川 ゚ -゚)クールに決める逆転裁判のようです

第一話「逆転のバレンタイン」

Part3

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118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 21:41:20.88 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
(;=゚ω゚)ノ「 『観葉植物』 、『土の跡』 、そしてショーエン反応……」
 
(;=゚ω゚)ノ「よくまあ、こんな誰も見向きもしなさそうなモノからここまで持ってこれたよぅ。
      その点については、褒めてあげるよぅ」
 
川 ゚ -゚)「……なにが、言いたい」
 
(=゚ω゚)ノ「いよいよ、ぼくも調子づいてきたってところだよぅ」
 
(=゚ω゚)ノ「 “いよいよ有罪” ……この肩書きを、覚えておくといいよぅ」
 
川 ゚ -゚)「い……」
 
 
 
川;゚ -゚)「いよいよユウザイ……?」
 
(*゚ー゚)「(あまりかっこよくない)」
 
 
.

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 21:43:28.58 ID:fJTgQXGu0
 
 
( ´∀`)「……とにかく、検察側にはまだ反論材料が残っている、と」
 
(=゚ω゚)ノ「トーゼンだよぅ。………いや」
 
( ´∀`)「いや?」
 
(=゚ω゚)ノ「残っている、というよりも、
.     弁護側の気迫に押されて忘れていたってところだよぅ」
 
( ´∀`)「と、いうと」
 
(=゚ω゚)ノ「最初に言ったつもりだよぅ。
.      “犯人が、証人ではありえない” という証拠を」
 
( ´∀`)「証人では、ありえない……?」
 
 
川 ゚ -゚)「……あ」
 
川;゚ -゚)「ああああああああああああああああッ!!」
 
 
(=゚ω゚)ノ「思い出したかよぅ? 物理的に、彼女に犯行はありえないんだよぅ」
 
(=゚ω゚)ノ「この……」
 
 
.

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 21:45:42.13 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 
 
 
 
 
(=゚ω゚)ノ「 『コンビニの防犯カメラの映像』 と 『留守電のメッセージ』 がある限り!!」
 
 
 
 
 
 
.

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 21:47:21.55 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
川;゚ -゚)「(忘れてた! これがある限り、証人のアリバイは成立したままだったんだ!)」
 
(;*゚ー゚)「べ、弁護士さん!」
 
 
( ´∀`)「……だとすると、これはいったいどういうことだったのでしょうか」
 
(=゚ω゚)ノ「コレ、とは?」
 
( ´∀`)「植木鉢の指紋、『土の跡』 、『観葉植物』 、ショーエン反応……」
 
( ´∀`)「これらの証拠は、ハンニンが証人であることを指し示しているようにも思えます」
 
(=゚ω゚)ノ「しかし、どれも間接的なものばかりだよぅ。
.     証人がハンニンだ、という決定的な証拠はなにひとつないんだよぅ」
 
( ´∀`)「なら、どこかで見方を間違えたというだけなのかもしれませんね」
 
(=゚ω゚)ノ「きっとそうだよぅ。検察側からは……」
 
 
(=゚ω゚)ノ「 “再捜査” を望むよぅ」
 
( ´∀`)「再捜査……それがいいでしょう。素直さん、どうですかな?」
 
 
.

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 21:49:34.86 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 裁判長の、温かみがあるも厳かな眼がクールを捉える。
 とたんに、クールは顔をしかめた。
 
 
川;゚ -゚)「(じょ、ジョーダンじゃない! いま追い詰めないと、逃げられてしまう!)」
 
川;゚ -゚)「(こじつけのうまい検事のことだ……
.     どうでもいいような状況証拠をデッチ上げて、ギワクの目をそらしてくるに違いない)」
 
川;゚ -゚)「(いま、追い詰めないと……!)」
 
 
 
川;゚ -゚)「……弁護側は、断固反対だ。
.     これ以上捜査しても、なにも掴めるものはないと考える!」
 
(=゚ω゚)ノ「なにも掴めない、ことはないよぅ。
.     証人のアリバイと、現場の状況がムジュンしている。
.     そのムジュンの理由を追うことがダイジだと検察側は考えるよぅ」
 
( ´∀`)「弁護側の異議を却下します」
 
(=゚ω゚)ノ「賢明なごリカイを、感謝するよぅ」
 
 
.

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 21:54:12.60 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
川;゚ -゚)「………!」
 
川:゚ -゚)「……………。」
 
 
川;゚ -゚)「(……追い詰めた、と思っていたら、いつの間にか追い詰められていた)」
 
川;゚ -゚)「(逆転した、と思っていたら、いつの間にか逆転されていた)」
 
川;゚ -゚)「(これが……こんなことがあって、いいのか……?)」
 
川;゚ -゚)「(……このまま……)」
 
 
 
 
川;゚ -゚)「このまま、逆転負けを許して……いいのか?」
 
 
 
.

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 21:56:33.42 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 追い詰めた――と思ったのに、追い詰めていなかった。
 それによって、一瞬浮かんだ気持ちが、すぐ谷底に突き落とされてしまった。
 
 
 その気持ちは、しぃも一緒だったようだ。
 彼女の声は、アイドルとは思えないほど、焦燥に満ちたものとなっていた。
 
 
 
(;*゚ー゚)「弁護士さん、どうしよう!」
 
川;゚ -゚)「ハンニンは、証人で決まっている!
.     だが、それだと彼女のアリバイとカンゼンに 《ムジュン》 してしまうんだ!」
 
(*゚ー゚)「 《ムジュン》 ……?」
 
川;゚ -゚)「……どうした?」
 
 
 
  《ムジュン》 。
 
 その言葉を聞いたとたん、しぃは、声色を変えた。
 なぜ急に態度が変わったのか、クールにはわからなかった。
 
 
.

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 21:58:27.80 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
(*゚ー゚)「…… 《ムジュン》 って、つまり、ありえないってことですよね?」
 
川 ゚ -゚)「あ、ああ。 チューゴク国の古い話からきている」
 
(*゚ー゚)「そうですよ。 “ありえない” んですよ、これって」
 
川 ゚ -゚)「なにが言いたい?」
 
(*゚ー゚)「 “ありえない” ……つまり、この 《ムジュン》 を織り成す二つのうち、
      “どちらかは間違っている” んですよ」
 
川 ゚ -゚)「ム……そうなる、な」
 
(*゚ー゚)「ムジュンを織り成す二つ……彼女のアリバイと、現場のショーエン反応。
     どっちが間違ってる、と思いますか?」
 
川 ゚ -゚)「……君が、ほんとうに無実を主張するなら――」
 
(*゚−゚)「ムジツです」
 
 
 
川 ゚ -゚)「前者。アリバイが、ウソということになる」
 
 
.

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:04:10.26 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
(*゚ー゚)「じゃあ、そのアリバイを作ってるものは?」
 
川 ゚ -゚)「ム……。
      『コンビニの防犯カメラの映像』 と、『留守電のメッセージ』 だ」
 
(*゚ー゚)「でもそれって、どちらか片方がウソ、まやかしだったら?」
 
川 ゚ -゚)「まやかしだったら……?」
 
 
 
川 ゚ -゚)「……! “アリバイは崩れる” …!」
 
 
 
(*゚ー゚)「……私は、もう何度も言うけど、ほんとうにやってない」
 
(*゚ー゚)「だから……きっと、そこに行き着くんじゃないかなあ、って……そう、思います」
 
川 ゚ -゚)「ああ。君の言うとおりだ……しぃさん」
 
(*゚ー゚)「…えへへ……」
 
 
.

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:06:24.40 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
( ´∀`)「では、本法廷の、これからの方針を伝え――」
 
川 ゚ -゚)「………議……り。」
 
( ´∀`)「……へ? すみません、よく聞こえなかったのですが――」
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「  異 議 あ り ッ ! ! 」
 
 
 
 
(;=゚ω゚)ノ「ひぇッ! ……だから、声がデカいよぅ!」
 
( ´∀`)「というより……素直さん、まだ何か?」
 
川 ゚ -゚)「裁判長、この事件に再捜査の必要はない!」
 
( ´∀`)「ほ?」
 
 
.

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:08:27.16 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
(=゚ω゚)ノ「い、異議ありだよぅ! なにを言うかと思えば……」
 
(=゚ω゚)ノ「あきらかに、アリバイとショーエン反応とで、ムジュンがあるよぅ」
 
(=゚ω゚)ノ「そしてなにより、そのムジュンを指摘したのは、他ならぬ弁護人!」
 
(=゚ω゚)ノ「再捜査をしなければならないのは、ジメイのリだよぅ!」
 
 
川 ゚ -゚)「そう……確かに、そうなるな」
 
(=゚ω゚)ノ「だよぅ? だから――」
 
川 ゚ -゚)「 “これが、ほんとうにムジュンだったなら” な」
 
(=゚ω゚)ノ「……なんだって?」
 
 
川 ゚ -゚)「弁護側は、こう主張する!」
 
 
 
川 ゚ -゚)「 “これは、ムジュンでもなんでもない” ……と」
 
 
 
.

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:11:35.14 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
(=゚ω゚)ノ「異議……を唱えるまでもないよぅ」
 
(=゚ω゚)ノ「弁護人は、証人がこの事件の真犯人だ、とコクハツした」
 
(=゚ω゚)ノ「一方で、証人はコンビニにてアリバイがある」
 
(=゚ω゚)ノ「……どこが、筋が通ってるっていうんだよぅ?」
 
川 ゚ -゚)「………その」
 
(=゚ω゚)ノ「?」
 
 
川 ゚ -゚)「その、アリバイには………」
 
 
 
 
 クールは、コホン、と咳払いをした。
 
 
川 ゚ -゚)「そのアリバイには……細工されたアトがある」
 
 
 
.

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:15:23.55 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
(=゚ω゚)ノ「細工……?」
 
( ´∀`)「ほう……。また、オモシロいことを言いましたな」
 
 
 いようがきょとんとした。
 予想だにしていなかった主張を、しかもこの場面でされたからだ。
 
 裁判長も、彼女の威勢のいい言葉を聞いて、少し心証が揺らいだように見えた。
 アゴに大きくはやしたヒゲをさすりながら、何度もうなずく。
 それを見て、いまのうちだ――と、クールはそのことを検討し始めた。
 
 
 今の一連の発言は、ただイキオイとノリに任せただけの、でたらめ。
 ハッタリ、だったのだ。
 
 
.

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:23:11.72 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
川 ゚ -゚)「(二つの証拠品……
      『コンビニの防犯カメラの映像』 と 『留守電のメッセージ』 )」
 
川 ゚ -゚)「(これのどちらかに、それが混じってるんだ)」
 
 
 
川 ゚ -゚)「(これが……私が最後に示すべき、最後の、選択)」
 
川 ゚ -゚)「(もう、ハッタリは許されない。ここで間違えれば、その時点で……無罪は、なくなる)」
 
川 ゚ -゚)「(素直、クール。……考えるんだ)」
 
川 ゚ -゚)「( 『コンビニの防犯カメラの映像』 ?
      『留守電のメッセージ』 ?)」
 
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「 《間違っている証拠品》 は、どっちだ………?」
 
 
 
 
.

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:26:22.72 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「……… 『留守電のメッセージ』 」
 
(=゚ω゚)ノ「…?」
 
川 ゚ -゚)「弁護側は……いま、ここで、予言してみせよう」
 
 
 
川 ゚ -゚)「この、被告人のスマホに残された、『留守電のメッセージ』!」
 
川 ゚ -゚)「これは、真っ赤なウソ! でたらめだ!!」
 
 
 
川;゚ -゚)「( “なにが” まではわからないけど!)」
 
 
 
 
.

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:27:45.94 ID:fJTgQXGu0
 
 
( ´∀`)「な……なんですって!」
 
(=゚ω゚)ノ「異議ありィ! どうしてそんなことが言えるんだよぅ!」
 
 
川 ゚ -゚)「(どうして、だと? そんなもの、決まりきっている)」
 
川 ゚ -゚)「(防犯カメラのほうには、細工を加える余地がまるでないからだ)」
 
川 ゚ -゚)「(映像は、カンペキに証人を示している。彼女が、この時間帯にコンビニを訪れた、という証拠だ)」
 
川 ゚ -゚)「(だとしたら……)」
 
 
川 ゚ -゚)「……間違っているのは、『留守電のメッセージ』 」
 
(=゚ω゚)ノ「?」
 
 
 
 この瞬間から、クールの集中力は、それまでにないくらいに研ぎ澄まされていった。
 
 
 
川 - -)「いま、この場で、決着を………つけるのだ」
 
 
.

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:29:16.84 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
川 - -)「(18時36分、被害者は “声” をしぃさんのスマホに残した)」
 
川 - -)「(それは、つまり被害者がその時間帯までは生きていたことを証明する)」
 
川 - -)「(そして、18時36分、証人はコンビニにいた)」
 
川 - -)「(この二点が互いに絡み合うから、したがってアリバイができるのだ)」
 
川 - -)「(証人がハンニンだとするなら、このどちらかが、ニセモノ)」
 
川 - -)「(そして、ニセモノは、さっき考えたように、スマホのほうだ)」
 
川 - -)「(だが……ここに、つけいる隙など、あるのか?)」
 
川 - -)「( “ギコが残した声のどこがニセモノだったのか” ?)」
 
川 - -)「(……いや、そう考えるんじゃない)」
 
 
 
川 ゚ -゚)「( “発想を逆転させる” んだ……!)」
 
 
.

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:31:32.73 ID:fJTgQXGu0
 
 
川 ゚ -゚)「( “ギコが残した声のどこがニセモノだったのか” ?)」
 
川 - -)「(……そんなもの、結果論的にしか知りようがない)」
 
川 ゚ -゚)「(ならば、こう考えればいいんだ)」
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「( “ギコの声を捏造するには、どうすればいいのか” )」
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「(証人がハンニンだとするなら、
     当然この18時36分の時点で、被害者は “もう死んでいた” のだ)」
 
川 ゚ -゚)「(するとしたがって、この留守電の声は “捏造されたもの” となる)」
 
川 ゚ -゚)「(だったら、その捏造の方法さえ提示することができれば……)」
 
 
 
川 ゚ -゚)「声を、捏造する方法……?」
 
 
 
.

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:33:27.14 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
(*゚ー゚)「? どうしました?」
 
川 ゚ -゚)「……しぃさん」
 
(*゚ー゚)「はい」
 
川 ゚ -゚)「 “誰かの声を捏造する方法” ……といえば、どんなものが思いつく?」
 
(;*゚ー゚)「ね、捏造?」
 
川 ゚ -゚)「今回のケースで言えば、君のスマホに残ったメッセージ……」
 
川 ゚ -゚)「 “被害者本人が残していなかった” とするなら……
     このメッセージはどうやって残されたと思う?」
 
(*゚ー゚)「あ、ああ……。えっと、そうですね」
 
 
 
(*゚ー゚)「……声マネ」
 
川 ゚ -゚)
 
(;*゚ー゚)「そ、そんな目しないでくださいよ……」
 
 
.

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:37:00.01 ID:fJTgQXGu0
 
 
川 ゚ -゚)「……しぃさん。 “ハンニンは証人だ” という前提で考えてほしい」
 
(*゚ー゚)「あ……女性にギコくんの声はムリですね」
 
 ギコの声は低かった。
 男性なら、あわよくば似たような声を出せるかもしれないが
 とても、女性がその声を出せるとは思えなかった。
 
 
(*゚ー゚)「そうですね、えーっと……」
 
川 ゚ -゚)「……
 
(*゚ー゚)「………」
 
 
(;*゚−゚)「……うーん」
 
川 ゚ -゚)「ハンニンは証人だ、って前提でいいんだ。何かないか」
 
(;*゚ー゚)「と言われましても……」
 
川 ゚ -゚)「 “彼女だから、被害者の声を捏造するのは可能だった” 。
     そんな方法が、なにか……、…………?」
 
(*゚ー゚)「どうしました?」
 
.

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:40:44.32 ID:fJTgQXGu0
 
川 ゚ -゚)「………」
 
川 ゚ -゚)「( “証人だから、できた” ……?)」
 
 
 
   爪゚ー゚)『……わたしは、ギコくんの、恋人です』
 
 
 
   爪゚ー゚)『……あの日、確かにわたしは16時から17時半までギコくんと会ってました』
 
   爪゚ー゚)『でも、そのときには彼は転ばなかったんです』
 
   爪゚ー゚)『ほんとうは……18時過ぎ。そのときに、ギコくんともう一度会いました』
 
 
 
   爪゚ー゚)『コンビニには、いきました。間違いありません。
.        トイレにも行ったし、雑誌も読みました』
 
 
 
   (=゚ω゚)ノ『裏づけのために証言を頼むと、当時のコンビニはどんな様子でしたかよぅ?』
 
   爪゚ -゚)『……被告席にいらっしゃる人の、恋愛ソングが流れていました』
 
 
.

167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:42:21.62 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
川 ゚ -゚)
 
川 ゚ -゚)「……」
 
川 ゚ -゚)「………あ」
 
 
 
 
川;゚д゚)「あああああああああああああああああッ!!」
 
 
 
(;*゚ー゚)「ッ!」
 
(;=゚ω゚)ノ「ひィ!」
 
( ;´∀`)「……こ、今度はなんですか! 素直さん!」
 
川;゚ -゚)「さ、裁判長!」
 
( ;´∀`)「お、落ち着いて。声が大きいです」
 
川 ゚ -゚)「ム……、………失礼」
 
 
.

168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:43:33.21 ID:fJTgQXGu0
 
 
 軽く頭を下げて、いま、昂揚感を胸に携えているクールは、文字通り “落ち着いた” 。
 そして、ふぅ、と深呼吸した。
 
 
川 ゚ -゚)「……わかったのだよ」
 
川 ゚ -゚)「 “死後に、留守電にその声を残すことができる方法” が……な」
 
( ´∀`)「な、なんですって!」
 
 
(;=゚ω゚)ノ「異議、ありィ!! なにをワケのわからないことを言うんだよぅ!
      これ以上の遅延行為は、許されるべきではないよぅ!!」
 
川 ゚ -゚)「フッ……騒がしいな、検事」
 
(;=゚ω゚)ノ「なんだと……?」
 
 
 
川 ゚ -゚)「ここは、裁判所。厳正な、裁きの庭だ」
 
川 ゚ -゚)「だから、そんなに熱くなってはいけない」
 
川 ゚ -゚)「そうだな。もっと………」
 
 
.

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:44:42.32 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
川 ゚ー゚)「 クールにいこうではないかッ! 」
 
 
 
BGM推奨
http://www.youtube.com/watch?v=gL-ZIbF6J6s
 
 
 
 
 
 
 
 
.

173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:48:42.62 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 
(*゚ー゚)「っ!」
 
 
 クールがそう啖呵を切ると、続けて裁判長のほうに顔を向けた。
 机を、バンと強く叩く。
 
 
川 ゚ -゚)「裁判長! 犯行現場に続いて、本法廷には更に “大きなカン違い” があった!」
 
(;=゚ω゚)ノ「……!」
 
( ´∀`)「更に…?」
 
 
 
( ´∀`)「……もはや、言葉はいりません」
 
( ´∀`)「一つです。」
 
川 ゚ -゚)「!」
 
 
.

177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:49:33.82 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 
( ´∀`)「本法廷では、再捜査の必要性が認められています」
 
( ´∀`)「その再捜査をくじくほどの、“大きなカン違い” 」
 
( ´∀`)「……ズバリ、うかがいましょう。素直さん」
 
 
 
( ´∀`)「 《本法廷を揺るがす、大きなカン違いとは?》 」
 
 
 
 
.

178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:50:11.35 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 『弁護士バッジ』
 クールの歯形が少し残っている。
 
 『しぃのブロマイド』
 水着姿のしぃが半目で写っている。
 
 『上画面』
 弾痕の場所が記されている。《詳細》で四つのパターンを表示。
 →ttp://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_855.png
 →ttp://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_860.png
 →ttp://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_861.png
 →ttp://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_872.png
 
 『解剖記録』
 18時から19時までの間に、後頭部から発砲され即死。
 額に生前できてまもない打撲の痕が確認されている。後頭部から硝煙反応。
 
 
.

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:51:24.86 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 『拳銃』
 二発撃った形跡が。
 柄にはしぃの指紋が残っている。
 
 『割れた花瓶』
 キッチンに置かれていた、一度目の発砲により割れた花瓶。
 花が生けられていた痕跡はないが、一日以上は『上画面』の位置にあった。
 
 『留守電のメッセージ』
 18時36分のギコのメッセージが残されている。
 内容はしぃを呼び出すもの。
 
 『目撃者の写真』
 週刊エビフライデーの記者が18時46分に撮った写真。
 しぃがギコ宅から逃げる後ろ姿を激写。
 
 
.

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:52:45.58 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 『防犯カメラの映像』
 18時37分にしぃが菓子屋を出ていく様が映されている。
 そのとき勤めていた店員の証言とも合致。
 
 『紛失した携帯電話』
 猫乃ギコの携帯電話は現場から発見されなかった。
 逃走のさいにしぃが捨てたものと考えられている。
 
 『土の跡』
 もともと植木鉢があったであろう場所に
 円形状に土の跡が広がっていた。
 
 『コンビニの防犯カメラの映像』
 18時29分から19時過ぎまでじぃの姿が映されている。
 その間、店を出た様子は見られなかった。
 
 『観葉植物』
 ユグドラシルゴムと呼ばれる種類の観葉植物。
 じぃの指紋と硝煙反応が確認された。
 
 
.

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/26(火) 22:54:26.07 ID:fJTgQXGu0
 
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「……それは……」
 
 
川 ゚ -゚)「これだッ!」
 
 
 
 そう言って、クールはその証拠品を提示した。
 裁判長、裁判官、検事、傍聴人の――皆に。
 
 
 
 
.


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