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42 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/02(土) 02:29:29 ID:oUsQLLos0
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【「充分に発達した科学技術は魔法と見分けが付かない」 】
どーも、宇津田ドクオです。15歳です。
オレは、えっとその……
ξ゚听)ξ<うんばば?
( ´ω`)<だおだおおっお
ξ゚听)ξ<つーん
('A`)
―――石器時代にいます。
なぜか、はい。
オレはさっきまで私立VIP高校の一階端にある2年4組の教室で、
技術の授業を受けていたはずなのですが……
気がついたら、なんか、みんな毛皮着てるし。
言ってることマジわけわかんねーし。
まわりが土だらけで妙に暑いし。
ξ゚听)ξ<うんばばー
( ´ω`)<おー?
( ´ω`)
( ´ω`)
( ^ω^)<お!
('A`)(話に入れない、っていうか、話しかけられる雰囲気じゃない)
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43 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/02(土) 02:32:12 ID:oUsQLLos0
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彼らは真剣になにかをやっていて、こちらに気がつく様子はありません。
それはオレにとって救いなのかもしれませんけど、
いや、なんか無視されて気まずいのは教室でも、こんなだだっ広い荒野でも同じなんですね。
勉強になります、原始人のお二方。
('A`)(それにしても、なにやってるんだろう?)
ξ゚听)ξ<うば!! うばうばうー!!
(*^ω^)<お!! おっおっお、お、おお!!
見てみると、彼らは木と木をこすり合わせているのでした。
('A`)(あ、煙出た……)
「火を作っているのか」とか、オレがそんなことを思いながら煙を見た、そのときでした。
ξ*゚听)ξ<うばうばつんつん!!!
(*^ω^)<おっお!!! おー!!!
ふたりの原始人は、はねまわり、お互いの体をくっつけたりはなしたりして叫びまわりはじめました。
それは、現代人のオレから見ても「喜んでいる」ということがまるわかりでした。
しかも目には涙が浮かんでいて、普通の喜びようではないことがうかがえました。
('A`)(なんだろう、火が出ただけで、なんでそんなに喜んで……)
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45 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/02(土) 02:35:43 ID:oUsQLLos0
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(゚、゚トソン<宇津田、起きなさい
('A`)<んあ?
目覚めたオレの目に、前の席の委員長の顔が飛びこんできました。
(゚、゚トソン<まったく、先生に見つかったらどうするんです
('A`)<ああ、うん……ごめん
どうやらさきほどまでのは夢だったようです
「『充分に発達した科学技術は魔法と見分けが付かない』これはアーサー・C・クラークの言葉ですが……」
先生の声が、ぼんやりとしたオレの耳に飛び込んできました。
('A`)(魔法……そういや、夢の中の原始人が火を見てたときの、あの目)
なんだか魔法でも見ているようだったなあ、とオレは思いました。
(゚、゚トソン<ほら、ぼやっとしてると怒られますよ
(;'A`)<あ、うん
よく考えると、あの時代での「火」というのは、科学技術の最先端だったのではないでしょうか。
アーサーなんとかさんの言う、「魔法と見分けがつかない充分に発達した科学」として、
あの時代では「火」があてはまるとすれば、あの二人の喜びようもわかる気がします。
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46 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/02(土) 02:36:34 ID:oUsQLLos0
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('A`)(つまり、あの二人は―――)
ツーンξ*゚听)ξ(^ω^*)オッオ
―――人類最初の、科学者……?
('ー`)(まさかな)
笑いながらも、オレは思いました。
たとえ夢のなかであっても、人類初の「火を発明した瞬間」にたちあえたかもしれない。
もしそうだったら、それはとんでもなくロマンだ。
オレはそんなささやかなロマンを胸に秘め、授業に戻ることにしたのでした。
+ξ*゚听)ξおしまい!(^ω^*)+