2012年芸術の秋ラノベ祭りのようです
( ^ω^)なんだこいつ、のようです



220 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/11/18(日) 07:38:35 ID:DW8AzjNY0



( ^ω^)なんだこいつ、のようです


221 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/11/18(日) 07:39:51 ID:DW8AzjNY0


カランコロン


ドアベルの音が耳に心地よい。
仕事で疲れた時にここに来ると癒される。

(´・ω・`)「やあ。ようこそ、バーボンハウスへ。
     このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。」

マスターがいつものセリフで迎えてくれる。
このバーボンハウスはマスター一人で切り盛りしている、こじんまりとしたバーだ。
シックな雰囲気にジャズが心に沁みる。店内にはカウンター席が十程しかないが、それさえこの雰囲気と落ち着く空間の演出に思えてならない。

いつもの席である左から四番目の席に着こうとしたときだ。
そいつに気付いたのは。

222 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/11/18(日) 07:40:39 ID:DW8AzjNY0

('A`)「おう、あんちゃんも一人かい?」

セリフだけ聞けば、一人酒を楽しんでいる男のもの。
しかし、そいつの外見は奇抜だった。

( ^ω^)「なんでパンツ被ってんだよ」

そいつは縞パンを頭に被り、それだけでは飽き足らず、縞ブラまで被っている。
なんだこいつは。いやまじで、なんだよこいつ。

('A`)「はは、いきなり痛いとこ突かれちまったな」

( ^ω^)「だからなんでパンツ被ってんだよ」

('A`)「んー、それはね……ひみつ、かな」

目の前のパンツマンは、優雅にテキーラのグラスを傾けウインクしてきた。
次の瞬間、目の前のパンツマンは吹っ飛んでいた。

223 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/11/18(日) 07:42:18 ID:DW8AzjNY0



(´・ω・`)「いやー、昨日はびっくりしたよ。まさか君が人を殴るなんて、さ」

(  'ω`)「申し訳ないですお。ついカッとなったみたいで」

(´・ω・`)「ははは、そんなに謝らなくても大丈夫さ。あの人も大丈夫っていってたし」

(  'ω`)「それでも申し訳ない気持ちで一杯なんですお」

昨日、パンツマンのあまりのウザさについ手が出てしまった。
正直パンツマンに対して謝罪の気持ちは一切ないが、店内で暴力を振ってしまったことが悔やまれる。

('A`)「そうだぜ、マスターの言うとおり俺は全く気にしちゃあいねぇよ」

カランコロンと音を立てて入ってきたのは、昨日のパンツマン。
いや昨日とは少し違う。

( ^ω^)「おい、パンツ変わってんぞ」

昨日は縞パンだったのに対して、今日はピンクのレース付き。
こいつおかしいだろ、jk

(´・ω・`)「やあ。ようこそ、バーボンハウスへ。
     このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。」

いやなに普通にもてなしてんだよ、マスター。

224 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/11/18(日) 07:43:46 ID:DW8AzjNY0
('A`)「どうも、マスター」

お前も普通に座ってんじゃねーよ。

('A`)「ああそうだった。どうして俺がこんな格好してるかだよな、若いの」

あぁ、昨日の質問か。僕はそんなことよりあなたを通報したいです。

('A`)「まあ、聞いてくれ。これな、宗教なんだ」

( ^ω^)「ふざけたこと言ってと、もっかいぶっ飛ばすお」

('A`)「嘘じゃねーよ、世の中おまえさんが信じられないような宗教なんて五万とあるさ」

(´・ω・`)「そうだよ。宗教なら仕方ないんじゃないかな」

黙れよ、しょぼくれ眉毛。

( ^ω^)「じゃあ、そのパンツは下着泥棒とかじゃなく買ったんだおね」

('A`)「なんだい、俺が下着泥棒だと思ってたのかい。残念ながらこれは買ったやつさ」

こいつと話していると頭が痛くなってきた。今日はもう帰ろうか。
そう思って立ち上がるとパンツマンから呼び止められた。

225 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/11/18(日) 07:45:20 ID:DW8AzjNY0

('A`)「ちょい待ちな。」

( ^ω^)「なんだお」

('A`)「これ、あんたにやるよ。あんたには何かしら縁を感じるぜ」

手渡されたのはパンツとブラのセット。黒に白レース。
そして僕は気が付いた。

( ^ω^)「なんで買ったもんに名前が書いてあんだよ」

そこには丸っこい字で"渡辺"と書いてあった。
もうなにを迷うことがあろうか。
僕は素早く携帯を取り出し、110とプッシュした。





(´・ω・`)「いやぁ、この間は凄かったね。まさかあの人が下着泥棒で、その下着を裏で売っていただなんて。
     普通の人ぽかったのに。世の中どんな人が悪さしてるか分かんないもんだね」

( ^ω^)「それはねーよ」

終わり



支援イラスト 同スレ>>362より


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