■2012年芸術の秋ラノベ祭りのようです
└ハハ ロ -ロ)ハ「Hello,Hello,――」のようです
- 74 名前: ◆v9sUzVr/7A[] 投稿日:2012/11/20(火) 03:32:12 ID:SzqQ3cH20
『システムオールグリーン』
『了解、出まス』
音声を介すと、目の前の扉がごごごごと開いていク。
宇宙ダカラ、音なんてないケドネ!
ハハ ロ -ロ)ハ(こういうのは気分デス)
ハハ ロ -ロ)ハ(ヤマト、発進! とかやりたいじゃないデスカ。ワタシ操縦士じゃないケド)
ハハ ロ -ロ)ハ(この場合あれカナ。ハロー、いっきまース!)
開き切った扉カラ、ワタシは宇宙の海へ躍り出た。
ハハ ロ -ロ)ハ「Hello,Hello,――」のようです
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- 75 名前: ◆v9sUzVr/7A[] 投稿日:2012/11/20(火) 03:33:04 ID:SzqQ3cH20
近世、近代、現代と来て、時代は宇宙時代を迎えマシタ。
火星のテラフォーミング、月が人工衛星という事実発覚、それに伴う共有化、仮設化。
更にはワープ航法までという、マサに21世紀が想像した通りデス。
ワタシは、太陽系外に向かウ有人船の乗組員。
主に修復・維持を船外活動で行うノが仕事デスネ。
乗組員は多国籍だけれド、自動翻訳機があるから何の問題もナイ。
英語は慣習として習得が推奨されてイルけど、ワタシはバイリンガルだカラそちらも問題ナシ。
自動翻訳機がナイ時代を考えるとぞっとしちゃうネ!
ハハ ロ -ロ)ハ『船体の損傷箇所発見。損傷率軽微。すぐ直せマス』
『了解。そのまま船外活動を続けてくれ』
ハハ ロ -ロ)ハ『了解』
オペレーターと会話しながら、修復を続ける。
ウン、本当に簡単に直った。
ハハ ロ -ロ)ハ『直りましタ』
『早いな。時間はまだある、少しなら遊んでてもいいぞ』
ハハ*ロ -ロ)ハ『ホント? わーい』
極々かるーく船体を蹴る。
それだけで、ワタシの身体は宇宙へ放り出されテ行く。
緊急時の酸素ヤラ、ケーブルヤラ、命綱がゆるゆると伸びていク。
ワタシが着けてルのは、見た目は旧式だが、中身は最新にも匹敵する程メンテをされた宇宙服ダ。
操作性だってそうそう劣ったりシナイ。やっぱり差はあるケド。
それでも骨董趣味、懐古趣味の人間は好んデ身に着けル。
例えば、ワタシのようナ。
- 76 名前: ◆v9sUzVr/7A[] 投稿日:2012/11/20(火) 03:33:50 ID:SzqQ3cH20
ぽんと宇宙に放り出されるト、視界の全てが星にナル。
上下の感覚など、トオに消え失せ、左右も――右手左手は分カルが、やっぱりナイ。
サテサテ、ワタシは本当にココに居るんでしょうかネ?
満天の星々は答えてなんてくれナイ。ツメタイ。あんなに光って温度を主張しているクセにィ。
だからちょっと歌ってミタ。
自動翻訳を一瞬だけ切って。
ハハ ロ -ロ)ハ「Hello,Hello,Can you hear me?」
『は? 何だ、どうした』
ウン、当たり前に返ってキタ。そうだよネ、オペレーター。
ハハ ロ -ロ)ハ『なァんでもナイよ、オペレーター』
『ふむ、そうか。そろそろ時間だ、戻れ』
ハハ ロ -ロ)ハ『了解』
- 77 名前: ◆v9sUzVr/7A[] 投稿日:2012/11/20(火) 03:35:20 ID:SzqQ3cH20
命綱を掴み、静カに推進装置を稼働させル。
視界に、さっきまで修理をしていた船体が戻ってくる。
ちょっとホッとするのは、地に足をつけて生きてる人種なんだと思わされマス。
「I always hear you」
不意にオペレーターの声が響きマシタ。自動翻訳を切って。
優しく笑みを含んだ声デス。
アア、モウ、全く。
ハハ*ロ -ロ)ハ『アナタのそーいう所、好きですヨ』
『……それは、どーも』
彼は今、照れて無表情になっているコトだろウ。
容易に想像が出来テ、ワタシは笑ってしまう。
『だあああああ照れた仏頂面とかリア充してんじゃねええええええ!!!』
oh...切実なる響き。ドクオですネ。
『ちょ、おい叫ぶな』
『叫ばせてんのはてめえらのかっゆい会話のせいじゃああああああ』
『んな、おれは別にそんな、』
『うるせええええツンデレキャラはもう一人の船外士で十分足りてんだよおおお』
『ちょっとそれどういう意味よ!』
減圧室を抜け、ハッチに戻るとこんな会話が繰り広げられていましタ。
次のターゲットはツンのようデス。
オペレーターのミルナに船外記録のチップを渡し、そっと距離をとる。
そうすれば巻き込まれることナク、騒動を観察できる、いい位置をとれるノダ。
- 78 名前: ◆v9sUzVr/7A[] 投稿日:2012/11/20(火) 03:36:42 ID:SzqQ3cH20
ジュースを手に取り観察モード。ミルナもどうやら抜け出したらしく、反対側で息をついていた。
まだ外にいる飛行士のツンと、オペレーターのブーン。総括するドクオ。
三人の会話を聞いてると、いつも思うのデス。
ドクオに幸あれ。
あ、ここは流暢に言いますヨ。
旧式の飛行服を片づけて、筋トレをして、休み時間。
ぎろりとした目と目があった。
ウウン、怖いですネェ。
ハハ ロ -ロ)ノシ
( -д- ) =3
ヤだ、ため息つかれちゃっター。ウフ。
あの上下左右、何もない空間で。
――私の声は、聞こえてますか?
機械にすがって生きている私たち。
いつだって、聞こえているよ――
返してくれる彼が、私の好きなトコ。
宇宙で、大切なコト。
もう一回いくかと筋トレを始めることにした。
愛しく、優しく、不器用な人の所に、また戻る為に。
終
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