■2012年芸術の秋ラノベ祭りのようです
└( ^ω^)ドキッ!女だらけのギャングチームのようです
- 2 名前:名も無きAAのようです[あげときます] 投稿日:2012/11/25(日) 23:12:38 ID:3Jy.vNx60
- 創作女学院、という高校をご存知だろうか。
そこに属する生徒達は成績優秀、スポーツ万能、
おまけに容姿端麗というまさしく「創作」のような女子達が通う学校である。
「お姉様、一緒に帰りませんか?」
「あら、タイが曲がっていてよ……なんて嘘臭すぎるよね。ほら、これでよし」
「あ、ありがとうございます!お姉様に身だしなみを整えていただけるなんて……!」
「ふふ、大げさなんだから。ごめんね、今日は用事があって……」
「いえ、用事があるなら仕方ないです……ありがとうございました。お疲れ様でした!」
「はい、ごきげんよう……なんてね、お疲れ様」
世の童貞達の憧れの的となるような学校であったが、問題もある。
(;^ω^)「あー……ダルっ」
生徒達の過半数が猫を被っている、というものである。
- 3 名前:名も無きAAのようです[あげときます] 投稿日:2012/11/25(日) 23:14:17 ID:3Jy.vNx60
- 足早に科学準備室へと駆け込み扉を閉めた少女に声をかけたのは、
同じくこの学校の生徒の少女二人である。
('A`)「よう、お疲れさん『お姉様』」
( ・∀・)「ごきげんよう。『お姉様』」
(;^ω^)「……うるせえお、『モララー』、『ドクオ』。僕はお前達みたいな天才じゃねえんだお」
だから素行に気を使わなきゃいけない。そう愚痴を漏らす。
('A`)「ま、お前の場合それだけじゃねぇんだろ?『ブーン』よぉ」
ブーンというのは少女のあだ名だ。ただし使っているのは彼女の本性を知っている一握り位だが。
( ・∀・)「大変だね。女らしい容姿を持つと。俺には想像つかねーや」
なぜか羨ましがる事もなく言う。
確かに話しかけた二人のどちらも美人ではあるが、“女性らしい”とは言えない格好をしている。
特に 『モララー』と呼ばれた方の少女は髪をベリーショートにしていて、
パッと見ただけでは少女とはわからない中性的な雰囲気だった。
('A`)「そーだな、何人の生徒がお前の貞操を狙ってる事やら。
あの娘だって薄皮一枚めくれば一匹のケダモノ……」
- 4 名前:名も無きAAのようです[あげときます] 投稿日:2012/11/25(日) 23:16:40 ID:3Jy.vNx60
- ( ´ω`)「あんま考えないようにしてんだからやめてくれお……」
( ・∀・)「半分以上だもんなー。ま、落としちまえば同じことだけど」
('A`)「ケッ。リア充が」
( ^ω^)「そりゃこっちのセリフだお。二人とも好き勝手しやがって」
とても年頃の少女の話すような内容ではないのだが、その理由を話すには科学準備室の主、
( ´_ゝ`)「ういーす」
ちょうど今しがた入って来た男のことを知る必要がある。
(;^ω^)「げ、クソ顧問」
(;´_ゝ`)「人の顔を見るなりクソって酷くない?兄者ショック!」
('A`)「クソはクソだろ」
( ・∀・)「お前に俺達が好感情を持つことがあると思ってんの?」
( ´_ゝ`)「oh……」
三人にひたすら罵られる“兄者”と名乗った男。
こいつこそが創作女学院の作られた原因であり、ある意味ブーン達の生みの親でもあった。
- 5 名前:名も無きAAのようです[あげときます] 投稿日:2012/11/25(日) 23:22:20 ID:3Jy.vNx60
- ハーレム。
それは男の夢であり、限られた者にしかもたらされない理想境である。
ほとんどの人間は実現を諦め、創作物の中にそれを求めるのだ。
“それ(二次元)はそれで素晴らしい。だが実際に見てみたいのも人情だ”
そう考えた人間、それが流石兄者である。
そして実現を夢見た結果、
( ´_ゝ`)「間違っていたのは俺じゃない、世界の方だ!」
などと供述し、部屋に引きこもり始めた。
この行動に家族はいつものことだ、と特に気を使うこともなく、
彼の弟などは平常運転過ぎる兄者に逆に安堵すら覚えるほどであったのだが……
兄者がそう何年も経たないうちに本当に世界のあり方を変えてしまうなどとは夢にも思っていなかっただろう。
( ´_ゝ`)「よっしゃ勝った」
約一年ぶりに部屋から出てきた兄者はとても軽い感じでそう言ったという。
(´<_` )「どーした兄者、ライブのチケットでも当たったか?」
( ´_ゝ`)「いや、俺の理論が現実に勝った。後は実践するだけだ」
(´<_`;)「…………は?」
「わけがわからなかった。星座占いで一位だったとしてももう少し喜びますよ」とは弟者の弁。
人類史上最低の事件を引き起こした人間の態度としてはあまりにも軽すぎた。
- 6 名前:名も無きAAのようです[あげときます] 投稿日:2012/11/25(日) 23:25:33 ID:3Jy.vNx60
- 兄者はそれから受験勉強を始めた。
唖然とする家族を置き去りにして半年間勉強に励んだ。
そして難なくT大に受かり上京。
家族は「引きこもりのアイツがT大なんて」と感動していたが、弟者だけは猛烈に違和感を覚えていた。
(´<_`;)(兄者が真面目な理由で学問に従事する訳がない。嫌な予感しかしない……)
結論から言うとその予感は当たっていた。
兄者はT大の研究室にコネを作るとすぐさま施設を借りてひたすら実験に勤しんだ。
動物実験、果ては人体実験すらやったと言われている。
( ´_ゝ`)「そして出来上がったものがこちらです」
半ばごり押しで教授からのコネを用いて政府の人間に自分の研究成果を発表。
開示された実験データはその場にいたものを驚愕させたという。
『では、これを少子化対策として日本全土に……』
そこからはとんとん拍子だった。
政府のお墨付きを得た兄者は実験を成功させた“ウイルス”を日本上空に散布。
風で流されたとしても影響は軽微。
頃合いを見計らい対策の法案を打ち上げ、
“奇妙な偶然”を利用し少子化に見事歯止めをかけた政権として後世に語り継がれる――――
とはあくまで当時の政府高官の思惑であり、
( ´,_ゝ`)
こいつがそれで満足する筈も無かった。
- 7 名前:名も無きAAのようです[あげときます] 投稿日:2012/11/25(日) 23:31:25 ID:3Jy.vNx60
- どうやったのか兄者はウイルスの入ったカプセルを大量に宇宙ステーションまで移送。
そして知り合いのスタッフに頼み込み廃棄物に紛れ込ませたカプセルを地球に投下し、
ちょうど大気圏で分解された外装に乗せて世界中にウイルスをばら蒔いた。
( ´,_ゝ`)
当初予定していた日本全土へのウイルス散布を、兄者は世界規模で行なった。
そう、やりやがったのだ。
そしてこのウイルスは紛れもなく彼の夢を叶える為に作られたもの。
『世界を美少女でいっぱいにする』ためのものだった。
『おめでとうございます!可愛い女の子……です……よ?』
最初に異変に気付いたのは小さな産婦人科だった。
何故だろうか。それはその女の子が『元々は男の子として』産まれる筈だったからだ。
最初は医者の誤診だったのかと考えられていたがやはり見返してみても男児が産まれるのは間違いないと判断出来たのだ。
しかし現に存在するのは女児、どう考えても『数週間で男児が女児にすり替えられた』としか考えられない状況であった。
そして同様の現象は日本のあらゆる所で発生した。
男児として産まれる筈だった子供達が女児として産まれた。
ここまでならば政府高官の思惑通りに事が運んでいたのだが、
当然同様の現象は世界でも発生している。
世界中が大混乱に陥った。
兄者がやらかした事に気付いた頃には時既にお寿司、アフターカーニバル。
最早全世界にこの事実を隠し通す以外に日本が生き残る道は無くなった。
- 8 名前:名も無きAAのようです[あげときます] 投稿日:2012/11/25(日) 23:34:12 ID:3Jy.vNx60
- 兄者がばら蒔いたウイルスは女性の遺伝子を書き換えて女児しか産まれないようにする、という物である。
それは妊婦と胎児も例外ではなく、胎児の肉体そのものすら変貌させてしまった。
そんなものが人間に作れる筈がない、だが実際に兄者はそれをやってのけた。
そんなとてつもない代物だからこそ発覚しても『そんなものは夢物語に過ぎない』としらを切る事ができる、そう考えていた。
甘かった。こいつは、影響範囲を拡げる事で自分達を巻き込み一蓮托生にしようとしている。
と考えをあらためたという(実際には兄者は夢を叶えようとしただけで思惑など無かったのだが)。
とにかく日本政府は事実を隠蔽するため、関係者を片っ端から引き込みどうにか口止めをした。
そして全ての元凶たる兄者は――
( ´_ゝ`)「んじゃあさ、俺をハーレムの主にしてよ」
『は?』
( ´_ゝ`)「ん?聞こえなかったか?俺をハーレムの主に……」
『い、いや、聞こえていた。余りのことに頭を疑っただけだ』
――――かくして、創作女学院は創設された。兄者は表向きは単なる一教師に過ぎないが、
実際は創作女学院の全ての物事について決定権を持つ実質の支配者だ。
そして今兄者を罵っている三人の少女には共通点がある。
( ^ω^)('A`) ( ・∀・)
彼女達は“保菌者”という存在であった。
- 9 名前:名も無きAAのようです[あげときます] 投稿日:2012/11/25(日) 23:36:24 ID:3Jy.vNx60
- そもそも、男児を胎内で無理矢理女児に変えたのなら生物として何らかの欠陥を抱えるのではないか。
そういう議論は山程された。しかしながら兄者の作ったウイルスはそのような問題を起こすことは無かった。
女児として産まれた子供はちゃんと女性として育ち、生殖機能もまったく問題なく働いている。
それがゆえ『人間にできるはずがない』所業と言われるのだ。
自分の性に違和感を覚えるのではないかという懸念もあった。
しかし人間とは不思議なもので、ほとんどの子はちゃんと体の性に適応した性格に育っている。
――――ではなぜ“ブーン”“ドクオ”“モララー”の三人はあのような性格をしているのか?
それもやはり兄者に原因があったのだ。
兄者は研究中に『このまま何もいじらなければ低確率で“保菌”している娘が産まれる』事を知っていた。
なぜ修正しなかったか、その理由は……
(*´_ゝ`)「やっべ男の脳みそのまんまの美少女とか興奮するwww」
――これである。
自分の性欲の為に“保菌者”といわれる存在を生み出した。
なんと馬鹿馬鹿しく、そして罪深い変態なのだろうか。
そう、“保菌者”とは『男の脳みそのままに女性として生まれた』存在であり、
次代にそれを受け継がせる可能性も高い、ゆえに“保菌者”と呼ばれる少女達である。
今のところ保菌者という名称を用いているのは政府と創作女学院の一部の関係者のみ。
その中に彼女達三人も入っている。
自分達を苦しめている原因に優しい態度など取れるわけがない、当然である。
- 10 名前:名も無きAAのようです[あげときます] 投稿日:2012/11/25(日) 23:42:43 ID:3Jy.vNx60
- 川 ゚ -゚)「……いつまでも入り口でそうしていられると入れないんだがな」
川 ゚々゚)「ブーンだ!こんにちはー!」
(;^ω^)「あ、く、クー!と、くるう!」
入って来たのはこれまた三人に劣らない容姿を持った少女二人。
特に焦茶のロングヘアーを持った少女“クー”は、校内ではブーンと並び称される。
ブーンは彼女を見た瞬間に立ち上がり、身だしなみを整えた。
川 ゚ -゚)「すまんな」
川 ゚々゚)「ブーンブーンブーンブーンブーンブーンブーンブーン」
“くるう”と呼ばれた少女はブーンに抱きつきひたすらブーンの体を触る。
もみくちゃにされ、先ほど整えた身だしなみがすぐ台無しになってしまう。
(;^ω^)「こんにちは、だお。くるう」
それを特に気にせず笑顔でくるうに挨拶を返したブーン。
それを聞いたくるうは嬉しいのか更にブーンを触る手を激しくした。
川*゚々゚)「ブブブーンブーンブーンブーンブーンブーンブーンブーンブブブーン!」
(;'A`)「……ほとんど張り手みたいになってるんですが」
( ・∀・)「なんでアイツがあれを耐えられるのかわからん」
- 11 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 23:46:28 ID:3Jy.vNx60
- (;´_ゝ`)(あっれー?俺の望んだハーレムってこんなんだっけ?違うよな)
(*´_ゝ`)(ブーンとクーちゃんが俺を取り合ってアハハウフフ、くるうちゃんとお医者さんごっこでムフフフヒヒ)
川 ゚ -゚)「……既婚の貴方が女子高生に淫らな考えを抱くのは関心しませんね」
(;´_ゝ`)「え!?クーちゃんはあれなの?エスパーなの?エスパークーなの?」
川 ゚ -゚)「何を言っているかわかりかねますが今の貴方の考えならブーンですら察せますよ」
クーは釈然としない様子の兄者をスルーし、くるうの方に足を向ける。
川 ゚ -゚)「ほらほら、やり過ぎるとブーンが爆発しちゃうぞ」
川;゚々゚)「……え!?ブーン爆発しちゃうの……」
川 ゚ -゚)「うん、するよ。妹もする」
川 ゚々゚)「妹って、わたしも?」
川 ゚ -゚)「……どうかなあ、あんまり悪い子だと爆発しちゃうかもな」
川;゚々゚)「……じゃあやめる」
青ざめてブーンを触る手を引っ込めたくるう。
川 ゚ -゚)「よしよし、いい子だ」
- 14 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 23:52:11 ID:3Jy.vNx60
- (;^ω^)「……あんまり適当なこと吹き込むのやめてくれお」
川 ゚ -゚)「え?しないの?爆発」
(;゚ω゚)「するかー!」
( ・∀・)「はいはい夫婦漫才やめやめ」
(;^ω^)「だ、だれが川 ゚ -゚)「訂正してもらおうか、私にそっちのケはない」」( ´ω`)「…………」
目に見えて落ち込むブーンをチラ見してモララーが喋る。
( ・∀・)「そうは言うがな大佐。俺達の世代からは女の人口が爆発的に増えるぜ?」
川 ゚ -゚)「ふん、私達は幸いと言うべきか最初の年に生まれている。
右を見ても左を見ても女子だらけというわけではあるまい」
クーの言う通り、事件以前に生まれた子らは今まで通りの男女比率になっている。
(それでも年全体だと1:8になるが)
相手を選ばなければ男性はいるということである。
ちなみに彼女らより上の年齢の男性はこの事件の煽りを受けてあらかた結婚している。
兄者が結婚出来たのもそのお陰と言えるかも知れない。
(;・∀・)(あらー……フォローするつもりが叩き落としちまった)
しかしクーに目をやると更に落ち込むブーンを横目で捉えながら微笑みを浮かべている。
( ・∀・)(あ、こいつイイ性格してやがる)
- 15 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 23:55:47 ID:3Jy.vNx60
- ('A`)「ま、心配すんなよ。いざとなったら俺が嫁にしてやるから」
( ´ω`)「お前やだ、モララーもやだ」
('A`)「地味に傷つくわあ……」
( ・∀・)「俺とばっちりですけど」
川 ゚ -゚)「あいつらはほっといて本題に入りましょうか。今日は一体?」
( ´_ゝ`)「お、おー、そうだったな。でもまだツンが来てなくね?」
川 ゚ -゚)「彼女はボランティアで遅れるそうなので後から連絡します」
('A`)「またアイツ“デレ”なのな」
( ・∀・)「今回はいつ終わんの?」
川 ゚ -゚)「さあな。早ければ明日には終わるだろうが」
( ´_ゝ`)「そうか。じゃあ始めるぞー。プリント回して」
資料が全員に行き渡ったのを確認し、会議が始まる。
“VIP”の会議が。
- 16 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 23:57:52 ID:3Jy.vNx60
- ( ´_ゝ`)「えー、今回はプリントにある通り落花生県の某高校に
“保菌者”がいるのではないか、という件でございます」
川 ゚ -゚)「某高校ってネズミの国に近い辺りのあれか」
川*゚々゚)「ネズミの国行きたーい!」
('A`)「そこまでわかってるなら生徒の名前わかんねーの?」
( ´_ゝ`)「悪いがただでさえ“保菌者”ってのは機密事項なんだ。表だって捜索はできない」
( ・∀・)「そんで俺らに調べさせてそのまま保菌者確保って訳ね」
( ´_ゝ`)「そうなるな。複数人いれば全員保護しておきたい」
( ^ω^)「潜入者は僕かクーになるのかお?」
('A`)「そうかもな。外面がいい方が隠れやすくて釣りやすい」
川 ゚ -゚)「私はパスだ」
( ´_ゝ`)「ん?なして?」
- 17 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/26(月) 00:04:25 ID:0ogWDG820
- 川 ゚ -゚)「あなた方だけでくるうの面倒を見切れるならば私は心置きなく行けますが」
さすがにくるうと一緒では目立ち過ぎるだろう。
( ´_ゝ`)「ブーンなら……」
( ^ω^)「僕がおまえら三人ほど自由な時間取れねえのわかってて言ってんだお?」
モララー、ドクオ、兄者の三人を指して言う。
兄者達は顔を見合わせた後、
( ・∀・)「潜入役はブーンで決定」('A`)「確定」( ´_ゝ`)「内定」
( ^ω^)「……はいはい」
川#゚々゚)「えー!ブーンネズミの国に遊び行くのー?ズルい!」
川 ゚ -゚)「よしよし。ブーンがきっとお土産買って来てくれるさ」
(;^ω^)「勝手なことを……」
くるうがごね出したのでその日は解散。
ブーンは「他校との交流を深める」という名目で某高校に体験入学することに。
そして――――
「今日はありがとね、ツンちゃん。また今度よろしく」
ζ(゚ー゚*ζ「はい、よろしくお願いします!……」
ξ゚听)ξ 「……あー、あたしなにやってんだろ。またキモい事しちまった。
そーいや兄者の奴に呼ばれてたんだっけ……まあいいやサボって帰ろう」
――――もう一人の“VIP”が動き出す。
- 18 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 00:08:10 ID:0ogWDG820
- ξ゚听)ξ 「うぃーす」
('A`)「よおツン、今回は早かったな」
( ・∀・)「『こんにちは、皆様!』って入ってきたらどうしようかと思ったぜ」
ξ゚听)ξ 「うるせいよ外野。クー達は?」
( ・∀・)「わかってて言ってんだろお前。まだ一般クラスは授業中だよ」
ξ゚听)ξ 「……あ、忘れてた。日常が穏やかすぎて忘れてた」
('A`)「なんだその言い訳。……連絡は行ってるか?」
ξ゚听)ξ 「クーがポストにプリント突っ込んでたから読んだ。
何あたし抜きで面白そうなことやろうとしてんだゴミカス共」
(;'A`)「おめーが時間になっても来なかったからだろうが!」
ξ゚听)ξ 「そこはお前電話で連絡するとか気を利かせろや」
( ・∀・)「お前どうせボランティアやってたんだろ。デレじゃこの手のは話にならん」
事実そうだった訳なので指摘されツンはおし黙る。
ξ゚听)ξ 「……芋女どもが」
罵倒を添えて、だが。
('A`)「芋はともかく女はやめろっつーの」
- 19 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/26(月) 00:12:09 ID:0ogWDG820
- ξ゚听)ξ 「まあそれはいいや。で結局向こう行ったのはブーンな訳ね。ずりー」
('A`)「お前が参加してたとしてもブーンだったろうよ」
( ・∀・)「ツンには潜入とかゼツボー的に向いてねえからな。諦めろ」
ξ゚听)ξ 「……某高校って共学でしょ?ならアイツ男にも聞き込みしないといけないんじゃないの?大丈夫?」
( ・∀・)「俺らもそれは気になるけどな、アイツは一応リーダーだから責任は果たすよ」
('A`)「ま、こっちはこっちでお役目遂行といこうぜ」
そう言って備え付けのPCを起動させる。
( ・∀・)「俺の本領は実地なんだけどなー」
('A`)「オメーが女引っかけまくると目立ち過ぎるだろ」
ξ゚听)ξ 「ですよねー」
( ・∀・)「……わかったよ、黙ってやりますっての」
ツンはノートパソコン、モララーは携帯電話をそれぞれ取り出し、何かの作業を始めた。
- 20 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/26(月) 00:16:12 ID:0ogWDG820
- ( ^ω^)「今日からしばらくお世話になる事になりました。内藤と申します。よろしくお願いします」
教師「はい、内藤ちひ( ^ω^)「皆さん。内藤って気軽に呼んでくださいね」さん」
教師「内藤ちh( ^ω^)「趣味は食べる事と、寝ることです」さん」
教師「内( ^ω^)「色々知らないことも多いので、ご迷惑をかけるかもしれないけどその辺はおおめに見てください」さん」
教師「はい……内藤さんよろしくお願いします……」
自己紹介を終えたブーンは当然のように質問の嵐にあう。
「お嬢様学校って校則とかどうなってんの?」「美貌の秘訣は?」「合コンとかしないの?」「ハァハァ……今何色のパンツはいてんの……?」
( ^ω^)「校則は割りときびしくないんですよ〜」
「よく食べてよく寝てよく遊んでたらこんなんになってました」
「合コンなんて……まだまだ未熟な身ですので」
「あなたとは屋上でゆっくりお話したいなっ♪」
さすがに二年近く猫を被っているだけあってこのような場は余裕で切り抜ける。
そして勿論ブーンの存在を疎ましく思うものがいることも把握している。
( ^ω^)(ふふふ、ああいう手会いは強いものには従うタイプ)
(絶大な力の前には可愛い子猫ちゃんだお)
- 21 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/26(月) 00:20:55 ID:0ogWDG820
- (#^ω^)(基本スペックの!)
生徒「せんせー内藤さんが靴紐結び忘れて転びましたー」
( ゚ω゚)(違いを!!)
生徒「せんせー内藤さんがピンポン玉ふんずけて跳び箱に頭から突っ込みましたー」
(#゚ω゚)(見せつけてやるおおおッ!!)
生徒「せんせー」
――――――――――
保健の先生「一日で三度保健室の世話になった子は初めてみたわ……」
(メ^ω^)「どうしてこうなった」
保健の先生「まあね、創作女学院の代表として来てるんだから張り切るのはわかるけど。
自分の体にもっと気を使った方がいいんじゃない?」
(メ^ω^)「はい……すみません……」
保健の先生「でも貴女頑丈ねー。あれだけ派手にやらかしたのに脱臼すらない」
(メ^ω^)「ええ、まあ、生まれつき頑丈なのが自慢といいますか……」
- 22 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/26(月) 00:29:11 ID:0ogWDG820
- 保健の先生「今誇るとこじゃないわねそれ。
女の子なんだからもう少し気をつけないと痕が残ったりしたら一生もんよー?」
( ^ω^)「はあ……」
保健の先生「返事ははい、ね。せんせー元気な子は好きだけどあんまり無理しないのよ?」
( ^ω^)「はい……わかりました……」
保健の先生「それでよし。……はい、終わり。元気で頑張んなさい」
( ^ω^)「はい。ありがとうございました」
処置を済ませて教室に戻ると先ほど敵意の眼差しを向けてきた生徒達のそれが生暖かいものに変わっていた。
『こいつは私達の領分を侵そうとしても侵せない』と判断したのだろう。
(;^ω^)(釈然としないけど結果オーライだお。でも……)
こちらに全く関わってこなかった少女が一人だけいた。
⌒*リ´・-・リ
( ^ω^)(ふむ、ちょっと気になるお)
「ああ、あの子?あんまり話したこと無いんだよね」
「愛想悪いからやめといたほうがいいよ」
「顔は可愛いけど、暗いんだよなあ……」
「ふむ、リリちゃんに目をつけるとは中々の慧眼ですな。拙者としてはあのむしゃぶりつきたくなるような太ももを……」
- 23 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/26(月) 00:33:23 ID:0ogWDG820
- ( ^ω^)「こんにちは〜。リリちゃん、って言うんだね。はじめまして」
⌒*リ´・-・リ「…………」
本から顔を上げない。拒絶の意思。
(;^ω^)(むむ……)
今はしつこくしない方がいいと思ったブーンは、おとなしく自分の席に戻る。
――――――――――
昼休みに入った途端席を立ち、購買に走る。案内を受けたとき既に校舎の構造は覚えた。
( ^ω^)(この窓から一階の渡り廊下横にショートカット可能!)
一瞬も躊躇わず飛び降り、そのまま購買についた。
( ^ω^)(ふっふっふ、卑怯にもフライングをした奴等をぶち抜き、僕が一番乗りだお)
ブーンも別の意味でのフライングをしたわけだがそれについては気にしない。
( ^ω^)「すみませーん。パン全種類一つづつください」
購買のおばさんがぎょっとした顔をしたがそれも気にせずに周囲の好奇の目を集めながら教室に戻る。
- 24 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 00:42:24 ID:0ogWDG820
- ( ^ω^)「リーリちゃーん♪一緒にお昼食べよう?」
無視。
色んな意味でざわつく教室内の空気を全く意にかいさず、黙々と弁当を食べている。
( ^ω^)(逆にすげえ)
自分の机をくっつけて無理矢理一緒に昼食をとる。
パンを次々たいらげていくブーンに周囲のざわつきは更に大きくなり、
昼食どころではなくちょっとした見世物になっていた。
( ^ω^)(やっぱり焼きそばパンが一番上手い。さすがうわさになってただけのことはあるお)
そんなことは知ったこっちゃないと同じ調子でパンを食べていくブーンに流石に耐えられなくなったのか、
⌒*リ´・-・リ「……あ、あのっ」
とうとう声をあげる羽目になってしまったリリ。
⌒*リ´・-・リ「……それ、全部食べるの……?」
『それ』の内容はあんパンチョココロネ三色パンクリームパンメロンパンシュガートーストあんずジャムパン揚げパン、
と見ているだけで胸焼けを起こしそうな面子だ。
しかもこれ以外にも既に五つほどのパンを食べているというのに。
( ^ω^)「もちろん買ったからには全部食べますとも。……あ、でも一部は授業終わってから食べるよ!うん」
- 25 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 00:47:55 ID:0ogWDG820
- もはやそういう問題ではなく、五個も惣菜パンを食べておきながら、
更に菓子パンを胃に入れようとする行為が常人には理解出来ないのだが(しかも女子)。
今更ごまかせると思っているのかブーンは変な言い訳を付け足した。
⌒*リ´・-・リ「は、はぁ……」
呆れたのかなんなのかリリはそれ以上喋ることはなく、再び黙々と弁当を片付けてどこかへ去っていった。
( ^ω^)(ああいう娘の行き先はやっぱり図書室かお?)
計十個のパンを腹におさめたブーンの評価は既に「変な子」に確定していたが本人は知るよしもない。
- 26 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 00:49:43 ID:0ogWDG820
- ――――――――――
数学教師「はい、じゃ内藤さん答えて」
( ^ω^)「2x-1です」
数学教師「はい……途中式も問題無さそうなので解説にいきます」
――――――――――
世界史教師「ここ、内藤さんわかる?」
( ^ω^)「グロチウスです」
世界史教師「はい正解」
――――――――――
英語教師「じゃあここの訳を……ちnじゃなくてナイトさん!」
( ^ω^)「トムは『いきなりハラショーとか言われても困る』と拒絶の意を示しました」
英語教師「Good job!」
生徒達((((勉強は出来るんだ……))))
――――――――――
- 28 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 00:54:01 ID:0ogWDG820
- ( ^ω^)(よーやく授業終わった……それじゃ、お仕事といきますか)
いきなり生徒達に「こんな噂知ってる?」と聞いて回っても悪目立ちするだけだろう。
ならばまずは現場百回、というやつだ。
少しでも不審な場所があれば写真を撮り、ツンに送る。
――――――――――
ξ゚听)ξ 「お、メールきた」
('A`)「……で、なんか違うとこあるか?」
ξ゚听)ξ 「……こんなんあたしじゃなくても見比べりゃわかるじゃん。あーあー期待して損した」
(;・∀・)「何を期待してたんだよ」
ξ゚听)ξ 「はい、これとこれとこれ。壁になんか書いてあるっしょ」
('A`)「よくもまあ監視カメラの画像数点と航空写真数枚からわかるもんだよ……」
( ・∀・)「よくいる不良って事か?」
ξ゚听)ξ 「……んー、なんかこの落書きさ、色が目立つんだよね。全部青っぽい」
(;・∀・)「げ、カラーギャングの可能性高いな。後ろにヤーさんかー……」
('A`)「ま、おれらも似たようなもんだし。ケツモチが国かヤクザかって違いしかねえよ」
- 30 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 01:03:26 ID:0ogWDG820
- ( ^ω^)「……カラーギャングねえ」
ドクオ達と電話で情報を交換し、期間限定で借りたアパートへの家路を急ぐブーン。
(;^ω^)「国が用意したんだからもう少し良いとこでもいいだろうに……」
とはいえブーンの要望に応えて食べ物だけは色んな種類の物を用意してもらった。
( ^ω^)「鶏の唐揚げと餃子とワンタンスープと醤油ラーメン、デザートは杏仁豆腐にするかお」
( ^ω^)「自分でやったり作って貰ったりした方が好きなんだけどそこはがまんだお。いただきまーす」
誰も聞いていない独り言を言うあたり既に寂しさに負けている感がある。
( ^ω^)「――ごちそうさまでした。ふむ、案外悪くなかったお」
( ^ω^)「外はサクサク、中はジューシーな唐揚げ。パリパリふんわりな餃子」
( ^ω^)「もっちりワンタンと喉ごしのいいスープ。ちぢれ麺にシャキシャキのネギ、鶏ガラスープと肉厚のチャーシュー」
味の感想を喋るブーン。もう一度言うが誰も聞いていない。
( ^ω^)「おっと。僕としたことがとんだ失態を。パンを忘れるなんて」
まるでそれが最重要事項であるかのように言い、パンを取り出した。
食べながらリリの事を思い返す。
( ^ω^)(あの娘、やっぱり気になるお)
――――――――――
- 31 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 01:08:38 ID:0ogWDG820
- ――――――――――
昨日とは違い、特に問題もなく授業を終え、再び情報収集を始める。
ドクオ達が集めた情報によると、カラーギャング(仮)の行動範囲はかなり広いらしく、
少なくとも車の使える人間がついているという事である。
( ^ω^)(張り込み出来るような範囲じゃないってことだおね。直接聞いてメインを絞ってくしかない)
( ^ω^)(……大丈夫。“今の僕”なら大丈夫、だお)
大きく深呼吸して覚悟を決める。
( ^ω^)「噂だと最近この辺治安悪いみたいじゃないですか。モブ一くんは何かご存知?」
モブ一「あー、なんか前衛アートとか言い張って町中にスプレーで落書きしてる連中の話なら小耳には。なんでそんなこと?」
( ^ω^)「わたしよそ者だからこっちにいる間に目をつけられたりしたら怖いなって。
ああいう人達って見かけたら警察に通報していいのかなあ?」
モブ一「ま、まあ、しないよりは多少はね?」
( ^ω^)「ありがとう。じゃあね」
足早に立ち去る。視線が気になる。
- 32 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 01:10:13 ID:0ogWDG820
- モブ二「その話ならモブ三先輩が詳しいぜ。でもなんで?」
( ^ω^)「自衛の為に……」
モブ二「やっぱあんたどっかずれてんな。まあ先輩には俺の名前出せば話は聞いて貰えんだろ」
( ^ω^)「ありがとうございます。また」
手の動きが気になる。
モブ三先輩「あ、“保健室の女王”」
(;^ω^)「は、はぁ……」
すっとんきょうなあだ名に「はあ!?」と聞き返したくなるのを我慢する。
モブ三先輩「モブ二からの紹介ならしょうがねえな」
モブ三先輩「まあ、最近じゃねえよ。三年前には落書きするやつはいた」
モブ三先輩「ただちょうど一年前の今頃に異様に活発になってよ、聞くとここの生徒に粉かけてるらしいじゃねえか」
( ^ω^)「先輩は?」
モブ三先輩「俺ぁ走り屋だからよ。ガキのお絵描きには興味ねえってもんよ」
不良ってのはどうしてこう自分を他人より大きく見せたがるのだろう。話を聞きながらブーンは思う。
- 33 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 01:12:31 ID:0ogWDG820
- (;^ω^)「あ、ありがとうございました。では」
モブ三先輩「おう、ちっと待てよ」
全身が総毛立った。
(;^ω^)「な、何でしょうか」
モブ三先輩「カラーギャング入るくらいならウチのマスコットになんねえか?ウチにゃ女もいるぜ」
(;^ω^)「い、いえ。入りたい訳じゃないので……失礼します」
逃げるようにトイレに駆け込み洗面台に前のめりにへたりこんだ。
吐き気がせりあがってくる。
(;゚ω゚)「ハッ、ハッ、ハッ、ハァッ……!」
なんとか我慢して顔を洗った。
そのまま拭きもせずに外へ出て、走ってアパートに帰る。
ドアを閉めて着替えずにベッドに転がりこんだ。
(;^ω^)「まだ、まだ僕は……」
手の震えを抑えようとしたが、全身が震えている事に気付きそのままにしておくしかなかった。
- 34 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 01:14:46 ID:0ogWDG820
- ξ゚听)ξ 「――――アイツってさ、」
( ・∀・)「ん?どしたー?」
ξ゚听)ξ 「ほら、ブーンってさ……あんたらと一緒で自称男じゃん。なんで男が恐いわけ?」
( ・∀・)「それを聞くかー」
('A`)「……あいつは、何から説明したもんかな。『同じだと思ってたからこそ恐くなった』とでも言おうか」
ξ゚听)ξ 「ホモに襲われた的な?」
( ・∀・)「色々削ぎ落としたらそういうこと。ただあいつには好きな女と親友の男がいてな、それで三角関係」
ξ゚听)ξ 「ふーん。わかんね」
('A`)「おれらも細部まで知ってる訳じゃないからな……」
- 35 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 01:46:48 ID:0ogWDG820
- 少女は無邪気だった。自分が男である事を信じていた。
ある時に自分の体が“男の子”ではない事を知ったが気にしなかった。
友人はほとんどが男子で、好きなのは勿論女子だった。
短髪で、男の服装をしていたが家族も特に何も言わなかった。
好きな女子の婬夢を見たこともあった。
いけない事などとは微塵も思わなかった。ニュースで男児が女児として産まれた事は知っていて、
人から聞く前に既にそれを確信していたからだ。
ある日お腹が痛くなりトイレに篭ったら小便の代わりに血が出た。
自分が別の存在になるようで少し嫌な感じがしたが、それも別に気にはしなかった。
姉と母は赤飯を炊いたが、それはスルーした。
だが、実際にその次の日から自分が全く別の生き物として扱われる事は彼女には想像すらできなかった。
( ^ω^)「おいすー」
友人「お、おう!」
友人にいつもの通りに挨拶をしたつもりだったが返ってくるのは微妙な反応。
体調でも悪いのかと感じた。その原因が自分にある事など思いもしなかった。
他の友人も同じ反応だった。流石に違和感を覚える。
( ^ω^)「おいすー」
(・∀ ・)「おいすー」
しかし親友は違う。いつも通りの反応を返してくれた。
――――何も問題などない。そう思っていたのは少女だけである事に気付いた時には既に遅かった。
- 36 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 01:50:24 ID:0ogWDG820
- 胸が大きくなった。尻が大きくなり今まで入っていたお気に入りのジーンズに入らなくなった。
気のせいかもしれないが髪の毛の伸びるのが早くなった。何故か友人が今までより少人数で遊ぶ事を提案してきた。
( ^ω^)「――――は?」
友人1「だから好きだっていったんだよ。お前のことが」
( ^ω^)「いやいやいやいやいやいや。ジョークだお?」
その場はそれで済んだ。だがそこから立て続けに何人かのクラスメイトから告白された。
勿論断る。そんなことは考えることすらできなかった。
ミセ*゚ー゚)リ
好きな娘がいる。断りの返事はそれだけで十分。そのはずだった。
噂がたった。ブーンの好きな相手はまたんきかミセリかと。
当然ミセリだったのだがそんなこと言えるはずもない。
ブーンの沈黙がどうとらえられたかは不明だがいつの間にかまたんきとの間でカップルが成立しただのという事になっていた。
(・∀ ・)
親友は女子に人気があった。そんなもんはどうでもよかったブーンは何となく馴れ合いしづらくなった現状に憤りを感じていた。
しかし――――
(・∀ ・)「やっぱお前が好きなんだ。ごまかしてきたけどもう無理だわ」
- 37 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 01:54:54 ID:0ogWDG820
- 衝撃を受けた。そんなはずないのに、親友なのに。
世界がぐるぐる回っているような感覚に襲われたが何とか自分を保ち、断りの返事をした。
( ω )「……悪い、好きな娘がいるんだお」
(・∀ ・)「……そっか」
――――次の日に学年中の女子の視線が刺すようなものに変わっていた事に気付く。
その中に、ミセリも、含まれていた――――
ミセ*゚ー゚)リ「 」
――――――――――
(;゚ω゚)「……ッ!」
ベッドから飛び起きる。冬だと言うのに汗だくだった。
(;゚ω゚)(久しぶりに見たお……)
すっかり目が冴えてしまった。時計を見るとまだ午前二時。
( ^ω^)「……そういや夜飯食ってなかったお……」
最早夜食だがとりあえず腹に入れておこうと用意をはじめた。
- 38 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 02:05:52 ID:0ogWDG820
- その日は朝から調子が出なかった。夢のせいかはたまた変な時間に食べたせいか。
あくびを噛み殺しながら購買に向かうと、数人の男に囲まれているリリがいた。
(;゚ω゚)「ッ!?大丈夫かお!?」
思わず演技を忘れて駆け寄るブーンだったが、リリが特に何をされるわけでもなく男達は去ってゆく。
⌒*リ´・-・リ「……なに?私が男子といちゃ悪い?」
(;^ω^)「いや、だって……」
トラウマのせいです、とは言えず言葉を濁す。
⌒*リ´・-・リ「レイプされるとでも思ったの?」
(;^ω^)「そんなことっ……!」
⌒*リ´・-・リ「……馬鹿にしないで。貴女は黙ってても男が寄ってくるような容姿だから見下してるんでしょう?」
(;゚ω゚)「ッ!?」
⌒*リ´・-・リ「はじめから対等だなんて思ってない。私に関わらないで……」
――――――――――
ミセ*゚ー゚)リ『あなたは私に同情してまたんきくんを振ったの?私を見下せていい気分?』
ミセ*゚ー゚)リ『……馬鹿にしないで』
――――――――――
- 39 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 15:48:36 ID:aIW9Q0zA0
- 重なる面影、揺れる世界、込み上げる吐き気、吐き気、吐き気。
(;゚ω゚)「う……おぇぇ……」
昨日今日で食べたものを全て吐き出したあとブーンの意識は途切れた。
――――――――――
保健の先生「……またあなたなのね」
( ^ω^)「……ここは?なんで……」
保健の先生「そりゃあなたが倒れたからよ。吐瀉物に顔から突っ込んで気絶したそうね」
( ^ω^)「そうなんですか……」
保健の先生「安心しなさい。私以外には話してないし、見てないそうよ」
(;^ω^)「あ……リリ、ちゃん」
⌒*リ´・-・リ「……何であなたなんか助けたんだろ」
捨て台詞を吐いて立ち去るリリ、その背中に言葉をかけようとして、
( ω )「……ありがとう」
上手く見つからずそれしか言えなかった。
- 40 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 15:56:23 ID:/CU5C/Is0
- あの日の次の日、他のクラスメイトにレイプされかけた。
それでもよかった。
むしろ自分がそうなることでみんな元の友達に戻れるかも、とさえ考えた。
だがすんでの所で見つかった。助かって、しまった。
また次の日登校すると、クラス全員がこちらを見ている。
ミセリの憐れむような視線。またんきの悲し気な視線。他のクラスメイトの蔑みの視線……
幻聴が聞こえる。悪いのはお前のその身体だ。
ぐるぐる回る世界。
あれ、なんでぼくはこんなところにいるんだろう。
気付いたら何もかもから逃げ出して自分の部屋に閉じ籠っていた。
母にも姉にも父にも会いたくなかった。
外が恐くなり、鏡が恐くなり、人間が恐くなった。
声が聞こえる。こんなものがなければ。きりおとしてしまおう。
震える手でハサミを取り、自らの乳房に突き立てようとして、できない。
まだいたいのがいやなのか。みせりやまたんきはもっといたかったんだぞ。
ぼくだけがへいきなかおでみんなをきずつけていたのに。
何度も何度もそうしようとして、その度に怖くなった。
あれだけ好きだった食べ物も全く食べる気にならない。
ああ、もうなにもたべなければいいや。そしたらこれもなくなるはず。
彼女は完全に壊れてしまっていた。
- 41 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 15:57:56 ID:/CU5C/Is0
- 何度も何度もドアを叩く音が聞こえる。
そんなにたたかなくてもきこえるよ。もうほっといてください。
最後に爆砕音が聞こえて、メスゴリラが部屋に入って来た。
殴られた。あんまり痛くないのに、本気だった。
何故話してくれなかったの。そんな声に訳のわからないことを叫んで返した。
まだ叫べる元気があったんだ。朦朧とした意識の中でそんなことをぼんやり考えた。
きーきー叫んだあと、ブーンも姉も泣いていた。
母も父も涙ぐんでいた。
わたしの学校に来い。そしたらわたしが守ってやる。
姉はそう言ってくれた。
自分を守る為に、仮面を被りなさい。
そう言ったのは母だった。
こんなことしか出来ないが、と言って父は姉の学校に行けるように勉強を教えてくれた。
そして少年であろうとした少女は、再び歩きだす。
自分と似たような苦しみを抱える人を助けたいと。
- 42 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 16:01:00 ID:X1Yy7qKI0
- ( ^ω^)「……そうだったお。こんなんでへこたれてる場合じゃない」
自分の頬を思い切り叩いて気合いを入れ直した。
保健の先生「……行くのね。どこに行くかは知らないけど。……お大事に」
( ^ω^)「はい。ありがとうございました」
保健室を出て、聞き込みを再開させる。男だろうが女だろうが有用な情報を持っている人間ならとにかく聞いてみた。
その夜、定時の情報交換の時間。
『おい、大丈夫か』
( ^ω^)「おお、クーじゃないかお。どうかしましたか?」
『……いや、折角人がかけた電話を無視されたからな。何かあったかと』
( ^ω^)「そりゃ悪かったお。僕はもう大丈夫だから」
『そうか』
( ^ω^)「……まあ、わざわざ電話ありがとお」
『ふん、元気そうで何よりだな。……で、だ』
- 43 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 16:09:17 ID:Bu0JEqko0
- ブーンが集めた情報とドクオ達がネット等で収集した情報を照合させ、大体の犯人像が浮かび上がる。
/ ゚、。 /
( ^ω^)「鈴木ダイオード、僕らと同学年かお?」
『彼女が一番“保菌者”疑いが濃い』
去年の今頃動きが活発になったのも彼女が加入したとされる時期と一致した。
( ^ω^)「車運転出来る奴がいるってのは?」
『彼女の友人に運送業勤務の人間がいるらしい。……馬鹿な事に協力するもんだ』
(;^ω^)「クー。まだ確定じゃないお」
『む。そうだな。とにかく彼女周辺の動きに気をつけておいてくれ。明日授業後に私達も乗り込む』
( ^ω^)「らじゃー」
通話を切り、明日に備えてゆっくり休む事にする。
( ^ω^)「……さあ、どうなるかお」
- 44 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 16:15:03 ID:J5BeK0.s0
- 授業後、ブーンがダイオードの動きを探ってみようと彼女のクラスに行くべく歩いていると、
反対側の校舎にダイオードがいた。リリも一緒に。
あれは図書室のある校舎だろうか。
⌒*リ´・-・リ / ゚、。 /
( ^ω^)(ん?あの子ら友達なのかお?)
よく見えないがまわりには昨日リリを取り囲んでいた男子もいるようだ。
⌒*リ´・-・リ『私に関わらないで』
(;^ω^)(悪いけどどうもそういうわけにはいかなくなっちゃったっぽいお……!)
そんなことを考えているとダイオードと男子達がリリを何処かへ連れて行こうとする。
口論になっておりどうにも穏やかではない雰囲気だ。
とうとうダイオードがリリを張り飛ばし、男達は校舎外に出ていかんとする。
(;^ω^)(こっからなら飛び降りれば追い付く!)
初日のように二階から購買に向かう渡り廊下横に飛び降りようとした瞬間、
教師「ちょ、なにやってるの!?やめなさい!」
服を引っ張られ止められてしまった。
- 46 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 21:01:01 ID:Ct0U2QRs0
- ('A`)「あん?ブーンから着信?」
授業時間の関係上一足先に落花生県に乗り込んでいたドクオモララーツンの元にブーンからの連絡が来る。
『悪い。しくじった。これから現場行くから後から来てくれお』
('A`)「は?……おい、勝手に動くなって」
『GPS仕込んでんだから勝手に追ってこいお!そんじゃ』
(;'A`)「おい、ブーン!おい、おーい!」
( ・∀・)「どうした?って大体の検討はつくがよ……」
('A`)「ああ。バカが先走りやがった」
ξ゚听)ξ 「まあいつもの事よね」
命令違反を軽く流し、運転手にブーンの行き先を目指して貰うように頼む。
ついでに兄者達にも連絡を入れた。
(;'A`)「あの野郎本気で走ってやがる……」
- 47 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 21:04:19 ID:k/LnxlQA0
- 速く、速く、速く、速く。
ひたすらワゴン車の向かった方向へ走る。
流石に追い付くのは不可能だが、信号に引っかかっている間に追跡自体はできる。
(;゚ω゚)「はっ……はっ……はっ……はっ!」
なんとか追い付きたい。車内で何をされているかわかったものではない。
肺が破れそうなほど呼吸していた。
追い付くと思いきや離される。そんなことを十数回続けた後、ワゴン車は路地裏辺りの廃工場へ入って行った。
(;^ω^)(…………?)
怪しいとは思ったが考えている暇などない。
すぐにその後を追う。
入った途端凶器が襲ってくる所までは予想外だったが。
/ ゚、。 /「13キロ程のマラソンの後によく避けたもんだ。バケモンかお前」
(;^ω^)「……偶然入って来た女の子にいきなり凶器攻撃とはあなたこそ化物ですか?」
/ ゚、。 /「ハッ、今更白々しい……構うことはない、やっちまいな!」
バットやバールのようなもので容赦なく襲ってくる。
だがへっぴり腰の攻撃だ。余裕を持ってかわせ――
(;゚ω^)「痛って!」
- 48 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 21:06:40 ID:O/zppsPQ0
- エアガン。肩に衝撃を受けた。
(;^ω^)(武装が動物に対するソレだお。目に受けたらヤバい)
とにかくエアガンを警戒して遮蔽物に隠れるしかない。もしくは他の奴を盾にするか。
流石に味方までは……
が、甘かった。ダイオードは味方ごと巻き込んででも撃ってくる。
しかし弾を受けたわりには大して痛がりもせずこちらを襲う。
(#^ω^)(着込んでやがるのかお!)
そのあたりの敵を殴り倒してそいつの後ろに隠れ、投げ捨ててどうにか遮蔽物に逃げ込んだ。
(;^ω^)(ワゴンに行けりゃ……いや運転手が襲ってきたら……一人くらいならなんとか……)
瞬時に考えを巡らせ、ワゴンに向かって走った。
倒した男からバットを奪ってそれを振り回しながらルートを確保する。
エアガンは男達を盾にしながら直撃を避け、ギリギリワゴンに到達。
開ける瞬間鍵がかかっている可能性を思い出したが、何故か開いていたため滑り込めた。
(;^ω^)「リリ!……これはどういう事だお?」
ブーンに向けられたエアガンの銃口は二つ。
運転手と、リリだ。
- 49 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 21:09:48 ID:SbUkf/MU0
- ⌒*リ;´・-・リ「っ……まさか本当に来るなんて」
/* ゚、。 /「ハハハ、俺の言った通りだろ?俺たちの事を嗅ぎ回ってる奴は事件を起こせば必ず来るってよ」
後ろから声がかかる。銃口は三つに増えた。
/ ゚、。 /「すぐ始末するのもつまらねえ。お前にチャンスをやる。仲間の事を全て話せ」
(;^ω^)「仲間?知りませんよそんなもの。私は単独できたんですから」
衝撃。しばらく左は使い物にならないな。と冷静に考えた。
/ ゚、。 /「この期におよんでまだそんななめた口を聞ける勇気だけは認めてやる。次は右だ」
(;゚ω^)「……そもそもそんな玩具で脅されてもいまいち危機感ないですよ……ッ!」
再び衝撃。右も外れた。
/ ゚、。 /「お前のくだらない強がりはどうでもいいんだよ。死ぬか喋るかどっちか選べと言ってる」
背中にナイフが突きつけられているのがわかった。
別に命は惜しくもないが“保菌者”に殺人をさせるのはまずい。
(;^ω^)「わかった。わかりました。喋るので殺しだけはやめてください」
- 50 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 21:12:40 ID:s1etpFQU0
- (;^ω^)「構成員は私を含めて六人。名前は“VIP”。まあガキのお遊びですよ」
指を撃たれた。さすがにこたえる。
/ ゚、。 /「嘘はよくないな。わざわざ高校にまで潜入してきてお遊びって事はないだろう」
(;^ω^)「私が来たのは創作女学院の交流政策です……これ以上何を話せと?」
もう一発。二本いかれた。
/ ゚、。 /「おおかた俺みたいな犯罪者を取っ捕まえようみたいな集団なんだろうが残念だったな。
俺は捕まらねえ。一人でも逃げ延びてやるよ」
周囲の男達のどよめきが伝わってくる。
やはりダイオードが無理矢理従わせていたか。
先ほどから一言も喋らないリリもそうなのだろうか。
(;゚ω^)「……お前、なめすぎ、だお。一人で、どうにかなる、相手、じゃない」
/ ゚、。 /「ならテメーを人質にでもするか?」
(;゚ω^)「僕に、人質の、価値は、ない。下っぱ、なんだお」
顔を蹴られた。
/ ゚、。 /「そういう嘘は俺には通じねえんだよ」
- 51 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 21:16:13 ID:b9atAzCI0
- ('A`)「運転手さん。もう少し飛ばしてくれ、そろそろヤバい」
運転手に指示を飛ばすドクオ。なぜそんなことがわかるのか。
( ・∀・)「お得意の生体センサーか。ほんとにそんなんで測れるのか?」
('A`)「簡易計測でしかないが無いよりゃマシだ。脈拍異常に呼吸も弱い、リンチされてるぞたぶん」
ξ゚听)ξ「頑丈っても限度があるしねー」
('A`)「そうだ。あとちょっとなんだから持ちこたえろよ、ブーン……」
- 52 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 21:21:52 ID:pdItkBXw0
- (メ^ω^)「やめとけお。本当にお前一人じゃ無理だから」
/ ゚、。 /「テメーを盾にするっつってんだろ」
(メ^ω^)「それも嘘じゃない。僕に人質の価値はない」
たとえブーンが死んだとしてもなんだかんだで仕事はやり遂げる。
それがブーンの他のメンバーへの評価だった。
/ ゚、。 /「お前はわかってねえな。まあ知る必要もねえが」
/ ゚、。 /「まあ言うこと聞かなけりゃこいつはお前の目の前で刺すんだけどな」
リリにナイフを突きつける。
(;゚ω゚)「やめろ!その娘は仲間じゃねぇのかお!」
/ ゚、。 /「こんな愚図が?冗談だろ?俺が猫被って友達のフリしてやったら尻尾ふってついてきやがった」
⌒*リ´ - リ「…………」
/ ゚、。 /「何やらせてもこなせねえ。もう餌にするしかねえじゃねーか。初めて役立ってくれたぜ」
(#゚ω゚)「てめえ…………!」
/ ゚、。 /「いいねその表情。もしお前が死んだら犯してやるよ」
そう言うとブーンの腹に蹴りを一発見舞った。
- 53 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 21:27:14 ID:6v4Q0Im60
- / ゚、。 /「お出ましだ」
ダイオードは何かを懐から取り出しつつ呟く。
その手には本物の拳銃が握られている。
ゆっくり走ってくる乗用車のタイヤめがけて撃つ。
(;゚ω゚)「ッ!?ドクオ!」
車が横転し、運転手が命からがら飛び出してくる。だが、ドクオ達は出てこない。
かわりに屋根の上から何かが落ちてきたと思ったら、あたりが白煙に包まれる。
それがなんなのか理解したブーンはなるべく煙を吸わないようにする。
/ ゚、; /「うぇ!ゲホゲホッ!グッ……やってくれるじゃねえか!」
('A`)「テメーらには過ぎた玩具だよそいつは」
いつの間にか接近していたドクオが拳銃を奪い取り、ツンに投げやる。
( ・∀・)「紐は切ったぜ。さっさと立ちな」
(;^ω^)「この状態で無茶言うなお。……それよりその子を」
( ・∀・)「あいよー」
ξ゚ー゚)ξ「ぷぷぷ。無様ねーブーン」
( ^ω^)「てめえこら。立つのくらい手伝えってんだお」
- 54 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 21:31:45 ID:NjGkkRRc0
- ξ゚ー゚)ξ「嫌。あんたいっつも邪魔するもん」
( ´ω`)「はあ……まあいいや……」
/#゚、。 /「ちっ……クソどもが」
('A`)「それが切札だったならブーンにでも突きつけておくべきだったな!」
ダイオードと対峙するドクオ。
( ・∀・)「はいはい、お帰りはあちらですよっとお!」
男達を赤子の手をひねるようにあしらうモララー。
ξ#゚听)ξ「オラオラオラ!ツン様のオンパレードよ!」
バットを適当に振り回しまくるツン。
それらを転がったまま眺めるブーンの腕に痛みが走った。
(;゚ω゚)「痛って!!」
川 ゚ -゚)「そんな情けない格好を晒してないでドクオの加勢にでも行け」
クーは肩の関節をはめ、くるうはブーンの左肩に肩パンを行なった。
川 ゚々゚)「イェーイブーンイェーイ」
(;^ω^)「すみませんくるうさん勘弁してくださいマジで」
川 ゚ -゚)「ほらこれ」
( ^ω^)「なにこれ」
川 ゚ -゚)「こいつを奴の顔にぶちこんでやればいい」
- 55 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 21:38:12 ID:KK99szUc0
- ('A`)「タッチ。思ったよりつえーわこいつ」
( ^ω^)「怪我人にタッチするやつがあるか」
('A`)「……どうせお前がとどめ持ってくんだろ?ならいいじゃねえか」
/#゚、。 /「よそ見してる場合かオラァ!」
遠ざかればエアガン、近づけばバール。上手く使ってドクオを防戦一方にしていたようだ。
ひとまず後退して遮蔽物に隠れる。奴の味方は逃げ出すか倒されるかして既に一人もいない。
弾幕が切れるのを見計らい飛び出した。
⊂(#`ω´)「ぶぅぅううううううううぅぅううん!」
まるで子供のように両手を広げて走る。(左肩は外れたままなので上がっていないが)
この状態のブーンはふざけた走り方なのに信じられない程に速かった。
/#゚、。 /「なんで弾が当たらない!?クソ!クソ!お前ら一体なんなんだあぁぁぁぁあ!?」
(#゚ω゚)「ただの学生だおらあぁぁぁぁああぁ!」
『銃口』をダイオードの顔に向け、引き金を引いた。
- 56 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 21:42:57 ID:MAIFwEow0
- /;# 、 /「目が!はながあああぁぁぁああ!!」
カプサイシン入りの催涙スプレーをもろに受けてのたうち回る。
川 ゚ -゚)「貴様の疑問に答えてやる。聞いていないかもしれないがな」
川 ゚ -゚)「私達は“VIP”黒のギャングチームだ。毒を持って毒を制す、毒蛇(viper)だ」
/# 、 /「黒……のギャング……なんて」
川 ゚ -゚)「見たことがない、だろうな。私達を見た保菌者は全て更正施設行きになっているからな」
/# 、 /「ふ、ざっ、けるな……何の権利があってこんなこと……」
('A`)「権利なんてねえよ。ただ俺たちは世の中からはみ出した保菌者を元に戻してるだけだ」
( ・∀・)「おれ達にもお前らにも『好き勝手に暴れまわる権利』なんてのはない」
ξ゚听)ξ「“毒有り”のくせに“毒無し”の王様気取ってるからそんなことになるのよ」
川 ゚ -゚)「この名前を刻みこめ。夜の来るたび思い出せ。一生VIPの影に怯えながら分相応に暮らせ」
( ^ω^)「おとなしくしてりゃ僕達はなにもしないんだお」
- 57 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 21:49:35 ID:iBZ5Dink0
- ダイオードと仲間達は『通報を受けて駆けつけた』警察に連行されていった。
⌒*リ´・-・リ「……ちょっと待って刑事さん。その人たちも連れていくの?」
( ゚д゚ )「ああ、一応関係者だから事情を聞かなくてはならん」
⌒*リ´・-・リ「そんな……」
( ゚д゚ )「心配するな。悪いようにはせん。君の証言もあるしな」
⌒*リ´・-・リ「はい……少し話をさせてくれませんか?」
( ゚д゚ )「良かろう」
⌒*リ´・-・リ「……あの、わたし、あなたのこと誤解してた。いい人ぶってちやほやされたがってるって……」
( ^ω^)「…………」
⌒*リ´・-・リ「でも、違ったんだね。あなたは誰かが泣いているのが嫌なだけ……」
( ^ω^)「僕は何も知らずに誰かを傷つけた。今度もそうだったのかもしれないお……」
⌒*リ´・-・リ「……なにがしたいのかはわからないけど頑張ってね。いつかあなたが心から笑えるようになれるといいね」
( ^ω^)「ありがと、だお」
⌒*リ´・-・リ「じゃあ、また会える日まで」
( ^ω^)「うん。じゃあ、また」
- 58 名前:名も無きAAのようです[age] 投稿日:2012/11/26(月) 21:55:04 ID:AVwoSHjY0
- ( ^ω^)「……で、リリはちゃんと解放されるのかお?」
( ゚д゚ )「まあ、直接事件に関わっていたのは今回だけだから利用されていた被害者ということでなんとかなりそうだ」
( ^ω^)「…………そうかお」
( ゚д゚ )「しかし今回のような事はこれきりにして頂きたいな。覆面パトカーをタクシーがわりに使うなど……」
川 ゚ -゚)「すみません、緊急でしたので。……まあドクオ達の方が早かったようですが」
('A`)「そういやこれからどこへ行くんだ?」
( ゚д゚ )「署だ。一応形式的に事情聴取を受けて貰わねばならん」
川#゚々゚)「えー!ネズミの国じゃないの!?」
( ・∀・)「どうやったらパトカーがネズミの国に行くことになるんだよ」
ξ゚听)ξ「あたし寝るから事情聴取パス一ね」
('A`)「それが許されるなら俺はゲームやるからパス二だ」
( ・∀・)「じゃあ俺ネズミの国でナンパしてくるからパス三な」
(#゚д゚ )「……いい加減にしろ貴様らぁーー!」
● 支援イラスト 同スレ>>65より
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( ^ω^)ドキッ!女だらけのギャングチームのようです
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