从 ゚∀从魔法使いとハゲのようです

第二話

41 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 09:27:02 ID:3ZoahUR.0

:『ハゲには使えない魔法』『ハゲにしか使えない魔法』


从 ゚∀从「よーし、いっちょ畑仕事でもするか! 」


ハインの一日は畑仕事から始まる。
畑には様々な野菜が育てられており、その全てにハインは愛情を注いでいる。
その畑仕事が終わると、ハインは街へと繰り出す。


  _、_
( ,_ノ` )「おう、ハインちゃん。これでも食ってけ! 」

(‘_L’)「ハインちゃんおはよう。今日も貴方に神のご加護を」

(´・ω・`)「やぁハイン。具合が悪くなったらすぐに僕のところに来るんだよ?」

ノパ听)「おはようハイン! 今日も元気だなお前は!!!!!! 」


街の人たちはハインにとても優しかった。
ハインは、街の人たちが大好きだった。
街の人たちがハインに優しいのは、彼女に両親がいない、という事もあったが


( ФωФ)「すまないのである、ハイン」

从 ゚∀从「それで、依頼の内容は何なんだ?」

( ФωФ)「キターの森で魔物が頻繁に出てるそうだから、退治して欲しいとの事である。よろしく頼むである」

从 ゚∀从「おう、任せとけ町長! 」


ハインは、街でただ一人の魔法使いであった。

42 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 09:27:43 ID:3ZoahUR.0

从 ゚∀从「それで、どんな魔物なんだ?」

( ФωФ)「話によれば、ウェアウルフだそうである」

从 ゚∀从「ウェアウルフかー。この前の借りを返してやるぜ! 」


魔法使いというのは誰でもなれるものではなく、先天的なものが必要であった。
そして魔物を相手に出来るのは優れた装備を持つ優れた戦士か、魔法使いだけである。
故に、街ではハインは特別な存在として認識されている。
だからといって、


( ;ФωФ)「……本当に大丈夫であるか?」

从 ゚∀从「大丈夫だって大丈夫だって! この依頼、引き受けるぜー! 」

从 ゚∀从「オレ、魔法使いだからさ! みんなを守ってやるからさ! 」

( ;ФωФ)「でも心配であるよ! ハインはまだこんなに小さいのに……」

从;゚∀从「言うほど小さくねーよオレは……」

( ;ФωФ)「我輩達にもう少し力があれば、手伝うのであるが……」

从 ゚∀从「良いって良いって! じゃ、行ってくるぜ! 」

( ;ФωФ)「無理はダメであるぞ!? 危ないと思ったらすぐに帰ってくるのだぞ!? 」


そう、ハインが魔法使いだからという理由で街の人に好かれているのではない。
単純に、皆ハインの事が大好きであったのだ。

43 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 09:28:26 ID:3ZoahUR.0

───────
────





ζ(゚ー゚*ζ「───だからね、ハインちゃんは凄いんだよ! 」

(´・_ゝ・`)「へぇ、結構頑張ってるんだなぁお嬢ちゃんも」

ζ(゚ー゚*ζ「お嬢ちゃんじゃなくてハインちゃんって言ってあげてね」

(´・_ゝ・`)「努力はするよ」

从 ゚∀从「盛岡! キターの森でウェアウルフが出たって依頼が来たから倒しに行くぞ!! 」 バタンッ

(´・_ゝ・`)「えぇ……やだよ面倒だもん……」

从 ゚∀从 ギィンッ

(;´゚_ゝ゚)「ぐああああああああああああ!!!! ごめんなさい行きます行かせてください!!! 」

从 ゚∀从「っと、デレも居たか」

ζ(゚ー゚*ζ「キターの森に行くの?私も行って良い?薬草とか詰んで行きたいし」

从 ゚∀从「おう、じゃあ一緒に行くか」

44 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 09:29:14 ID:3ZoahUR.0

(´・_ゝ・`)「キターの森って、この前の森の事かな?」

从 ゚∀从「それとは違う森だよ」

ζ(゚ー゚*ζ「キターの森なら、すぐそこだもんね」

从 ゚∀从「じゃ、早速行こうぜー! 」


ハインの家を出てまっすぐに行くと、キターの森はあった。
しかし、これから魔物を退治しに行くというのに、ハインとデレは会話に花を咲かせていた。


从 ゚∀从「へぇ、そんな魔法もあるのか」

ζ(^ー^*ζ「うん! 他にも本にはこういう魔法も載っててね────


それもそのはずである。
前回は魔力が空だったせいでウェアウルフに何も出来なかったハインだが、
魔力があればウェアウルフなど他愛も無い存在であるからだ。
実際、ハインはウェアウルフ退治を幾度も経験しており、その度に無傷で帰ってきている。


(´・_ゝ・`)「わぁ蝶々だ綺麗だなぁ」


その上、今回は盛岡も同行している。
気が緩むのも当然であった。

45 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 09:30:07 ID:3ZoahUR.0

(´・_ゝ・`)「そういえばお嬢ちゃ……ハイン」

从 ゚∀从「ん?」

(´・_ゝ・`)「ハインは魔法が使えると言っていたが、どんな魔法が使えるんだ?」

从 ゚∀从「殴る」

(´・_ゝ・`)「え?」

从 ゚∀从「殴る」

(´・_ゝ・`)「え?」

从 ゚∀从「殴る」

(´・_ゝ・`)「え?」

从 ゚∀从「だから殴るんだって」

(´・_ゝ・`)「ちょ、ちょっとまって理解できない」

46 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 09:31:20 ID:3ZoahUR.0

ζ(゚ー゚*ζ「ハインちゃんはね、魔力で体を包んで凄い力を出せるんだよ! 」

从 ゚∀从「この辺りの魔物なら余裕だぜ! 」

(´・_ゝ・`)「今のままで十分強いんじゃないのこの子……」

从 ゚∀从「……いや、今の力だけじゃダメなんだよ」

(´・_ゝ・`)「それはまたどうして?」

ζ(゚ー゚*ζ「……最近、近くの街が魔物に襲われて大きな被害が出たの」

ζ(゚ー゚*ζ「その街はここよりも大きくて強い兵士さん達も多いのに」

从 ゚∀从「それに、最近この辺りも頻繁に魔物が出るようになったからな」

从 ゚∀从「だから、もっと力が欲しいんだ」

(´・_ゝ・`)「なるほど……」

47 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 09:32:09 ID:3ZoahUR.0

(´・_ゝ・`)「あ、ところで僕も魔法とか使えるようになるのかな?」

从 ゚∀从「ハゲには魔法が使えないんだよ」

(´・_ゝ・`)「君はハゲに何の恨みがあるんだ」

ζ(゚- ゚*ζ「盛岡さん、魔法が使えないっていうのは本当だよ」

(;´・_ゝ・)「で、デレちゃんまでハゲには魔法は使えないと言うのか!? 」

ζ(゚ー゚;ζ「ち、違うよ……」

ζ(゚- ゚*ζ「魔法ってね、先天的な才能と魔力が必要なんだよ」

ζ(゚- ゚*ζ「魔力は後々作れるものじゃないし、生まれた時に既になれるかどうかが決まるんだよ」

ζ(゚- ゚*ζ「だから使えない人は一生使えないし、なりたくてもなれないんだよ」

(´-_ゝ・`)「なるほど……」

48 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 09:33:04 ID:3ZoahUR.0

从 ゚∀从「でも盛岡には不思議な力があるじゃん」

ζ(゚ー゚*ζ「そうだよね! あれは魔法とは違うのかな?」

(´・_ゝ・`)「さぁ。何か出来ただけだし」

从 ゚∀从「えっ」

ζ(゚ー゚*ζ「えっ」

(´・_ゝ・`)「えい! って感じで、こうニュルって何か、こう何か出来ただけだよ」

从 ゚∀从「ハゲにしか使えない魔法なのか……?」

(´・_ゝ・`)「しまいにゃぶっ殺すぞ」

49 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 09:34:01 ID:3ZoahUR.0

(´・_ゝ・`)「まぁ案外誰にでも出来るんじゃない?魔法も」

从;゚∀从「うわぁ、何か一層不気味さを増したよこの人」

ζ(゚ー゚*ζ「……あははっ。ハインちゃんそれはひどいよ」

从 ゚∀从「そうかぁ?……っと、キターの森に着いたな」

ζ(゚ー゚*ζ「じゃあ私はこの辺りで薬草摘んでるね」

从 ゚∀从「おう。ここら辺なら魔物も出ないだろうし」

从 ゚∀从「でももし何かあったらすぐ呼べよ?絶対だぞ! 」

ζ(^ー^*ζ「うん。絶対呼ぶ! 」

从 ゚∀从「さてと、じゃあ行くぞ盛岡」

(´・_ゝ・`)「ねぇ僕もここで薬草摘んでたい」

从 ゚∀从「 行 く ぞ 」 ギィンッ

(;´゚_ゝ゚)「ぐおおおおおあああああああ!!! 是非とも行かせてもらいますううぅうぅぅぅぅ!!!! 」

ζ(^ー^*ζ「あははっ。行ってらっしゃい」


森へと入っていく2人を見送るデレ。
段々と2人の姿が見えなくなった頃、ようやくデレは薬草を摘み始めた。

50 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 09:34:50 ID:3ZoahUR.0

ζ(゚ー゚*ζ「さて、と」

ζ(゚ー゚*ζ「薬草薬草っと」 ツミツミ

ζ(゚ー゚*ζ ツミツミ

ζ(゚ー゚*ζ(……) ツミツミ

ζ(゚ー゚*ζ(……誰にでも出来る?魔法が?) ツミツミ

ζ(゚ー゚*ζ(そんなわけ、ないじゃん) ツミツミ

ζ(゚ー゚*ζ(出来るわけが、ないじゃん) ツミツミ

ζ(゚ー゚*ζ ツミツミ

ζ(゚ー゚*ζ ツミツミ

ζ(゚ー゚*ζ(でも、頑張れば、もしかしたら、盛岡さんみたいな)

ζ(゚ー゚*ζ(盛岡さんみたいな不思議な力は使えるようになるのかな……)

ζ(^ー^*ζ(……使えるようになったら良いなぁ) ツミツミ

51 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 09:35:46 ID:3ZoahUR.0

───────
────





その頃、2人は森の中で早速ウェアウルフと戦っていた。


(´・_ゝ・`)「よいしょ」 ブンッ


盛岡は見えない何かで。


从 ゚∀从「昨日の借りだァァァ────!!!! 」


ハインは魔力で纏った拳で。


ミ;゚又゚彡「キャインキャイン!! 」


あっという間にウェアウルフ達を追い払ったのであった。

52 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/21(木) 09:37:19 ID:3ZoahUR.0

(´・_ゝ・`)「……倒さないんだね」

从 ゚∀从「倒したって仕方無いだろ」

从 ゚∀从「オレは街を守れれば良いんだ」

从 ゚∀从「それに追い払ったほうが、この辺りはダメだって魔物達の間に伝わってしばらく来なくなるんだ」

(´-_ゝ・`)「へぇ、一応考えてはいるんだね」

从 ゚∀从「へへ、ここの出来が違うんだよ」 ツンツン

(´・_ゝ・`)「おいそれはどう意味だどうして僕の頭を見てるんだ違うってどういうことだ」

从;゚∀从「ご、ごめん。そんなつもりは無かったんだよ……」


この日の依頼は、こうして終わりを迎えたのであった。



第二話 完

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