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1 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:30:41 ID:3ZoahUR.0
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─────少女の願いに応えたのは、ハゲだった。
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2 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:31:30 ID:3ZoahUR.0
-
ζ(゚ー゚;ζ「ハインちゃん、帰ろうよ。危ないよ。魔物が出たらどうするの……?」
从 ゚∀从「大丈夫だってデレ! 何かあってもオレが魔法で守ってやるから! 」
夜の森を歩く2人の少女。
先頭を元気に進むハインと、そのハインの服の袖を掴んで離さないのはデレである。
時折、ホーホーと鳴くフクロウの声にデレが驚いては『もう帰ろうよ! 』と提案をしている。
从 ゚∀从「もう少しだから頑張ろうぜ! 」
ζ(゚ー゚;ζ「さっきからもう少しもう少しって、もうずっと歩いてるよ! 」
从 ゚∀从「本当にもう少しだって……お、着いたぞ! 」
そうして辿り着いたのは、大きな湖であった。
湖面には丸い月がゆらゆらと浮かんでいる。
ハインはゴソゴソとポケットを探ると、中からネックレスと腕輪を取り出した。
-
3 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:32:52 ID:3ZoahUR.0
-
ζ(゚ー゚*ζ「本当に良いの? それ、お父さんとお母さんの形見なんでしょ? 」
从 ゚∀从「良いんだ。それに父さんから聞いた話だと、大切なものを捧げないと願いは叶わないって聞いたから」
ζ(゚ー゚*ζ「でもそれって街に伝わる昔話でしょ?本当に叶うのかな?」
从 ゚∀从「まぁ試すだけ試すさ。今はこれくらいしか頼るものがないんだ」
そう言うとハインはその2つを湖へと放り投げた。
ぽちゃん、ぽちゃん、と落ちる音が静かな森に響き渡る。
从 -∀从「そして後はオレのありったけの魔力を捧げて……」
ζ(゚ー゚*ζ「わぁっ」
ハインが湖に魔力を集中させると、湖がだんだんと光り始めた。
その光景に、魔法が使えないデレは湖よりもさらに目を輝かせている。
そしてそれをやってみせるハインに対し、少しだけの羨ましさも抱いた。
-
4 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:34:30 ID:3ZoahUR.0
-
从 -∀从(最近の魔物の活動……)
从 -∀从(正直、今のオレじゃあ力不足だ)
从 -∀从(だから、助けて欲しい)
从 -∀从(街を、みんなを……)
从 -∀从
从 -∀从(……いや、違う)
从 -∀从
从 -∀从(力、かな)
从 -∀从(守れるだけの……)
从 -∀从(オレに、みんなを守る力をください!!!! )
【 …… チカ ……… か …… ?】
.
-
5 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:35:39 ID:3ZoahUR.0
-
从 -∀从(……ん?何か聞こえ
【 汝 、 チヵら ヲ 欲スるか …… ? 】
【 ならbA 応えョU sOのチイイイイiiiササSAッサき いのrrrrrいヲ !!! 】
从;゚∀从「……ん、んん!?」
ζ(゚ー゚*ζ「どうかしたの?ハインちゃん」
从;゚∀从「いや、何か声が……」
ζ(゚ー゚*ζ「え、もしかして願い事聞いてくれたって事?」
从;゚∀从「いや、何かバグってた」
ζ(゚ー゚;ζ「バグ……?」
-
6 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:36:56 ID:3ZoahUR.0
-
混乱する二人をよそに、湖は輝きを増していく。
それに2人が気づいたとき、光は湖の中心に集まり、閃光のように破裂した。
从;-∀从「んん……」
ζ(>ー<;ζ「うぅっ」
从;゚∀从「だ、大丈夫かデレ?」
ζ(゚ー゚;ζ「うん。大丈夫……眩しかったね」
从 ゚∀从「あぁ。一体何が……」
湖に目を向けるハイン。
光は既になく、月明かりだけがうっすらと辺りを照らしていた。
しかし、湖の中心。そこに、一つの影があった。
(´-_ゝ-`)「……」
影は男だった。
影だと思ったのは、黒のマントを着ていたからであった。
-
7 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:38:16 ID:3ZoahUR.0
-
从;゚∀从「……」
ζ(゚ー゚;ζ「……」
(´-_ゝ・`)「む……」
男は目を開けた。
彡⌒ミ
(´・_ゝ・`)「ここは……」
男はハゲであった。
从;゚д从「う、うわぁぁぁぁああああああああああああ!!!! 」
ζ(つд∩;ζ「きゃああああああああああああああああああ!!!!! 」
(;´・_ゝ・)「え!? なに!? 何事!? 」
そして、男は全裸であった。
-
8 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:38:58 ID:3ZoahUR.0
-
从;゚д从「全裸の男が浮いてるううううううううううううう!!!! 」
ζ(つд゚;ζ「きゃあああああああああ!!! きゃああああああああああああ!!!! 」
(;´・_ゝ・)「え!? 浮いてる!? あ、ホントだ浮いて……あっ! 」 ザパーン
从;゚д从「全裸が落ちたあああああああああああああああああ!!!!! 」
ζ(゚д∩;ζ「きゃあああああああああ!!! きゃああああああああああああ!!!! 」
(;´゚_ゝ゚)「うおおおおおおおおおあああああああああ!!!! 」 バチャバチャ
从;゚д从「全裸がバチャバチャしてるううううううううううううううううううう!!!!! 」
ζ(゚д゚;ζ「きゃあああああああああ!!! きゃああああああああああああ!!!! 」
-
9 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:39:47 ID:3ZoahUR.0
-
(;´゚_ゝ゚)「っっっっっばああああああああ!!! 冷たっっっ!!! 何!? 冷たい! 寒い! 」
从;゚д从「全裸が震えてるうううううううううううううううううううううう!!!! 」
ζ(゚д゚;ζ「きゃあああああああああ!!! きゃああああああああああああ!!!! 」
(;´゚_ゝ゚)「き、君たち! ちょっと助けて! 」 ザパッザパッ
从;゚д从「全裸が泳いできたあああああああああああああああ!!!! 」
ζ(;д;ζ「しかもバタフライだよおおおおお!!! 怖いよおおおおおおおおおおお!!!! 」
叫ぶ少女達。
ハゲ男は飛ぶような勢いで泳ぐ。
月明かりしか光の無い湖で、全裸のハゲ男が少女達に向かって泳ぎだす。
バシャバシャと、水が跳ねる音が少女達の耳に響き渡る。
これはもうちょっとしたホラーであった。
从;゚д从「に、逃げろデレええええええええええええ!!!! 」
ζ(;д;ζ「うわああああああああああああああああああん!!! 」
(;´・_ゝ・)「あ、ちょっと待って! 待ってお願い!! 待てよおい!!!! 」
ζ(;д;ζ「ああああああああああああん!!! 怖いよおおおおおおおおおお!!!! 」
少女達と、全裸ハゲ男の追走劇がこうして始まったのである。
-
10 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:41:04 ID:3ZoahUR.0
-
从;゚д从「うわあああああああああああああああああ!!! 」
ζ(;д;ζ「いやあああああああああああああああああああ!!!! 」
(;´・_ゝ・)「待ってよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! 」
从;゚д从「こっち来るなって!!! 」
ζ(;д;ζ「もうお家に帰りたいよおおおおおおおおお!!! 」
(;´・_ゝ・)「ここどこ!? ねぇここどこなの!? 」
从;゚д从「シタラバニアだよ! そんな事も知らねーのか!? 」
(;´・_ゝ・)「シタラバニア!? なにそれ知らない! 」
ζ(;д;ζ「もう来ないでよおおおおおおおおおおおおおお!!!! 」
从;゚д从「デレ! 急げこっちだ! 」
-
11 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:42:01 ID:3ZoahUR.0
-
ζ(ぅд;ζ「ま、待ってよぅハインちゃん! ゼヒッゼヒッ し、心臓が! 」
ζ(>д<ζ「あっ」 コケッ
(;´・_ゝ・)「あ! 大丈夫かい!? 」
ζ(;д;ζ「ヒいいいいいぃぃぃぃいぃぃぃぃぃいいいぃぃぃ!!!! 」
ζ(;д;ζ「ここkっここっここっち来ないでえええええええええええええええ!!!!! 」
从;゚д从「あぁ! デレが危ない!!! 」
从;゚∀从「く、くそっ! 喰らえ! 」
从;゚∀从ミ ヒュンッ
と彡 ― ‐― = =≡ ■
(;´゚'_ゝ'゚')「ンゴッ!!! 」
{{ (;´ _ゝ ) }} 「こ、股間にィィィィ!!! 石がァァァァァ!!!! 玉がァァァァ!!! 」 プルプル
ζ(;д;ζ「ハイ゙ン゙ぢゃーん!!! 」
从;゚∀从「おー、よしよし。さ、急ぐぞデレ」
ζ(ぅー;ζ「う、うん」
-
12 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:42:46 ID:3ZoahUR.0
-
───────
───
─
从;-∀从「ハァッハァッ」
ζ(゚ー゚;ζ「ゲフッケホッ」
从;゚∀从「ふぅ……ここまで来ればとりあえず大丈夫だろ」
ζ(゚ー゚;ζ「ゼヒッゼヒッ ゲフッゲフッ 」
从;゚∀从「大丈夫か? ごめんな、ごめんな無理させちゃって」
ζ(゚ー゚*ζ「う、ううん。 ケフッ 大丈夫」
ζ(^ー^*ζ「あとね、ありがと。助けてくれて」
从 ゚∀从「べ、別に当然のことだろ! 」
ζ(^ー^*ζ「えへへ」
グルルルル……
从 ^∀从「ははっ、何だよ。安心したらお腹でも空いたのか?」
ζ(^ー^*ζ「……え?」
-
13 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:44:01 ID:3ZoahUR.0
-
从 ゚∀从「え?今ぐるるるって」
ζ(゚ー゚*ζ「私じゃないよ……?」
从 ゚∀从「え?」
ζ(゚ー゚*ζ
从 ゚∀从
ζ(゚ー゚*ζ
从 ゚∀从
ζ(゚ー゚*ζ
从 ゚∀从
ζ(゚ー゚*ζ
从 ゚∀从
ζ(゚ー゚*ζ
从 ゚∀从
ζ(゚ー゚*ζ
从 ゚∀从
ζ*゚ー゚)ζ チラッ
从∀゚ 从 チラッ
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14 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:44:55 ID:3ZoahUR.0
-
恐る恐る周りを見渡す少女達。
全裸ハゲ男から全力で逃げていたら、いつの間にか森の奥深くへと入っていたらしい。
月明かりもわずかしか入らず、薄暗さは一層強まっている。
そしてその薄暗さの中でも見える、赤い2組の光が幾つか。
ミ1゚又゚彡「グルルルルル」
ミ2゚又゚彡「ガルルルルル」
从;゚∀从「……」
ζ(;д゚ζ「……ヒィッ」
ミ3゚又゚彡「ルルルルルルル」
ミ4゚又゚彡「ウウウゥゥゥゥゥッ」
ウェアウルフ。
二足歩行のオオカミ型の魔物である。
集団で獲物を襲い、その鋭利な牙と爪を武器としている。
-
15 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:45:45 ID:3ZoahUR.0
-
ζ(;д゚ζ「は、ハインちゃん……」
从;゚∀从「な、なんだ……?」
ζ(;д゚ζ「ま、ままま魔法で何とか」
从;゚∀从「魔力、全部湖ので使っちまったから今は空だ……」
从;゚∀从「もう少し時間があれば、回復してたと思うけど……」
ζ(;д;ζ「ヒイイイィィィィィン……」
ミ1゚又゚彡「アオオオオオオオォォォォーーーン!!! 」
一体が大きく吼える。
それを合図に、残りが一斉に少女達に飛び掛る。
从;-∀从「くっ! 」
咄嗟に、デレを庇うように抱きしめるハイン。
怖がるデレを、無理矢理連れてきたのは自分である。
魔法で守ってやるからと、無責任にも言ったのは自分である。
そして何より、デレは大切な友達であった。
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16 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:46:27 ID:3ZoahUR.0
-
从;-∀从(くそぉ! 結局、オレは何も守ることが出来なかった……)
自分の力の無さに、後悔するハイン。
しかし、いくら後悔してももう遅い。
ウェアウルフ達の無慈悲な一撃が
(´・_ゝ・`)「ふぅ、やっと見つけた」
来ることは無かった。
代わりに来たのは、黒マントで全裸のハゲ男。
しかし、よく見れば首には銀色の首輪がつけてあった。
なるほどそういう趣味のアレなのか。
ミ1゚又゚彡「ガアアァァァ!!! 」
(´・_ゝ・`)「よっと」 ブン
ミ2゚又゚彡「ルルルルルルッ」
(´・_ゝ・`)「どっか行ってよ」 ブン
ミ1゚又゚彡「……グルルルッ」
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17 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:47:18 ID:3ZoahUR.0
-
先ほどからウェアウルフの攻撃をかわし、一撃を入れるハゲ男。
しかもその一撃はどうやら目には見えない一撃であり、しかもハゲ男は直接触ってもいなかった。
ハゲ男が腕を下に振り落とせばウェアウルフはまるで何かに叩きつけられるかのように倒れる。
横になぎ払えば、何かに真横に吹き飛ばされる。上へ振り上げれば、上へと吹き飛ぶ。
まるで見えない巨大な手でも操るようかのようにして、ハゲ男はウェアウルフ達を倒しているのである。
そうして、ハゲ男は見事にウェアウルフ達を追い払ったのであった。
(´・_ゝ・`)「無事かい?」
振り返り、少女達の心配をするハゲ男。
デレを抱きしめたままのハインは、小さく、しかしはっきりと
从 ゚∀从「あ、ありがとう」
と答えたのであった。
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18 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:48:28 ID:3ZoahUR.0
-
場所を移して、先ほどの湖の近くに3人は居た。
ハゲ男は着ていたマントで全身をしっかりと隠し、少女達と向かい合う。
(´・_ゝ・`)「それで、ここは一体どこなんだい?」
从 ゚∀从「さっきも言ったけど、ここはシタラバニア」
从 ゚∀从「まぁ、正確にはそのシタラバニアっていう街の外れにある森の中だな」
(´・_ゝ・`)「聞いた事もないな……」
(´・_ゝ・`)「あ、それと何か着る物でも貸してくれない?」
从;゚∀从「ごめん、何も持ってないよ」
(´・_ゝ・`)「じゃあ今着てるそれで良いから。上着だけでも」
从;゚∀从「ふざけんなよ!? 」
ζ(゚ー゚;ζ「お、女の子の服ですよ!? 」
(´・_ゝ・`)「いけるいける」
从;゚∀从「いけねーよ!! 」
-
19 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:49:12 ID:3ZoahUR.0
-
ζ(゚ー゚*ζ「あ、あの。それで貴方は誰なんですか?突然湖に現れて……」
(´・_ゝ・`)「僕?僕は……」
(´・_ゝ・`)
(´・_ゝ・`)
(´・_ゝ・`)
(´・_ゝ・`)
(´・_ゝ・`)
(´・_ゝ・`)
(´・_ゝ・`)
(;´・_ゝ・)「……あれ?僕は誰だ?」
从 ゚∀从「えっ」
ζ(゚ー゚*ζ「えっ」
(;´-_ゝ・)「いや、僕は確か……誰かに呼ばれた気がして……」
(;´-_ゝ・)「くそ、ダメだ思い出せない」
ζ(゚ー゚;ζ「ね、ねぇハインちゃん」 ヒソヒソ
-
20 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:50:09 ID:3ZoahUR.0
-
从 ゚∀从「ん?」 ヒソヒソ
ζ(゚ー゚;ζ「この人、ハインちゃんが呼んだんじゃない?」 ヒソヒソ
从;゚∀从「はぁ!? どういう事だよ!? 」 ヒソヒソ
ζ(゚ー゚;ζ「だってね、願い事が叶うように念じたら急に居たんだよ?」 ヒソヒソ
ζ(゚ー゚;ζ「きっと、ハインちゃんの願いを叶える為にやってきたんじゃないかなぁ」 ヒソヒソ
从;゚∀从「た、確かにオレは強くなりたいって願って……」 ヒソヒソ
从;゚∀从「このハゲのオッサン、強かったし……」 ヒソヒソ
ζ(゚ー゚;ζ
从;゚∀从
ζ(゚ー゚;ζ
从;゚∀从
ζ(゚ー゚;ζ
从;゚∀从
ζ(゚ー゚;ζ
从;゚∀从
-
21 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:50:55 ID:3ZoahUR.0
-
从;゚∀从「え、えっと……」
从;-∀从「あの、オッサンさ」
(´・_ゝ・`)
从 ゚∀从「……オッサン?」
(´・_ゝ・`)「ん?ここにオッサンなんていないよ?」
从 ゚∀从「……」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
从 ゚∀从「あの、お兄さん」
(´^_ゝ^`)「なんだいお嬢ちゃん」
从 ゚∀从「その、多分オッサンを呼んだのはオレ……だと思う」
(´^_ゝ^`)
(´^_ゝ^`)
(´^_ゝ^`)
(´^_ゝ^`)
(´・_ゝ・`)「詳しく聞かせてもらおうか」
-
22 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:51:38 ID:3ZoahUR.0
-
───────
───
─
从 ゚∀从「────と、いう事なんだと思う……」
(´・_ゝ・`)「……」
(´・_ゝ・`)「なるほど」
(´・_ゝ・`)「最近街周辺に魔物が出没するようになり、その被害も大きくなってきている」
(´・_ゝ・`)「その魔物達からみんなを守るため、その願い事が叶うとされる方法を試したところ」
(´・_ゝ・`)「僕が現れた、と」
从 ゚∀从「確証は無いけど、多分そうだと思う」
(´゚_ゝ゚`)「ふっっっっっざけんなよ!!!!!????? 」
从;゚∀从「うわ!? 」
ζ(;д;ζ「ひィン! 」
-
23 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:52:50 ID:3ZoahUR.0
-
(´゚_ゝ゚`)「じゃあアレか!? 僕に自分に関する記憶が無いのも全裸なのもハゲなのも君の所為なのか!? 」
从;゚∀从「記憶はそうかもしれないけど全裸とハゲは知らないよ……」
(´・_ゝ・`)「大体なんだよこの首輪は! この格好にコレとかちょっと趣味疑うよ!? 」
从 ゚∀从「その首輪に関してもわかんないよ……あとそれオッサンの趣味だと思っててごめん……」
ζ(゚ー゚;ζ「あ、あのそれ多分、召還物の証拠とかそんなんじゃ……」
(´・_ゝ・`)「召還物?」
ζ(゚ー゚;ζ「こんな形だけど、一応ハインちゃんの呼びかけに応えて現れたって事は召還?されたって事なんじゃないかな」
ζ(゚ー゚;ζ「だから、その、主従関係的な? 召還者の物っていう証みたいな?」
(´゚_ゝ゚`)「ふっっっっっざけんなよ!!!!!????? 」
从;゚∀从「うわ!? 」
ζ(;д;ζ「ヒィン! ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! 」
-
24 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:53:39 ID:3ZoahUR.0
-
(;´・_ゝ・)「くそっ外れないぞこれどういうことだちくしょう! 」
(´・_ゝ・`)「あーもういいや僕は自力で元の所に帰る方法を探す! 」
从 ゚∀从「えっ裸で……?」
(´・_ゝ・`)
ζ(゚ー゚*ζ「な、何も知らない世界で一人で旅するんですか……?」
(´・_ゝ・`)
从 ゚∀从「本当にオレが召還者なら、返す方法もきっとオレがいないとダメなんじゃ……」
(´・_ゝ・`)
ζ(゚ー゚*ζ「あの、私達に出来る事なら協力しますから……」
(´・_ゝ・`)
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25 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:54:41 ID:3ZoahUR.0
-
(´・_ゝ・`)
(´・_ゝ・`)
(´・_ゝ・`)
(;´-_ゝ・)
(;´-_ゝ・)
(;´-_ゝ・)
(;´-_ゝ-)
(;´-_ゝ-)
(;´-_ゝ・)
(;´-_ゝ・)
(;´・_ゝ・)
(;´・_ゝ・)
(;´・_ゝ・)「選択の余地が無いじゃないか……」
-
26 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:55:23 ID:3ZoahUR.0
-
从*゚∀从「あっ、じゃあオレを強くするのも手伝ってくれよ! 」
(;´・_ゝ・)「あぁ、もう良いよ良いよ。僕が君の願いに応えて召還されたってんなら、強くしたら戻れるかもしれないしね」
从*゚∀从「やった! 」
ζ(゚ー゚*ζ「良かったねハインちゃん」
(´・_ゝ・`)「じゃ、そうと決まれば君たちの街へ案内してくれ」
从*゚∀从「おう! 」
ζ(゚ー゚*ζ「うん! 」
(´・_ゝ・`)「さぁ、行こうか! 」 バサッ
从;゚д从「うわあああああああああぁぁぁぁぁ!!!! 」
从;゚д从「バサってするなよ! マント捲れてる!!! 前隠せよおおおおおおおおおおおおお!!!! 」
ζ(;д;*ζ「ヒイイイイィィィィィン!!! もうやだああああぁぁぁぁぁぁ!!! 」
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27 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:56:15 ID:3ZoahUR.0
-
───────
───
─
(´・_ゝ・`)「へぇ、ここがシタラバニアかぁ」
シタラバニアは石造りの家が多く、道路もしっかりと整備されている街であった。
街灯がぽつぽつと存在しているが、はっきりと街の全てを見ることは出来ない。
しかし、どうやら比較的発展した街であるというのはデレがここに来るまでの間に説明をしていた。
きっと、日が昇る頃には喧騒賑わう街へと変わっているだろう。
从 ゚∀从「夜だから人はいないけど、ウロウロすんなよ」
ζ(゚ー゚*ζ「誰かにそのマントの下がバレたら大変な事になるもんね……」
(´・_ゝ・`)「はっはっは。なぁに、心配はいらないさ」
从 ゚∀从「かろうじて首の皮一枚繋がってるようなもんなのに何でそんな自信に溢れてるんだ……」
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28 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:56:57 ID:3ZoahUR.0
-
ζ(゚ー゚*ζ「まぁまぁ。その自信のありようなら、こっちも安心して街を歩けるから」
(´・_ゝ・`)「ちゃんとマントを閉じてるからね。もう何も怖くない! 」 ヒュウウウウウウウゥゥゥゥ!!!!
(´・_ゝ・`) バササササササッ
从 ゚∀从
ζ(゚ー゚*ζ
(*´・_ゝ・)「んもう! えっちな風! 」
从 ∀从
ζ(;д;ζ ヒイィ.....
从 ∀从「 ふ ざ け ん な よ ! ? 」 ギィンッ
(;´・_ゝ・)「いだだだだだだだだだ!? 痛い! 首痛い! 何これ!? 何!? 」
ζ(゚ー゚*;ζ「ハインちゃん!? 」
从;゚∀从「え!? お、オレか!? 」
-
29 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:57:39 ID:3ZoahUR.0
-
(;´・_ゝ・)「何をするかお嬢ちゃん! 」
从;゚∀从「こう、イラっとしたから苦しめ! って力こめたら……」 ギィンッ
(;´゚_ゝ゚)「いだだだだだだだだだ!? 痛い! 首痛い! わかったごめんなさいすみません!!! 」
ζ(゚ー゚;ζ「や、やっぱりその首輪は召還者の物っていう……」
(;´・_ゝ・)「な、何ぃ!? なんてものを!! くそっ! 外れろ! この! くそっ! ダメだ無理だ諦める」
从;゚∀从「諦め早すぎだろ!? 」
从;゚∀从「でも、ごめんな……その首輪オレの所為だろうし……」
ζ(゚ー゚;ζ「と、とりあえず早くハインちゃんの家に行こうよ」
(´・_ゝ・`)「む、しかし良いのかな?こんな夜中に押しかけて。親御さんに迷惑じゃ」
ζ(゚ー゚;ζ「一番問題なのはその格好だと思いますけど……」
从 ゚∀从「あぁ、大丈夫大丈夫。オレ一人暮らしだし」
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30 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:58:26 ID:3ZoahUR.0
-
(´・_ゝ・`)「え?こんな小さいのに?親御さんとかは……」
从 ゚∀从「死んだよ。魔物に襲われて」
(;´・_ゝ・)
(;´-_ゝ-)
(;´-_ゝ・)つ ソッ
( ´・_ゝ・)つ ポンポン
从 ゚∀从「触るな変態が移る」
(;´・_ゝ・)「酷くない!? 」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、そろそろ着くよ」
そうこうしてる内に、ハインの家に辿り着く3人。
町の中心からはやや離れた、畑付きの一軒家。
この家に一人で暮らしているとしたら、大きすぎる家だ。
親御さんと一緒に住んでいた家だというのは、ハゲ男にも想像に難くなかった。
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31 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 07:59:08 ID:3ZoahUR.0
-
从 ゚∀从「まぁ座ってくれよ」
案内されたのは木製のテーブルとイスが並べられた居間であった。
一人で住んでいると言っていたが、掃除が行き届いており綺麗な印象を受ける。
ハインとデレの対面にハゲ男が座ると、ハインは口を開いた。
从 ゚∀从「まず話を整理しよう」
ζ(゚ー゚*ζ「そうだね」
(´・_ゝ・`)「あぁ。よろしく頼むよ」
要点をまとめるとこうである。
・ハインは魔法使い。街を守るため、力が必要だった。
・それに応じた(?)のがハゲ男。
・ハゲ男はハインの召還物(?)である。
・ハゲは自身の記憶は無い
・元の世界(?)に戻るにはハインの願いである『強くなりたい』を叶えること(?)
・当面の間はハインの家に住み、ハインを鍛えていくという方針
(´・_ゝ・`)「正直まだ全然分かってない事が多いな……」
(´・_ゝ・`)「ちなみに、僕がハゲなのもきっと召還の所為で……?」
从 ゚∀从「それは違うと思う……」
-
32 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 08:01:43 ID:3ZoahUR.0
-
ζ(゚ー゚*ζ「でも良いの?」
从 ゚∀从「何が?」
ζ(゚ー゚;ζ「え、えっと……男の人と2人で住むんだよ?」
从 ^∀从「あぁ、大丈夫だろ。何かあってもオレには魔法とそのオッサンの首輪があるし」
从 ^∀从「それに何も知らない世界で万が一を起こすようなバカな事もしないだろ。常識的に考えて」
从 ゚∀从「いざとなったら全力で毟ってやるし」
(´・_ゝ・`)「おいそれはやめろまじでやめろ」
(´・_ゝ・`)「まぁ、僕はこんな子供に手を出すほど歪んでないからその点に関しては安心してほしい」
从 ゚∀从「全裸のクセに何を……」
(;´・_ゝ・)「これは僕の所為じゃないよ!? 」
从 ゚∀从「えーっと、とりあえずいつまでも全裸なのは色々と問題があるからさ」
从 ゚∀从「そっちの部屋、父さんの部屋だから適当に服選んで着てくれよ」
(´・_ゝ・`)「……良いのかい?」
_,
从 ゚∀从「そんなに全裸が良いのか……?」
(´・_ゝ・`)「ありがたく使わせてもらいます! 」
从 ゚∀从「じゃ、これからしばらくよろしくな。オッサン」
こうして、ハインとハゲの生活が始まったのであった。
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34 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 08:04:04 ID:3ZoahUR.0
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〜後日〜
从 ゚∀从「そういやオッサンって名前分かんないんだよな?」
(´・_ゝ・`)「そうなんだよね」
ζ(゚ー゚*ζ「名前がないと不便だよね」
从 ゚∀从「じゃあ名前を考えるか! 」
(´-_ゝ・`)「ふむ、ではメキシコに吹く熱風という意味で、サンタナというのはどうかな?」
从 ゚∀从「オレは盛岡が良いと思う! 」
ζ(゚ー゚*ζ「わ、私はデミタスかな……」
从 ゚∀从「よっしゃ! これからオッサンは盛岡デミタスだ! よろしくな盛岡! 」
(;´・_ゝ・)「僕の意見は!? 」
おわり
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33 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 08:03:22 ID:3ZoahUR.0
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ひとまず終わり。
ある程度のお題をもらえると嬉しいです。
お題もらえると嬉しいです。
嬉しいです!!!!!!!!