('A`)人生は選択だ!のようです
第5話



133 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/20(木) 13:32:05 ID:GGQOarKw0
【0】

無事に人間界にたどり着き、ドッキリみたいに現れ、自己紹介を決め込んだ。

このアホ面がこれから人生を共にするのかと考えるといささか不満ではあったが仕方がない。

私のオモチャになる人間と考えただけで、笑いが止まらない。


川  - )「くくく……」


彼はもう『普通』の人生を歩めない。


川 ∀ )「ハハハ……」


所詮神の前では、人間は屈するしかできないんだ。


川 ゚∀゚)「ハーッハッハッハ!ハーッハッh」グギュルル…


('A`)


川 ゚ -゚)


.

134 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/20(木) 13:32:45 ID:GGQOarKw0
「その、お腹が空かないか……?」


∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵



        ('A`)人生は選択だ!のようです 第5話



∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵

135 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/20(木) 13:33:27 ID:GGQOarKw0
【1】

_,
('A`)

川*゚ -゚)「うまひ!美味すぎる!」ズルズル!ズル!


突然現れて笑い出したかと思えば、俺のカップラーメンを貪り食う女
なんだ?天界の人間は無作法な奴らしかいないのか、つーか食い方汚ねぇな
仕方ないがもう一個カップラーメンを作るためにキッチンに行き、お湯を張る


川*゚ -゚)「ふー、食った食った、礼を言うぞドクオ君」

('A`)「あぁ、はい……」


テーブルに戻るとしっかりスープまで飲み干し、ご満悦な神様、クール
俺は自分の前にカップラーメンを置いて座り、浮かんだ疑問をぶつける

136 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/20(木) 13:34:17 ID:GGQOarKw0

('A`)「で?改めて聞くが、はた迷惑なカードを作った神様が
    俺に何の用だ?パートナーとはどういう意味だ、何で俺なんだ?」

川 ゚ -゚)「いっぺんに言われても返答に困るだけだぞドクオ君」

川 ゚ -゚)つ「だがそうだな、一つ言うなら君の顔を見に来た、ということだ」スッ

川 ゚ -゚)「私が操る人間の、顔をな」


ちゃっかりクールが自分の前にカップラーメンを寄せているのに気付き、元の位置に戻す
こいつが俺の人生を狂わせた元凶か、そう考えると美人でも腹が立ってくる、美人でも


('A`)「……なんで俺だったんだ」

川 ゚ -゚)「誰でもよかったんだよ、元を辿れば拾った君が悪い、そうだろ?」

('A`)「そりゃ、そうですけど……」

川 ゚ -゚)つ「それを私が悪いみたいな言い方をされても困るんだよな」スッ

('A`)「……まぁ」

137 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/20(木) 13:35:21 ID:GGQOarKw0

畜生このクールって神様美人過ぎて言い返しづらい、反則だろこれ
まるでプロのモデルのような身体つきだし、黒髪ロングだし、白い肌、白のワンピースだし


('A`)「おっぱいデケェし……」ボソ…

川*゚ -゚)「ん?なんか言ったか?」ズルズル!ズゾ!

(;'A`)「おまっ……!」


めんどくさいと思わないことを誓った俺でも流石にこれは駄目だった、なんで俺のメシ食ってんだ
もういいや面倒だ、俺はもう一度布団に入ってこの状況をやり過ごそうと考え、布団に入る


川 ゚ -゚)「なんだ、もう寝るのか?まだ昼だぞ?」

('A`)「……」


後ろから声をかけるクールを無視して、俺は布団の中に籠る
これ以上起きていると、また何か選択を迫られるような気がしてたまらなかった


川 ゚ -゚)「……そうか、そうやって逃げるのか、君は」

('A`)「……」

138 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/20(木) 13:36:16 ID:GGQOarKw0

川 ゚ -゚)「……確かに、君の行動には一理ある」

川 ゚ -゚)「このカードは実際に起こっている出来事を見なければ効果を発揮しない、
     そうやって布団に籠っていればいくらでもやり過ごせるのが、弱点だ」

('A`)「……」

川 ゚ -゚)「だが、そのままでいいのか?
     やり過ごせばやり過ごすほど、このカードは死ぬ可能性のある出来事に会うようになるぞ」


なんでそんな重要なことを教えなかったんだあの天使
そうは思いつつも、死ぬ可能性が上がることについてはどうでも良かった


('A`)「良いよ、別にそれでも」


所詮俺は人間だ、いつかは死ぬだろう
その死ぬ期間がちょっぴり短くなるだけだと思えば良かった


川 ゚ -゚)「……そうか、なら一生そのままでいると良い」

川 ゚ -゚)「じきに『選択』から逃れられなくなる」

139 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/20(木) 13:36:59 ID:GGQOarKw0

立ち上がるような音が聞こえる
ようやく彼女は帰ってくれるのだろう、俺はとりあえずほっとする


川 ゚ -゚)「そうそう、一つ良いことを教えてやろう」

川 ゚ -゚)「君がいつか言っていた、『私の選択を捻じ曲げる行為』」




川 ゚ -゚)「もし出来たのなら、そのカードから『解放』される」




(;'A`)「……え!?」


思わず布団から飛び起きてクールの姿を確認する
が、あたりを見回しても彼女の姿はなく、声だけが部屋に響く

140 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/20(木) 13:38:00 ID:GGQOarKw0





「解放されたいなら、お前が運命を変えて見せろ」





「運命を変えたいのなら、運命に立ち向かえ」





「立ち向かいたいなら、心から動く力を持て」





.

141 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/20(木) 13:39:13 ID:GGQOarKw0

('A`)


暫くその場から動けずにいた

テーブルを見ると、空になったカップラーメン2つの横に、5枚のカードが置いてあった

俺はそのカードをそっと集めて、手で扇状に広げる


('A`)「……上等だ」


やってやるよ、カードの神様


('A`)「俺はお前の選択を捻じ曲げ爪#'ー`)y‐「動くなあああああああ!!!!」バタァン!!

('A`)「ちょwwwwwwwwwwwww」


俺が決意を固めたと同時に、銃を持った男が入ってきました、まる

147 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/21(金) 02:37:13 ID:qq1k0SDM0
【2】

    |                  \
    |  爪#'ー`)y‐(;'A`)   ピーポー
   / ̄ ̄□  ) ̄ノ( ヘヘ _   ピーポー/


爪#'ー`)y‐「良いか!?少しでも動いたらブッ殺すぞオッサン!」

(;'A`)「……ハイ」


なんか、なんか大変なことになった
強盗だ、しかも相当危ないタイプの奴
ドラマでは銀行なんかを襲撃するものだと思ってたが、民家も襲撃するもんなんだな


「フォックスー!このアパートは包囲した、もう逃げられんぞぉ!!」

爪#'ー`)y‐「うるせぇ!!こっちは人質取ってんだ、殺されたくなかったら俺の指示に従え!」


訂正、こいつ銀行を襲った後だった
よく見ると犯人のそばには大きなアタッシュケースが置いてある
それに窓の外には警察、パトカー、サイレンの音、赤色灯がごった返している

これが1か月選択を無視し続けてきた報復だとするならば、おつりが出そうなくらい大変な状況だ
犯人は手足を縛ってはいないものの、俺の後頭部にしっっっかり銃口を突き付けている
この銃の種類は分からないが、ちょっとでも下手な動きをすれば頭に弾丸がぶち込まれるのは確実だ

148 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/21(金) 02:38:07 ID:qq1k0SDM0

が、そんな最中でも安心安全のシンキングタイムがやってくる。

世界が白黒になり、気が立ってる犯人ですらもこの世界には入ってこれない。


('A`)「さて、どんな選択があるのやら……」

('A`)「……ん?待てよ?」


実に簡単な答えだが……
この世界が発動しているうちに、逃げればいいんじゃないか?

とりあえずもう一度犯人を見る。
犯人も白黒になっているところを見ると、こちらの状況には気づいていないようだ。

今が絶好のチャンスだ。
俺はそっと足を動かし……。


('A`)「……」グッ…


動かし……。


(#'A`)「ーー動かしっ……!」グググ…


(#'A゚)「動かせねぇっ……!」グググーッ

149 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/21(金) 02:38:59 ID:qq1k0SDM0

なるほど思い道理にはいかないわけで、体は何か石像のように固まり、動けない。
辛うじて動かせるのは、頭と、カードの近くにある左腕と左手だけだ。


「おまwwwwwwwwwww誰でもそんなん思いつくだろwwwwブファwwwwwww」

(;'A`)「!?」


突然部屋に爆笑する声が響く。

間違いない、あのクールとかいうクソ女だ。
暫く笑い転がる音と声が響き渡ったかと思えば、ヒーヒー言ってる声を整えて言う。


「世の中そんなに甘くないぞ、ドクオ君」

(#'A`)「……お前今度会ったとき絶対ぶっ飛ばすからな」

「おぉ怖い怖い、そんなことよりその状況を打破する素敵な5択が選ばれたようだぞ?」





 【説得】 【救援願い】 【協力】 【抵抗】 【静観】


(;'A`)「……あぁ、素敵すぎて涙が出てくる選択だな……」

150 名前: ◆tDN4QF.obM[] 投稿日:2013/06/21(金) 02:40:00 ID:qq1k0SDM0

「さて、ここで『選択』だ」

「下手をしたら命を落としかねないこの状況、どう切り抜けていこうか?」

(;'A`)「どう切り抜けるって……結局アンタが選ぶんだろーに」

「まぁすぐに死なれても困るし、多少は協力してやらんこともないがな」

(;'A`)「……畜生、やってやるよ」


この5択、選んでやるさ。

to be >>153

153 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/21(金) 03:10:39 ID:uhLYbwmEO
【抵抗】

155 名前: ◆tDN4QF.obM[] 投稿日:2013/06/21(金) 13:23:53 ID:qq1k0SDM0
【3】>>抵抗

ここで下手に手を出したら殺されかねない。
かといって説得も意味はなさそうだし、協力なんてもってのほかだ。


('A`)「とすると、残された選択肢は『救援願い』か『静観』になるわけだが……」

「そうだな、ここは無難に『抵抗』し('A`)「ちょっと待て」


あの女、こんな綱渡りみたいなときに一番めんどくさい選択を選んできやがった。
前までは何も言ってこなかったので悲観的にもなったが、物言うなら話は別だ。


(#'A`)「あのなぁ、すぐに死なれても困るっつってたのアンタだよな?」

「……」

('A`)「そこで黙るなよ……」

「いいじゃないか、仕方ないから出血大サービスだ」

「カードを選んだあとの解除時間をすこーしだけ伸ばしてやる。
 あとをどうするかは選んだあとの君次第だぜ☆」

(;'A`)つ「ちょ、待て、まだ準備が出来てない、止めろ!」ググ…

156 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/21(金) 13:24:35 ID:qq1k0SDM0

『抵抗』まで手が伸びる前にこちらが必死に抵抗するが、
俺の手はゆっくりとカードに向かって伸びていく。

カードの選択については少しだけ別の可能性も考えられるようになったようだが、
いざ行動に移そうとすると彼女の選択した物から逃れられない。

俺はまだ、これでも本心から思っていないのか。


(;'A`)つ「……畜生!」


『抵抗』のカードに手が届き、それを手に取る。


( A )「ちくしょう……」


身体の自由が確保されて、少し遅れて世界に色が戻ってくる。
俺は反射的に後ろを振り向き、相手の銃を取り上げてから、犯人に振り向いた。

157 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/21(金) 13:25:16 ID:qq1k0SDM0

('A`)「動くな」

爪#'ー`)「あぁ!?俺に命令してんじゃ……」

爪;'ー`)「な、何ィィーー!?」


さっきまで怒り心頭だった犯人が一気に顔を青ざめていく
そりゃそうだ、拘束してたと思った人間が目の前で銃を突き付けてるんだから
一種のポルナレフ状態だ


('A`)「手を上げて、壁に手を付けろ」

爪;'ー`)「お前どうやって……」

(#゚A゚)「早く!!!!!!!」

爪;'ー`)「は、はいいいいいいいいい!!!」


犯人が壁に手を付けるのを確認して、銃を相手に向けつつ窓をそっと開ける
外にいる警官に、俺は無事であること、犯人の銃を取り上げていることを伝える


「分かった、今行くからそのまま構えてて下さい!くれぐれも発砲しないように!」

('A`)「分かりましたー!」

158 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/21(金) 13:26:12 ID:qq1k0SDM0

数秒後、玄関の前で待ち構えていたと思われる警官が突撃して、犯人を確保する


爪#'ー`)「テメェーッ!!ムショ出たら絶ッ対ぶっ殺してやるからな!覚悟しろ!!!」

('A`)「……」


犯人の銃を警官に渡し、連行される犯人を横目に軽く事情聴取を受ける
どうやって銃を取り上げたのか聞かれたが、犯人がよそ見をしたということで適当にごまかした


「しかし君、災難だったね」


事情聴取をしてきた警官の一人が俺に話しかけてきた
さっきのフォックスとかいう犯人はやはり銀行強盗をした後だったようで、
グル―プの人間が捕まっていく最中、彼だけが何人かを銃撃して逃げおおせたという

『災難』、か


('A`)「……まぁ、災難なら、慣れましたよ」


窓の外を眺める
手前には首を傾げる警察官と、景色には遠ざかっていく赤色灯と少しだけ傾き始めた夕日が見えた

159 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/21(金) 13:27:08 ID:qq1k0SDM0
【4】

川*゚ -゚)「いやいや、『災難』だったなドクオ君!」ズゾ!ズゾゾゾー!!

('A`)「誰のせいだと思ってるんだ、あと食い方汚い」ズルズル


日が暮れて、さっきまで騒がしかった部屋の中も静かになった頃
クールが再び姿を見せて俺と一緒に夕飯のカップラーメンを食い始める
今日一日で初めて口にする食事のためか特別美味しく感じた


('A`)「……」


箸を止め、これまで選択した後のことを思い出す

カードを選んだ後の、とんでもない思考と行動力
その時は気づかないが、後で思い出すとまるで別人のような感じがする

俺はいつになったらこの生活から抜け出せるのだろう
捻じ曲げてやるとは言ったが、一生彼女の操り人形にもなりかねないのだ


川*゚ -゚)つ「お、もう食わんのか?仕方がないなぁ私が食べよう!」スッ

(;'A`)「あっ、またお前……!」


思いにふけっているとクールは俺のカップラーメンを取り上げる
おいおい、これって間接キスじゃねぇか

160 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/21(金) 13:28:04 ID:qq1k0SDM0

川*゚ -゚) ズゾゾー!

(;'A`)「……ハァ」


食い方は汚いが、なんか幸せそうに食べてる美人を見て、怒る気になれなくなった
俺はため息を一つつき、布団に入るために立ち上がる


川 ゚ -゚)「ん、なんだまた逃げるのか?」

(;'A`)「逃げないよ……普通に疲れただけだから」

('A`)「……そうだ、クール」

川 ゚ -゚)「なんだ?」


あの時邪魔が入ったので言えなかったが、本人がいるし直々に言ってやる


('A`)「俺はアンタの選択をいつか捻じ曲げてやる!覚悟しておけ!」

川 ゚ -゚)「……口だけなら何とも言えるがな……」

川 ゚ー゚)「ふっ、人間風情が出来るものならやってみろ」


そうして俺の、神様への戦いの火蓋が切って落とされた

161 名前: ◆tDN4QF.obM[sage] 投稿日:2013/06/21(金) 13:28:46 ID:qq1k0SDM0


川 ゚ -゚)「だが、まぁそのなんだ」


('A`)「ん?」


川 ゚ -゚)「そういうのは股間のテントを張らんように言うべきだったな」



('A`)



:(うA∩): ドウテイデスミマセン…



切って……落とされたのか?






第5話 「クールとかいう神様」 続く



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