川 ゚ -゚)クールに決める逆転裁判のようです

第一話「逆転のバレンタイン」

Part3

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187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:58:15.13 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
( ´∀`)「それは……」
 
(;=゚ω゚)ノ「被告人のスマホ……?」
 
川 ゚ -゚)「 『留守電のメッセージ』 だ」
 
 
(;=゚ω゚)ノ「まだ言うのかよぅ」
 
(;=゚ω゚)ノ「いったい、それのどこに、“大きなカン違い” があるというんだよぅ?」
 
川 ゚ -゚)「この、メッセージ。一見、“被害者が残したものであるかのように思われる” な?」
 
(;=゚ω゚)ノ「とッ、当然だよぅ!! これは被害者の声だ、と、証人はおろか被告人でさえ認めてるよぅ!」
 
( ´∀`)「……教えてください、素直さん」
 
 
 
 
( ´∀`)「この、留守電の声。……これは、いったいなんだったのか」
 
( ´∀`)「ワレワレは、“なにを” カン違いしていたのですか?」
 
 
 
.

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:01:30.49 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 クールは、そっと目をつむった。
 
 
 
川 - -)「(私のコタエを……示してやろう)」
 
 
 
 
 
 「それはギコではない男の声である」
 
 「録音された時刻が正しくない」
 
 「そもそも肉声が録音されたものではない」
 
 
 
 
.

193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:08:47.24 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 
 
 ――そして、その三つの可能性のなかから、迷いなくコタエを選んだ。
 
 
 
川 ゚ -゚)「ワレワレのしていた “大きなカン違い” 。それは!」
 
 
 
 
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「これは、被害者の残した肉声ではない!」
 
 
川 ゚ -゚)「 “別の携帯電話に残されていたメッセージだった” のだ!!」
 
 
 
 
 
 
 
.

194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:09:45.50 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
( ;´∀`)「!?」
 
(;=゚ω゚)ノ「な……なんだってえええええええええッ!?」
 
( ;´∀`)「いったい、どういう意味ですか!」
 
 
川 ゚ -゚)「今まで私たちは、この留守電に残された声を、
     被害者……ギコ本人が残したものだと思っていた」
 
川 ゚ -゚)「……しかし。実際は、そうではなかったのだよ」
 
(;=゚ω゚)ノ「……ッ!」
 
 
( ;´∀`)「なら、ほんとうはなんだったのですか!」
 
川 ゚ -゚)「この声は……」
 
 
.

198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:11:27.49 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
川 ゚ -゚)「別の携帯電話に残されたメッセージ」
 
川 ゚ -゚)「それを、ギコの携帯電話の送話口から流しただけのもの」
 
川 ゚ -゚)「つまり!」
 
 
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「この 『留守電のメッセージ』 は本来は、証人の携帯電話に残されていたものだったというわけだ!」
 
 
 
 
 
.

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:12:12.91 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 
 
(;=゚ω゚)ノ「!」
 
 
爪; - )「ッ!!」
 
 
 
 
(;=゚ω゚)ノ「い、異議あ――」
 
( ´∀`)「……面白い。説明してみなさい」
 
(;=゚ω゚)ノ「裁判長!」
 
 
.

202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:13:48.80 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
川 ゚ -゚)「……もともと、“証人の電話に” 、ギコから電話がかかってきたんだ」
 
川 ゚ -゚)「だが、証人はでなかった。結果、ギコは “証人の携帯に” 留守電のメッセージを残した」
 
川 ゚ -゚)「そして、“呼ばれた” 証人は、ギコ宅に向かう」
 
川 ゚ -゚)「そこで……証人は、殺したんだ。ギコを」
 
川 ゚ -゚)「すぐに、証人は例のコンビニに向かった。このとき、18時29分だ」
 
川 ゚ -゚)「そこで証人は……どうした?」
 
(;=゚ω゚)ノ「どう、って、……トイレに……」
 
(;=゚ω゚)ノ「………あ!」
 
川 ゚ -゚)「そう。……そこで、証人は被告人に電話をかけた」
 
 
 
川 ゚ -゚)「 “ギコの携帯電話を使って” 、な」
 
 
 
.

204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:14:53.83 ID:fJTgQXGu0
 
 
(;=゚ω゚)ノ「異議ありィ! 被害者のケータイは、紛失され……」
 
(;=゚ω゚)ノ「………あッ! ま、まさか!!」
 
川 ゚ -゚)「紛失? ばかも休み休み言いたまえ」
 
 
 
川 ゚ -゚)「 “現場から持ち去った” のだよ、証人がな!」
 
爪; - )「ッ!」
 
 
 
川 ゚ -゚)「その、『紛失した携帯電話』 から、被告人に電話をかける」
 
川 ゚ -゚)「そこで、証人は自分の携帯電話に残っている 『留守電のメッセージ』 を……再生した!」
 
川 ゚ -゚)「すると、どうなるか!」
 
 
 
( ´∀`)「被告人の携帯に、“被害者の携帯から” 、“被害者の声で” そのメッセージが届く……」
 
 
 
.

206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:16:56.92 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
(;=゚ω゚)ノ「あああああああッ!!」
 
川 ゚ -゚)「……そのとき、被告人が電話にでても問題はなかったんだ」
 
川 ゚ -゚)「『もしもし。俺だ、ギコ』
     『すまんが、もう一度、俺の家に来てくれないか』
     『……さっき、言い忘れたことがあったんだ』」
 
川 ゚ -゚)「……ここまでだけ、を聞かせれば、
     それが 『留守電のメッセージ』 の声だ、とはわからないからな」
 
( ´∀`)「た…確かに! 発信元も、声も、内容も……
      すべてに、辻褄が合ってます!」
 
(;=゚ω゚)ノ「……!」
 
 
 そこで、いようも目を見開いた。
 彼もわかったのだ。
 
 この、一見、カンペキにアリバイを証明していたかのように思われたトリックの正体が――カンゼンに。
 
 
.

207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:18:03.42 ID:fJTgQXGu0
 
 
 だが。
 
 
(;=゚ω゚)ノ「異議ありィ!」
 
 
 それでも、彼はまだ、認めてはいけなかった。
 なぜなら、彼は検察官、なのだから。
 
 
 
川 ゚ -゚)「……なんだろうか」
 
(;=゚ω゚)ノ「つまり、前提として “証人にもまったく同じ
      メッセージが残される状態だった” ということになるよぅ?」
 
川 ゚ -゚)「ああ」
 
(;=゚ω゚)ノ「メッセージでは、被害者は “もう一度” と言ってるよぅ!」
 
(;=゚ω゚)ノ「被告人は、これより前に一度、被害者と会っている」
 
(;=゚ω゚)ノ「……なら、証人は! 証人は、どうなんだよぅ!」
 
(;=゚ω゚)ノ「証人も同様に、このときより以前に一度、被害者と会ってないとだめだよぅ!」
 
 
.

208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:19:36.62 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
川 ゚ -゚)「(……いま、思えば)」
 
川 ゚ -゚)「(あのときの、証人の証言に含まれたウソ)」
 
川 ゚ -゚)「(あれは、コレを隠すために吐いていたのか…!)」
 
 
 
川 ゚ -゚)「……愚問だな」
 
(;=゚ω゚)ノ「なに…?」
 
川 ゚ -゚)「証人は、認めてしまったぞ」
 
川 ゚ -゚)「 “被害者に二度会った” ということを……証言で!」
 
(;=゚ω゚)ノ「まさか、そんなハズは……あっ!」
 
爪; - )「………。」
 
 
.

212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:26:39.36 ID:fJTgQXGu0
 
 
川 ゚ -゚)「……そう」
 
川 ゚ -゚)「私が、打撲における 《時間》 についてムジュンを指摘したとき」
 
川 ゚ -゚)「彼女は……認めてしまったのだ」
 
 
 
   爪゚ー゚)『……あの日、確かにわたしは16時から17時半までギコくんと会ってました』
 
   爪゚ー゚)『ほんとうは……18時過ぎ。そのときに、ギコくんともう一度会いました』
 
 
 
(;=゚ω゚)ノ「ああああ……ッ」
 
川 ゚ -゚)「 “もう一度” 会った。では、その会うキッカケはなんだったのか?」
 
川 ゚ -゚)「被害者から残された、ホンモノの 『留守電のメッセージ』 。 これに呼び出されたのだ」
 
川 ゚ -゚)「その時間帯は……死亡推定時刻の、“18時過ぎ” ッ!」
 
 
爪; - )「ァ……あ……、…!」
 
川 ゚ -゚)「さあ、認めろ! もうすべての証拠が証人を指し示しているぞ!」
 
.

214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:29:42.59 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
(;=゚ω゚)ノ「……待て、よぅ」
 
川 ゚ -゚)「……まだ、なにかあるのか?」
 
(;=゚ω゚)ノ「 “証拠” 」
 
川 ゚ -゚)「なに?」
 
 
(;=゚ω゚)ノ「法廷では、証拠がすべてだよぅ」
 
( ´∀`)「ええ。そのとおりです」
 
(;=゚ω゚)ノ「弁護側の主張をまとめると、こうだよぅ」
 
(;=゚ω゚)ノ「証人は18時過ぎに被害者を殺害後、コンビニに移動。
      トイレに籠もっている間に、自身の携帯に残された 『留守電のメッセージ』 を
      被害者の 『紛失した携帯電話』 から、被告人に送った……違うかよぅ?」
 
川 ゚ -゚)「そのとおりだ」
 
(;=゚ω゚)ノ「それをした、という証拠だよぅ」
 
川 ゚ -゚)「……!」
 
 
.

216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:33:11.42 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
( ´∀`)「確かに……」
 
( ´∀`)「状況を見る限りではこれらは起こりえたかのように思われます」
 
( ´∀`)「しかし…… “ほんとうにそれをしたのか” となると、証拠がいりますね」
 
川 ゚ -゚)「なに……?」
 
 
 
 
( ´∀`)「素直さん。……これで、ほんとうに最後です」
 
 
( ´∀`)「 《コンビニのトイレから電話をかけた》 ……その証拠を、提示してください!」
 
 
 
.

220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:41:03.10 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
川 ゚ -゚)「……口を滑らせてしまったな、証人」
 
爪;゚ -゚)「え……?」
 
川 ゚ -゚)「貴様の、“あのヒトコト” がなければ……私は、この可能性には気づけないでいた」
 
( ´∀`)「ということは……あるのですね? 証拠が」
 
川 ゚ -゚)「ある……というより、ここで披露するほうが早いだろう」
 
( ´∀`)「というと?」
 
 
川 ゚ -゚)「 『留守電のメッセージ』 ……」
 
川 ゚ -゚)「確かこれには、“ノイズ” が混じっていたよな?」
 
( ´∀`)「ノイズ……」
 
川 ゚ -゚)「一方で、店内では被告人のナントカという歌が流れていた」
 
(=゚ω゚)ノ「それが、ノイズとどう関係……」
 
(;=゚ω゚)ノ「………あっ! ああああああああああッ!!」
 
 
.

221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:42:17.12 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「裁判長、『留守電のメッセージ』 の、ノイズだ!」
 
 
川 ゚ -゚)「このノイズを精密に調べることを、弁護側は提案する!」
 
 
川 ゚ -゚)「もし、それで例の歌が、かすかにでも聞こえれば……」
 
 
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「それで、すべてがわかる!」
 
 
 
BGMここまで
 
 
 
.

224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:47:31.44 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
( ;´∀`)
 
 
(;=゚ω゚)ノ
 
 
(;*゚−゚)
 
 
爪; - )
 
 
川 ゚ -゚)
 
 
 
 
 
( ;´∀`)「……と、とりあえず……もう一度、再生してみま――」
 
 
   「待って!!」
 
 
 
.

226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:49:20.05 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
( ´∀`)「! どなたですか」
 
爪; - )「待って! それだけはやめて!」
 
(;=゚ω゚)ノ「しょ、……証人……?」
 
 
 
川 ゚ -゚)「ということは……」
 
川 ゚ -゚)「 “認める” のだな?
     猫乃ギコを殺害したことを……」
 
 
 クールが、ちいさいながらも、重くのしかかってくる声をかける。
 すると証人は、証人席のテーブルの上に突っ伏して
 
 
 
 
.

228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:51:14.16 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 
 
爪; - )「う…………………」
 
爪; - )「ア」
 
 
 
 
 
爪;д;)「ああああああああああああああああああああああああああ
.      あああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアア
.      アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
 
 
 
 
 
.

235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:56:18.76 ID:fJTgQXGu0
 
 
川 ゚ -゚)
 
 
(;=゚ω゚)ノ
 
 
( ´∀`)
 
 
爪;д;)
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「……おそらくは、こういうことだったんだ」
 
( ´∀`)「なんでしょう」
 
 
 ――杉浦じぃは、一度大きく叫んだかと思うと、それまでと違い、態度が一変した。
 声は発さなくなった代わりに、時折肩を震わせながら、嗚咽を漏らしている。
 無口で、隙をなかなか見せなかった。そんなじぃが、明らかに “壊れて” いた。
 
 その心情を、敵方でありながら、クールは汲み取る。
 彼女から視線を外させるために、クールは、開く必要のない口を開いた。
 
 
.

238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:57:18.49 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
川 ゚ -゚)「証人、杉浦さんは、被害者、猫乃さんに…… “フラれた” のだと弁護側は考える」
 
( ´∀`)「フラれた……?」
 
川 ゚ -゚)「……もっとも単純であり、かつリッパな動機だ」
 
(;=゚ω゚)ノ「あっ…」
 
 
川 ゚ -゚)「この、十四日、いったん別れたとき」
 
川 ゚ -゚)「ただデートをお開きにした……のではなく」
 
川 ゚ -゚)「………被害者と証人が、喧嘩別れしたのだと思う」
 
 
( ´∀`)「…」
 
(;=゚ω゚)ノ「…」
 
 
.

239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 23:58:53.10 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
川 ゚ -゚)「そして、被害者は証人を呼び出した」
 
川 ゚ -゚)「喧嘩別れからの呼び出し……ジューブンにありえそうなことだろう」
 
(=゚ω゚)ノ「なんで呼び出したんだよぅ?」
 
川 ゚ -゚)「そんなもの、被害者本人にしかわかるまい」
 
川 ゚ -゚)「……でも。あくまで、女性という立場から推測を立てるなら……」
 
 
 
(*゚ー゚)「 “仲直りしてくれる” ……そう思うでしょうね」
 
(=゚ω゚)ノ「…!」
 
川 ゚ -゚)「ところが、それが違った――」
 
川 ゚ -゚)「そうなると、自然と話は見えてこないか?」
 
 
.

240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:01:29.18 ID:FW8rxdL70
 
 
 
( ´∀`)「しかし……素直さんが指摘したように、あくまで一度目の発砲はベランダのほうからです」
 
( ´∀`)「……どうして、こんなところで犯行がおこなわれたのでしょうか」
 
川 ゚ -゚)「そのままだ。ベランダから入ろうとしたんじゃないのか?」
 
(=゚ω゚)ノ「異議あり……なんて叫ぶつもりはないけど……どうしてだよぅ?」
 
川 ゚ -゚)「………」
 
(=゚ω゚)ノ「?」
 
 
 クールが、神妙な顔つきになる。
 戦意の枯れたいようは突っかかる姿勢を見せなかったが、それでも不審に思いはした。
 
 このとき。
 クールは、その推理をはたして言っていいのかどうか、を悩んでいた。
 
 
 クールも、じぃと同じ女性だから、である。
 同じだからこそ、彼女の心境―― “恋心” に共感を持てていたのだ。
 
 
.

242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:03:16.34 ID:FW8rxdL70
 
 
川 ゚ -゚)「これは、証拠のまったくない、カンゼンなオクソクだが……」
 
( ´∀`)「構いません。証人にも話を聞かないとだめなのですが、
      その証人がまだクチを利けそうな状態ではないので……」
 
 
 「心得た」。
 じぃのほうには目を遣らず、クールは快諾した。
 
 ――そのあとの語り口は、実にぎこちないものではあったが。
 
 
川 ゚ -゚)「呼び出しを受けて、被害者宅に向かう道中。このときは、殺意などなかったのだろう」
 
( ´∀`)「 “このとき” ……?」
 
(=゚ω゚)ノ「 “ベランダから入って即座に発砲した” との主張から考えると、
.     殺意はその向かう道中で芽生えたって解釈でいいかよぅ?」
 
川 ゚ -゚)「ああ」
 
 
(=゚ω゚)ノ「ズバリ訊くよぅ」
 
(=゚ω゚)ノ「 《証人に殺意を芽生えさせたキッカケ》 ……それは、なんだよぅ?」
 
 
.

244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:04:15.45 ID:FW8rxdL70
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「……」
 
川 ゚ -゚)「………」
 
 
(=゚ω゚)ノ「この点ばかりはコンキョが欲し――」
 
川 ゚ -゚)「不思議だったのだ」
 
(=゚ω゚)ノ「――え?」
 
 
 クールが腕を組む。
 彼女が、なにかわからないものがあるときにとるクセだ。
 
 訝しげな顔を浮かべ、声を低くさせる。
 
 
 
.

245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:05:20.00 ID:FW8rxdL70
 
 
 
川 ゚ -゚)「検事に言ったわけではない」
 
(=゚ω゚)ノ「は?」
 
川 ゚ -゚)「……君は、ひょっとすると」
 
川 ゚ -゚)「最初から……わかってたんじゃないのか?」
 
川 ゚ -゚)「 《真犯人が誰だったのか》 ……それも、ちゃんとしたコンキョがあって」
 
 
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「……椎名、しぃ」
 
(*゚−゚)「…。」
 
 
 
 
.

246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:07:03.09 ID:FW8rxdL70
 
 
( ´∀`)「! どういうことですか!」
 
川 ゚ -゚)「 “殺意のキッカケは道中で生まれた” 。
     ……その間、被害者が証人に関与していなかった以上、
     殺意の要因は他のものにあったと思われる」
 
川 ゚ -゚)「考えてみてほしい。
      “恋人のギコ以外に、じぃに殺意を与えかねない存在” ……を」
 
 
 クールは、今までの流れからして、
 きっとすぐにわかるだろう、と思った上でそう問いかけた。
 
 しかし。
 裁判長もいようも、難しい顔をした。
 
 
(;=゚ω゚)ノ「それは……えぇぇ?」
 
( ;´∀`)「ムズカしい質問をしますね……。」
 
 
 
川 ゚ -゚)
 
川#゚ -゚)「オンナゴコロを理解しないヤツらめ!」
 
.

247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:09:24.00 ID:FW8rxdL70
 
 
 
( ´∀`)「オンナゴコロ……?」
 
(;=゚ω゚)ノ「…! ま、まさか!」
 
 
 
 
 
(;=゚ω゚)ノ「 “被告人と会った” のかよぅ!?」
 
 
 
 
 
.

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:11:29.81 ID:FW8rxdL70
 
 
 
(*゚−゚)「……。」
 
 
川 ゚ -゚)「私個人としては、そうではないか、とニラんでいる」
 
川 ゚ -゚)「……休廷中」
 
 
 
 
   川 ゚ -゚)『その人物について、心当たりはあるのか?』
 
   (*゚ー゚)『心当たり?』
 
   (*゚ー゚)『………。』
 
   ( `・д・)ゞ『時間です』
 
   川 ゚ -゚)『……まあ、なんとかなるさ。行こう』
 
   (*゚ー゚)『あ……はい』
 
 
 
.

256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[猿がやばいです] 投稿日:2013/03/27(水) 00:28:36.76 ID:FW8rxdL70
 
 
 
川 ゚ -゚)「非ロンリ的」ではあるが、このときの彼女の態度が、ケゲンに思えてな」
 
川 ゚ -゚)「一方で、だ」
 
 
 
   川 ゚ -゚)『……しぃさん』
 
   (;*゚−゚)『?』
 
   川 ゚ -゚)『君と被害者は……どういう関係なんだ?』
 
   (;*゚ー゚)『………』
 
   川 ゚ -゚)『答え――』
 
 
   (=゚ω゚)ノ『失礼したよぅ。では、本筋に戻るよぅ』

   川 ゚ -゚)『……まあ、いいか』
 
   (;*゚ー゚)『………。』
 
 
 
.

259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:31:13.62 ID:FW8rxdL70
 
 
 
川 ゚ -゚)「証人が被害者の恋人だ、と知ったとき」
 
川 ゚ -゚)「このときの彼女の動揺からおしはかると……」
 
( ´∀`)「おしはかると?」
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「証人が被害者宅に向かう道中」
 
川 ゚ -゚)「証人と被告人が、グーゼン出くわしてしまった」
 
川 ゚ -゚)「被告人はアイドルだ、証人が話しかけるのはなんらおかしいことではないだろう」
 
 
川 ゚ -゚)「……そこで」
 
川 ゚ -゚)「しぃさん、あなたは……」
 
 
 
川 ゚ -゚)「自分と被害者との関係のことを、言ってしまったのでは?」
 
 
 
.

261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:34:17.61 ID:FW8rxdL70
 
 
(*゚−゚)「………。」
 
 
(;=゚ω゚)ノ「自らスクープのネタになりそうなことを言うとは思えないよぅ!」
 
川 ゚ -゚)「確かに、言ってないだろうな」
 
 
川 ゚ -゚)「…… “直接的に” は」
 
 
(;=゚ω゚)ノ「異議ありィ! …あ、言っちゃったよぅ」
 
(;=゚ω゚)ノ「とにかく。ファン相手であろうと、見ず知らずの相手。
      どんな会話をすれば、自分と被害者との関係が伝わるんだよぅ!」
 
 
 
川 ゚ -゚)「(検事は、オトメゴコロを理解していない)」
 
川 ゚ -゚)「(……ならば、クチで言うより、こいつのチカラを借りるほうがいいな)」
 
 
 
川 ゚ -゚)「(…… “あの証拠品” ……。今なら、ほんとうの意味が見える気がする)」
 
 
.


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