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82 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 18:48:59 ID:fUYK5Ec.0
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(´・ω・`)「うーんうーん」
(´・ω・`)
(´・ω・`)「おかしいな」
(´・ω・`)「開館時間を二十四時間早めてるってのに、誰もこない」
(´・ω・`)「ふつう、受験生とかが勉強しにきたりするでしょ」
(´・ω・`)
シーン
(´・ω・`)
(´・ω・`)「……」
.
-
83 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 18:49:40 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「あー………」
(´・ω・`)
(´・ω・`)「暇だなー……」
(´・ω・`)
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)
(´・ω・`)「………はあ」
.
-
84 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 18:50:23 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「独り言が多いですね」
( ´・ω・)「それほどでも」
( ;´゚ω゚)「ぎゃああああああああ!!」 ガバッ
(゚、゚トソン「なんですかいきなり」
(;´・ω・)「あ、あのね。わかって言ってるでしょ」
(゚、゚トソン「まあ」
(;´-ω-)「これだから腐女子は……」
(゚、゚トソン「はあ? 腐ってませんけど」
(´・ω・`)「寝言は寝て言えってんだ」
.
-
85 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 18:51:31 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「あのですね」
(゚、゚トソン「ホモの嫌いな女性はいないのですよ?」
(゚、゚トソン「みんな、何かしらのホモを好いているのです」
(´・ω・`)「ごめん、僕男だから」
(゚、゚トソン「男性とは、得てして、さばさばとしていて、しかし、アツい」
(゚、゚トソン「結束の力は女性には劣るでしょうが、友情の力は男性が勝るでしょう」
(゚、゚トソン「つまり、一対一の愛ならば、女性や男女よりも男性のほうがより強固なのです」
(´・ω・`)「あ、ちょ、トソンちゃ」
(-、-トソン「ただし……世間的に、同性愛は認められがたいものがある。同性婚の禁止が、いい証拠です」
(゚、゚トソン「しかし。禁忌の中に芽生える愛と快楽があるのも、事実。
. 許されざる友情――恋と知っておきながら、その禁忌に身を委ねる」
:(゚、゚トソン:「ひ、人々は元来から、タブーを破って生きてきた。
. ホモというのは現世におけるそれを具現化されたものであって、」 フルフル
:( 、 トソン:「あ、ああ、互いに硬くも柔らかな肌をぴたりとはりつけあい、
そそり立つ性器をこすり付けあうことで、その、快楽に直結しない蟠りが性欲へと転換さ」 プルプル
(´・ω・`)「お願い、やめて!!」
.
-
86 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 18:52:20 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「まあ、いいでしょう。今度、ゆっくり居酒屋で呑みながら語らおうではありませんか」
(´・ω・`)「僕のことをなんだと思ってんの!?」
(゚、゚トソン「それはそうと」
(´・ω・`)「な、なによ今度は…」
(_)と(゚、゚トソン「はい」 ジャラ
.
-
87 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 18:53:04 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「…? なにそれ」
(゚、゚トソン「栗です。田舎のほうから大量に送られてきたので、おすそ分けに」
(´・ω・`)「栗、か。最近食べてないや。館内は飲食禁止だよ」
(゚、゚トソン「ここをこうして、爪を食い込ませて…」 パリパリ
つて
(´^ω^`)「ああ、いい音だ。館内は飲食禁止なんだけどな」
oと(゚、゚トソン「はい、剥けた」
(´^ω^`)「艶やかだ。さぞかし、いい栗なんだろう。館内は飲食禁止だってば」
(゚、゚トソン「もぐもぐ」
(´゚ω゚`)「飲食禁止ッつってんだろおおおお!!!」
.
-
88 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 18:53:52 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「じゃあ、おすそ分けしましたから」
(´^ω^`)「あ、どうも、ありがと……、……」
(´・ω・`)「え、それだけ?」
(゚、゚トソン「それだけですが…」
(´・ω・`)「え、なに。借りにきたわけじゃないの?」
(゚、゚トソン「あ、はい」
(´゚ω゚`)「冷やかし! 冷やかしィ!」
(゚、゚トソン「栗返して」
(´・ω・`)「おいしいなあ」 モグモグ
(゚、゚トソン「館内は飲食禁止では」
(´・ω・`)「あっ…」
.
-
89 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 18:54:33 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「まあ……暇っちゃ暇ですし、なにか読もうかな」
(´^ω^`)「それでこそトソンちゃんだ。ささ、なにを読む?」
(゚、゚トソン「あなたのお勧めなんかがあれば」
(´^ω^`)「お? いいね。昨日の今日だってのに、いい度胸だ」
(゚、゚トソン「帰る」
(´・ω・`)「ごめんって」
(゚、゚トソン「ったく…」
.
-
90 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 18:55:22 ID:fUYK5Ec.0
-
(´^ω^`)「というのもね、最近入った作品がこれまた、面白いんだよ」
(゚、゚トソン「はあ」
(´・ω・`)「せっかく栗もくれたんだしね。とびっきりを紹介しよう」 ガサゴソ
(゚、゚トソン「お願いします」
(´^ω^`)「じゃ、まずはバトルから……」
(゚、゚トソン ジー
(´^ω^`)
(゚、゚トソン ジー
(´^ω^`)
(´^ω^`)
(´;ω;`)「バトルだっていいじゃん! 面白いよ!? 面白いんだってば!!」
(゚、゚;トソン「わ、わかったよ! バトルね! オーケー!」
.
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92 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 18:56:17 ID:fUYK5Ec.0
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THE URBAN EXODUS
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(゚、゚トソン「……ん? なんて読むんですか。ざ、うーばん……」
(´・ω・`)「違う違う。ジ・アーバン・エクソダス、だ」
(゚、゚トソン「なんだか、タイトルに違和感が……」
(´^ω^`)「『ようです』がついてないから、ね。マ、たまにはこんなのもあるさ」
(゚、゚トソン「そういうものなんですか」
.
-
93 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 18:56:58 ID:fUYK5Ec.0
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(´・ω・`)「いつの時にやら。この世界には、サイキッカーが誕生した」
(゚、゚トソン「さ、サイキッカー?」
(´・ω・`)「和製英語として言うなら、超能力者だと思っておけばいい」
(゚、゚トソン「超能力……また、ですか」
(´・ω・`)「いや、これは昨日紹介したような異能力じゃなくて、正真正銘の超能力だ」
(´・ω・`)「わかりやすいところで言えば、電撃を飛ばしてくるような人がいる」
(゚、゚トソン「電撃…」
.
-
95 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 18:57:38 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「サイキッカー……それを我が日本国では、統治のために用いることにした!」
(´・ω・`)「毎日起こる凶悪犯罪の数々……ついに政府は、苦肉の策を打ち立てた」
(´・ω・`)「警察を民営組織として国から分離させ、サイキッカーを集わせる」
(´・ω・`)「サイキックという能力を悪事に用いる犯罪者たちに、同じくサイキックをもって、成敗を!」
(´・ω・`)「サイキック! それを用いることで、この国の治安を、平和を、守ってゆくのだ!」
(゚、゚トソン ワクワク
(´-ω-`)「しかし……正義の執行も、なにかと面倒なものでね」
(゚、゚トソン「え?」
(´・ω・`)「民営組織と化した警察には強力なサイキッカーが……それも、五人。いるんだ」
(´・ω・`)「でも、強力というだけあって、その力は計り知れない」
(´・ω・`)「そうだな、軍と同等か、それ以上の力を有していると見ていいだろう」
(゚、゚トソン「その五人が、ですか?」
(´・ω・`)「いや、それぞれ個人が、だ」
(゚、゚;トソン「え! じゃ、じゃあ……」
.
-
96 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 18:58:22 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「そう! もし闇雲に彼らが出動してしまうと、都市の崩壊は免れない!」
(´・ω・`)「正義を語るその力が一般市民の平和――どころか、命までをも奪ってしまっては、元も子もない」
(゚、゚;トソン「じゃあ、どうやって戦うんですか……」
(´-ω-`)「ジ・アーバン・エクソダス」
(゚、゚トソン「……え?」
(´・ω・`)「どうしても……どうしても危険だ、と判断された場合に限り、彼らは出動できる」
(゚、゚トソン「…!」 ワクワク
.
-
97 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 18:59:26 ID:fUYK5Ec.0
-
(´-ω-`)「いつも通りの職務を果たす彼ら五人だが、ある日、黒いオーラが立ち込めた」
(´・ω・`)「宗教ってのは、昔から強大な力をもっていてね」
(´・ω・`)「彼ら五人の間を駆け抜けていったものとは……その、ある宗教の暗躍だった――」
(゚、゚トソン フムフム
(´^ω^`)「――さて、彼らはどうなるのか!」
(゚、゚;トソン「え゙!」
(´^ω^`)「フフフ〜、どんなサイキッカーがいるのかな〜? ある宗教とは?
. アーバン・エクソダスは、いったい、どう動くのかな!?」
(゚、゚;トソン「そこまで紹介しといて、それはないでしょう! 続きは!?」 ジタバタ
(´^ω^`)「さあ、読もうか。コレ、実はすごい人気作で、出版元が品薄を発表してるほどなんだ。
. だから、続きが気になるなら今すぐこの図書館で借りよう。今すぐ、だ」
(゚、゚;トソン「―――、――……っ」 ソワソワ
(´^ω^`)「(ああ……そろそろカウバーがやばくなってきた……)」
.
-
98 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:00:16 ID:fUYK5Ec.0
-
(´^ω^`)「そうそう。僕としては、この雨宮って男が好きだね」
(゚、゚トソン「アメミヤ?」
(´^ω^`)「いやあ、僕も胃潰瘍の経験があるからわかるんだけど、なんというか、こう……」
(゚、゚トソン
(゚、゚トソン「ちょっと待ってください」 ペラペラ
(´^ω^`)「?? なんだい?」
(゚、゚トソン
(゚、゚トソン「あの、ちょっと」
(´・ω・`)「はいはい」
(゚、゚トソン「これ書いたの、バローとかいう作品と同じ作者の方なんですか?」
.
-
99 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:01:29 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`) ギクリ
(´^ω^`)「この作者は最近人気沸騰中でねえ。でも僕、過去作品は知らな」
(゚、゚トソン「読まない」
(´・ω・`)「なんで!? なんでさ!!」
(゚、゚トソン「っていうか、蒸発したんですよね? この人。なんでこの作品は書」
(´・ω・`)「おーっと! それ以上は言わせられねえな!」
(゚、゚トソン「とりあえず、これはやめておきます」
(´・ω・`)「違うって! これは未完じゃないよ? 未完じゃないって!」
(゚、゚トソン「でも、ほら、連載って……」
(´・ω・`)「連作短編だから! いま刊行されてる分は、それぞれが完結してるから!」
(゚、゚トソン「とにかく、またの機会にします」
(´・ω・`)「気にならないの!? アーバンだよ? アーバンでエクソダスだよ!?」
(゚、゚トソン「ほかの本を紹介してください」
(´・ω・`)「う……嘘だ……」
.
-
100 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:02:20 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「面白いのに……。じゃあガルバンもだめか……」
(゚、゚;トソン「(悪いことしちゃったかな)」
(´・ω・`)「はあ……じゃあ、これは?」 ガサゴソ
(゚、゚トソン「…」
(´・ω・`)「えっと…」
(´^ω^`)「ああ、あった……これだ。これこれ」
(゚、゚トソン「んー?」
(´^ω^`)「最悪な仲の兄弟が出る作品だから、トソンちゃんも好んで読めそうだね」
.
-
101 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:03:32 ID:fUYK5Ec.0
-
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( ´_ゝ`)によく似た糞野郎と友人達のようです
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(´^ω^`)「いやあ。この著者ね、一時期は体調不良が原因で一年ほど休載してたんだけど」
(´^ω^`)「みごとに復活して、ばりばり執筆なさっててね。これなら、トソンちゃんも安心して読めるよ」
(゚、゚トソン「そ、それはいいのですが……」
(´・ω・`)「ん?」
(゚、゚トソン「な、なんか、その……」
(゚、゚トソン「すっごい黒いタイトルのような気がして……。
. く、糞野郎…?」
(´・ω・`)「ああ、それ」
(´^ω^`)「(中身もでーす、なんて言ったら断られるかな?)」
.
-
102 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:04:28 ID:fUYK5Ec.0
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(´・ω・`)「これはね、ありそうでなかったジャンルだよ」
(゚、゚トソン「ほう…」
(´・ω・`)「日常やほのぼの作品、が、一応のベースだと思う」
(゚、゚トソン「『思う』?」
(´^ω^`)「いやあ、その……」
(´^ω^`)「非日常で、ぜんぜんほのぼのとしてないんだよね〜」
(゚、゚トソン「やめとこ」
( ;´゚ω゚)「あーーー嘘うそ!! 最後まで聞いて!」
.
-
103 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:05:12 ID:fUYK5Ec.0
-
(´-ω-`)「えー…ごほん」
(´・ω・`)「なんていうかね、とにかく『日常を描いている』という意味じゃあ、これは日常作品だ」
(゚、゚トソン「え? でも、非日常って……」
(´-ω-`)「日頃から殺意を抱いている主人公と、日頃から女を乗り捨てている糞野郎と、
敵か味方かの区別がつかない友人達がいる世界のことを、日常と呼べるかな?」
(゚、゚;トソン
(´・ω・`)「――でも、まあ」
(´^ω^`)「爽快だよ、読んでて」
(´^ω^`)「自分のなかにある蟠りだとかもやもやだとか、そんなのがどんどん解消されていくんだ」
(´^ω^`)「そういう意味じゃあ、読みやすいし爽快だしで、
. ストレスを抱えがちな最近の若い人にお勧めしたい作品だよ」
(゚、゚トソン「どんなお話なんですか?」
(´・ω・`)「いいだろう。こってり紹介してやろう」
.
-
104 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:06:10 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「まず、大まかな登場人物は、さっき言ったとおり」
(゚、゚トソン「え、あれ……」
(´・ω・`)「――に、加えて」
(゚、゚トソン「? まだいたのですか」
(´^ω^`)「この日常に彩りを添える、性悪オンナたち」
(゚、゚トソン「………」
(´^ω^`)「……」
(´・ω・`)「ど、どうした?」
(゚、゚;トソン「ま……まともなのがいないですね」
(´^ω^`)「それがこの作品のいいところなんだよトソンちゃ〜ん」
(゚、゚トソン「は、はあ……そうなんですか」
.
-
105 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:06:54 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「日常を描いた作品だから、内容に触れるのは難しいけど……」
(´^ω^`)「マ、ワレワレにとっては非日常な毎日が描かれていて、
. しかも一人称視点で地の文が書かれているから、心情の深いところまで読める」
(´^ω^`)「爽快だよ」
(゚、゚トソン「思っていたのですが……爽快って、なにが?」
(´・ω・`)「な、なにがって……」
(´^ω^`)「……爽快だよ」
(゚、゚トソン「だから、なにが…」
(´^ω^`)「なにがって、そりゃあ……」
(´^ω^`)「殴る蹴るの喧嘩をしたり、ヒステリックなオンナに捕まったり、
. 包丁で背中から襲い掛かろうかとたくらんだり、バールを振りまわ」
(゚、゚;トソン「わぁー! わかったわかった! わかりましたから!」
(´・ω・`)「まだあるのに…」
.
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107 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:08:21 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「で、この本は? どう?」
(゚、゚トソン「う、うーん……」
(゚、゚;トソン「……ご、ごめんなさい。ちょっと、怖いかも……?」
(´^ω^`)「そーかそーか。いや、別に謝らなくてもいいよ」
(゚、゚トソン「そうですか? ……ごめんなさい」
(´^ω^`)「いーっていーって」
(´^ω^`)「(ちっくしょおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!)」
(´^ω^`)「(そこは黙って読みやがれ糞野郎がああああああああああ!!!)」
(´゚ω゚`)「(ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!)」
.
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108 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:09:25 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「そうだなー、ほかには……、…あっ!」
(゚、゚トソン「あります?」
(´^ω^`)「とっておきのがあるよ。この図書館でも、類を見ない異色作!」
(゚、゚トソン「ほうほう」
(´・ω・`)「作品としても楽しめるし、なにかの資料としても読めちゃうんだ」
(´・ω・`)「で、タイトルもシンプルに………、」
.
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109 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:10:13 ID:fUYK5Ec.0
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( ^ω^)は旅好きのようです
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(゚、゚トソン「旅? 旅行記みたいなものですか?」
(´・ω・`)「みたいなもの、じゃなくて、ずばり旅行記、だね」
(゚、゚トソン「え? でも、小説……」
(´^ω^`)「言ったろ。異色作だ、って」
(゚、゚トソン「あ、ああ」
(´・ω・`)「それに、一応はフィクションだって著者が言ってるし」
(゚、゚トソン「そうなんだ」
.
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110 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:11:05 ID:fUYK5Ec.0
-
(´^ω^`)「ときにトソンちゃん」
(゚、゚トソン「はい」
(´^ω^`)「トソンちゃんって、旅行、好き?」
(゚、゚トソン「旅行……」
(´^ω^`)「あ、それとも、そもそもそんなに旅行したことないって感じ?」
(゚、゚トソン「は…はい。過去に社員旅行で数回くらいしか……」
(´^ω^`)「どうだった」
(゚、゚トソン「楽しかったですよ。なんか、心の底から解放感で満たされて……」
(´゚ω゚`)「だったら! ……館長の僕が、太鼓判を押す。いいよ、これは」
(゚、゚トソン「(昨日から太鼓判を押されてばっかなんだけどなぁ…)」
.
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111 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:11:58 ID:fUYK5Ec.0
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(´・ω・`)「この作品はね、小説と旅行記の中間に位置するような作品だ」
(´^ω^`)「この著者が実際に舞台となる場所へ赴いて、観光がてらに写真を撮って……」
(´・ω・`)「……あれ。どうだったっけ」
(゚、゚トソン「?」
(´・ω・`)「いや、なんでもない。とにかく、中を見ればわかる」
(´^ω^`)「ほれ。ほれほれ」 ペラ
(゚、゚トソン「……?」
(゚、゚トソン「あっ。……きれい」
(´^ω^`)「ね?」
.
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112 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:12:41 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「実際の写真を、もう贅沢に使用」
(´・ω・`)「それに物語のほうは、これはこれで成立してるんだ」
(´・ω・`)「ただ著者の実体験がつらつら書かれただけのレポートなんて、読んでたら飽きるだろう?」
(´・ω・`)「でもこっちは、主人公を含む多くの人たちが、わいわいとしながら各地を旅する」
(´・ω・`)「でも、たまに一人旅もある。それはそれで、一人旅というものを楽しめるから、いいね」
(´^ω^`)「と、旅行記のはずなのに、それぞれの登場人物のキャラが立っていて、一度で二度おいしいのさ」
(゚、゚トソン「へー…」
(´^ω^`)「(トソンちゃんの目が輝いてる……。貸すなら、今がチャンス!)」
.
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113 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:15:51 ID:fUYK5Ec.0
-
(´・ω・`)「なにがすごいのってね、ほんとうに旅行した気になれるってところなんだ」
(´・ω・`)「僕はね、今まではアウトドアといえば海派で、山は嫌いだったんだ」
(´^ω^`)「でも、第十回の……、あ、どこなのかはお楽しみで」
(´^ω^`)「その第十回を見て、もう、感動したね。美しい緑、いや、碧というものを楽しませてもらった」
(゚、゚トソン「ほうほう」
(´^ω^`)「しかも、それだけじゃあない。ちゃあんと、その旅行の過程も載ってある」
(´・ω・`)「住宅街、道路なんかの写真が写ったときなんか、かえって新鮮だったよ」
(´・ω・`)「旅行の醍醐味は道中にある。ふと、そう思ったね」
(゚、゚トソン「……いいなー……」
(´^ω^`)「完結したてほやほやだよ。借りる? 借りる?」
(゚、゚トソン「旅行記かー……」
(´^ω^`)「(……。)」
(´・ω・`)「(ここで無理に押しちゃあだめだな。ちょっと引くか)」
.
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114 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:16:34 ID:fUYK5Ec.0
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(´・ω・`)「まあ、即決しなくても。ほかにも作品はいっぱいあるんだし」
(゚、゚トソン「?」
(´^ω^`)「一応、保留ということでここに置いておくよ。構わないだろう?」
(゚、゚トソン「ま、まあ……わかりました」
(´^ω^`)「はっはっはっ」
(´^ω^`)
(´^ω^`)「(しれっと借りることを前提にしたった! あとはもう一冊、なにかあれば……!)」
.
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115 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:17:14 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン「ショボンさん」
(´・ω・`)「はいはい」
(゚、゚トソン「恋愛ものって、ないですか?」
(´・ω・`)「恋愛?」
(゚、゚;トソン「は、恥ずかしいですが……」
(゚、゚;トソン「さっきの海の写真を見ると、」
(゚、゚;トソン「か………、……カレシと……昔、旅行に行ったのを思い出してしまって」
(´・ω・`)
(´・ω・`)「え、彼氏いたの?」
(゚、゚;トソン「昔だって、ムカシ」
(´・ω・`)「え、ちょ」
(´・ω・`)「僕、まだ彼女できたことないんだけど」
.
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116 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:18:00 ID:fUYK5Ec.0
-
(゚、゚トソン
(´・ω・`)
(゚、゚トソン「えっと確か、あなた今年でさんじゅ」
(´・ω・`)「恋愛ものだね? よしきた!!」 ガタッ
(゚、゚トソン「あ、ちょっ……、……」
.
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117 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:18:53 ID:fUYK5Ec.0
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
o川*゚ー゚)oは残像のようです
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(゚、゚トソン「……主人公は、女性ですか?」
(´・ω・`)「男だね。一応は」
(゚、゚トソン「にしても、残像……?」
(´・ω・`)「ま、ま。順序を追って説明するから」
(゚、゚;トソン「は、はい」
.
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118 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:20:15 ID:fUYK5Ec.0
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(´・ω・`)「まず、この作品は結構古いね。三年前のだ」
(゚、゚トソン「三年も? でも、確か、最近入ったとか、なんとか……」
(´^ω^`)「この本の出版元が、倒産しちゃってね」
(゚、゚トソン「と、倒産ですか」
(´・ω・`)「それを、今の出版社が拾った、ってわけさ。そのまま、うちも入荷したってだけ」
(゚、゚トソン「はぁー…。そうですか」
(´^ω^`)「短編の恋愛小説は多いけど、長いのは珍しいよ。だから紹介しておこう」
(゚、゚トソン「(つくづく思ってたけど……)」
(゚、゚トソン「(この人、紹介というより、売り込みをしたいんじゃあ……?)」
.
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119 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:20:57 ID:fUYK5Ec.0
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(´・ω・`)「主人公は、高校に入りたての男の子。モララーだ」
(゚、゚トソン「あ、今までの主人公とは違うんですね」
(´・ω・`)「?」
(゚、゚トソン「ほら、なんか、にやけた顔の男性が……」
(´^ω^`)「トソンちゃん」
(゚、゚トソン「は、はい」
(´・ω・`)「世の中にはね、知っちゃいけないことがあるんだ」
(゚、゚トソン「………」
(´^ω^`)「……じゃ、本題に戻ろう」
(゚、゚;トソン「え…え? えっ?」
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120 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:21:39 ID:fUYK5Ec.0
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(´・ω・`)「モララーは入学式を迎えた前日、胸に多くの期待と少しの不安をいだいていた」
(゚、゚トソン「まあ、いだくでしょうね」
(´・ω・`)「そのせいか、一時間半ほど、式の時間とずれて登校してしまった」
(゚、゚トソン「寝坊ですか。また、ありきたりな……」
(´^ω^`)「ん? ああ、逆逆」
(゚、゚トソン「え?」
(´・ω・`)「わざわざ早起きして行ったんだよ」
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121 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:22:23 ID:fUYK5Ec.0
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(゚、゚トソン「んな、徒労な……」
(´・ω・`)「でも、それが全てのはじまりだった」
(゚、゚トソン「え?」
(´・ω・`)「朝早く登校しちゃって、当然、門は開いていない」
(´・ω・`)「しかたなく彼は、近くの公園に寄ったんだが……」
(´・ω・`)「その公園には、美少女がいた」
(゚、゚トソン「……」 ワクワク
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122 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:23:17 ID:fUYK5Ec.0
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(´・ω・`)「思春期真っ盛り、当然女の子にも意識がいくお年頃」
(´・ω・`)「思わず彼は、その美しい横顔に見惚れていた」
(´・ω・`)「そして……少女も、彼のほうに顔を向けた」
(゚、゚トソン「…!」
(´・ω・`)「その少女は当然、彼の視線に気がつく。するとあることがわかった」
(゚、゚トソン フンフン
(´・ω・`)「その少女は、変わり者だった、ってことさ」
(゚、゚トソン「へ?」
(´-ω-`)「天真爛漫というか、自信家というべきか……なんていうか、うざったらしかった」
(´・ω・`)「それがかえって不安で、主人公は、彼女と一緒にいよう、と決めたんだ」
(゚、゚トソン「はあ……。なんか、ぎこちない展開ですね」
(・ω・` )「あと、またひとつ、同時にわかったことがあったんだよ」
(゚、゚トソン「無視…」
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123 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:24:02 ID:fUYK5Ec.0
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(´・ω・`)「その少女には、特技があった」
(゚、゚トソン フンフン
(´・ω・`)「それは………」
(´・ω・`)「残像をつくること」
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124 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:25:34 ID:fUYK5Ec.0
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(゚、゚トソン「へっ?」
(´-ω-`)「そしてはじまる、ボーイ・ミーツ・ガール……」
(゚、゚トソン「あ、あの、ショボンさん」
(´・ω・`)「なに?」
(゚、゚トソン「残像をつくる……って、どういう意味ですか?」
(´・ω・`)「そりゃあ、あんた」
(´^ω^`)「詳しくは、読んでくれないと、ね」
(゚、゚;トソン「え、えーーー!? そんなのってないですよ!」
(´・ω・`)「だって、それじゃあ本の紹介、じゃなくなる……」
(゚、゚;トソン「もー……」 ソワソワ
(´^ω^`)「さ、読もうか。いまなら貸し出し期間延長のサービスつきだよ」
(´^ω^`)「これのラストはねー、もう恋愛小説ならではの感動ものだよー。名言が、キマってるんだよー」
(゚、゚;トソン「………」
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125 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:26:17 ID:fUYK5Ec.0
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(´・ω・`)「さあ、どうする? 全巻借りる? それとも、ためしに一巻だけ?」
(゚、゚;トソン「………」
(´^ω^`)「そーんな、悩まなくったっていいよ。ここは本を借りる場所なんだから」
(゚、゚;トソン「……」
(´^ω^`)「……」
(´・ω・`)「トソンちゃん?」
(゚、゚;トソン「私、どちらかというとオトナな恋愛のほうが好きなので」
(´・ω・`)
(´・ω・`)「へ?」
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126 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:27:04 ID:fUYK5Ec.0
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(゚、゚;トソン「だから、青春の香りがするタイプは、やめときまーす…」
(´・ω・`)
(´・ω・`)「まじ?」
(゚、゚トソン「まじ」
(´・ω・`)
(´・ω・`)
(´゚ω゚`)「ガッデム!!」 ガタッ
(゚、゚;トソン「わッ…」
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127 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/26(日) 19:27:56 ID:fUYK5Ec.0
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(;´・ω・)「(くそ…! へたなことを言わなかったら、これも貸し出せたってのに……)」
(´・ω・`)「(にしても……どうやらトソンちゃんは、オトナな作品、のほうが肌に合うみたいだ)」
(´・ω・`)「(オトナな作品……)」
(´・ω・`)「……ああ」
(´・ω・`)「葛藤を描いた本、とかはどうかな」
(゚、゚トソン「葛藤?」
(´^ω^`)「時々、なんのために自分は生きてるんだろう、とか……思わない?」
(゚、゚トソン「……?」
(´^ω^`)「そんなトソンちゃんに、とっておきのがあるよ」
(゚、゚トソン「私に?」
(´^ω^`)「(なんか、主人公の顔がトソンちゃんに似てるし)」
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