2012年芸術の秋ラノベ祭りのようです
('A`)My baby blueのようです
  Part4



130 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:14:08 ID:yPRZkqck0

雪がたくさん降っているから視界が悪い。
コンディションで言えば最悪。

短期決戦、低空戦になりそうだ。
でないと、寒いし凍傷になっちまう。

少し機体を下に向けた。
遠方には、雪に覆われた街並み。
多分まだみんな寝ている時間だ。

あまり近づかないようにしなくては。

('A`)「さぁ、来いよ」

誰ともなく呟く。

空に浮かんでいるものを探して。
見渡す。
見えない。

まだか。
小さく旋回。

131 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:14:49 ID:yPRZkqck0
視界に黒点が映る。
俺は焦点を合わせて、
フル・スロットル。

('A`)「おし、あいつか」

目視で確認。
機速は、どうやらあっちの方が少し速い。

敵機、威嚇射撃。
いや、試運転か?

どちらにしろ当たる距離ではない。
スルーして、スロットルを絞る。

減速。

132 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:16:15 ID:yPRZkqck0

敵機、旋回。
まぁ定石、後ろを取るつもりだ。

俺だってただで後ろをくれてやるほど馬鹿じゃあない。
素早く左右に振って、離脱。

フル・フラップ。
急旋回。

モララーを視界の端に捉える。
動揺はなさそうだ。
戦いに不慣れなわけでもないらしい

133 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:17:00 ID:yPRZkqck0


('∀`)「いい腕だ」

心の底からムカつく野郎だが、腕だけは評価してもいい。

戦っている時は、奇妙な友情がある。
誰だって感じる、と思う。

きっと飛ぶ直前に、
余計な感情を全部ほっぽってくるんじゃないか。
だからムカつく相手でも、憎らしい相手でも、
この時ばかりは冷静でいられる。

敬意を持っていられる。

無垢でいられる。


('A`)「おら、ついて来いよ」

ロール。
ほぼ九十度で、海面スレスレを飛ぶ。

敵機は即座に反応。
俺の意図を汲み取って、機速を上げてきた。

134 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:18:52 ID:yPRZkqck0

水飛沫が飛ぶ。
距離はギリギリ。
下も横も。

これ以上下げれば機体は吹き飛ぶし、これ以上寄ればお互い熱烈なキッスだ。


敵機を置き去りにして、上昇。
スロットルを一気に絞り、さらにスポイラも当てて急減速。

おーおー、驚いてやがる。
だが無理もない。

俺が上がったのは、内側。
つまりモララーの真上だったからだ。

135 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:19:32 ID:yPRZkqck0


('A`)「後ろは取ったぜ。どう来るよ?」

射程にはまだ近すぎる。
敵機は上昇。

俺も後に続く。
スロットル・アップ。

射程圏内。
さらに揺らして来る。
右。
左。

その全てをスルー。
惑わされない。

三秒数える。
打つ。
機首を押し上げ背面で離脱。

勝った。

136 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:21:53 ID:yPRZkqck0

(;'A`)「クソ!」

ジャムだ!
こんな時に!

俺は手早く詰まった弾を処理した。

見た感じだと、命中はしていた。
だけどせいぜ一発。
致命傷じゃあない。

既に敵機は離脱。

だけど確信した。
格闘性能はこっちが上だ。

もう一度ぶち込んでやればいい。

137 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/01/02(水) 22:23:36 ID:yPRZkqck0


軌道修正。
背後は取ったままだ。
俺の有利は変わらない。

(;'A`)「流石に寒いな」

エンジンの熱じゃ賄いきれない部分がある。
厚着もしているし、手袋だってつけているから大丈夫だが、やはり早く終わらせたい。

(;'A`)「流石にこれより上がるのはきつい…か?」

空気がかなり薄くなっている。
こいつ、これを狙ってやがったな。

已む無く下降。
大きくロールしながら、左へ逸れた。
敵機は右へ。
また振り出しに戻った。

138 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:24:24 ID:yPRZkqck0


敵機は大きく旋回。
機速は半分ほど。
様子見ってところか。

俺もそれに倣って。
だけど、それどころじゃなくなった。

(;'A`)「なんであいつが……!?」

俺は思わず叫んだ。
港には真っ赤なドレスと金髪の少女。

そんな馬鹿な!

見間違うはずもない。
なんで……。
何でこんなところに。

操縦桿を握る力が緩む。

どうか別人であってくれ。
そう願って、握り直す。

140 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:25:46 ID:yPRZkqck0


一瞬だった。

(;'A`)「しまった!」

一瞬で背後を奪われた。

ロール。
右へ展開。
冷静になれ。

振り返って、間隔を確認。
まだ、遠い。
でも安全圏じゃない。
振り切れるか?

フル・スロットル。
劣る機速は技術でカバーだ。

右へ左へ機体を振る

141 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:26:56 ID:yPRZkqck0


デレの事は後回しだ。
そう考えてしかし、感情がいくつも浮かんでは消える。

迷いはトリガーを押す指を緩ませる。
どうにか、不時着出来るレベルの損傷で抑えるしかない。


湾岸までは、まだ距離はある。
危険というほどではない。

(;'A`)「でも……っ。それどころじゃねえっ!」

さらにロール。
数瞬前まで俺が飛んでいた宙空を、弾丸が駆け抜ける。

(;'A`)「あっぶねぇ」

深呼吸。
本当はそんな暇すらないのだけど。
でも落ち着かなきゃいけない。

さぁ、クールだ。
俺が乗っているのは、俺を飛ばしているのは誰か考えてみろ。
クールだろうが。

142 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:29:39 ID:yPRZkqck0

ループ。
ループから、上昇。

ストール。
まだ抜けない。
しぶとく着いてくる。

急降下。
今度は翼がない分さっきよりも低い。

激突しそうな高さ。
後ろを見る。

モララーはいない。
よし、諦めた。

143 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:31:03 ID:yPRZkqck0

どうやら低空が苦手らしい。
大きく旋回している。
速度は落ちていない。

急上昇。
降下速度で奴に先んじよう。

俺はスロットルを絞って、
迎え撃つ。

だけど、こちらには来なかった。

(;'A`)「あいつ、何のつもりだ?」

負けを認めて逃げ帰る?
あの野郎に限ってまさか。

俺は奴の進行方向を見て、そして悟る。

(;'A`)「ガキンチョか!?」

144 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:31:48 ID:yPRZkqck0


奴は撃ち殺すつもりだ。
我が子を自分の手で。
それでもって、飛行艇に組み込む。

こんなこと想像だにしなかった。

(#'A`)「あいつ……ここまでゲス野郎かよ…ッ!」

即座に反転。
フル・スロットル。

敵機は遥か前。

(;'A`)「間に合えッ……」

機体が軋む。
呼吸もしてられないほどの風圧。
壊れんばかりに桿を握り締めて。

だけど。

(# A )「……クソッタレ」

間に合うわけがない。

145 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:33:28 ID:yPRZkqck0

俺は飛行艇を作る目処が立った事を伝えた、

川 ゚ -゚)「本当か!?」

( A )「……あぁ」

俺は小さく頷く。

その時のクーは心の底から嬉しそうで。
なんでそんな表情でいられるのか俺には理解出来なかった。

川 ゚ -゚)「ドクオ、こんな時くらい目を見て話しておくれよ」

('A`)「ああ…」

('∀`)「そうだな!」

俺は笑えているか?
顔はは引き攣ってないか?
確認する術はない。

川 ゚ -゚)「いい笑顔だ」

大丈夫か、良かった。

146 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:34:55 ID:yPRZkqck0


川 ゚ -゚)「いつ?」

クーは窓を開けた。
天気は雪。
でも晴れ間も少し見えている。

('A`)「明後日だ」

川 ゚ -゚)「えらい急だなぁ」

俺は無言。
その様をクーはふふっと笑う。

川 ゚ -゚)「二人には?」

('A`)「ダメだった」

川 ゚ -゚)「そう。独断専行ってやつだ?」

('A`)「そうなるな」

返事すると、今度は高らかに笑った。
俺は呆気に取られて。

羨ましかった。

147 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:36:34 ID:yPRZkqck0

川 ゚ -゚)「飛行艇が出来たらどこへ行きたい?」

('A`)「そうだな…。とりあえず南の方、あったかいところに行こう。それから…」

川 ゚ -゚)「ふふっ」

クーが話の途中で笑う。

('A`)「な、なんだよ」

川 ゚ -゚)「君はこの話題になると、本当に目が輝くな」

('A`)「そ、そうか?」

クーは大仰に頷く。
なんだか照れ臭い。

川 ゚ -゚)「私はその目を好きになったのかもしれないな」

('A`)「……」

川 ゚ -゚)「ハァ…。いいよ別に」

俺は無言を貫いた。
だって、俺に気持ちを伝える権利なんてないだろう?

148 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:38:38 ID:yPRZkqck0


川 ゚ -゚)「君は気負わなくていいんだ」

クーは俺の頬に手を触れる。
俺はその手を掴む。

('A`)「……やめてくれ」

言っても、クーはやめない。

川 ゚ -゚)「君はいつだって夢を語る時は私を連れて行ってくれる」

川 ゚ -゚)「行く、じゃなくて行こうって言ってくれるんだ。私はそれが嬉しい」

再び微笑んだ。
笑顔が眩しくて、だけど目を逸らせない。

川 ゚ -゚)「君は一人で気負いすぎなんだよドクオ。二人だっていつか分かってくれるし、君も僕も間違ってなんかないんだ」

('A`)「あぁ、分かってる」

分かってない、とクー。

149 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/01/02(水) 22:39:31 ID:yPRZkqck0

川 ゚ -゚)「大事な話だから、聞いて」

川 ゚ -゚)「いいか?いつだって私は君の側にいるんだ。君がいなきゃ私は飛べないし私がいなきゃ君は飛べない」

何かあったら私を信じて。
いつだって落ち着いて、二人でやればなんとかなる。

('A`)「分かったよ」

気負っちゃだめだからな。
本当に分かってるのか?

('A`)「分かってる」

分かってる。
分かってるんだ。

151 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:41:05 ID:yPRZkqck0

分かってる。

( A )「頼むぞ、いや、行こう。クー」

思えば最初は嫌々だったのに。
いつしか妙に固執する自分がいて。

不可解だった。
俺は惹かれているのは何故だ。
こんな何の変哲もないクソガキに。

今だって必死こいてクソ野郎と戦っている。

単に、適合者だからだと思っていた。
だから同情を禁じ得ないのだと。


馬鹿か俺は。


そんなんじゃないだろうに。
純粋に俺はガキンチョの人格に惹かれているんだ。

こいつといると、クーの言っていた意味が分かる気がしたから。
重荷や閉塞した心を、その小さな背中で背負おうとしてくれたからだ。

152 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:42:07 ID:yPRZkqck0


あんなクソ野郎に俺が負ける?
馬鹿な。

フル・スロットル。
さらに、スロットル・アップ。

(;'A`)「ぅぐっ…」

機体どころか、俺の体まで軋みやがる。
だが、まだ出るはずだ。

だろ?クー。

俺の言葉に呼応するようにして、出力はどんどん上がっていく。
さらに、さらにスロットル・アップ。

154 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:43:12 ID:yPRZkqck0

距離は縮む。
でもまだ足りない。
当てるには少し遠い。

(#'A`)「あとッ……あと少しッ!」

モララー、下降を開始。
あと少しでデレが射程圏に入る。

(;'A`)「あぁああああああああ!!!!」

思い切り操縦桿を倒した。

機体は堕ちる。
スパイラル。

位置エネルギーが速度に変わる。
俺とクーを乗せた飛行艇は火を吹く。

155 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:44:34 ID:yPRZkqck0


射程圏。
デレは、まだモララーの射程圏外。
やれる。

撃とうと思って。
でもその前に弾は飛び出していた。

撃とうと思う前に指が動いていた。


遅れて聞こえてきた銃声。
目の前で穴を穿った。

同時に俺は失速し、コントロールを取り戻す。

堕ちる?
いや、降りよう。

デレは?
あぁ大丈夫みたいだ。
驚いているけど。

さぁ降りて、一服するか。

156 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:45:34 ID:yPRZkqck0


俺は飛行艇を降りてその場に腰掛ける。
正直どうやって降りたのかも覚えていない。

胸に手をやる。
タバコとライターだ。

火をつけて放り投げる。

(;'A`)y━・~~ 「…いってぇ」

体の節々が痛みやがる。
でもそんなことはどうだっていい。


赤いドレスの少女が、こっちに走ってきてるんだ。

デレは、俺を見て何て言うだろうか。
親の仇か人殺しか。

もしかしたら何も言わないかもしれない。
あいつは優しいから。

でもそれならいっそ罵ってくれた方がいい。

157 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:47:48 ID:yPRZkqck0
ζ(゚ー゚*ζ「おじ様」

( 'A`)y━・~~ 「……」

ζ(゚ー゚*ζ「さっきのは、私のお父様?」

( 'A`)y━・~~ 「……あぁ」

沈黙。
デレは俺が投げたタバコとライターを拾い上げる。

ζ(゚ー゚*ζ「……死んじゃったの?」

( 'A`)y━・~~ 「……」

何も言えない。
死んでるかもしれないし死んでないかもしれない。

ただ俺が殺そうとしたって事に変わりはなく、問題はそこなのだから、言及する意味はない。

158 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:48:34 ID:yPRZkqck0
ζ(;д;*ζ「……そぅ」

消え入る声。
涙が滲んでいる。

あぁここにツンやブーンがいたらどんなにいいか。

( 'A`)y━・~~ 「……何も言わないのか……?」

ζ(;д;*ζ「グスッ……」

デレは顔を擦る。
涙を拭っている。
首を横に振っている。

ζ(;д;*ζ「おじ様は……助けてくれたのだわ」

この一言でどれだけ救われたか。
例えこれが嘘でも。

(;'A`)「ッ!」

本当に、強い。

159 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:51:05 ID:yPRZkqck0

目の前で父親が堕ちていったのに
俺が堕としたのに
少しも糾弾しようとはしない。

強い、なんて強い。

この強さがきっと俺を惹きつけたのだろう。

(;'A`)y━・~~ 「……泣いてくれ」

俺は呟く。
無責任だけど、そっちの方が俺にとっては気が楽。
あぁ、自分でも思うさ、クズだって。

だけど。

ζ(;д;*ζ「いやよ。レディは泣かないものだもの」

もう一度涙を拭う。
目真っ赤だけど、そこにもう涙はない。

160 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:52:20 ID:yPRZkqck0
(;'A`)y━・~~ 「……」

デレはおもむろにタバコを取り出す。
ライターを弄って、捨てる。

タバコを咥えて
俺の頰に手を伸ばす

口が近づく。
付いたのはタバコの先と先。

火が乗り移って
煙を上げだした。




161 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/01/02(水) 22:53:11 ID:yPRZkqck0


ζ(゚、゚;ζ「ゴホゴホッ……」

(;'A`)「なんのつもりだよ」

俺は思わずタバコを取り落とす。

ζ(゚ー゚*ζ「私はもうタバコだって吸えるの、大人ですもの」

引き攣った笑顔。
俺のために無理しているのが丸わかりだ。
そう俺のために。

俺は照れ臭くって、微笑む。

162 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:54:23 ID:yPRZkqck0
(;'∀`)「ライターの使い方も分からないガキンチョが何偉そうな事言ってやがる」

デレは憤慨という顔になって。
その目にはやっぱり涙を浮かべて。

ζ(゚、゚*ζ「私ガキンチョじゃないわ!デレっていう立派な名前があるもの」

(;'A`)「お、お前……」

デレはそっぽを向いた。

(;'A`)「名前……」

ああもう。
言いたい事がたくさんあるのに頭の中はグチャグチャだ。


俺は頭を必死に動かして、そして。

('∀`)「言うようになったじゃねぇか、デレ」

やっと、デレ、そう名前を呼ぶ事が出来た。

164 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:55:54 ID:yPRZkqck0




ζ(゚、゚*ζ「おじ様、ちゃんと締めれたわ」

デレが言った。
念のため確認。

よし、大丈夫だ。

('A`)「じゃ、出るか」

俺たちは出立を決めた。
理由は色々あるが、やっぱり一番は場所が割れてしまったことだ。
これ以上迷惑もかけられないし。

湿っぽい別れは嫌で、ツンには書き置きだけ残した。
どうせ話したって、かっこつけんなとか言われるに決まってるんだ。

ζ(゚、゚*ζ「でも…」

('A`)「寂しいか?」

小さく首肯。

('A`)「また、すぐ会いにくりゃいいさ」

ζ(゚ー゚*ζ「……そうよね!」

165 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:57:28 ID:yPRZkqck0



機体は、静かに動き出す。
水の上を少しずつ進み始める。
港に並走する形だ。

機首が少し上がった。
その後は一気に浮上。

いい立ち上がり


.

166 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:58:23 ID:yPRZkqck0
視界のはしに、何かが映る。
とともに、怒号。

(#^ω^)「ドクオオオオオ!!!」

(;'A`)「ブッ、ブーン!?」

(#^ω^)「おめーのやる事なんかお見通しだお!!!!」

ブーンは叫んで、拳を突き出す。
空に向かって。

(;A;)「へっ、なんだよあいつ」

俺は目を擦る。
何だ俺。
泣いてんのか。

(#^ω^)「また戻って来いお!!!デレちゃん連れてな!!!!」

(;'∀`)「……ブーン」

何か言おうとして、
それで、口を閉じる。

桿から手を離す。
親指を立てて、グッドラック。
皆まで言わなくたってあいつになら通じるだろう。

だって俺たちは今までも、これからも親友じゃないか。

167 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 22:59:30 ID:yPRZkqck0

クー、全部お前の言ったとおりだったよ。
みんな最初から繋がってた。

離れててもずっと。
空だけで。




('A`)「さぁどこに行くかな」

呟いて。
目の前の蒼さに俺は圧倒された。

今までよりもっともっと鮮やかで、広大な気がする。

('A`)「……空ってこんなに綺麗だったんだな」

今更になって、改めて実感した。

ζ(゚ー゚*ζ「何を言っているの?」

ζ(^ー^*ζ「それを教えてくれたのはおじ様だわ」

俺は一瞬呆気に取られて。
そして、また笑った。

168 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/01/02(水) 23:01:05 ID:yPRZkqck0

('A`) My Baby Blueのようです





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