-
31 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:18:30 ID:kYas4tNw0
-
( -∀-)スヤスヤ
( ・∀・)パチッ
( -∀-)「朝か……」
( -∀-)づ「でぃー起きてー」ユサユサ
( )"「あと一時間……」
( -∀-)づ「せめて五分でしょ」ユサユサ
( ´∀`)"「はーい、起きるモナ」ムクッ
( ・∀・)つ
( ´∀`)ノ「おはようモナ、モララー」
(;・∀・)「なんでいるんだよ老人!!!」
-
32 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:19:14 ID:kYas4tNw0
-
( ・∀・)神様と(#゚;;-゚)生贄のようです
其の弐
.
-
33 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:20:33 ID:kYas4tNw0
-
( ´∀`)「老人だなんて酷いモナね」
(;・∀・)「実際そうじゃん」
( ´∀`)「見た目だけモナ。中身はピッチピチモナよ」
(;・∀・)「ピッチピチて。鮮魚かよ。言い回しが古いわ」
( ´∀`)「何百年も神様やってるモナからしたらごく最近モナ」
(;・∀・)「いや、そんなことはどうでもいいんだ! なんでいる!?」
( ´∀`)「遊びに来たらモララーまだ寝てたからモナも寝ようかなーって」
(;・∀・)「いつ来たんだよ」
( ´∀`)「四時くらい」
(;・∀・)「早っ! 老人かよ!! 老人だったわお前!!!」
( ´∀`)っロ「中身は若者モナ。ほらほら、若者の証拠、スマートフォンモナ」
(;・∀・)「別に証拠にはならない……なんで神がスマホ持ってんだよ……」
"o( ´∀`)o"「若者御用達の革ジャンも着てるモナよ」バサァッ
(;・∀・)「御用達かどうかは知らないけど……いやなんで着物の上に革ジャンなんだよ! その開き方やめろ!」
( ´∀`)「開き方は郷ひろみをイメージしてるモナ。
革ジャン着た神様なんてそうそういないモナよ。プレミアムモナ」
(;・∀・)「いてほしくないんだよ……」
-
34 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:21:12 ID:kYas4tNw0
-
(#-;;-゚)"「……モララー?」モゾ
(;・∀・)「あ、でぃ」
( ´∀`)
(#゚;;-゚)←同じ布団から出てきた幼女
( ´∀`)
( ´∀`)「……ロリコン?」
(;・∀・)「ちげえ!!!」
(#゚;;-゚)「……モララー、ろりこんって何?」
(;・∀・)「訊くな!!!」
( ´∀`)「ロリコンっていうのはね……」
(;・∀・)「教えるな!!!」
-
35 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:22:03 ID:kYas4tNw0
-
( ´∀`)「で、君はどこから誘拐された子モナ?」
(;・∀・)「誘拐してねぇよ!」
( ´∀`)「今はこの子に訊いてるモナ。モララーは黙ってるモナ」
(;・∀・)「誤解くらい解かせろよ……」
(;#゚;;-゚)「わ、わたしは、でぃです。あの、モララーは優しくて、誘拐なんかじゃなくて……」
( ´∀`)「ストックホルム症候群モナ?」
(;・∀・)「なんでお前は僕を誘拐犯に仕立て上げたいんだよ……」
( ´∀`)「冗談モナ。で、どうした子モナ?」
(;・∀・)「生贄として僕に捧げられた子だよ」
( ´∀`)「あー、いわゆる人身御供モナね」
( ・∀・)「そうそう」
( ´∀`)「モナも経験があるモナ。昔の話だけど。
現代で生贄なんて珍しいモナね」
( ・∀・)「ここ設楽葉村は古い慣習が色濃く残る村だからね」
( ´∀`)「この村だけ文明が遅れてる感半端ないモナね」
( ・∀・)「まあ、実際遅れてると思うよ」
( ´∀`)「モナみたいに着物に革ジャンスタイルを取り入れてオシャレするべきモナ」
( ・∀・)「そのオシャレはうちの村民どころか現代っ子にも前衛的すぎるかなー」
-
36 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:23:28 ID:kYas4tNw0
-
( ´∀`)「で、生贄のでぃちゃん、だったモナね?」
(;#゚;;-゚)「は、はい……」
( ´∀`)「モナは主に芝里合村で信仰されてる神、モナーモナ」
(#゚;;-゚)「モナーモナさん……」
( ´∀`)「ごめんそれ語尾。モナーね、モナー」
(#゚;;-゚)「モナーさん……あの、さっき言ってた『主に』っていうのは……?」
( ´∀`)「ああ、モナは神様歴が長いからね。嫌な言い方だけど権力とかコネとか神としてのカリスマ性とかいっぱいあるのね」
( ・∀・)「わぁほんとに嫌な言い方。特に最後」
( ´∀`)「だからまあ、芝里合村以外でも信仰が進んじゃってるモナね。
こいつダメだなって感じの神の信仰をモナに向けさせて、その神を消したりもするし」
(;#゚;;-゚)「……」
(;・∀・)「……お前、そんなことしてたのか……」
( ´∀`)「あくまでクズな神だけモナよ。ていうか、モララーだって例外じゃないモナ」
(;・∀・)「えっ、僕ってクズ?」
(;#゚;;-゚)「モ、モララーはクズなんかじゃないです……!」
( ´∀`)「分かってるモナよ。クズじゃないモナ。優しい神様モナ」
(;・∀・)「じゃあなんで……」
( ´∀`)「モララーは優しすぎるモナ。というか、甘いモナ」
(;・∀・)「……」
-
38 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:24:23 ID:kYas4tNw0
-
( ´∀`)「モララーは人間に干渉しないっていうこだわりがあるモナね?」
(;・∀・)「……うん」
( ´∀`)「この先、村人たちがモララーを言い訳に悪事を働いたとして、それでも干渉はしないモナ
?」
(;・∀・)「……それは」
( ´∀`)「具体的に言うと、モララーを言い訳に人が人を殺すような事態モナ。現にでぃちゃんがそうモナね?」
(;・∀・)「……ああ」
( ´∀`)「昔のことがあるから躊躇うのも分かるけど……現状はあまり良くないモナね」
(;・∀・)「……」
(;#゚;;-゚)(昔のこと……?)
( ´∀`)「同じような事態が続くのをただ見てるだけなら、神として無能だとモナが判断したら……」
( ´∀`)「そのときは、モナは自分が最善だと思う選択をするモナ」
-
39 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:25:13 ID:kYas4tNw0
-
(;・∀・)「……」
(;#゚;;-゚)「……」
( ´∀`)「……まあ、あんまり気負わないでほしいモナ。ただ、神と人間の関係についていま一度考えてみてほしいモナ」
(;・∀・)「……おう」
(;#゚;;-゚)「……」
( ´∀`)「……」
(;・∀・)「……」
壁|,,゚Д゚)ノ"「モララー!! 暇だ!! 遊ぼうぜ!!!!」ニュッ
( ・∀・)
(#゚;;-゚)
( ´∀`)
(,,゚Д゚)「お? なんか空気重いぞー? どうしたどうしたー?」
( ´∀`)「……ギコ、KYモナ」
(,,゚Д゚)「それ死語じゃね?」
(;・∀・)(;#゚;;-゚)((た、助かった……))
-
40 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:25:50 ID:kYas4tNw0
-
(;・∀・)「……ギコも来たのか。モナーといい、昨日のしぃといい、暇な奴ばっかかよ……」
(,,゚Д゚)「なんだ、昨日しぃ来てたのか?」
( ・∀・)「うん、遊びに来てたよ」
(;,゚Д゚)「……うおっ!? 幼女がいる! モララー、お前まさかロリコンか!?」
( ・∀・)「そのくだり何回もやったからもういいよ」
(;,゚Д゚)「なんか俺に対して塩対応じゃないか?」
( ・∀・)「だってギコだし……」
(;,゚Д゚)「理由になんねぇぞそれ!」
-
41 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:26:30 ID:kYas4tNw0
-
(,,゚Д゚)「で、どこの子だ? この幼女は」
(#゚;;-゚)「あ……わたしは、でぃです……」
(;・∀・)「……僕に生贄として捧げられた子ね」
(,,゚Д゚)「生贄? まだそんな慣習が残ってんのかぁ。
俺は羅雲路村の神、ギコだ! よろしくな、でぃ!」
(#゚;;-゚)「ギコさん……あ、ぼろ雑巾の人……」
(,,゚Д゚)「待って待ってどういうこと。どんな教育してんだモララー」
( ・∀・)「ギコがしぃと喧嘩してぼろ雑巾にされた話が印象に残ってるみたい」
(,,゚Д゚)「あー、アレは消滅するかと思ったわ。俺、槍持ってたのに素手のしぃにボッコボコにされたし」
( ・∀・)「お前、素手の女に槍で立ち向かったのかよ……」
(,,゚Д゚)「結果的に俺ぼろ雑巾だからな? 俺のギコスピア粉砕されたし」
( ・∀・)「槍の名前ダサッ」
( ´∀`)「安直っ」
(#゚;;-゚)「槍に自分の名前つけるんだ……」
(,,゚Д゚)「でぃのが一番傷つくわ……」
-
42 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:27:17 ID:kYas4tNw0
-
(,,゚Д゚)「まあ、そんな経緯があって以来、俺は常に軽装の甲冑を身につけるようになったんだよ。しぃ対策に」
( ・∀・)「十二単(20kg)着ながら、武器持った男を素手でぼろ雑巾にできて、槍も粉砕しちゃう女だぞ、しぃは」
( ´∀`)「そんな甲冑程度、無いに等しいモナ。しかも軽装だから余計に」
( ・∀・)「甲冑着てたところで、しぃのグーパン喰らえばギコの胴を貫通するぞ」
( ´∀`)「防御がペラッペラモナ。紙モナ、紙。いや、もはや紙以下モナ。うっすーい膜モナ」
(,,゚Д゚)「お前ら言いたい放題すぎない?」
(#゚;;-゚)(この場にしぃさんがいなくてよかった……)
壁|*゚ー゚)
(;#゚;;-゚)そ(い、いたーーーー!!!!)
-
43 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:28:02 ID:kYas4tNw0
-
(*^ー^)「どうもどうも皆さんお揃いのようでぇ〜」
(;,゚Д゚)そ「し、しぃ!?」
(;・∀・)そ「いつからいたんだ!?」
(*^ー^)「え? 今来たところよ?」
(;・∀・)「ほ……本当?」
(*^ー^)「あら、そんな反応をするってことは私に聞かれたら困る話でもしてたのかしら?」
(;・∀・)「い、いや……」
(*^ー^)「私のことを筋肉オバケ扱いでもしてたのかしら?」
(;・∀・)「聞いてたんじゃん!!」
(*^ー^)「スイカ割りしようと思ってスイカ持って来たんだけど、先に頭をかち割ってやろうかしら? ねぇ、ギコくん?」
(;,゚Д゚)「お、俺!? 俺は貶されてただけなのに何で俺!?」
(*゚ー゚)「まあ、それはギコくんだし……」
(;,゚Д゚)「しぃといいモララーといい何で俺自身を理由にするんだ!?」
(;・∀・)(よっしゃ、犠牲者はギコだけで済む)ホッ
(*^ー^)「勘違いしてるみたいだけど、あくまで順番の問題よ? モララー」
(;・∀・)「嘘だろ!?」
( ´∀`)「モナモナモナwwwwwwww」
(*^ー^)「モナーさんも例外じゃないわよ?」
( ´∀`)
( ´∀`)「嘘やん」
-
44 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:28:50 ID:kYas4tNw0
-
( ´∀`)「しぃ、お年寄りには優しくするモナ」
(;・∀・)「お前若者だって主張してたクセにここぞとばかりに!!」
(*゚ー゚)「まあ、茶番はこれくらいにして」
(;・∀・)「あ、茶番だったんだ……」
(*゚ー゚)「さすがにでぃちゃんの前ではね……」
(;・∀・)(でぃの前じゃなかったらぼろ雑巾にされてたのか……)
(*゚ー゚)ノ◯"「スイカをね、持って来たのよ」ヒョイ
( ´∀`)「うわぁそんな軽々と」
(,,゚Д゚)「しかもよく見たら指三本だけで支えてるし」
(*#゚;;-゚)「スイカ……」キラキラ
(*゚ー゚)「ということで、外でスイカ割りやりましょう!」
ヽ(*´∀`)ノ「ヒャッホーウ!!!」
( ・∀・)「お前がいちばん喜ぶのか」
-
45 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:29:43 ID:kYas4tNw0
-
(*゚ー゚)っ◯"「ブルーシートも持って来たから、この上にスイカを置いて……」
( ・∀・)「割るための棒は?」
(*゚ー゚)「え? 素手で充分じゃない?」
( ・∀・)「お前だけだよ」
( ´∀`)「じゃあモララーの刀で代用するモナ」
( ・∀・)「ダメだよ。大事な俺の神体なんだから」
( ´∀`)「じゃあギコの槍」
(,,゚Д゚)「ギコスピアだって俺の神体なんだからダメだぞ」
(#゚;;-゚)「御神体に自分の名前つけてたんだ……」
(,,゚Д゚)「淡々と事実のみを言われるの心にくるからせめて馬鹿にして」
( ・∀・)「ギコの心がぼろ雑巾」
(,,゚Д゚)「お前には言ってねえ」
-
46 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:31:25 ID:kYas4tNw0
-
( ´∀`)っy「いい感じの枝拾ったからこれ使うモナ」
( ・∀・)「んなほっそい枝でスイカが割れるわけねぇだろ」
(*゚ー゚)「しかも枝分かれしてるしそれ」
(,,゚Д゚)「その枝は振り回して遊ぼうな」
( ´∀`)ノシ ブンブン
(#゚;;-゚)っ[]「モララー、ちょうどよさそうな木があったんだけどどうかな?」
( ・∀・)「おっ、いいじゃん! でかした、でぃ!」
(*゚ー゚)「でぃちゃん有能ね」
(,,゚Д゚)「すなわちモナーは無能……?」
( ´∀`)「神様としては有能だもーん」
(,,゚Д゚)「だもーんがムカつく」
-
47 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:32:12 ID:kYas4tNw0
-
( ・∀・)っ[]「ていうか、この木って加工されたものだよね?」
(*゚ー゚)「角材ね。人間が忘れて帰ったのかしら?」
( ・∀・)「でぃ、どこにあったの?」
(#゚;;-゚)σ「そこの茂みの近く……」
( ・∀・)「おお、よくこんなところ見つけたね」
(,,゚Д゚)「なんでこんなところに角材が?」
(*゚ー゚)「……あ、祠があるわよ」
( ´∀`)「……!」
( ・∀・)「祠? なんでこんなところに……」
(,,゚Д゚)「やけに形が悪い祠だな。素人が作ったのか?」
(*゚ー゚)「見るからに新しいし、つい最近作られたものね。……本当に不恰好だわ」
(#゚;;-゚)「……形はガタガタだけど、わたしこれ好きかも……」
(,,゚Д゚)「えー? こんなののどこがいいんだ?」
(#゚;;-゚)「……わかんない、けど……なんだか落ち着くかも……」
( ´∀`)「……」
-
48 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:32:56 ID:kYas4tNw0
-
(,,゚Д゚)「見た感じ、祠は完成してるし角材は使ってもよさそうだな?」
( ´∀`)「いいと思うモナ。使っちゃお使っちゃお」
( ・∀・)「じゃあ、あとは目隠し用の布かな。しぃ、ある?」
(*゚ー゚)「あ、持ってきてないわ。ギコくん、ちょっと着物の袖を引きちぎらせてくれない?」
(;,゚Д゚)「嫌だよ! セクシーになっちまうだろ!」
( ・∀・)「ならねえよ」
(*゚ー゚)v「そうだ、私が目潰しするからそれでよくない?」
(;・∀・)「いいわけないだろ! なんでいいと思ったんだよ!」
(;#゚;;-゚)「……普通にタオルとかでいいんじゃないかな……」
(*゚ー゚)「あ、そうね。誰よ目潰しとか言った奴」
( ・∀・)「お前にしかない発想だよ」
-
49 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:33:37 ID:kYas4tNw0
-
( ・∀・)「タオルも用意できたし、これで準備は完璧かな」
(*´∀`)「誰からやるモナ?」
(*゚ー゚)「そうね……順番に皆やりたいわよね。初っ端から割れちゃうような事態は避けたいわ」
( ・∀・)「じゃあギコかな」
(,,゚Д゚)「おいおい舐めやがって。見てろ、この俺が華麗に決めてやるから」
( ´∀`)「華麗に決められないフラグ建てたモナね」
(,,゚Д゚)「そんなもの折ってやるわ」
( ・∀・)+「折れるのは心だろ」
(,,゚Д゚)「上手いこと言ったみたいな顔すんじゃねえ」
(*゚ー゚)「あと骨も折れる」
(;,゚Д゚)「なんで? もはや折られるの? しぃに? しぃに?」
-
50 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:34:20 ID:kYas4tNw0
-
(,,-Д-)「おーし、目隠しできたしいくぞー」
(( (,,-Д-)「こっちか?」
「ギコ! 右だ右だ!」
「ギコさん、そっちじゃないです! もっと右です!」
「モナモナモナwwwwwww」
(,,-Д-)(こいつら……さては、俺を騙そうとしているな?)
(( (,,-Д-)(その手には乗らないぞ。つまり、スイカの位置はこの方向で合っている……)
(( (,,-Д-)っ[](よし、棒を構えて……)
(( (,,-Д-)っ[] (゚ー゚*)
-
51 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:35:06 ID:kYas4tNw0
-
(;・∀・)「おい、ギコ! 本当にそっちじゃねぇ!! 危ない!!(ギコが)」
(;#゚;;-゚)「逃げてください! 危ないです!!(ギコが)」
( ´∀`)「危ないモナよwwwww(ギコが)」
(,,-Д-)「おし、ここだな!?」ブンッ
[]⊂彡
"(゚ー゚*) ベシッ
(*,,-Д-)「お? 手応えがあったぞ! 割れろ割れろ!」ブンッブンッ
[]⊂彡
"(゚ー゚*) ベシッベシッ
( ・∀・)(あ、ギコ死んだな)
-
52 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:35:45 ID:kYas4tNw0
-
(*^ー^)「さ、四人でスイカ割り大会をやっていきましょうか!」
( ´∀`)「はーい」
(;#゚;;-゚)(ギコさんがさらりと亡き者に……)
(;・∀・)(ギコがスイカ割りされてしまった……。骨折れるなんてレベルじゃない……)
(*゚ー゚)「どうする? 誰がやる?」
( ´∀`)「とりあえず一番最後はでぃちゃんでどうモナ?」
( ・∀・)「大トリか。でぃ、どう?」
(*#゚;;-゚)「わかった。最後に決める……!」
( ´∀`)「じゃあ、二番手はモナがいくモナ」
(*゚ー゚)「あらやだモナーさんったら。モナーさんは二番手じゃなくて一番手よ?」
( ・∀・)(ギコは完全にいなかった者扱いかぁ……)
(,,゚Д゚)「まったく、しぃは横暴だよなぁ」
( ・∀・)「復活早くない?」
(,,゚Д゚)「タフじゃなきゃしぃの彼氏は務まんねえぞ」
( ・∀・)(そういや付き合ってるんだったこいつら)
-
53 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:36:21 ID:kYas4tNw0
-
( ´∀`)「フッフッフッ、モナが大人気なく決めてやるモナ」
( ・∀・)「わぁ嫌なセリフ」
( ´∀`)「なんなら指示いらないモナ。己の勘だけでスイカの位置を当ててみせるモナ」
(,,゚Д゚)「すげえ自分を追いこむなお前」
( ´∀`)「自分で言っちゃうけど、モナってすごい神様だからぁー」
(*゚ー゚)「さっさとやりなさいよ」
( ´∀`)「はい」
-
54 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:37:00 ID:kYas4tNw0
-
( ´∀`)っ[]「目隠しオッケー、いくモナよー」
( ・∀・)「はーい」
((( ´∀`)っ[](今聞こえたモララーの声をヒントに方向、距離を計算して……)
( ´∀`)「ここモナ!!」スカッ
[]⊂彡
( ´∀`)
( ´∀`)スカッ
[]⊂彡
( ´∀`)
( ・∀・)「フッフッフッ、モナが大人気なく決めてやるモナ(笑)」
(*゚ー゚)「なんなら指示いらないモナ(笑)」
(,,゚Д゚)「己の勘だけでスイカの位置を当ててみせるモナ(笑)」
( ´∀`)「やめて」
(#゚;;-゚)「自分で言っちゃうけど、モナってすごい神様だからぁー」
( ´∀`)「お願い、せめて笑って。真顔で復唱しないで」
-
55 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:37:47 ID:kYas4tNw0
-
(*゚ー゚)「じゃあ次はモララーかしら」
( ・∀・)「僕?」
( ´∀`)「モララーが華麗に!!!なんの指示も無しに!!!!百点満点のスイカ割りを見せてくれるモナよ!!!!!」
(;・∀・)「腹いせにハードル上げるのやめろ!!!」
(,,゚Д゚)「そうだな、モララーならできる!」
(;・∀・)「便乗やめろ!!!」
(*゚ー゚)「楽しみだわ。ねぇ、でぃちゃん?」
(*#゚;;-゚)「はい……!」
(;・∀・)「や、やめろ卑怯な……!」
(*#゚;;-゚) キラキラ
(;・∀・)「やめろ……期待に満ちた眼差しで見るな……!」
-
56 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:38:32 ID:kYas4tNw0
-
「モララー、早くするモナ」
「とっとと爆死しろー」
「まあまあ、決めればいいだけの話よ、モララー」
(;-∀-)「うるさいなー……」
「モララー、頑張って!」
(((;-∀-)(ああー、でぃの純粋な期待が一番つらい……見えないけど目がキラキラしてるのが分かる……)
((( -∀-)(……そうだ、しぃの言う通り決めればいいだけの話だ)
((( -∀-)っ[](目隠しする前にスイカまでの距離を見ておいた。おそらく、15歩くらいで辿り着くはず)
( -∀-)「よし、ここだ!」ベシッ
[]⊂彡
(*-∀-)(よっしゃ、手応えがあったぞ!)
(;-∀-)(……いや待て、これは……)
(;・∀・)「じ……地面……!」
(*゚ー゚)「……」
( ´∀`)「……」
(,,゚Д゚)「……」
(#゚;;-゚)「……」
(;・∀・)「ねぇやめてその『普通につまんねぇ』みたいな顔」
(*゚ー゚)「いや、そんなことないわよ? 良かったと思うわ、うん」
(,,゚Д゚)「モララーは頑張ったと思うぞ、うん」
( ´∀`)「ごめんね無理言って」
(#゚;;-゚)「頑張ることに意味があるっていうか……」
(;・∀・)「微妙なフォローやめてよ! いっそ馬鹿にして!!」
(;#゚;;-゚)「……馬鹿に……えーと、ば、ばーかばーか……?」
( ・∀・)「それは可愛いだけ」
-
57 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:39:09 ID:kYas4tNw0
-
(,,゚Д゚)「じゃあ次はしぃか」
(*゚ー゚)「任せといて」
( ・∀・)「でもさー、しぃがスイカに当てちゃったら、スイカは木っ端微塵に消し飛ぶよね」
(*゚ー゚)「手加減するから大丈夫よ」
(;・∀・)(手加減しなかったら消し飛ぶの?)
( ´∀`)「外れて地面に当たったとしても、地割れが起こるモナ」
(*゚ー゚)「手加減するから大丈夫だってば」
(;・∀・)(手加減しなかったら地割れが起こるんだ……)
-
58 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:39:54 ID:kYas4tNw0
-
(;,゚Д゚)(おい、しぃにやらせるのは危ないんじゃねぇか?)ヒソヒソ
(;・∀・)(僕もそう思う。せめて棒を持たせないとか……)ヒソヒソ
( ´∀`)(いや、しぃは素手で充分って言ってたから棒があろうとなかろうと関係ないモナ)ヒソヒソ
(;#゚;;-゚)(……あの、しぃさんは左手の小指だけでやるとかどうですか?)ヒソヒソ
(;・∀・)σ(それだ!)ヒソヒソ
(*゚ー゚)「ちょっと、何コソコソ話してんのよ」
(;,゚Д゚)「あー……しぃ? あのな、ほら、しぃは強いじゃん?」
(*゚ー゚)「何よ急に」
(;,゚Д゚)「強いからさ、ハンデみたいなのつけた方がいいんじゃないかなーと……」
(*゚ー゚)「えー……」
(;・∀・)「ほら、でぃまで順番を回すためだと思って!」
(*゚ー゚)「はぁ……で、ハンデってどんなの?」
(,,゚Д゚)「左手の小指で割る」
(*゚ー゚)「馬鹿にしてんだろ」
-
59 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:41:30 ID:kYas4tNw0
-
( ・∀・)「いやいや、このくらいでようやくバランスが取れるっていうか」
(*゚ー゚)「さすがの私も左手じゃ無理よ。せめて右手の小指なら……」
(;・∀・)(右手の小指なら割れるの!?)
(*゚ー゚)「まあいいわ。左手の小指ね?」
(#゚;;-゚)「はい」
(*-ー-)d「目隠しして……っと、じゃあ行くわよ」
( ∩・∀・)∩「しぃー、右右!」
(∩#゚;;-゚)∩「違います、左です!」
( ∩´∀`)∩「そのまままっすぐモナー」
(∩,,゚Д゚)∩「逆走してるぞー!」
(*#゚;;-゚)「なんかすごくスイカ割りっぽい……!」
( ´∀`)「分かるモナ」
( ・∀・)「忘れないで、しぃは左手小指での挑戦だってことを」
-
60 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:42:16 ID:kYas4tNw0
-
(;,゚Д゚)「……おい」
( ・∀・)「ん?」
(;,゚Д゚)σ「……俺たちの野次なんか意に介さず余裕でスイカまでたどり着きやがったぞ」
(*-ー-)d ◯
(;・∀・)「マジで!?」
(;,゚Д゚)「さ、さすがにしぃでも左手小指じゃスイカなんて割れねえよな?」
(*-ー-) バキィッ
b彡
(;・∀・)そ「嘘だろ!!!?」
(*゚ー゚)「さすがに真っ二つにはならないわね……。でも、半分くらいは亀裂が入ったわよ」
(;・∀・)「……」
(;#゚;;-゚)「……」
(;´∀`)「……」
(;,゚Д゚)「……俺、今後絶対しぃに逆らわねえわ」
(;・∀・)「……それがいい」
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61 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:43:18 ID:kYas4tNw0
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(*゚ー゚)「じゃあ最後、でぃちゃん」
(;#゚;;-゚)「は、はい……」
( ・∀・)「目隠しするよー」
(#´;;-`)「うん」
( ・∀・)「はい、棒握ってー」
(#´;;-`)っ[] ギュッ
(,,゚Д゚)「目隠しして棒握るってエロくね?」
(*゚ー゚)「……」
(,,゚Д゚)「軽蔑の視線が痛い」
( ´∀`)「今のは普通にギコが悪いモナ」
(#´;;-`)「……?」
( ・∀・)「ギコの言うことは基本的に気にしなくていいからねー」
(*゚ー゚)「ギコくん喋らないで」
(,,゚Д゚)「はい……」
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62 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:43:58 ID:kYas4tNw0
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( ・∀・)「よし、準備オッケー。でぃ、いいよー」
(( (;#´;;-`)っ[]「う、うん」
「でぃちゃん、右よ!」
「でぃ、そのまま真っ直ぐだ!」
「ギコの言うことは基本気にしなくていいモナ」
(;#´;;-`)っ[](ど、どうしよう。誰を信じたら……)
「でぃ! 左だ!」
(#´;;-`)っ[]「! モララー……!」
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63 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:44:40 ID:kYas4tNw0
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(∩,,゚Д゚)∩「でぃ! 真っ直ぐ真っ直ぐ……お?」
( ´∀`)「でぃちゃん、左に進み始めたモナね。迷わずモララーの指示を信じたモナ」
(*゚ー゚)「モララー嘘言ってるのに」
(;∩・∀・)∩「でぃー! ごめん、本当は右!!」
(( (;#´;;-`)っ[]「み、右?」
(( (#´;;-`)っ[]"◯ コツン
( ∩・∀・)∩「お、いいぞー! そこだー!」
(∩*゚ー゚)∩「日頃の恨みを棒に込めて殴るのよー!」
(;・∀・)「おい、変なこと教えんな!」
(;#´;;-`)っ[]「う、恨み?」
(;・∀・)「もー、しぃ! でぃが真に受けちゃうじゃん!」
(*゚ー゚)「大丈夫よ。癒し系でぃちゃんが恨みなんて……」
(#´;;-`) バッキィィィッ
[]⊂彡
( ・∀・)
(*゚ー゚)
( ´∀`)
(,,゚Д゚)
( ・∀・) ゴッシャァァァ >
(;・∀・) ベキィィィィッ >
(;,゚Д゚)「……お、おい、ヤバくないか」
(;´∀`)「でぃ、やめるモナ! スイカが粉々になっちゃうモナ!」
(;*゚−゚)「……闇を垣間見たわね」
(;・∀・)(奴隷時代とか生贄として殺されたことの恨みかな……)
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64 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:45:21 ID:kYas4tNw0
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(*#゚;;-゚)ゞ「お恥ずかしいところを……」
(;,゚Д゚)「い、いや、気にすんな」
(;・∀・)「ちょっとビックリしたけどね……」
(*´∀`)「もういいから、スイカ食べるモナ!」
(*゚ー゚)「私この種が少ないやつね」
(*#゚;;-゚)「わたしこの大きいの……!」
( ・∀・)「ギコのスイカは種が多くて小さいやつね」
(;,゚Д゚)「おい勝手に決めんな!」
(*´∀`)「いただきまーす!」
(*・∀・)(*#゚;;-゚)「「「「いただきまーす!!」」」」(゚ー゚*)(゚Д゚,,*)
(*・∀・)(*#゚;;-゚) ムシャァ (゚ー゚*)(´∀`*)(゚Д゚,,*)
( ・∀・)「ぬるい」
(#゚;;-゚)「ぬるいね」
(*゚ー゚)「ぬるいわ」
( ´∀`)「ぬるいモナ」
(,,゚Д゚)「木陰でやってたとはいえ、真夏だもんな、今」
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65 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:45:59 ID:kYas4tNw0
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( ´3`)「タネマシンガンモナ!」ププププ
(;・∀・)「うわっ、僕に種を飛ばすな汚い! あと顔がムカつく!」
( ´∀`)「誰が一番遠くに飛ばせるか勝負モナ」
(#゚;;-゚)「しぃさんの圧勝では……」
(,,゚Д゚)「銃弾くらいの速度出るぞ」
(*゚ー゚)「多分出せるわ。これからは口の中にスイカの種を仕込んでおいて飛び道具にしようかしら」
(,,゚Д゚)「遠距離にまで対応して最強を極めなくていいぞ……」
(#゚;;-゚)「口の中でスイカが育っちゃいそう……」
( ・∀・)「発想が可愛いな」
( ´∀`)「口の中でスイカを育てるしぃとかシュールすぎるモナ」
(,,゚Д゚)「いずれスイカが育ちすぎて顎が外れそう」
( ・∀・)「そうなる前になんとかするだろ」
(*゚ー゚)「そもそも口内でスイカは育たないわよ」
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66 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:46:39 ID:kYas4tNw0
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(*#゚;;-゚)「……」
( ・∀・)「どしたの、でぃ。ボーッとしちゃって」
(*#゚;;-゚)「……楽しいなって。スイカ割りも、こうして皆でスイカを食べるのも、すっごく楽しい」
(*・∀・)「だね。僕も楽しい」
(*#゚;;-゚)「またやりたい……」
(*・∀・)「またやろうよ。ね、皆」
(*´∀`)「もちろんモナ!」
(,,*゚Д゚)「今度こそ俺が割ってみせるぞ!」
(*゚ー゚)「次はメロンを割りましょう」
( ・∀・)「メロンは普通に切ろうよ」
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67 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:47:42 ID:kYas4tNw0
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*
( -ω-)人
ξ--)ξ人
/ ,' 3「……」
この夫婦は今日も相変わらず祈っている。毎日毎日、よくも飽きないものだと思う。
/ ,' 3「……」
ふと、でぃが生きていた頃を思い出した。
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68 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:48:35 ID:kYas4tNw0
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その日は朝早くから神社へと出かけていた。
荷物が多かったので、そのほとんどをでぃに持たせる。でぃは何も反抗せず黙って荷物を抱えた。
石段を登りきると、拝殿の前に二人の男女が見える。
近づくと、気配を察したようで同時に振り向いた。妙に息の合う夫婦だ。
ξ゚听)ξ「荒巻村長、おはようございます」
( ^ω^)「おはようございますお」
/ ,' 3「ああ、おはよう」
(#゚;;-゚)「……」
ξ゚听)ξ「あら、でぃちゃん。荒巻村長のお手伝い?」
( ^ω^)「偉いおね」
村民間でのでぃの認識は「両親が亡くなり孤児になったところを、村長に引き取られた子ども」でしかない。
まさか奴隷として扱われているだなんて、思いもしないだろう。
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69 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:49:20 ID:kYas4tNw0
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(#゚;;-゚)「……」
( ^ω^)「おっおっおっ、でぃちゃんは大人しいおね」
/ ,' 3「……行くぞ、でぃ」
(#゚;;-゚)「……あの、ここで何をしているんですか?」
ξ゚听)ξ「え、私たち?」
/ ,' 3「おい、でぃ」
( ^ω^)「お祈りをしているんだお。この神社にはモララー様っていう神様がいるんだお」
ξ゚听)ξ人「こうやって手のひらを合わせて、お願いをするの」
(#゚;;-゚)人「……こうですか?」
/ ,' 3「でぃ」
( ^ω^)人「上手上手。一緒にお祈りしようお。モララー様ーって」
ξ゚听)ξ人「村長もどうですか?」
/ ,' 3「……儂はいい」
ξ゚听)ξ人「あら、残念。じゃあ、村長の分も祈りましょう、でぃちゃん」
(#゚;;-゚)人「……」
(#゚;;-゚)人「……モララー……様……」
/ ,' 3(……馬鹿馬鹿しい)
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70 名前: ◆MiP3CC60hw[sage] 投稿日:2017/08/25(金) 21:50:22 ID:kYas4tNw0
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愚かな姿だ。
いもしない神に祈りを捧げて、救いを乞う。
何故、村人たちはなんの疑いも持たずに信仰しているのだろうか。
証明が必要だ。神がいないのだという証明。
そうだ、手始めにでぃを生贄にしてやろう。
信じる者は救われるのなら、優しい優しいモララー様なら、このかわいそうな幼い信者を助けてくれるはずだ。
しかし、この生贄が救われることはない。モララー様などいないのだから。
(#゚;;-゚)人「モララー様……」
/ ,' 3「……」
今のうちに存分に祈るがいい。どうせ、その祈りを聞く者などいないと思い知ることになるのだ。
其の弐 了