2012年芸術の秋ラノベ祭りのようです
( ФωФ)SB!のようです


「( ФωФ) SB!のようです」の続きです。


651 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/20(火) 01:11:07 ID:jHX2BIFQ0

( ФωФ)SB!のようです



―――定例会

時は流れ、SB部に入部し早一月が経った。

それぞれ同じクラスだと言うのに、彼らが今までろくに話したことがなっかたことを知った校長ロマネスクは定例会を提案した。
定例会は週に一度、皆で集まり喋るだけ。定例会という名の座談会だ。

ζ(゚ー゚*ζ「弟者くん、例の件よろしくね」

(´<_` )「ああ、分かってる。そっちも頼んだ」

(´・ω・`)「ヒートさん、僕も一枚ちょうだい」

ノパ听)「遠慮せず食っていいぞ!」

先に来ていた弟妹組はすでに話に花を咲かせている。
元々物置であった部屋はそう広くないが、8人ならば十分な広さだ。
そこに兄姉組が入ってくる。

652 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/20(火) 01:12:14 ID:jHX2BIFQ0

ξ゚听)ξ「あら、もう来てたんだ(デレと弟者、仲良さそう…あとで蹴ったろ)」

( ´_ゝ`)「1年の方が終わるの早いからな(あの二人仲良いなぁ。なんか寂しいけど、お似合いな気がする)」

(`・ω・´)「僕たちも終わってすぐきたんだけどね(ショボンに友人が増えて嬉しいな)」

川 ゚ -゚)「よし、今日はなにを話そうか(口の周りベタベタなヒート…うん可愛い)」

ζ(゚ー゚*ζ「わたしたちもさっき来たとこだよー(お姉ちゃんだ!お姉ちゃんだ!お姉ちゃんだ!お姉ちゃんだ!)」

(´<_` )「待ったぞ、兄者(兄者を見るのは21分ぶりだが、見た感じ何もなかったようだな)」

(´・ω・`)「兄さんお疲れ様(ああ、今日の兄さんもかっこいいな!)」

ノパ听)(姉さんの分のポテチ残してなかった…)

正に三者三様の思考。

その様子を端にある見学席から、にやけたロマネスクが見つめていた。

(*ФωФ)(シスブラ、たまらんのぉ)

653 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/20(火) 01:13:17 ID:jHX2BIFQ0

―――SBの休日の過ごし方と心の在り方

[ツンとデレの場合]

ξ゚听)ξ「デレ、準備は出来た?」

ζ(゚ー゚*ζ「うん!」

お揃いで買ったワンピースに色違いのジャケットを羽織り、互いにセットし合ったふわふわの髪を揺らしながら外へ出る。
可愛い妹はぴったりと体を寄せている。
シャンプーのいい香りが鼻をくすぐる。
たった一つしか違わないのに、妹は随分背が低い。
しかし妹にとっては背が小さいことはマイナスどころか大きなプラスだ。
全てを包むような柔らかい笑顔に見上げられれば、どんな男も虜になってしまうに違いない。

ζ(゚ー゚*ζ「お姉ちゃん、このヘアゴム可愛いよ」

無邪気に笑う妹の笑顔が眩しい。

ξ゚听)ξ「デレにはこの色が似合うと思うわよ」

可愛い妹。大切な妹。
いつまで、こうして私を慕ってくれるのだろうか。

654 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/20(火) 01:14:16 ID:jHX2BIFQ0

ζ(゚ー゚*ζ「その靴、すっごく似合う!」

ξ*゚听)ξ「そんなに褒めても何も出てこないわよ」

ζ(^ー^*ζ「だってホントのことなんだもん」

わたしの姉はどんなものでも似合ってしまう。
その辺にある石ころでさえ、姉が持てば宝石へと忽ち姿を変えるだろう。
それほどまでにわたしの姉は美しい。

ξ゚听)ξ「あんまりくっつきすぎて転んでも知らないからね」

ζ(゚ー゚*ζ「こうしてないと迷子になっちゃうんだもん」

ウインドウショッピングを楽しみつつ、姉の腕に自分の腕を巻きつかせる。
道行く人がわたしたち…いや姉を見ていく。
きっとそれは姉がきれいすぎるから。
大切な姉を独り占めしたいけれど、多くの人に姉を見せつけたい。
見せつけて叫びたい。
この美しい人は私の姉なんだ、と。
見せつけたいのに誰にも見せたくない。なんてジレンマなんだろう。

ζ(゚ー゚*ζ(誰にも見せずに見せつける方法があれば良いのに)

655 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/20(火) 01:15:23 ID:jHX2BIFQ0

[シャキンとショボンの場合]

ピピピと電子音が聞こえる。弟はまた着替えもせずに部屋でゲームをしているようだ。
休日に友人と遊びに行く姿などいったいどのくらい見ていないだろうか。

(`・ω・´)「ショボン、ゲームばかりしていないで公園にでも行こう」

(´・ω・`)「うん、分かった…ちょっと待ってて、準備するから」

弟は素直にゲーム機を片づけ、パジャマから着替える。

(`・ω・´)「今日はキャッチボールでもしようか」

(´・ω・`)「じゃあ、グローブとボール持っていくね」

弟が運動、特に球技が苦手なことは知っている。が、あえてその苦手なものをいつも選ぶ。
それは少しでも弟ショボンの身のためになればと思ってのこと。

(`・ω・´)「もう少し下に構えてみるんだ」

(´・ω・`)「えっと…こう?」

(`・ω・´)「そうそう、じゃあ投げるから取ってみて」

今だってグローブ一つとっても、構え方に対して細かく注意しないと気が済まない。
弟が心配でたまらない。
それこそ、いつでもべったりとくっついてあれこれ口を出したいほど。
こんなの弟のためにならないと分かってはいても止められない。

656 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/20(火) 01:16:09 ID:jHX2BIFQ0

(;`・ω・´)「あっ」

(;´・ω・`)「うわっ」

ボールを取ろうとして足をくじいてしまった。
兄さんが慌てた面持ちで駆け寄ってくる。
ああ、兄さんそんなに心配しなくても大丈夫だよ。
そう思う反面、心配されることを心地よいとも思う。
兄さんが少し心配症なのは知ってるが、それを嫌だとは思ったことがない。
寧ろ享受すらしている。
心配する兄の優しさを受け止めるのが、僕の特権だと思っているから。

(;`・ω・´)「ショボン、大丈夫か?痛くないか?」

(´・ω・`)「少し痛いかな。でも歩けないほどでもないよ」

兄さんの心配そうな顔、好きだな。
たまにこの顔を見たくてわざと怪我することもあるのは内緒だ。

(`・ω・´)「もっと注意すべきだった。すまない。
      今日はもう帰ろうか」

(´・ω・`)「兄さんのせいじゃないよ。
     でもおんぶしてくれたら嬉しいな」

(`・ω・´)「仕方ない、今日だけだからな」

(´・ω・`)「へへ、やったー」

兄から心配されるのも甘やかされるのも弟である僕だけの特権。

(´・ω・`)(これだけは渡せないな)

657 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/20(火) 01:16:58 ID:jHX2BIFQ0

[クールとヒートの場合]

しゅっしゅっと竹刀が空を切る。

川 ゚ -゚)「朝練か?」

ノパ听)「姉さんか、おはよう。今月末に試合があるからはりっきてるんだ」

川 ゚ ー゚)「なるほど。」

妹は真面目だ。何事も全力でやる。
学校では男勝りで喧嘩っ早い。そのためか女の子として見られることが少ない。
そんな妹の私しか知らない顔。

川 ゚ -゚)「おりゃっ」

ノハ;゚听)そ「うわあああ!」

川 ゚ -゚)「隙あり、だな」

ノハ////)「む、胸は揉まないでくれ」

胴着を着ていない彼女の胸を鷲掴みにする。
実際は鷲掴むほどの大きさはないのだが。
妹は体をくねらせ逃れようと暴れる。その顔は羞恥で真っ赤に染まっている。
これが私だけの知るヒートの女の子らしい一面。
ヒートが実はシャンプーにこだわっていたり、少年漫画より少女漫画が好きだったり。
私だけ、私だけが知る本当の姿。

658 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/20(火) 01:17:47 ID:jHX2BIFQ0

姉さんの腕から逃れ一息つく。

川 ゚ -゚)「練習の邪魔して悪かったな」

ノパ听)「そんなことないぞ!姉さんに稽古をつけてもらいたかったところだ」

姉さんは小さいころからの目標だ。
容姿端麗 頭脳明晰 品行方正
まさにうちどころがない。
そんな姉に憧れていろんなことを真似てきた。
髪も伸ばした。
口調も真似た。
今まで同じ部活に入ってきた。
勉学も同じ点が取れるよう努力した。
しかし真似ても真似ても追いつかない。
わたしは姉の後ろ姿ばかり見ている。
きっとこれからもわたしは真似し続ける。
同じ大学へ行って
同じもしくは類似した職場に就職して。
わたしの人生は姉があってこそ。
姉がいればわたしは迷うことなく生きていける。

ノパ听)(姉さんがいなくなったら、わたしはどうなるんだろう)

659 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/20(火) 01:18:40 ID:jHX2BIFQ0

[兄者と弟者の場合]

( ´_ゝ`)「つーことで、出かけてくっから」

(´<_` )「帰ったらモンハンな」

( ´_ゝ`)「はいはい」

今日はブーンやドクオと遊びに行く約束をしていた。
それを聞いたときの弟者の顔は凄まじかった。
もうそれは人を呪い殺しそうな顔。

( ´_ゝ`)「じゃあ、行ってきます」

(´<_` )「いってら」

来週は一緒にゲーセンへ行くと約束をし、なんとか弟者を落ち着かせることが出来た。
SB部事件以来、弟者は以前よりも俺に対して我がままを言うようになった。
ゲームの相手をしろだの、ゲーセンに行こうだの
それらは今まで俺から誘ってたものだった。
だからなのか、正直嬉しかったりする。
どこか冷めた印象のあった弟もまだまだ子供なのだと。
一緒にいることを楽しんでいたのは自分だけではなかったんだと。

( ^ω^)「今日はメイトだおー」

('A`)「毒殺天使ハインちゃんのグッズ、あっかなー」

( ´_ゝ`)「俺、ちょっとぃょぅ☆ラビリンスのとこ見てくるわ」

('A`)「それ、ショタがロリに変身して難事件を解いてくやつだろ?
   お前好きだったっけ?」

( ´_ゝ`)「いや、弟者のやつが好きでさ。折角だからなんか買ってってやろうかなって」

( ^ω^)「ホント仲良いおね」

( ´_ゝ`)「そうか?普通だと思うけど」

本当は分かっている。
少なからず俺は弟に構いすぎていることを。
分かってはいても止められない。
普段無愛想でも結構可愛いところがあるのを知っているから。

660 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/20(火) 01:19:43 ID:jHX2BIFQ0

兄者が出かけて数分。
俺は兄者の部屋に来ていた。

(´<_` )「部屋をチェックすんのは久しぶりだな」

程々に整理された机から物色する。

(´<_` )「んー…前回から変わったものはなしか。
       ……ん?」

教科書類に紛れてピンクのノートを見つけた。
一目見てもこれが兄のものではないことが分かる。
ぱらぱらと捲るとどうも授業のノートのようだった。
もう一度表紙に目をやると擦れた文字で"貞子"とあるのが見て取れる。

(´<_` )「あいつ、まだ諦めてなかったか」

その名前はよく知っていた。
兄者と同じクラスで、兄者に恋心を寄せる女生徒。
以前、兄の靴箱に恋文が入っていたことがある。それが、貞子からだった。
もちろんビリビリに引き裂き貞子の靴箱へ返してやった。
あんな女に兄を取られてなるものか。
兄者と付き合うならば、それ相応の女性でなければならない、と俺は考えている。
容姿は程々、教養がありお淑やか。どんな時でも兄を支え、どんな兄でも受け入れることの出来る女性。
あんなに心根が優しい兄が心を痛めることなどあってはならない。
だから兄者の身の回りで何かないかいつも注意深く兄を見ている。

しかしその考えも少し変わりつつある。
世の中にはヒキニートというものがあるらしい。
兄をヒキニートにすれば外界の脅威自体と接触させなくて済むのではないか。

(´<_` )(バイトでもして兄者にパソコンを買い与えてみようか)




今日もSB部は活動中のようです。



( ФωФ)SB!のようです  終わり


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