川 ゚ -゚)クールに決める逆転裁判のようです

第一話「逆転のバレンタイン」

Part3

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262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:36:35.54 ID:FW8rxdL70
 
 
 
( ´∀`)「証人を置いて先に判決を下すのもかまわないのですが……
      せっかくですから、このさいついでに訊いておきましょう」
 
( ´∀`)「……どうして、証人は被告人と接することで、殺意……
      それも、被害者に対する殺意が芽生えたのでしょう」
 
 
 
 
 クールは、“今まで使っていなかった証拠品” を、つきつけた。
 
 
 
 
川 ゚ -゚)「それは、“その後の被告人の行動” を追えばわかると思う」
 
(=゚ω゚)ノ「 “その後” ……?」
 
( ´∀`)「そういえば、18時半頃、被告人はどこかにいたって証拠品にあったような……」
 
(=゚ω゚)ノ「裁判長、“お菓子屋さん” だよぅ。
.     あの日は、日が日だったからなかなかの混み具合で……、……あっ!」
 
( ´∀`)「? どうかしましたか、伊予検事」
 
 
.

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:40:29.21 ID:FW8rxdL70
 
 
 
川 ゚ -゚)「(まだ検事のほうがわかるようだな、“オトメゴコロ” が)」
 
 
(;=゚ω゚)ノ「……! まさか、まさか!」
 
川 ゚ -゚)「被告人と証人が出くわした場所……おそらく、被害者宅の前か、その近くだ」
 
川 ゚ -゚)「そこで、し…被告人は、名こそ明かさなかったものの、こんな相談をしたのかもしれない」
 
 
川 ゚ -゚)「 “どんなチョコを贈ればいいかな” ……と」
 
 
(;=゚ω゚)ノ「!」
 
( ´∀`)「チョコ……あ!」
 
 
川 ゚ -゚)「そう。この日は、“コイビトたちの日” なのだ」
 
 
 
.

268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:42:03.07 ID:FW8rxdL70
 
 
 
 
 
 
 
 
 
川 - -)「バレンタインデー……という、ね」
 
 
 
 
 
 
 
 
.

271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:45:21.20 ID:FW8rxdL70
 
 
 
( ;´∀`)「会話の内容から、被告人のおアイテが被害者だとわかってしまっていたなら……!」
 
(;=゚ω゚)ノ「……っ! しかし、そうだとしたら、被害者よりむしろ被告人に殺意をいだくはず…!」
 
 
川 ゚ -゚)「 “愛を誓い合った仲のハズの自分以外のオンナと愛し合っているカレシ” 」
 
川 ゚ -゚)「まあ、私なら、そのオンナよりもカレシのほうをボコボコにするがな」
 
 
( ;´∀`)「……!」
 
(;=゚ω゚)ノ「これが……オンナゴコロ、ってヤツ……かよぅ」
 
 
 
川 ゚ -゚)「(あれ。なんかスッキリした)」
 
(;*゚−゚)「(いま、しれっとコワいことを言ったような……)」
 
 
.

272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:47:23.96 ID:FW8rxdL70
 
 
 
( ;´∀`)「と……とにかく!」
 
( ´∀`)「被告人。今の話に、ジジツとの相違はありませんか」
 
(*゚−゚)「…」
 
( ´∀`)「…」
 
(*゚−゚)「……」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(*゚ー゚)「……ありません」
 
 
 
 
.

277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:49:42.16 ID:FW8rxdL70
 
 
川 ゚ -゚)「!」
 
( ´∀`)「あなたは、最初からその当時のことを言っておけば、
      もっと早くにムジツが証明されていたかもしれない。
      しかし、どうしてそう言わなかったのですかな?」
 
(*゚ー゚)「……言えるはず、ないじゃないですか」
 
( ´∀`)「というと?」
 
(*゚ー゚)「だって……」
 
 
 しぃは、目を閉じ、右手を胸の上にあてて、言った。
 
 
 
 
(*- -)「………かわいそうだった……から」
 
 
 
川 ゚ -゚)「…」
 
爪 - )「…」
 
 
.

278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:50:20.80 ID:FW8rxdL70
 
 
 ――その言葉を聞いて、裁判長は手を三回、短く叩いた。
 同時に、法廷内の空気が、がらりと変わった。
 
 
( ´∀`)「よろしい。では、判決を下します」
 
川 ゚ -゚)「!」
 
( ´∀`)「係官、証人をさげて。被告人は、前に出てください」
 
 
 
爪 - )
 
( `・д・)ゞ
 
(*- -)
 
 
 
(*゚−゚)
 
 
 
(*゚ー゚)
 
 
.

279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:53:38.04 ID:FW8rxdL70
 
 
 
 
 
 
( ´∀`)「判決を下します」
 
 
 
( ´∀`)「主文。 被告、椎名しぃは―――」
 
 
 
 
 
.

281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 00:56:00.60 ID:FW8rxdL70
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
( ´∀`)「  《 無 罪 》  」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.

285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:02:40.89 ID:FW8rxdL70
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.

286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:03:12.80 ID:FW8rxdL70
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ――二月二十五日。
 午後十二時少し過ぎ。
 
 地方裁判所の一室において、歓声がわきあがった。
 
 
 しかし、それは
 弁護人、素直クールのものでも
 被告人、椎名しぃのものでもない。
 
 
 
 アイドル「しぃ」の無罪を心から喜ぶ、ファン大勢が放った声であった―――
 
 
 
.

289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:05:55.45 ID:FW8rxdL70
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.

292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:07:36.30 ID:FW8rxdL70
 
 
 
 
 
(*;ー;)「やったあああああああああああああああああああッ!!!」
 
川;゚ -゚)「うおっ! ……だきつくな!」
 
(*;ー;)「私、牢屋に入らなくて済んだんだ! 済んだんだ!!」
 
川;゚ -゚)「お、おちつけ。係官も見てるぞ!」
 
 
(;`・д・)ゞ
 
 
(*;ー;)「私、弁護士さん信じてました! うわああああいっ!!」
 
川;゚ -゚)「とびはねるな! ころぶ!」
 
(*ぅー゚)「え、へへ……。」
 
川 ゚ -゚)「ったく……」
 
 
.

296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:09:38.71 ID:FW8rxdL70
 
 
(*゚ー゚)「裁判の最中は、何回ユーザイを覚悟したことか……」
 
川;゚ -゚)「…ム」
 
 
(*゚ー゚)「……でも。ありがとうございます、クールさん」
 
 
川 ゚ -゚)「……仕事でやったまでだ」
 
(*゚ー゚)「ニヤけてますよ」
 
川 ゚ -゚)「……」
 
川* - )「…べ…別に、ニヤけてなんか……」
 
(*゚ー゚)「わかりやすーい」
 
川;゚ -゚)「……こちとら、“初” の弁護が本件だったんだぞ。
.     弁護する私の身にもなってみろ」
 
(*゚ー゚)「尋問のとき、途中でやぶれかぶれになってましたしね」
 
川 ゚ -゚)「尋問?」
 
(*゚ー゚)「ほら、あの……」
 
.

299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:11:58.10 ID:FW8rxdL70
 
 
 
   川 ゚ -゚)『えっと……そうだな』
 
   川 ゚ -゚)『被害者は、転んで、おでこに打撲痕を残したのだな?』
 
   爪゚ー゚)『はい』
 
   川 ゚ -゚)『で、それを氷で癒した…』
 
   爪゚ー゚)『そのとおりです』
 
   川;゚ -゚)『……うーん』
 
   (;*ぅ−t)『(もう見てられない…!)』
 
 
 
(*゚ー゚)「ほかにもっとまともなトピックがあったでしょーに……」
 
川;゚ -゚)「で、でもそれがキッカケで 《逆転》 できたんじゃないか」
 
(*゚ー゚)「そりゃ、そうですが……」
 
 
.

301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:13:32.20 ID:FW8rxdL70
 
 
 
(*゚ー゚)「……あ!」
 
川 ゚ -゚)「なんだ?」
 
 
(*゚ー゚)「異議あり!」
 
川;゚ -゚)「…?」
 
 
(*^ー^)「……一度、言ってみたかったんです」
 
川;゚ -゚)「は、はあ……そうなの」
 
(*゚ー゚)「それはいいとして……
     弁護士さん、“まだ証明できていないこと” が残ってますよ」
 
川 ゚ -゚)「なに?」
 
 
.

304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:15:17.44 ID:FW8rxdL70
 
 
 
(*´ー`)ノ「 “氷” だよぅ!」
 
川 ゚ -゚)
 
(*´ー`)ノ「弁護側の推理がただしいとすると、
.      証人はどうして “氷” を使ったのかがわからなくなるよぅ!」
 
川 ゚ -゚)
 
 
 
川 ゚ -゚)「……まさか、検事のマネか?」
 
(*゚ー゚)「でも、内容は間違っちゃいないでしょ?」
 
川 ゚ -゚)「なに?」
 
 
 
(*゚ー゚)「証人、杉浦さんはあのとき……」
 
 
 
.

305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:17:44.91 ID:FW8rxdL70
 
 
 
 
   爪゚ー゚)『……ああ。保冷剤は、一度水にさらしましたね』
 
   川 ゚ -゚)『水?』
 
   爪゚ー゚)『布は部屋にはなかったから……一応、水にさらすだけさらしておこう、って思って』
 
 
 
(*゚ー゚)「氷のエピソードを、ああ言ってたじゃないですか」
 
川 ゚ -゚)「(よく覚えてるな……)
     それが、どうかしたか」
 
(*゚ー゚)「でも、弁護士さんの例の推理だと、
     杉浦さんは保冷剤は “使っていなかった” ことになる」
 
(*゚ー゚)「なのに、“水にさらした” って、ミョーに具体的なエピソードを言ってたじゃないですか」
 
 
(*゚ー゚)「そのナゾが、解けてないですよ」
 
 
.

307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:19:42.52 ID:FW8rxdL70
 
 
 
川;゚ -゚)「……ふ、……ふむゥ」
 
(*゚ー゚)「んふふ。弁護士さんでも答えられないかな?」
 
川 ゚ -゚)「――なーんて」
 
(;*゚ー゚)「っ!」
 
 
川 ゚ -゚)「検事にツッコまれたら即答しよう、って思ってたんだ」
 
(;*゚ー゚)「ど、どうせハッタリでしょ」
 
川 ゚ -゚)「ところがな、違うのだよ」
 
(*゚ー゚)「へー。なんだったんですか、このナゾ」
 
川 ゚ -゚)「コタエは、既にでている」
 
(*゚ー゚)「え?」
 
川 ゚ -゚)「私の推理の過程……を、思い出してみるのだ」
 
 
.

308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:20:31.13 ID:FW8rxdL70
 
 
 
   川 ゚ -゚)『犯人はベランダの位置から一発、撃った』
 
   川 ゚ -゚)『ここで被害者はおそらく、抵抗に出たのだろう。
        被害者はガタイがいい。背を見せて逃げるよりは、生存確率が高まると思ったのだろうな』
 
   川 ゚ -゚)『すると、二発目の照準を合わせる前に、犯人は相手に襲われてしまう。
        こうなると……自然と、次の行動が見えてくるだろう?』
 
   川 ゚ -゚)『犯人はここで、被害者を殴った』
 
   川 ゚ -゚)『拳銃は言うまでもないが、重い。
        思いっきり殴りつければ、成人男性を “キゼツ” させられるほどには、な』
 
   川 ゚ -゚)『――そうなると、あとはこちらのものだ。
        犯人はすぐに、被害者を殺そうとしただろう。
        しかしここで、問題が起こった』
 
   川 ゚ -゚)『そこで犯人は、キゼツした被害者を 「上画面」 の位置に運んだ』
 
   川 ゚ -゚)『……そしてもう一発。この一発で、犯人は、被害者の命を……奪った』
 
 
 
.

310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:26:38.48 ID:FW8rxdL70
 
 
 
(*゚ー゚)「…?」
 
川 ゚ -゚)「もう、コタエは出ているぞ」
 
(*゚ー゚)「え…?」
 
 
川 ゚ -゚)「保冷剤を使う、ということはとにかく “ヤケドをした” ということだ」
 
川 ゚ -゚)「もう一度考えてみろ、証人は “ヤケドを負うような行動” をとっているではないか」
 
(*゚ー゚)「……? えっと……」
 
 
 
(*゚ー゚)「……」
 
 
(*゚−゚)「……」
 
 
(;*゚ー゚)「………?」
 
 
.

311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:29:51.44 ID:FW8rxdL70
 
 
川 ゚ -゚)「……まあ。拳銃と縁のない一般人からすると、わからなくてトーゼンなのかもな」
 
(*゚ー゚)「???」
 
川 ゚ -゚)「コタエを言おう。彼女は、“銃身を握ってしまった” のだ」
 
(*゚ー゚)「銃身…って?」
 
川 ゚ -゚)「簡単に言うと、ツツの部分だな」
 
(*゚ー゚)「え? でも、なんでそれでヤケドが……」
 
川 ゚ -゚)「発砲は、そのもとを辿れば “バクハツ” なのだよ」
 
(*゚−゚)「バクハツ……」
 
川 ゚ -゚)「そして、彼女はその銃柄で被害者を殴った」
 
(*゚ー゚)「あ!」
 
川 ゚ -゚)「そう」
 
 
 
川 ゚ -゚)「発砲したてで高温の銃身を掴んでしまったから、証人はヤケドをしてしまったのだ」
 
 
.

315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:36:03.06 ID:FW8rxdL70
 
 
 
(*゚ー゚)「そ、そうだったんだ……」
 
川 ゚ -゚)「これで私の勝ち、だな」
 
(;*゚ー゚)「…! あっ!」
 
川 ゚ -゚)「……フフ」
 
(*゚ー゚)「なんてイヤな笑い方……」
 
川 ゚ -゚)「私はもともとそんなに笑う人ではないので、な」
 
(*゚ー゚)「異議あり!」
 
川 ゚ -゚)「え?」
 
(*゚ー゚)「いまのコトバは、“アレ” とムジュンしています!」
 
川 ゚ -゚)「 “アレ” ?」
 
 
 
.

318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:38:38.67 ID:FW8rxdL70
 
 
 
   (;=゚ω゚)ノ『異議、ありィ!! なにをワケのわからないことを言うんだよぅ!
         これ以上の遅延行為は、許されるべきではないよぅ!!』
 
   川 ゚ -゚)『フッ……騒がしいな、検事』
 
   (;=゚ω゚)ノ『なんだと……?』
 
   川 ゚ -゚)『ここは、裁判所。厳正な、裁きの庭だ』
 
   川 ゚ -゚)『だから、そんなに熱くなってはいけない』
 
   川 ゚ -゚)『そうだな。もっと………』
 
   川 ゚ー゚)『 クールにいこうではないかッ! 』
 
 
 
.

320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:39:28.89 ID:FW8rxdL70
 
 
 
(*゚ー゚)「あのとき、すんごいノリノリだったじゃないですかー」
 
川;゚ -゚)「……!」
 
(*゚ー゚)「まさか、ほんとうに言ってくれるなんて……」
 
川;゚ -゚)「ぐ、グーゼンだ! 優勢に立とうとだな、つい――」
 
(*゚ー゚)「あ。『つい』って」
 
川 ゚ -゚)「あっ」
 
(*^ー^)「これで一勝一敗、ですね」
 
川 ゚ -゚)「………ぐ。 もういいよ」
 
 
.

322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:40:49.81 ID:FW8rxdL70
 
 
 
川 ゚ -゚)「それはいいとして……」
 
(*゚ー゚)「はい」
 
川 ゚ -゚)「言いそびれていたが……、……おめでとう。」
 
(*゚ー゚)「!」
 
 
川 ゚ -゚)「か、帰るぞ。いつまでもここにいると、ワルモノって感じがする」
 
(*゚ー゚)「照れてるー」
 
川 ゚ -゚)「君もはやく帰って、事務所なりファンなりに判決を伝えなくちゃだめだろ」
 
(*゚ー゚)「あ、そのことなんですけどね」
 
川 ゚ -゚)「ん?」
 
 
 
 
(*゚ー゚)「アイドルは、今日をもって廃業します」
 
 
 
.

325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:43:21.10 ID:FW8rxdL70
 
 
 
川 ゚ -゚)
 
川 ゚ -゚)
 
川 ゚ -゚)「え?」
 
川 ゚ -゚)「い、いやいや」
 
川 ゚ -゚)「え、ほんとうに?」
 
(*゚ー゚)「はい」
 
川 ゚ -゚)「訊くのも野暮だが……あえて訊こう」
 
川 ゚ -゚)「どうしてだ? そして、これからはどうするんだ?」
 
 
.

327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:45:23.69 ID:FW8rxdL70
 
 
 
(*゚ー゚)「どうしてって……理由はいっぱいありますね」
 
川 ゚ -゚)「というと」
 
(*゚ -゚)「………アイドル、疲れてきたし。スキャンダルがばれちゃったし。
.     無罪になったとはいえ……こんな事件、起こしちゃったし」
 
(*゚ー゚)「もともと、そろそろやめる気だったんです。
     高校生の頃からずっとがんばってきたし、もう潮時かな、って」
 
川 ゚ -゚)「ほうほう」
 
(*゚ー゚)「で、これから?でしたっけ?」
 
川 ゚ -゚)「ああ。就活でもするのか?」
 
(*゚ー゚)「あー…。そのことですけどね」
 
川 ゚ -゚)「ん?」
 
 
.

329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:46:55.26 ID:FW8rxdL70
 
 
 
 
 
 
 
 
(*゚ー゚)「今日からよろしくお願いしますね、先生!」
 
 
川 ゚ -゚)
 
 
 
 
 
 
 
.

330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:48:36.33 ID:FW8rxdL70
 
 
 
川 ゚ -゚)
 
川 ゚ -゚)
 
川 ゚ -゚)
 
川 ゚ -゚)「え?」
 
 
( `・д・)ゞ「そろそろ、退室を願います」
 
(*゚ー゚)「はーい。行きましょう、先生」
 
川 ゚ -゚)「行くとしようか。 え? ちょっと待って」
 
(*゚ー゚)「メイワクかけちゃいけません。行きますよ、先生」
 
川 ゚ -゚)「あ、ちょ―――」
 
 
 
.

332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:50:01.38 ID:FW8rxdL70
 
 
 
 
   「炊事洗濯火事掃除、どれもだめですけど自信はあります!」
 
   「待て。待て……え、なに言ってるの。というか、なんの自信なの」
 
   「あ、私を看板ムスメにしてもいいんですよ」
 
   「待ちなさい。やっと独立したんだ、少しは一人で――」
 
   「どーせ、私が依頼に行ったときと変わってないんでしょ、部屋の汚さ」
 
   「ずっと君の事件に追われていたんだ、トーゼンだろう!」
 
   「その忙しさを、私という助手にも分けることができるんですよ? いいじゃないですか」
 
   「まず、経営状況が芳しくなくてだな……」
 
   「あ、大丈夫です。月に……円あれば」
 
   「ッ!?」
 
 
 
.

333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:51:57.97 ID:FW8rxdL70
 
 
 
 
   「…?」
 
   「ほ、法外だ! なんだ、そのガク!」
 
   「アイドルやってたときの半分以下ですよ?」
 
   「―――と、とにかく、ダメなものはダメだ!」
 
   「いいじゃないですかぁー先生ぇー」
 
   「くっついても、ダメ!」
 
   「せんせーーーーーーー!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.

337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/27(水) 01:55:08.83 ID:FW8rxdL70
 
 
 
 
 
 
 
 
  ◆第一話 「逆転のバレンタイン」
 
 
  おしまい
 
 
 
 
 
 
 
.


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