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337 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/14(金) 22:48:11 ID:PAIVd0aU0
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(i,)
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(#゚;;-゚)「あぁ、どうして私はこんな顔なのだろう…」
私は佐々木でぃ。25歳の独身OL。
とくにこれといった特徴もなく、普通の女性という印象だろう。
あえてあげるなら幼い頃に負った傷があることか。この切り傷のせいでたくさん損をした。
(#゚;;-゚)「…はぁ」
毎日が嫌になる。上司からの怒鳴り声や先輩の嫌味。本当に嫌になる。
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338 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/14(金) 22:51:02 ID:PAIVd0aU0
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从 ゚∀从「おーい!佐々木ー!」
この女性はハインリッヒ高岡。私の幼馴染で今日は久しぶりに二人で飲む予定だ。
(#゚;;-゚)「はーいはい。ちゃんと予約とったんでしょうね?」
从 ゚∀从「おうよ!なんか気になる店見つけたんだぜ!そこをな!」
(#゚;;-゚)「また変な店予約したんじゃないでしょうね?この前みたいなピーナッツバター専門店とか嫌よ?」
从; ゚∀从「それのことは本当に悪かったって…」
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339 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/14(金) 22:51:44 ID:PAIVd0aU0
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从 ゚∀从「ここだぜ」
(#゚;;-゚)「BAR[ロマネスク]?まーた変な所?」
从 ゚∀从「いやいやいや…ちゃんとした店だぜ?」
( ФωФ)「ようこそBAR[ロマネスク]へ。おや、お嬢さん方お二人かね?」
(#゚;;-゚)「はい、二人です」
( ФωФ)「珍しい。ま、掛けなさい」
出迎えたのは人が良さそうな主人。BARのマスターである。
( ФωФ)「注文は?」
从 ゚∀从「バーボンストレート」
( ФωФ)「相変わらず強いであるな…そこのお嬢さんは?」
(#゚;;-゚)「え、例えば何が…?」
( ФωФ)「定番であればマティーニとかであるな」
(#゚;;-゚)「じゃ、それで」
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340 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/14(金) 22:52:40 ID:PAIVd0aU0
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从*-∀从「あーあ…まったく、この頃は疲れるぜ本当」
(#゚;;-゚)「なに行ってるの。モテモテじゃないの貴方」
从* ゚∀从「ご冗談を。俺はジョルジュ一択だし、奴らは全員体目当てさ」
( ФωФ)「女の子がそんなこというもんじゃないである。はい、おつまみ」
从* ゚∀从「だっははは!言うなマスター!」
何がこの頃は疲れるぜ、だ。お前は小さい頃から皆の人気者だったろうが。
ちくしょう、妬ましい。羨ましい。
从* ゚∀从「何だでぃ!黙り込んでどうした?」
(#゚;;-゚)「…ん、なんでも無い」
从* ゚∀从「ん?ジョルジュから電話かー?」
从* ゚∀从「でぃ、わりぃ俺帰るわ」
(#゚;;-゚)「…は?」
从* ゚∀从「なんかジョルジュが家来てってうるせぇからよー♪精算はしとくから」
(#゚;;-゚)「…そう。楽しんで来てね」
从*^∀从「わははははwwwすまねぇなwww」
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341 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/14(金) 22:53:48 ID:PAIVd0aU0
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ハインが店を出て、しばらくする。
(#゚;;-゚)「…はぁ…結局私は一人になるのね」
( ФωФ)「察するよ。今夜は飲んだらいい。こういう時は飲んで忘れるのが一番さ」
(#-;;ー-)「…ねぇマスター、ハインと私、何が違うと思う?」
( ФωФ)「…何も違わないと思うである」
(#;;-)「…だよね。どうして人間ってこんなに差がでるのかな?」
( ФωФ)「…」
( ФωФ)「君、悪魔って信じる?」
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342 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/14(金) 22:56:03 ID:PAIVd0aU0
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(#゚;;-゚)「は?」
( ФωФ)a「我輩、悪魔なの」
(#゚;;-゚)「はい?」
( ФωФ)「うん、だから我輩悪魔なわけ。証拠に翼とかみせようか?」
(#゚;;-゚)「マスター、お酒はあんまり飲み過ぎたらダメだよ?」
( ФωФ)「いや、わりとマジである。ほら、翼」
(#゚;;-゚)「すごいコスプレ衣装ね」
( ;ФωФ)「…とりあえず三つ願いを言うのである。叶えてやるから」
(#゚;;-゚)「バカバカしい…じゃあ
私の手のひらに金をだしてみてよ」
( ФωФ)「そんなもんでいいのであるか?」
ロマネスクが目をつぶり、手を握ると、でぃの手のひらに金が乗っていた。
(;#゚;;-゚)「ええ!?ほ、本当なの!?」
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343 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/14(金) 22:57:20 ID:PAIVd0aU0
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( ФωФ)「だからそうだって言ってたじゃんか」
( ФωФ)「で、二回目は?」
(#゚;;-゚)「同時に言っていい…?」
( ФωФ)「構わんよ」
(#>;;-<)「私をキレイにして!そして…素敵な恋をしてみたいの…」
(#゚;;-゚)「…笑うでしょうね。悪魔に頼ることがこんなことなんて」
( ФωФ)「残念だが我輩のツボはそこまで浅くないである。人間は同じような物だし」
ロマネスクはでぃの額に指をあて、こういった。
( ωФ)「目を閉じろ。明日からは…」
『実りある一日を』
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344 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/14(金) 22:58:11 ID:PAIVd0aU0
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(*゚ー゚)「…これが私?」
その日から、全てが変わった。
(;*゚ー゚)「まずいまずい!バイト初日から遅刻しちゃうよ!」
ドンッ!
(;*>ー<)「きゃっ!すいません!」
(;,,゚Д゚)「あぁ、こちらこそすまん」
漫画のような恋をし、
普通にデートをし、
時には喧嘩をし、
クリスマスを一緒に過ごしたり…
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345 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/14(金) 22:58:59 ID:PAIVd0aU0
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( ФωФ)「ふむ…」
<ヽ`∀´>「マスター、何読んでるニダ?」
( ФωФ)「ん?これはね」
(*゚ー゚)「ロマネスクさん!」
( ФωФ)「む?でぃさんかね。五年ぶりじゃないか」
(*゚ー゚)「貴方のおかげで私は幸せよ!」
( ФωФ)「それは良かったである」
(*゚ー゚)「…で、代償はいつ払えばいいの?」
( ФωФ)「む?そのことなら…代償はいらない。もう貰っているよ」
(*゚ー゚)「フフっ…そう」
(*^ー^)「ありがとう、優しい悪魔さん!」
(*゚ー゚)「ごめんね、おそくなっちゃって」
(,,゚Д゚)「ん、構わねぇぞ?」
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346 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/14(金) 22:59:39 ID:PAIVd0aU0
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<ヽ`∀´>「良かったのか?あんなもんで」
( ФωФ)「ニダー、この本はな」
( ФωФ)「絶賛連載中の薄気味悪いくらい甘々な、恋愛小説だよ。読んでみるか?」
<ヽ`∀´>「『悪魔との会話を終えると、店の前に彼が居た。「ごめんね、おそくなっちゃって」「ん、別に構わねぇぞ」彼はぶっきらぼうに答えたものの、その言葉には愛情が篭っている。「どうした?」彼が尋ねる。「いや…こんなに幸せになれるなんて、夢みたいで…」「はは、これが夢ならばずっと覚めないでほしいもんだ…」そうして彼らは歩き出した』…」
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347 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/14(金) 23:00:45 ID:PAIVd0aU0
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<ヽ;`∀´>「うぇ、マッOスコーヒーも真っ青な甘々小説ニダね。タイトルは?」
( ФωФ)「タイトルはね…」
( ω)「『実りある一生を』
、だ」
(
)
i フッ
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