-
95 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:42:20 ID:wKHkjOFQ0
-
四．かえってみれば こはいかに
もといたいえも むらもなく
みちにゆきあう ひとびとは
かおもしらない ものばかり
-
96 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:42:56 ID:wKHkjOFQ0
-
川；ﾟ -ﾟ)「ロマネスク……貴様っ！！」
（ ФωФ）「ハハハハハハハッ！！」
（ ФωФ）「15年！15年待った！
暗黒の！最悪の！ドン底の！幽々たる！
15年に終止符が打たれたのだ！！」
川 - )「……ッ！最初からっ！こうするつもりだったのかっ！
あの連中もっ！お前が手引きしたのかっ！」
（ ФωФ）「爽快でたまらない！笑いが止まらんよ！」
（ ФωФ）ξﾟ⊿ﾟ)ξ「「ハハハハハハハハッ！！」」
（ ФωФ）「ハハ……は？」
ξﾟ⊿ﾟ)ξv ﾋﾟｰｽ
-
97 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:43:58 ID:wKHkjOFQ0
-
（；ФωФ）「貴様……なぜ生きておる？」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「勝利宣言は、右クリックでプロパティを開くぐらい
慎重に確かめてからするものよ」
（；ФωФ）「ばかな！心臓を、一突きしたはずだっ！」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「下手なストーリーに感謝しないと、いけんね」
ξﾟ⊿ﾟ)ξｺﾞｿｺﾞｿ…
ｽｯ ！
ξﾟ⊿ﾟ)ξ （ФωФ；）
/ ニつ壬生藩ﾆi==========と ヽ==
ξﾟーﾟ)ξ「……１バイト文字だと、助からなかったかも」
川；ﾟーﾟ)「ツン！！」
-
98 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:44:37 ID:wKHkjOFQ0
-
（＃ФωФ）「洋画の黒人並みに悪運の強いやつめ……
ならば今度こそ」
ξ#ﾟ⊿ﾟ)ξ「そうはさせるかっ！」
（；ФωФ）「ぬぅ！？槍が抜けぬ」
ξ#ﾟ⊿ﾟ)ξ「漁師の腕力！舐めんじゃないわよ！」
おらァ！
ξ#ﾟ⊿ﾟ)ξ、 ｸﾞｯ （ФωФ；）
(つ壬生藩ﾆi=============と ヽ 三
-
99 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:45:29 ID:wKHkjOFQ0
-
⊂丶 ／）
|| ヾ（；ФωФ） '
|| 丶 |
|| ∪∪
藩 ￣ヽ
生 ￣ヽ ﾌﾞｵﾝｯ！
壬 ￣ヽ
∩、
＼ξ#ﾟ⊿ﾟ)ξ
（；ФωФ）「槍を私ごと持ち上げただと！？なんてぇバカ力だ……」
ξ#ﾟ⊿ﾟ)ξ「カメの仇だ！思い知れッ！！」
（；ФωФ）「な、なにをする、やめ、やめ、おいっ！！
タイム！タイム！弁護士を呼べっ！」
ξ#ﾟ⊿ﾟ)ξ「うおらーーーーーっ！！」ﾌﾞﾝｯ！
-
100 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:46:03 ID:wKHkjOFQ0
-
壬
生
藩 ///
＼ ､ --- ,へ ミ
＼ ／____､ ￣￣￣ﾞｉ
＼ ／ ＿＿ ／|~1￣ﾞｉ_ ﾞｉ
ｿミ/⊿。)ξ. | | | |
'し 'し
／／／ ／￣￣￣￣￣￣￣￣
∩ |
∩ ／ ﾉ .|
＼ （ФωФ；）／ |
ヽ ／ |
/⌒＼/ / .|
/_/＼ , / |
￣＼ / .|
）ノ
（ФωФ；）「うわぁああああああああああああああああ！！」
-
101 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:46:48 ID:wKHkjOFQ0
-
| l| ｌ || || l|
| l| ｌ || || l|
| l| ｌ || || l|
| l| ｌ || || l|
| l| ｌ || || l|
| l| ｌ || || l|
| l| ｌ || || l|
| l| ｌ || || l|
| l| ｌ || || l|
| l| ｌ || || l| ／￣￣＼
| l| | || || ｌ! う / ⊂二二⊃
| l| ｌ || || l| う ｜ ｜
| l| ｌ || || l| う ⊂二⊃ /
| l| ｌ || || l| う ＼＿＿／
| l| ｌ || || l| う
| l| | || || ｌ! う
l ｌ| .| う
∩ わ
∩ ／ ﾉ あ
＼ （ФωФ；）／ あ
ヽ ／ あ
/⌒＼/ / あ！！！！
/_/＼ , /
￣＼ /
）ノ
-
102 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:47:28 ID:wKHkjOFQ0
-
!!!!!!
!!!!!!
!!!!!!
!!!! ﾋｭｩｩｩｩ
!!!!
!!!!
!!!!
!!! ﾋﾟｮﾝ ﾋﾟｮﾝ
!!! ／⌒＼ ／⌒＼
!! ／ ＼ ／ ＼ ﾊﾞﾀﾑ 、,
! ／ ＼ ／ 、从 ＿__∩´-
〇 Y 〇 〇 Y 〇 ＜ ｆ｢匚] 匚ヽ
ト─―─/｜ ト─―─/｜ /.｣＝＋＝ l|
/> /> /> /> └'Ｏ―'Ｏ┘
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「えっ」
＼覚えてろよー！！／
、,
＿__∩´-
ｆ｢匚] 匚ヽ ｳｰ
.｣＝＋＝ l| ｳｰー
三三 └'Ｏ―'Ｏ┘
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「どこ行くねん」
-
103 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:48:18 ID:wKHkjOFQ0
-
川；ﾟ -ﾟ)「ツン、無事か！」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「うん、大丈夫。懐にキープしてたカメのごはんが
何個か潰れたのが残念だけどね」
川；ﾟ -ﾟ) ﾎｯ
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「それより、さっきのやつが言ってた」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「あたしが、乙姫様の、子供って……」
川 ﾟ -ﾟ)
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「ほんとう？」
川 ﾟ -ﾟ)
-
104 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:49:53 ID:wKHkjOFQ0
-
「本当ですよ、ツンさん」
＿＿ ＿
;;.;#;;ﾒ;＼/ﾒ-ω:)
;;;;.ﾒ ﾒ;:;Ｙ ／
)――-(_)′ ｽﾞｯｽﾞｯ
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「か、カメ！」
(ﾒ-ω;･;`)「乙姫様、今更隠し通せるものではありません、そして……」
(ﾒ-ω;･;`)「隠す必要も、ないじゃないですか……母娘なのですから」
(ﾒ-ω;･;`)「ツンさん、あなたは確かに、乙姫様と……
そしてあなたの父、浦島太郎との、娘です……」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「……そう、なんだね」
川 ﾟ -ﾟ)「そうだ……言えなくて、すまなかった。
おまえは、私の子だ、ツン」
-
105 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:50:26 ID:wKHkjOFQ0
-
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「あれ？ということは……」
==============================================
川 ； -；)「おーやおやおや」
==============================================
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「もしかしてこの泣き声、伏線だったの！？」
川 ﾟ -ﾟ)「……ああ」
伏線マン「いかがでしたか？」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「アンタの作品かよ」
伏線マン「機会があれば今度飲み行きましょうよ」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「行かないってば」
-
106 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:51:03 ID:wKHkjOFQ0
-
川 ﾟ -ﾟ)「会うのは……12年ぶりか。
大きくなったお前を、また見れて良かった」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「どうして、どうして黙ってたの？
どうして、とうちゃんやあたしに、会ってくれなかったの？」
川 ﾟ -ﾟ)「すまない、本当にすまない」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「謝るんじゃなくてっ！」
(ﾒ-ω;･;`)「出来なかったんです」
(ﾒ-ω;･;`)「乙姫様も、ツンさんや太郎のことは、
一日たりとも忘れてなかった。
どれだけ、どれだけ会いたがっていたか」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「……」
(ﾒ-ω;･;`)「分かって、もらえませんでしょうか……」
-
108 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:51:54 ID:wKHkjOFQ0
-
(ﾒ-ω;･;`) ﾌｰ
(ﾒ-ω;･;`)「僕と太郎は……。
カメと人とで種族も違ったが、
初めて親友と呼べる仲になれた奴だった」
(ﾒ-ω;･;`)「うれしかったよ、
この前、君に助けられたときはね」
(ﾒ-ω;･;`)「かつて僕が助けた男の、
その娘が、今度は僕を助けてくれるなんて。
めぐり合わせって、あると信じられたんだ」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「カメ……」
(ﾒ-ω;･;`)「さあて……、」
-
109 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:52:32 ID:wKHkjOFQ0
-
(ﾒ-ω;･;`)「乙姫様」
(ﾒ-ω;･;`)「今まで、たいへん、お世話になりました。
あなたに拾っていただかねば……
僕は、ただの、何も出来ないカメで終わるところでした」
川；ﾟ -ﾟ)「おい、カメ、そんなこと……」
(ﾒ-ω;･;`)「ジョルジュにも、よろしく伝えて下さい。
海拳の修行、サボるなよって」
川；ﾟ -ﾟ)「カメ！お前から、お前から伝えるんだ！」
(ﾒ-ω;･;`)「ツンさん、さようなら。
君に逢うことが出来て、良かった。ほんとうに……」
(ﾒ-ω;-;`)「向こうで、太郎と一緒に、君を……」
川；ﾟ -ﾟ)「カメ！」
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「カメ！」
―――
――
-
111 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:53:14 ID:wKHkjOFQ0
-
（(
） )
ノ ﾊﾟﾁ
(（ ((
） ） 丿
（( ( ノノ ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ…
∴∵
／/》||ヾミ＼
_
( -∀-)「カメ……、すまねえ、おれがもっと早く駆けつけてりゃ」
川 ﾟ -ﾟ)「ご苦労だった、安らかに眠ってくれ……」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「カメ……ごめんね」
_
( ﾟ∀ﾟ)「……」
_
( ﾟ∀ﾟ)「そうだな」
-
112 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:54:04 ID:wKHkjOFQ0
-
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「……ねえ、聞かせてよ」
川 ﾟ -ﾟ)「……ん？」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「とうちゃんと、どうやって出会ったのか」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「あたし、なーんにも、なんにも……」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「なんにもね、知らないんだ」
川 ﾟ -ﾟ)「うん」
川 ﾟ -ﾟ)「分かった、話してやろう」
川 ﾟ -ﾟ)「浦島太郎という、男がいた―――」
-
113 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:54:41 ID:wKHkjOFQ0
-
〈´￣＼ . ／ﾟi
L ー」 ／ |
（ ＾ω＾）／ |
＿ （ つ ＿. |
＼￣￣￣￣￣￣￣￣ ／ |
~^'""~~~~^'""~~~~^'""~~~~^'""~~~~^'""~~~~^'"^~~^'""~^'"^~~~~~~~
～～~ ～～ ~～～～ ～~~ ～～ ～～~ ～~~
~ ～～ ~~ ～～ ~~ ～～~~~ ~~ ～～～
～ ~~~～～ ~~ ～～~~ ～～ ~ ～～ ～～ ~~~~
川 ﾟ -ﾟ)「漁師として魚を獲って暮らしていた太郎は、
ある日、小船を出して、海の上で釣りをしていた」
-
114 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:55:18 ID:wKHkjOFQ0
-
川 ﾟ -ﾟ)「ところが、突如として海が荒れ始めた」
／|
／ |
／ ／
／ ／
￣￣
／⌒￣⌒`´￣`～ヽ'ー--､
（ω／ ιυっ￣~つｙへつ
⊂／ フっιつ人´ ／ ／つυ^っへ っっ
／ /つつ。ｏ/ / / / ^つっへυっつ
_/ 〉o°o。 。 / / ／°>つっっっつっっ
／ ＼γ､。 o 。 /ｏ。/ ／つっっつっつ
＿＿／ `⌒ヽっ/ 。/ ／ っつ） っつっつ
＝／ っっ τ-っつつっ､。| つ っつつつ
￣ っっ )） ） っつつつ。| っっつつ
つつっιつ） ⌒つっ) っつっつ。 °|
川 ﾟ -ﾟ)「大波が舟を襲い、太郎はたちまち海へと投げ出されてしまった」
-
115 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:56:18 ID:wKHkjOFQ0
-
川 ﾟ -ﾟ)「その後嵐は収まったが、意識を失った太郎は溺れ死ぬ寸前」
～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～
o
。
⊂（-ω-⊂⌒｀つ
＿＿ ＿ ！
／♯＃＼/´･ω)
（ｿ♯＃♯＃Ｙ ／
(_)――-(_)′
川 ﾟ -ﾟ)「そんな太郎を偶然、海を泳いでいたカメが発見した」
-
116 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:56:59 ID:wKHkjOFQ0
-
川 ﾟ -ﾟ)「あわててカメは、太郎を竜宮城まで運んできた」
,r'∞"' .
（(!｣!｣!｣）iヾ
（ ＾ω⊂ヽ (ﾟ- ﾟ !|川 ))
/ _ノ⌒⌒ヽ. ((ﾊ∨/^ヽﾉﾉ
(￣⊂人 //⌒ ノ ﾉ::[三ﾉ :.､ ＿ ＿＿
⊂ニニニニニニニニニニニニニ⊃ i)､_;|*く; ﾉヽヽ (ω･｀ﾞｉ／＃♯＼
｜ ｜ ﾉﾉ |!: ::.".T~ ｰ'′ ＼ Ｙ＃♯＃♯ｿ）
｜ ｜ ` ﾊ､___| ′(_)-――(_)
川 ﾟ -ﾟ)「そして奇跡的に、太郎はここで息を吹き返した」
-
117 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:57:52 ID:wKHkjOFQ0
-
川 ﾟ -ﾟ)「その後、しばらく太郎は竜宮城で暮らすことになったが、
私も太郎もお互いに興味津々で、
海の暮らしと陸の暮らしを教え合ったりするうち……」
／￣￣＼
/ ⊂二二⊃
｜ ｜
⊂二⊃ /
＼＿＿／
,r'∞"' .
（(!｣!｣!｣）iヾ ／￣｀〉
(ﾟ- ﾟ !|川 )) L ー」
((ﾊ∨/^ヽﾉﾉ （＾ω＾ ）
ﾉ::[三ﾉ :.､ ⊂____Oi)
i)､_;|*く; ﾉヽヽ ノﾉハヽヽ、
ﾉﾉ |!: ::.".T~ ｰ'′ `～rrrrｰ'′
／￣￣＼ ` ﾊ､___| _)_i|_|
/ ⊂二二⊃
｜ ｜
⊂二⊃ /
＼＿＿／
川 ﾟ -ﾟ)「次第に私達は惹かれ合った」
-
118 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:58:54 ID:wKHkjOFQ0
-
川 ﾟ -ﾟ)「愛を育み続けた私達の間には、
ついに一人の子が産まれた。……女の子だった。
とても、とても可愛い女の子だった」
,r'∞"' .
.〈´￣＼ （(!｣!｣!｣）iヾ
L ー」 __(ﾟ- ﾟ*|川 ))
（ ＾ω＾） ／ノへゝ/^ヽﾉﾉ
(つ____つ ｜＼ ﾟ-ﾟ)ゝ :.､
ノﾉハヽヽ、 ＼_ ￣⊂ﾉ ﾉヽヽ
`～;rrrrｰ'′ ＼＿＿/T~ ｰ'′
|_|i_(_ ﾊ､___|
川 ﾟ -ﾟ)「私たちは、その子にツンと名付けた」
-
119 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 17:59:50 ID:wKHkjOFQ0
-
川 ﾟ -ﾟ)「だが、竜宮の主である私と、陸の者である太郎とが
結ばれることをよく思わない連中もいた」
(=((＃) (=((＃)
━( つＯ━━(((＜＞ ━( つＯ━━(((＜＞
（,, < （,, <
し ｀ (=((＃) し ｀ (=((＃)
━( つＯ━━(((＜＞ ━( つＯ━━(((＜＞
（,, < （,, <
し ｀Ｊ し ｀Ｊ
(=((＃) (=((＃)
━( つＯ━━(((＜＞ ━( つＯ━━(((＜＞
（,, < （,, <
し ｀ (=((＃) し ｀ (=((＃)
━( つＯ━━(((＜＞ ━( つＯ━━(((＜＞
（,, < （,, <
し ｀Ｊ し ｀Ｊ
川 ﾟ -ﾟ)「そういった連中が差し向けた兵に、命を狙われることも度重なり……」
-
120 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 18:00:47 ID:wKHkjOFQ0
-
川 ﾟ -ﾟ)「このままでは太郎とツンが危ないと思った私は、
ツンが三つの年に、断腸の思いでふたりを陸へ帰すことにした」
ξﾟ（ ；ω；）
(っ(つ＿ヾ ＿
ヾ Ｊ♯＃＼/´；ω)
（ｿ♯＃♯＃Ｙ ／
(_)――-(_)′ ,r'∞"' .
（(!｣!｣!｣）iヾ
(；- ； !|川 ))
((ﾊ∨/^ヽﾉﾉ
ﾉ::[三ﾉ :.､
i)､_;|*く; ﾉヽヽ
ﾉﾉ |!: ::.".T~ ｰ'′
` ﾊ､___|
川 ﾟ -ﾟ)「その時、私は太郎と約束した」
-
121 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 18:01:53 ID:wKHkjOFQ0
-
川 ﾟ -ﾟ)「いつか竜宮に平和を取り戻した時、必ず、君たちを迎えに行くと」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「……」
川 ﾟ -ﾟ)
川 ﾟ -ﾟ)「だが……思いのほか、それには時間がかかってしまった」
川 ﾟ -ﾟ)「我々がもう大丈夫と確信し、迎えとしてカメを送り出した頃には……
別れてから12年の月日が経ってしまっていた」
川 ﾟ -ﾟ)「カメが陸を訪れた時……太郎は、既に亡くなっていたんだ」
-
122 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 18:04:13 ID:wKHkjOFQ0
-
川 ﾟ -ﾟ)「せめてもと、その次にツンの姿を探していた時、
カメは人間の子供にいじめられてしまった」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「……え、じゃあ」
川 ﾟ -ﾟ)「そう、その時カメを助けたのが、ツン、お前だったんだ」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「……」
川 ﾟ -ﾟ)「お前に会えたのは良かった、だが……
太郎をここへ、連れてくることが出来なかったのは、
とても……とても残念だ」
川 ﾟ -ﾟ)「ロマネスクは去ったが、またあんな連中が
襲ってくるとも限らない。
もうお前を、危険な目に合わせる訳にはいかない」
-
123 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 18:04:57 ID:wKHkjOFQ0
-
川 ﾟ -ﾟ)「太郎は、今も陸に居るんだろう？」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「うん」
川 ﾟ -ﾟ)「おまえは、太郎の側にいてやりなさい」
川 ﾟ -ﾟ)「陸へ、帰るんだ」
ξﾟ⊿；)ξ
ξ；⊿；)ξ「かあちゃん」
川 ﾟ -ﾟ)「うん」
-
124 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 18:05:59 ID:wKHkjOFQ0
-
ξ；⊿；)ξ「じゃあ、とうちゃんを連れて、戻ってくる」
川 ﾟ -ﾟ)……
川 ﾟ -ﾟ)「無理なんだ」
川 ﾟ -ﾟ)「カメが亡くなった以上、一度竜宮城を離れると、
二度と来ることは出来ない。
カメは……竜宮城の門の、カギだったんだ」
川 ﾟ -ﾟ)「むりやり門を破ろうとしても……
あの周辺は私たち海の民でも息が続かないようになっている」
ξ；⊿；)ξ「あ……」
川 ﾟ -ﾟ)「お別れなんだよ、ツン」
ξ；⊿；)ξ「そんな」
-
125 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 18:07:41 ID:wKHkjOFQ0
-
ξう⊿；)ξ「あたしのせいで、カメが死んじゃって」
ξ；⊿；)ξ「とうちゃんだって……ずっと、ずっとここに戻る日を
待ち続けて、でも、来れなかった」
ξ；⊿；)ξ「あたしのせいなんだ、みんな、あたしがいるから」
川 ﾟ -ﾟ)「そんなことない！」
川 ﾟ -ﾟ)「そんなことない、お前は……」
川 ﾟ -ﾟ)「竜宮の、みんなの……」
―――
――
―
-
126 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 18:08:11 ID:wKHkjOFQ0
-
／￣￣￣￣￣￣￣＼
|=================|
|＿＿＿＿＿＿＿＿_.|
川 ﾟ -ﾟ)「ツン。これは、浮き籠といってな」
川 ﾟ -ﾟ)「これに入ってカゴごと浮き上がれば、
勝手に陸にたどり着くことが出来る。
カメはもう居ないから、これで帰ると良い」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「ねえ……」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「もう、本当に、ここには来れないの？」
川 ﾟ -ﾟ)「……あぁ」
-
127 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 18:09:24 ID:wKHkjOFQ0
-
川 ﾟ -ﾟ)「ここのことは、忘れなさい。
お前は、これからずっと、陸で生きていくんだ。
ここに心を縛られていては、駄目だ」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「でも……」
川 ﾟ -ﾟ) ｽｯ…
川 ﾟ -ﾟ) 「ツン、帰る前に、この箱をお前に渡そう」
(つ□
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「それって……もしかして、玉手箱」
川 ﾟ -ﾟ)「この箱は……」
川 ﾟ -ﾟ)「ヨックモックだ。おみやげに持って行きなさい」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「わーいヨックモック大好き」
-
128 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 18:10:04 ID:wKHkjOFQ0
-
川 ﾟ -ﾟ)「確かに」
川 ﾟ -ﾟ)「玉手箱というのは本当にある、
けれどお前には、それを渡すことは出来ない」
川 ﾟ -ﾟ)「なぜなら……」
川 ﾟ -ﾟ)「ツン。玉手箱というのは……お前のことだからだ」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「え……？それって、どういう」
川 ﾟ -ﾟ)「さあ、さよならだ、ツン。
太郎が、寂しがっているぞ」
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「かあちゃん！」
川 ﾟ -ﾟ)「……」
-
129 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 18:12:14 ID:wKHkjOFQ0
-
川 ﾟ -ﾟ)「じゃあな、ツン。
私は、お前のこれからの無事を、ここで祈り続ける」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「かあちゃん！あたし！やっぱり！」
川 ﾟ -ﾟ)「ツン！」
川 ﾟ -ﾟ)「ツン……、別れる前に言っておく」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「なに？」
川 ﾟ -ﾟ)「絶対に、玉手箱を開けるんじゃないぞ」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「え？」
川 ﾟ -ﾟ)「玉手箱を開けるんじゃないぞ……」
――――
―――
―
-
130 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 18:13:15 ID:wKHkjOFQ0
-
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131 名前： ◆twP.Hc0t2o 投稿日：2016/04/03(日) 18:13:57 ID:wKHkjOFQ0
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ﾌﾟｶﾌﾟｶ……
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