる最近の若い人に読んでもらいたい一冊だね」
(゚、゚トソン「はあ」
.
-
129 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:29:38 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「主人公の女性は、とにかく、いろいろなことを考えてしまう」
(´・ω・`)「どうして勉強するのか、就職活動について、友好関係だったり、生きる意味」
(´・ω・`)「そんな、年頃の人がどうしても考えてしまいそうなことを、考えるんだ」
(´・ω・`)「特にこの主人公の場合、それが顕著でね。思考が、ネガティブすぎる」
(゚、゚トソン「ほーう…」
(´・ω・`)「何事も後ろ向きに考えてしまい、その思考の末が、自分に帰結する」
(´・ω・`)「自分の自殺する場所を決めて日々を生きているほど。……重症だ」
(゚、゚トソン「どこか、漠然としてますね……」
(´・ω・`)「詳しくは読んでくれ、としかいえないからねえ」
(゚、゚トソン「はあ……」
.
-
130 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:30:18 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「そんな主人公だが、ある日、友人でありなかなかの謎を持っている女性に、あることを聞かされる」
(´・ω・`)「変人がいた――と」
(゚、゚トソン「………??」
(´・ω・`)「変人っていうのは変態とかスケベって意味じゃなくて、素直に、変な人、だ」
(´・ω・`)「精神病をかかえており、作中の動画サイトなんかじゃ、それが原因で彼の動画が叩かれてた、と」
(゚、゚トソン「どうして、変人がいたってことを聞かされるんですか?」
(´・ω・`)「主人公の趣味が、小説を書くことなんだ」
(゚、゚トソン「そうなんですか」
(´・ω・`)「この趣味、についても、彼女は作中で深く考えるわけだけど……まあ、いいとして」
.
-
131 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:31:07 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「その変人に、どうしてか、彼女は会うことになった」
(゚、゚トソン フンフン
(´・ω・`)「そして……変人、彼に会うことで、彼女の死生観は、日に日に揺らいでいくことになる」
(´・ω・`)「また、就活の説明会にやってきた人だったり、以前働いていた本屋の店長だったり……」
(´・ω・`)「そんな人々とのやり取りからも、彼女は、その揺らいでいる脳を、更にかき混ぜていくんだ」
(´・ω・`)「その脳はやがて、どんな色に帰結するのか」
(´-ω-`)「白か、黒か、はたまたどどめ色か……」
(゚、゚トソン ホウホウ
(´・ω・`)「……と」
(゚、゚トソン「おもしろそうですね」
(´^ω^`)「だろう? ちょっと文章が重いけど、まあ、なんとかなるっしょ」
と(゚、゚トソン「ちょっと見せてください」
(´^ω^`)っ□「どーぞどーぞ」 ヒョイ
.
-
132 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:31:49 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「ふむふむ……」 ペラペラ
(´^ω^`)「(いいぞ……いい! いい調子だ!)」
(´^ω^`)「(これなら、初にして、一度に大量の本を貸し出せる予感……!)」
(゚、゚トソン「……」
(゚、゚トソン ピタリ
(´^ω^`)「ん? どうした?」
(゚、゚トソン「ちょっと待って」
(´・ω・`)「な、なに……なによ」
(゚、゚トソン「この主人公……なんだか、私と似てませんか?」
.
-
133 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:32:30 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`) ギクリ
(´^ω^`)「そう? 僕はまったくそうは思わないけど……」
(゚、゚;トソン「ッ! や、ちょ、名前まで一緒じゃない!」
(´^ω^`)「ゲ」
(゚、゚;トソン「わ、こ、怖い! 遠慮しておきます!」
(´^ω^`) ガーーーン
(´^ω^`)
(´^ω^`) ガーーーーーーン
(´^ω^`)
.
-
134 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:33:16 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚;トソン「もっと、ほかのを! ねえ!」
(´^ω^`)
(´^ω^`)「(じゃあ……お年頃もスカイプチャットもだめか。これらも推すつもりだったのに)」
と(゚、゚;トソン「ねえ、ショボンさん!」 ユサユサ
(;´・ω・)「わ、わかったから揺らさないで!」
(゚、゚;トソン フーフー
(;´・ω・)「(そ、そうだなー……いや、厳しいぞ)」
(;´・ω・)「(この出版社には、ゆるい話の本が多い。もう、フラジールみたいな本は……)」
(´・ω・`)「(……! そうだ、なにも死生観にこだわらなくていいんだ)」
(´・ω・`)「(トソンちゃんが好きそうな話といえば……)」
.
-
135 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:34:02 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「ゆるい感じと重い感じを両立しているような作品はー……と」 ガサゴソ
(゚、゚トソン ワクワク
(´・ω・`)「……」
(´^ω^`)「…! そうだ、これならいいぞ!」
(゚、゚トソン「ありますか?」
(´^ω^`)「あるともあるとも!」
(´・ω・`)「……ときにトソンちゃん。心霊現象って、信じるかな?」
(゚、゚トソン「心霊…? いや、あまり考えないので……」
(´^ω^`)っ□「オーケー。なら、この本は新鮮な面白さを伝えてくれるだろう」
(゚、゚トソン「どれどれ…?」
.
-
136 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:34:44 ID:fUYK5Ec.0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ξ゚听)ξ幽霊裁判が開廷するようです
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(´・ω・`)「幽霊の世界を舞台にした、斬新な小説だ」
(゚、゚トソン「幽霊裁判……!」
(´・ω・`)「え、なに。知ってる?」
(゚、゚トソン「い、いや……」
(゚、゚トソン「なんか、タイトルがかっこよかったから」
(´^ω^`)「(いい食いつきだ! これはイけるぞ!)」 ビクンビクンッ
.
-
137 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:35:25 ID:fUYK5Ec.0
-
(´^ω^`)「この作品のなにが斬新ってねえ、その設定だよ」
(゚、゚トソン「ほうほう」
(´・ω・`)「幽霊……彼らの世界にも、法律というのはあったのさ」
(゚、゚トソン「え? 誰が制定したんですか?」
(´・ω・`)「そーゆーのは聞いちゃだめ」
(゚、゚;トソン「…………はい」
.
-
138 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:36:06 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「おばけ法」
(´・ω・`)「幽霊や妖怪に定められる、無二のルールだ」
(゚、゚トソン「……」
(´・ω・`)「しかし、そもそも、考えてみてほしい」
(゚、゚トソン「?」
(´・ω・`)「妖怪はともかく、幽霊だ」
(´・ω・`)「ふつう、人は死んだら、そのまま天国に召されるもの……と考えられているね?」
(゚、゚トソン「あまりそっちの話には通じてないのですが……」
(´・ω・`)「逆に言うと、現世にとどまる霊。彼らには、ある共通点がある。それはわかるよね?」
(゚、゚トソン「現世に……浮遊霊とか地縛霊とか、ですかね」
(´・ω・`)「そそ」
(゚、゚トソン「そりゃあ……未練が残ってるから、でしょう」
(´゚ω゚`)「ンのっとぉぉりッ!!」 ガタッ
(゚、゚;トソン「…、」
.
-
139 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:36:47 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「そんな未練たらたらなおばけたちの、皆がみな善人って言えると思うゥ?」
(゚、゚;トソン「い、いや……、」
(´^ω^`)「そう。つい、やっちゃうんだよ……悪さを」
(゚、゚;トソン「は、はあ…」
(´^ω^`)「………」
(´・ω・`)「あっ、これ小説の話だからね? 現実じゃないよ?」
(゚、゚トソン「あ、そうだったんですか」
(;´・ω・)「待て! ずっとそうだ、って勘違いしてたのか!」
(゚、゚トソン「はい」
(´・ω・`)「………、……まあ、いいや。続けるよ」
.
-
140 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:37:28 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「そんな風に現世にとどまって悪さをされたら、だめだ。
. そこで、おばけ法に基づいて、裁判が開かれるようになった」
(´・ω・`)「その裁判が描かれているのが、この作品ってわけさ。
. 読んでみな。わりとリアルだろ?」
(゚、゚トソン「あ、ホント……」
(゚、゚トソン「………ねえ、ショボンさん」
(´^ω^`)「はいはい、なんでしょ」
(゚、゚トソン「この被告人……」
(´^ω^`)「被告人?」
(´^ω^`)
(´・ω・`)「しまった!!」
.
-
141 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:38:08 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「………」
(;´・ω・)「ご、ごめんごめん! でもグーゼンだって、ほら!」
(゚、゚トソン「どーだか……」
(;´^ω^)「はっはっはっ!」
(゚、゚トソン ジー
(;´^ω^)
(;´-ω-)
(;´-ω-)「(トソンちゃんに似た登場人物が出てたらだめっぽいな……くそったれ)」
(´・ω・`)「(しかたないから、この本はやめて……違うのにしてみよう)」
.
-
143 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:38:48 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「(でも、トソンちゃんはどうやら、斬新な世界観の話は好きみたいだ)」
(´・ω・`)「(半分実世界、半分異世界。そんな作品は……)」
(´・ω・`)「うーむ……」 ガサゴソ
(´・ω・`)
(´・ω・`)「…! これなんかどうだろう」
(゚、゚トソン「どうしたんですか」
(´^ω^`)「おっ。トソンちゃんに合いそうな本があってね」
(゚、゚トソン「どんなのですか?」
(´・ω・`)「やっと本題が動き出した、ってところの、最近でたばっかの作品なんだけど……」
(´・ω・`)「閉ざされた空間――『壁』のなかで、異常となってしまった人たちが日々を過ごすお話だ」
.
-
144 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:39:42 ID:fUYK5Ec.0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ξ゚听)ξツンはゴーレムに抱かれるようです
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(゚、゚トソン「まだあったんですか」
(´^ω^`)「なあに。この出版社は最近多くのケッサクを出版しててね」
(゚、゚トソン「え? いや、この主人公のことです」
(´・ω・`)「え、あ。ああ…」
(゚、゚トソン「なんの話なんです?」
(´・ω・`)「その………うん。この作品も、なかなかミステリアスだよ」
(゚、゚トソン「また無視…」
.
-
145 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:40:30 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「この話は、冒頭を読んだだけじゃあその不思議な世界観はわからない」
(゚、゚トソン「そもそも読んでないんですけど……」
(´・ω・`)「きみは、冒頭を読んで、合いそうになかったら読むのをやめるタイプの人じゃないか」
(゚、゚トソン「ま、まあ……」
(´^ω^`)「でも、まあ」
(´^ω^`)「先に言ってあげよう。このお話は、冒頭のほうもまた日常作品として面白いから。
. たぶん、冒頭で投げ出すことはないだろうよ」
(゚、゚トソン「信用ないんですね」
(´・ω・`)「よく言うわ」
.
-
146 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:41:22 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「で、どんな世界観なんですか」
(´・ω・`)「んーと、ね……っと」
(゚、゚トソン「?」
(´・ω・`)「いやあ。最近その世界観が顔を出してきたところだから、なんていえばいいのやら……」
(゚、゚トソン「はあ」
(´^ω^`)「……! そうだ。主人公たちの住む町には、『壁』たる存在がある」
(゚、゚トソン「?」
(´・ω・`)「主人公たちは、その壁に四方を囲まれてるんだ」
(´・ω・`)「外部の、つまり一般人は、その中に入ろうと思えば入念な審査が必要となる」
(´・ω・`)「つまりそれだけ、壁のなか、が、異常に見舞われてるんだよ」
(゚、゚トソン「その異常、とは」
(´^ω^`)「うーん……。果たして、そこまで言っていいのやらどうやら……」
(゚、゚トソン ワクワク
(´^ω^`)「……そうだな」
(゚、゚トソン「!」
.
-
147 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:42:04 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「タイトルの、『ゴーレム』。これが、キーワードだ」
(゚、゚トソン「ゴーレム?」
(´・ω・`)「この作品におけるゴーレムを、既存の言葉で言いあらわすのは難しい」
(´・ω・`)「自我を持った機械と言えばいいのか、人間と戦闘機の中間、と言えばいいのか……」
(´・ω・`)「とにかく、主人公たちは、そのゴーレムに乗る」
(゚、゚トソン「乗って、どうするんですか」
(´^ω^`)「んー……。敵と戦う、ってところかな?」
(゚、゚トソン「敵! それって、具体的には……」
(´・ω・`)「だーかーらー。詳しくは本を借りなさいって言ってるでしょ」
(゚、゚トソン「逆に、あなたはどれだけ本を貸したいんですか」
.
-
148 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:42:46 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「えー。借りよーよー」
(´・ω・`)「なんのために、僕がしし」
(゚、゚トソン「あーはいはい……」
(゚、゚トソン「……ところで、これってまだ上巻だけなんですか?」
(´・ω・`)「こないだ出たばっかりだね。下巻の刊行予定は、未定さ」
(゚、゚トソン「あ、そうなんですか」
(´・ω・`)「?」
(゚、゚トソン「じゃあ、下巻が出たときにします」
(´・ω・`)
(´・ω・`)「え、あー……そ、そう。え? でも、いま読んどいたほうがいいよー??」
(゚、゚トソン「下巻」
(´・ω・`) チッ
(゚、゚トソン「舌打ち……」
.
-
149 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:43:29 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「しかたない。半分異世界、とはちょっと違うけど、似たようなものだし……」 ガサゴソ
(゚、゚トソン「?」
(´・ω・`)「実世界には違いないけど、これはずいぶんと未来の実世界を描いたお話」
(´・ω・`)「半分リアリティーが感じられて、半分フィクションの色が強い」
(´・ω・`)「そんな世界観を、トソンちゃんはどう受け取るかな?」
.
-
150 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:44:17 ID:fUYK5Ec.0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
川д川サマー・アダルセンスのようです
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(´・ω・`)「ときにトソンちゃんは、SFは好きかい?」
(゚、゚トソン「エスエフ……サイエンス・フィクションでしたっけ」
(´^ω^`)「このお話はね、そういうのが好きな人なら、ハマると思う」
(゚、゚トソン「SFなんですか?」
(´・ω・`)「いやー……。どうだろう」
(゚、゚トソン「???」
.
-
151 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:45:00 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「いいか? 近年では、深刻な環境問題が進んでいる」
(゚、゚トソン「温暖化ですか?」
(´・ω・`)「そう! そしてこの舞台となる地球は、その温暖化の影響が、ついに具現化されてしまったのだ!」
(゚、゚トソン「!」
(´・ω・`)「かつての世界のブレインたちが忠告していたように……海面は、著しく上昇」
(´・ω・`)「その絶妙な位置から、春夏秋冬を楽しめた日本も、もちろんその影響を喰らった」
(´-ω-`)「いや……某米国や某キングダムなんかよりも、その影響は大きかったろうね」
(゚、゚トソン「なにか……あったんですか?」
(´・ω・`)「消えたんだよ、季節が」
.
-
152 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:45:56 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚;トソン「……え?」
(´・ω・`)「春に桜を楽しみ、夏に海を楽しみ、秋に美を楽しみ、冬に雪を楽しみ」
(´-ω-`)「そんな……日本人の昔からの友が、姿を消したんだ」
(´・ω・`)「温暖化の影響で、日本は、夏しか訪れなくなった」
(゚、゚;トソン「………っ」
(´・ω・`)「海面上昇にしたがって、人々は、水の上でないと生活できなくなった」
(´・ω・`)「路面バスや電車は姿を消した。水上生活に移行するにしたがって、ね」
(´・ω・`)「そんな世界の、ほんの片隅にいる少女……が、主人公となる、日常にして非日常なお話、それがこれだ」
(゚、゚;トソン「……」
.
-
153 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:47:30 ID:fUYK5Ec.0
-
(´^ω^`)「黒髪ロングの美少女だったり、ヤンキーだったり……一応、お話としてはほのぼのしてるよ」
(´・ω・`)「でも。この世界観を常に頭にいれて読んでみると……好きな人なら、ほかの作品よりものめりこめると思う」
(´・ω・`)「どうやら、そろそろ最終回を迎えるらしいからね。なあに、この出版社には打ち切り完結は少ない」
(´^ω^`)「……どうだい? これなら、読むだろう?」
(゚、゚;トソン「……」
(´^ω^`)「はっはっはっ。どうした、それほど読んでみたいか」
(゚、゚;トソン「……」
(゚、゚トソン「……、……」
(´^ω^`)「――ん?」
.
-
154 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:48:33 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「ふと思ったんですが」
(´^ω^`)「なんだい」
(゚、゚トソン「どうも、温暖化の影響で氷がとけたり云々ってのは、誇張みたいだそうですよ」
(´^ω^`)
(´^ω^`)
(´・ω・`)「えっ!?」
.
-
155 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:49:15 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「そもそも、周期からして、この地球はいま、だんだんと氷河期に近づきつつある」
(゚、゚トソン「一昔前では、温暖化説よりも、寒冷化説のほうが濃厚だったんですから」
(゚、゚トソン「それをいきなり、手のひら返して温暖化温暖化と言うようになった背景には、」
(゚、゚トソン「なんでも、エネルギーの削減をショック療法で人々に訴えるため、というのがあるようです」
(´・ω・`)
(´・ω・`)「まじ!?」
(´・ω・`)「いや、でも、世界が言ってんだぜ!?」
(゚、゚トソン「こういうのって、ほかにも結構あるみたいですよ」
(´・ω・`)「た、たとえば」
(゚、゚トソン「タバコなんかが、そうみたいです」
(´・ω・`)「たばこ……」
.
-
156 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:49:56 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「あれ、副流煙のほうが有毒だって言われてますよね」
(´・ω・`)「そ、そうなんだろ?」
(゚、゚トソン「あれってほんとうは嘘っぱちだそうですし」
(´・ω・`)「!?」
(-、-トソン「まあ……事実の程はなかなか調べられませんが」
(´・ω・`)
(´・ω・`)「う……嘘だ。ずっと信じてたんだぞ」
(´・ω・`)「そ、そうだ、ソース! ソースは――」
(゚、゚トソン「本はどうなったんですか」
(´・ω・`)「あ」
.
-
157 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:50:36 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「まあ、でも気になるっちゃ気になりますね。貸してく」
(´・ω・`)「この本はあとで僕がもう一度読むから、だめ」
(゚、゚トソン「え、え?」
(´・ω・`)「ほかにも面白い作品はいっぱいあるから、そっちにしてよ。悪いけど」
(゚、゚トソン「いや、でも……」
(´・ω・`)
(゚、゚;トソン「(め、目がホンキだ……!)」
.
-
158 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:51:18 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「(そうだな……)」 ガサゴソ
(´・ω・`)「(トソンちゃんは、異世界がどうこうよりも、わりかしほのぼのとした作品が好きなのか……)」 ガサゴソ
(´・ω・`)「(でもよ、タバコが、え、あれって嘘なの!?
. あれが原因で、僕、友だちと大喧嘩したんだけど!?)」 ガサゴソ
(´・ω・`)「(あークソ。あとで図書館資料を使って調べてやる。
. そうだ、僕は司書なんだ。ちょちょいのちょいで、きっとそれくらい……)」 ガサゴソ
(´・ω・`)「………」 ピタリ
(゚、゚トソン「…?」
(´・ω・`)
(´・ω・`)「タバコ……ほのぼの?」
(´^ω^`)「ッ! そうだ!」 ガサッ
.
-
160 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:52:09 ID:fUYK5Ec.0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( ^ω^)達は喫煙者のようです
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(゚、゚;トソン「これまた、長そうな……何巻あるんで……、十冊も」
(´^ω^`)「これはいいよ。おすすめ。うん」
(゚、゚トソン「でも……私は嫌煙家ですよ。喧嘩売ってんですか」
(´・ω・`)「そ、そこまで言わなくても……」
.
-
161 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:53:32 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「長いのはいいけど、途中で飽きないかな……」
(´・ω・`)「あー大丈夫。百話超えてるけど、一話一話はすっごい短いから」
(゚、゚トソン「そ、そうなんですか」
(´^ω^`)「そうそう。一気読みで、だいたい、三十話くらいなら余裕よ」
(゚、゚;トソン「!? むむむ、無理!!」
(´・ω・`)「まあ、それはいいとして、だ」
(´・ω・`)「この作品は、いたってシンプルだ。
. トソンちゃん、どんなお話だと思う?」
(゚、゚トソン「え? え、えーっと……」
(゚、゚トソン「………タバコを使って、バトル?」
(´゚ω゚`)「ごめん、もうバトルじゃない!!!」
.
-
162 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:54:22 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「これも、さっきのサマー・アダルセンスと趣旨は似てる」
(´・ω・`)「主人公の内藤は、とあるテナントが運営している漫画喫茶のアルバイトだ」
(´・ω・`)「テナント、ってのを聞けばわかると思うけど、この雑居ビルには複数の店がある」
(´・ω・`)「たとえば、コンビニ。喫茶店。空きも、ある」
(゚、゚トソン「は、はあ。それが、なにか」
(´^ω^`)「ん、ああ。この相関図が重要なんだよ」
(゚、゚トソン「というと?」
(´・ω・`)「コンビニの人だったり、喫茶店の人だったり、漫画喫茶だったり……」
(´・ω・`)「どういった因果か、タバコ好きが結構な人数いるんだ」
(´^ω^`)「そして、このビルには、喫煙所が設けられている」
(゚、゚トソン「……、」
(゚、゚トソン「…あ!」
(´^ω^`)「そうそう」
.
-
163 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:55:02 ID:fUYK5Ec.0
-
(´^ω^`)「日々の、けわしくせわしいなかを、一服を求めて喫煙所に訪れる人々」
(´^ω^`)「彼らの世界が交錯する……そんな、ささやかな日常が描かれているのがこの作品、さ」
(゚、゚トソン「へー……」
(´^ω^`)「戦わないし、誰も死なないし、なにより、脱力系だ」
(´^ω^`)「癒しを求める最近の若い人に、お勧めの一冊だ」
(゚、゚トソン「若い人……」
(´^ω^`)
(´^ω^`)
(´・ω・`)「あ、別に二十九歳でも読ぎゃあ!」 バキッ
.
-
164 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:55:49 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「喫煙者、かあ」
(゚、゚トソン「私、ちいさな頃から、タバコは絶対に吸わないって決意して生きてきたんですが……」
(´・ω・`)「あー大丈夫大丈夫。タバコを推奨するような作品じゃないから」
(´^ω^`)「でも、まあ……禁煙中の諸男性にはあまりお勧めできないかな?」
(゚、゚トソン「ふーん……」
(´・ω・`)「週刊ソーサクでも上位を争う人気作さ。そういや、最近あるゲームに参戦したみたいだね」
(゚、゚トソン「そ、そうなんだ」
(゚、゚トソン「読もうかなー」 ソワソワ
(´^ω^`)「トソンちゃんがケネンするような要素は一つもないよ。お勧め」
(゚、゚トソン「じゃ、じゃあ……」
(´^ω^`)「(やっべえ……これも作者バローだよ……)」
.
-
165 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:56:31 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「貸してください、これ」
(´^ω^`)
(´゚ω゚`)「な、なんだってええええ!!?」 ガバッ
(゚、゚;トソン「わっ!」
(´゚ω゚`)「よ……読むの!? 読んでくれるの!?」
(゚、゚;トソン「ま、……まあ…。」
(´゚ω゚`)「―――や……やっ……」
(゚、゚;トソン「や?」
(´;ω;`)「やったよおおおおおお!! 初貸し出しだあああ!!」
.
-
166 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:57:13 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚;トソン
(゚、゚トソン
(゚、゚トソン ?
(´ぅωt`)「図書館を開いて、苦節八年!」
(´ぅωt`)「毎日毎日、国からの補助金をちょろまかして生活してきた甲斐があったあああ!!」
(゚、゚トソン「え、ちょっと」
(゚、゚トソン「は?」
.
-
167 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:58:22 ID:fUYK5Ec.0
-
(´^ω^`)「よぉーし!! おとうさん、はりきっちゃうぞー!!」 ドカッ
(゚、゚;トソン「え、あの、ショボンさん!?」
(´^ω^`)「現在刊行分の十巻、全て! どーぞお持ち帰りください!!」
(゚、゚;トソン「あの、袋なんて持ってないですけど!?」
(´^ω^`)「なんのなんの! ビニール袋のサービスでござーい!」 ドカドカ
(゚、゚トソン「そ、それがあるなら……」
(゚、゚トソン「……、……?」
(´^ω^`)「入りきらないなあ。マ、いっか!」 ドカドカ
(゚、゚トソン
(゚、゚トソン「び……びにーる?」
(゚、゚トソン
.
-
168 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:59:07 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚;トソン「しょッ――破れる! 破けるから――」
ビリッ
(゚、゚;トソン
(´^ω^`)
ドカドカッ…ゴロゴロ
(゚、゚;トソン
(´^ω^`)
(ぅ、て;トソン
(´^ω^`)
(´・ω・`)
(´・ω・`) …?
.
-
169 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:59:52 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「……あれ?」
(゚、゚;トソン「(い、今のうちに帰らないと…!)」
(゚、゚;トソン「じゃ、じゃあまた!」
(´^ω^`)「おっかしいなあ……。ちゃんと毎日、掃除してるハズなんだけど……」
(´^ω^`)「な、なんで……」
(´^ω^`)「十巻全部が、壊れて転がってるの?」
.
-
170 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 20:00:35 ID:fUYK5Ec.0
-
(´^ω^`)「え、なんで?」
(´^ω^`)「これ、入荷すんの、すっごい苦労したんだけど?」
(´^ω^`)「書店は品切れ状態が続くからってことで、出版社に直接注文して、」
(´^ω;`)「で、でも、それでも人気だからってことで品薄状態が続いてて、」
(´;ω;`)「ち、ちくしょう! なんで、なんでこうなるんだ!!」
(´;ω;`)「トソンちゃん! なあ、なんで? なんで!?」
(´;ω;`)「トソンちゃん? どこ? トソンちゃあん!!!」
(´;ω;`)「こ、こんなのって、ないよ! うわああ!」
.
-
171 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 20:01:17 ID:fUYK5Ec.0
-
「栗」。おしまい。