忌談百刑

第19話 みのるくんって誰ですか?

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852 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:45:52 ID:VPrLjrCo0


――その日のお昼休み。


以前は女子グループだったんだけど、今回は男子グループが僕の机を訪問した。

まぁ、グループって言っても、フォックス君含めた三人ぽっちだったんだけど、
この時絶賛ぼっち中だった僕からしたら、十分グループって感じだった。



朝の件で彼が僕に立腹しているとは思っていたけど、
まさか徒党を組んで報復に来るとは思ってなかったから、僕は少したじろいだ。


でも、そんな僕の思いとは裏腹に、彼はこう言ったんだ。



『お前、女子から"みのる"を有罪にしろって言われただろ』


僕は短くうなずく。



『それ、止めてくれ。アイツはそんな悪い奴じゃない』



そう言うんだ。

853 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:46:28 ID:VPrLjrCo0

彼は真剣な顔つきで、僕を見る。

それは、脅して言う事をきかせるというよりは、頼みごとをするような、懇願の顔だった。
だからかな、僕は彼に詳しく話を聞いてみることにした。


「その"みのる君"ってさ、女の子から怖がられてるみたいだけど、何か悪い事をしたの?」


『いや、違うんだよ。"みのる"が、たまたま女子にぶつかって、それで』


たどたどしくそう答える。物事を順序立てて話すのは苦手なようだ。

ともかく、女子とぶつかってしまったことで、そんな風に嫌われてしまったらしい。

いささか極端な反応過ぎる気もするけど、思春期が男子よりも早く来る女子からしたら
好きでもない男子との接触は生理的嫌悪に繋がりやすいのかもしれない。



そんな風に僕が、彼の言葉から"みのる君"迫害の原因を考察していると、

フォックス君は、自分の言葉に、付け足した。



『そん時、"みのる"が、"みんなの仲間"にしてよって、言ったんだ』



出た。そのくだりだ。"仲間"のくだり。

なぜ"みのる君"は、皆の仲間にはなれないのだろう。

フォックス君自身も、彼が、自分たちの仲間になるのはおかしいと考えている風だった。

そして、仲間になろうとすると、保健室に押し込められるように、このクラスから姿を消す。



謎だ。謎が深まっていく。

854 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:47:20 ID:VPrLjrCo0

僕は彼にも質問してみる。


「そのせいで、今は保健室登校なの?」


『は? 保健室……? いや、理科準備室じゃなかったっけ……? なぁ?』


そう言うと、後ろの二人に首だけで振り返る。

でも、後ろの二人も腕組みしながら、どっちだったけなぁと首を捻った。

理科準備室? そんなところに登校するなんてことがあるのか?

あんな危ない薬品や、骨格標本や、普段使わない理科実験の道具が押し込められているところに?


「なんで、"みのる君"は、みんなの仲間にしちゃいけないの?」


最後に、僕は一番の疑問を彼にぶつける。

すると言い難い事なようで、頭の後ろを掻きながら、うーんと唸って、それから先を言おうとしない。
後ろの取り巻きも、そんなフォックス君を、心配そうな顔で見つめている。

その頭を掻く動きがどんどん大きくなっていって、唸り声も激しさを増し、
最後に何かを吹っ切るみたいに、うんッ! と大きく唸ってから、彼は、僕にこう言った。


『だって、"みのる"、人間じゃないから。女子はそう言ってる』


そしてその瞬間後ろの取り巻きたちが"フォックス君、マズいって!"、"みのる君は人間扱いしないとッ!"と騒ぎ立てた。


でも、その二人を無視するように彼は教室の外に消えていった。

そしてそれを追うように取り巻き二人も教室から出ていく。



そして、僕だけがぽつんと教室に残された。



そして、そんな僕の頭の中には、"人間じゃない"の言葉だけが、延々と響き続けた。

855 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:47:58 ID:VPrLjrCo0



その日以降、僕は頻繁に"みのる君"の影を見るようになった。

校庭の隅、下駄箱の上、ピアノの下、本棚の後ろ。

彼の手には、いつも鋭い何かが握られていて、恐らくそれで僕の机に傷を付けたのだろうと思った。
彼は僕に直接危害を加えることはしてこないんだけど、それでも僕の周りにその痕跡を残した。


給食の時間、僕が持っていた器が、急に真っ二つに割れた。

周りが騒然とする中、僕は確かに、教室入り口のドアの隙間に、"みのる君"を見た。



体育の時間、前を走っていた女の子が急に転んだんだ。

僕が駆け寄って起こしてあげると、その右ひざには、まるで刃物で切り付けたような真一文字の傷がついていた。

その時も僕は視線を感じて振り返ると、体育倉庫の入り口の隙間から"みのる君"の半身が見えた。
その手には、きらりと光る何かを持っていて、まるで"僕がこれで切ったんだよ"とでも言いたげに、ひらひらと振ってみせた。



それから、授業中の事、先生がチョークで黒板に板書していると、そのチョークが破裂するように砕けたんだ。

先生は首を捻りながら、新しいチョークを取り出して板書しようとするんだけど、また同じように破裂する。

そんな事を数度繰り返して全てのチョークが粉みじんになってしまった。

その時も僕は視線を感じで辺りを見回すと、この間のように、"みのる君"が窓の外にいたんだ。
でも、前と違うのは、その彼の頭半分が、"窓の上"から覗いているという事。



上の階から、逆さに吊るされたように、顔の上半分だけが、窓枠の上部から突き出している。
そしてあのにやついた半月状の視線で、こちらを見ているんだ。




そして、そんな事件が起きるたびに、教室中を、小さな"みのる君だ……"って声が飛び交うんだ。

856 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:48:23 ID:VPrLjrCo0


はっきり言ってここまでくると、もう僕は頭がおかしくなりそうだった。

早く火曜日になってほしい。そして僕は絶対に彼を有罪にしてやろうと思っていた。


だってそうだろう? すっごい迷惑なんだよ。 


うろちょろうろちょろ、僕の周りにちょっかいを出して、そうして僕を怯えさせることが彼にとっての楽しみなんだ。

僕が転校して、彼の席に座ったってだけで、僕は彼にロックオンされて、こうして脅すように、僕の側に付きまとい続ける。



いい加減にしてくれ、僕はその思いでいっぱいだった。










その後結局裁判の日まで、ずっと"みのる君"は、僕にその存在をアピールし続けてきた。

857 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:49:18 ID:VPrLjrCo0


――火曜日。今日が、"みのる君"の審判の日だ。


僕らは担任の指示通り、机を、"コの字"型に並べた。

有罪は黒板向かって右、無罪は黒板向かって左、黒板の前には、予め決められていた"裁判官"6人が並んだ。


最終的に、みんなの意見を聞いて、投票で決めるわけなんだけど、
裁判官は黒板に意見を纏めたり、議事録を作ったり、司会進行するために必要らしい。

そして、その"コ"の真ん中に、椅子が一つ黒板に向かうように置かれる。



そこに、"みのる君"が座るのだ。

いくらなんでもこんなつるし上げみたいな"裁判"を担任主導でやるのだろうか、と思ったが、
でも、僕自身"みのる君"にはだいぶイラついていたし、それよりなにより、あの気色の悪い"みのる君"が、
"有罪"になって、完全にこのクラスから消滅してくれるよう事を楽しみにもしていた。


実際は有罪になった時に、どのような処罰が下されるのかは有罪が決まった後に再度話し合われるらしいのだが、
その時は僕が、高らかに"死刑"を宣告してやろうとほくそ笑んだりしていた。



僕らの準備が終わると、先生が、『じゃあ、"みのる君"連れてくるわね』と言って教室を出ていった。



有罪無罪の人数は、クラスのほぼ半分半分に分かれていた。若干有罪が多かったように思う。

有罪派は女子が中心で、当然僕もこちら側についていた。

そして対する無罪派はフォックス君が中心の男子派閥で、そのフォックス君は、僕を睨み付けていた。


今からここで、有罪派と無罪派が互いに主張をぶつけ合って、最終的には投票で今後の動向を決めるとの事だ。

裁判というよりは、小学校ベースで考えると、むしろ討論会に近いと今では思うけど、
それでも、"有罪"、"無罪"という響きには、厳かで、そしてある意味超然的なものを感じていた。


ここで決まった判決は、絶対に覆らない。そういう憲法の番人を担う最高裁判所のような厳粛さが、このクラスを包み込んでいた。

858 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:49:50 ID:VPrLjrCo0


やがて、先生が戻ってきた。

そして、"みのる君"は、先生に連れられて、その用意された被告人席に、"座らされた"







――は?







僕の口からは、そんな声が飛び出した。

瞬間、一斉に全員がこちらを向く。

そして、『黛君、どうしたの?』なんて先生が聞くんだ。







どうした? どうしたもこうしたもないじゃないか。








だって彼は、"みのる君"は、そこに座ってるのは――。

859 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:50:24 ID:VPrLjrCo0























                  「人体模型じゃないですかッ!!」
























.

860 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:50:59 ID:VPrLjrCo0



僕は立ち上がって叫んだ。

椅子に座らされたのは、まごうことなき人体模型だった。

体の半分の皮膚がはぎ取られ、筋肉と、それから臓器がむき出しになっている。
でも、当然それら全てが作り物の、ただの模型。


それが、僕らの中心に、座っている。その審判の時を待っているのだ。




『あ、あれ? みんな黛君に説明してないの?』


『だって、先生が"みのる君は人間として扱いなさい"って……』



僕の隣のリリちゃんがそう言うと、担任は、しまった、という顔で、大きく口を開けた後に、
この茶番劇の真相を僕に語り始めた。

861 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:51:44 ID:VPrLjrCo0



事の発端は、僕が転校してくる前の、掃除の時間だったらしい。

フォックス君とリリちゃんは、同じ掃除班で、その日は、保健室を掃除していた。
すると、当然のようにフォックス君達は真面目に掃除をせずに、保健室の隅に置いてあった人体模型で遊び始めたらしい。

それに怒った女子一同を代表して、リリちゃんが、フォックス君に注意をすると、
フォックス君は、その人体模型を動かして、リリちゃんを脅かした。

それに驚いたリリちゃんが手にしていた箒を振り回すと、偶然フォックス君の手に当たって、
フォックス君は、傾けていた人体模型を床に落としてしまったんだ。


その時に、人体模型の右手が取れてしまったらしい。



結局それが先生にバレ、更には校長先生にまで話がいった。

モノを大切にする精神を忘れた子供たちに、校長は大激怒し、
一ヶ月、その人体模型と"クラスメイト"として接するように、フォックス君とリリちゃんに罰を与えたんだ。

そうして、リリちゃんの隣、フォックス君の前に、この人体模型は運び込まれた。



クラス全員が気持ち悪がったけど、それでも先生は、この子は"みのる君"で、
今日からこの子を、同じ人間だと思って仲良くしなければいけないと命じた。

そうやって、道具にも魂が宿っている事を理解させて、物を大切にする精神を育む、という校長の考えだったらしい。


今だったら多分大問題で、即モンスターペアレンツが乗り込んできそうだけど、
この校長先生っていうのが、この街でもかなり有名な先生らしくて、
幾つもの問題学校を更生させてきた凄腕だっていうんで地域の信頼も厚かったから、問題にはされなかったみたい。




そうして、結局彼らは、その人体模型と、一ヶ月共に生活することになってしまった。

862 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:52:28 ID:VPrLjrCo0



でも、その罰の中ごろから、嫌な噂が立ち始める。


"みのる君"の首が、授業中にちょっと動いた、とか、今"みのる君"こっち見てなかった?とか。


それも始めは、他人を恐がらせてその反応を楽しむための嘘だったと思うけどさ、
そういう噂って子供は大好きだから、どんどんと膨らんでいく。


終いには喋ったのを聞いた、とか放課後1人でサッカーをしていたとか、
彼に"人格"が宿ったように扱い始めたんだ。



そして、この騒動は、二つのグループを産む。

そんなお化けみたいな"みのる君"を気持ち悪がって、遠ざかっていくグループと、

ワザと"みのる君"に話しかけたり、遊びに誘ったり、まるで本当の人間の子供に接するように扱って、
先述の"みのる君"を怖がっているグループを更に怖がらせるのを面白がるグループだ。


まぁ、みんな分かる通り、その各グループのリーダーが、リリちゃんであり、フォックス君だったって訳。





フォックス君に至っては、『裸じゃかわいそうだ』なんて言いながら、自分のお古の服まで着せる程だったらしい。

863 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:53:01 ID:VPrLjrCo0


そしてある日、決定的な事件が起こる。




お昼休み、フォックス君が、人体模型の"みのる君"に、リリちゃんに"愛の告白"をさせたんだ。

自分の声色を変えて、"みのる君"のふりをして、面白おかしく、彼女に愛の言葉をささやいた。


そして、周りの男子は、『ほらほら斎藤! みのる君が御返事くれだってさぁ〜』なんて囃し立てる。


リリちゃんは最初はそれに毅然と立ち向かっていたんだけど、段々と涙目になっていって、
ついには、机に突っ伏して泣き始めてしまう。




それを皮切りに、男子と女子の大論争が始まったんだ。

女子側は、男子の悪ふざけがあまりにもひどいと至極真っ当な正論で、

男子は、リリちゃんが"みのる君"を気持ち悪いって差別して、人間じゃないみたいに扱うから、
全然更生していないっていう詭弁を振り回して戦った。


その諍いはどんどんと激しさを増して、みのる君リリちゃんの席を中心に、
あわやつかみ合いの喧嘩の寸前までいったらしい。





そして、男子の誰かが、持っていた定規を泣いているリリちゃん目掛けて投げたんだ。

864 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:53:36 ID:VPrLjrCo0


その時。



誰も一切触れていないのに、人体模型が、リリちゃんに向かって倒れたんだ。



まるで、リリちゃんを庇うみたいに。



そして、リリちゃんの体に覆いかぶさった人体模型の後頭部に定規が当たって、床に落ちた。

865 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:54:08 ID:VPrLjrCo0


からーん。


全員が黙っていた。さっきまでの争いのことなど忘れて、ただその光景を見ていた。

リリちゃんは机に伏しているから、その状況に気づいていないみたいだった。
そして、ふいに、声がしたんだ。





クラスの誰でもない声で、




『僕も仲間に入れてよ』




って。




その瞬間爆発したみたいなパニックになった。男子も女子も阿鼻叫喚で、
隣のクラスから見物人が来る程だったという。


それから、その騒ぎにやっと気が付いたリリちゃんが、自分に覆いかぶさってる人体模型に絶叫して、
その騒ぎはピークを迎えた。集団ヒステリーってやつだ。




その後、先生が騒ぎを聞きつけて事態に収拾をつけるまで、その狂乱は続いたのだという。

866 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:54:34 ID:VPrLjrCo0


結局、この騒ぎは校長先生の耳に届いて、また大激怒を喰らった。

そして、次にこのユニーク校長が考えたのが、"裁判ごっこ"だったという訳だ。

丁度小4の道徳の授業に"ディベート"がカリキュラムとして含まれていることもあって、
より生徒に身近な事態に関する話し合いの方が、活発な議論がなされるだろうという事で、
この"みのる君"をクラスから撤去するか、しないか、を生徒たち自身に決めさせるようにしなさいと担任に命じたそうだ。




そして、先生がこの説明をする時に、撤去するを"有罪"、しないを"無罪"と説明してしまったので、
それがクラスにも定着してしまったらしい。




そして、そこに、何にも知らない僕が転校してきて、
たまたま公判日まで保健室だから理科準備室だかに戻されていた"みのる君"の席が空いていたので、
担任がそこに座らせたのだという。

867 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:56:58 ID:VPrLjrCo0





「ちゃ、ちゃんと説明してくださいよ……」





そういうと、僕はへなへなと椅子に座り込んだ。



担任は、ごめんね〜と軽薄に謝ると、じゃあ、早速、"裁判"を始めましょうか、と号令をかけた。


結局その裁判の中で、あの時少しだけ椅子を蹴って、"みのる君"を倒したことを、フォックス君が自爆で口走り、
それに被せるように、彼の取り巻きが、目立たない後方から、先の"仲間に〜"のくだりを裏声で言ったことも、
僕の机に、カッターで、あの日の文字を彫ったことも、フォックス君が自分でばらしてしまった。

それを知っていた男子数人は、その罪を全部"みのる君"に被せるために、
わざと"みのる君"に怯える風な演技をしていたんだってさ。




結局"有罪"はフォックス君だという事になった。



彼は、これから一ヶ月、一番隅の窓際の席で、人体模型の"みのる君"と並んで授業を受けなければならない。


担任は笑顔で、『仲間が出来てよかったね、みのる君』なんて言って、フォックス君が、『そりゃないぜ、先生』なんて返して、

結局この"裁判ごっこ"は、これでお開きになった。

868 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:58:31 ID:VPrLjrCo0


でもさ、この話、おかしくない?



( ^ω^)「なにがだお?」


僕さ、この裁判の日までに、何度も"みのる君"の影を見ているんだ。

例えほかの生徒が、何かクラスで不思議な事が起こった時に、冗談半分で"みのる君のせいだ"っていうのは理解できても、
僕の視界にちらついていた"みのる君"っていったい誰だったの?

それから、チョークが砕けたり、女の子の足が切れたり、あんなの物理的に説明がつかないじゃないか。


ξ゚听)ξ「確かにね」


そんな事に、つい最近気が付いてさ、僕はちょっと色々調べて見たんだ。

でね、こんな結論に思い至った。






あれば全部、"僕"が起こしていた。






"ポルターガイスト"って知ってる?

ものが勝手に動いたり、壊れたりする現象。

特に子供のいる家庭でよく起こるらしいんだけど、どうやらその子供に耐えきれないストレスがかかると、
自分でも意図しないうちに、"ESP能力"が発現して、そういった事が起こるんだって。

僕はあの頃、初めての転校と、"みのる君"の件で、自分でも自覚していないストレスを抱えていたと思うんだ。
そして、それが、僕の中で"空想のみのる君"を作り上げて、そして彼が、それらの異常現象を引き起こした。



そう考えると、僕が見た"みのる君"の影と、そして人間の仕業とは思えない現象、両方綺麗に説明付くと思わない?

869 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:58:56 ID:VPrLjrCo0





それにね、まだ学校にいるらしいんだよ、"彼"




僕もびっくりしたんだけど、この間、たまたま拝成西小の前を通ったら、小学生が大声で話していたんだよ。


今日、急にクラスの花瓶が割れたんだ、あれはきっと"M"の仕業だってね。



すぐにピンときたね、ああ、"みのる"の"M"だって。




僕が産んだ"彼"は、まだあの学校に囚われ続けている。



そして、待ち望んでいるんじゃないかな。

870 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:59:24 ID:VPrLjrCo0













                   自分に判決が下される日を、永遠に――。















【みのるくんって誰ですか? 了】

871 名前:名無しさん[] 投稿日:2017/07/24(月) 06:59:59 ID:VPrLjrCo0

【幕間】


(´^ω^`)「さっ、皆オチは予想できたかなぁ〜?」

('A`) 「お前、エスパーショボちゃんだったの?」

川 ゚ -゚)「成長につれてそういうのって消えてくらしいけどな」

ξ゚听)ξ「やっぱり、アンタちょっと人外に脚踏み込んでる時あるわよね」

( ^ω^)「素直にキモいお」

(´^ω^`)「ひどくなぁ〜い?(笑)」

('A`) 「しかもまだいるんだろ? ソイツ」

川 ゚ -゚)「今日も元気に女の子切りつけたりしてるんだろうな」

ξ゚听)ξ「アンタとんでもない置き土産残して卒業したのね」

(´^ω^`)「超常的お礼参り(核爆)」

('A`) 「段々この事態もショボのなんじゃねぇかと思えてきた」

( ^ω^)「確かにそうだお」

川 ゚ -゚)「いっそここで殺すか」

(´^ω^`)「ワォッ! こっちでも集団ヒステリーかな?」

ξ゚听)ξ「基本明るいのが腹立つわね」

( ^ω^)「僕らに会った頃は根暗を煮詰めたようだったのに」

(´^ω^`)「その節はどうも」

ξ゚听)ξ「じゃあ、次、四週目最後いきますか」

(´・ω・`)「ラストはドクオだね」

ξ゚听)ξ「これ終わったらまたご飯を食べましょう」

('A`) 「"題"は>>880で行くぜ」


ξ゚听)ξ「それじゃ、次の"解"を求めましょう」

880 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2017/07/24(月) 10:30:34 ID:MSmft16g0
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