■２０１２年芸術の秋ラノベ祭りのようです
└(ｰ@A@)犯罪撲滅科Ｄ＆Ｈのようです
　 └本編

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3 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:28:29 ID:CoWgozZgO

( A )「…」


世界は『悪』で溢れている


電車の中で

学校の中で

会社の中で

街の中で

店の中で


『悪』は人々にすり寄り、囁きかけ

自らの欲望を満たそうとする


世界は『悪』で溢れている

4 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:29:22 ID:CoWgozZgO

( A )「…」


『悪』は形を成している

目があり

耳があり

口があり

体がある

それは、常人の目で見る事は出来ない

それは、常人の耳で聞く事は出来ない


しかし、見えなくとも

『悪』は、そこらにはびこっているのだ


( A )「…」

5 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:30:06 ID:CoWgozZgO

だが稀に、その姿や声を捉える事の出来る人間も存在する


( A )「…」


霊感、第六感と言った、『一線を超えた』能力を持つ人物が




だが、そういう類の人間が辿る末路は


『悪』にそそのかされ、犯罪者としての道を生きるか


『悪』に恐怖し、イカレと呼ばれる人生を送るか


または、その両方である



( A )「…」



この俺、鬱田ドクオは、その後者にあたる人間だった

6 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:30:56 ID:CoWgozZgO

ある日、何の脈絡も無く突然、『悪』が見え始めてから、俺の人生は狂った


( A )「…」


目を開ければ、筆舌し尽くし難い『悪』が、真ん前を通り抜け、『殺せ』『犯せ』『盗め』などと、どす黒い声で囁きかけてくる


( A )「…」


毎晩見る夢は、俺が犯罪を犯す悪夢ばかり

信じられないのは、悪夢の中の俺は嬉々として罪を犯していること


親を包丁でメッタ刺しにして、笑い

クラスメートを強姦して、夢精し

欲しい物を盗んでは、夢から醒める度に落胆している自分がいる


( A )「…」


それでも、俺は、悪夢を『正夢』にしやしなかった

悪に屈してはいけないと

悪を受け入れてはいけないと

悪を行ってはいけないと

自分に言い聞かせ、今の今まで生きてきた



が

7 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:32:08 ID:CoWgozZgO

( A )「もう、限界だ」



こんな、悪に付きまとわれ続ける人生に疲れてしまった

いっそ、受け入れてしまえば、楽になるのだろう

そうすれば、俺は晴れてワイドショーに出演し、新聞の一面を飾り

親の顔に泥を塗り、被害者に深い傷をつけるのだろう



( A )「そんなの…御免だね…」



俺は、何があっても自分の『正義』を貫きたい

例え、その先に待っているものが『死』だとしても



('A`)「…」



閉じていた瞼を、ゆっくりと開く

眼下には、俺が見る最後の風景が広がっていた



('A`)「百万ドルには程遠いが、俺には上等だぜ…」



住宅街に広がる街灯り

家と家の隙間を、様々な『悪』が通り抜けていくのが見えた

頭上に広がる星の数と同等の、『悪』が

8 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:35:44 ID:CoWgozZgO

('A`)「へっ…」



思わず、笑みが零れてしまった

『ざまあみろ』、と
俺はお前らの思い通りにならなかったぞ、と

俺は正義の内に死ねるぞ、と

俺はお前らに勝ったぞ、と



('A`)「あばよ、クソッタレ共」



俺は現世へ別れを告げ、地面の無い空間へ足を踏みだ―――――

9 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:36:42 ID:CoWgozZgO

「それで、勝ったつもりか？」

10 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:37:28 ID:CoWgozZgO

('A`)「っ…」



――――せ無かった



「お前のそれは、『逃げ』じゃねーの？」


背後から聞こえた若い女の声が、俺の足を引き止めた


「信念貫いたぜーって感じでおっ死のうとしてるけどよー」

「俺から見りゃ、勉強が嫌になって投げ出したガキのようにしか見えねーぜ？」


( A )「…」


誰だよ、アンタ

何で、俺の

『俺が向き合おうとしなかった事』を知ってるんだよ


( A )「…何がわかる」

( A )「アンタに、何が分かるってんだよ…」

11 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:38:14 ID:CoWgozZgO

( A )「見えるか？俺に付きまとう『黒い影』が、『悪の形』が」

( A )「俺はもう、耐えたくないんだ。楽になりたいんだよ」


「だからって、こんな高っけーとこから紐なしバンジーか？」


足音が、一つ



「自殺もまた、一つの『悪』を産み出す原因だ。そいつらと同じモンになりたいのか？」


足音が、二つ、三つ


( A )「じゃあッ!!俺はッ!!ずっとこの悪夢に耐え続けなきゃあいけないってのかよ!!」


「耐える？うん、それも一つの選択肢だわな」


足音が、俺に近づいてくる


「勿論、お前が出した結論も一つの選択肢だ」


足音が、止まった






「だけど、『最善』ではない」

12 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:39:01 ID:CoWgozZgO

( A )「じゃあ…教えてくれよ。アンタが言う、『最善』ってヤツを」


「……いいぜ、こっち向きなよ」


( A )「…」


ゆっくりと、体ごと後ろに振り返る


(;'A`)「っ…」


そして、彼女の姿を見て、文字通り『息を飲んだ』





ピンクのナース服、悪魔の翼

紅の髪に、吸血鬼のような八重歯

背中には、巨大なメスが背負われている



从 ﾟ∀从



場違いな格好だ

ふざけているとしか思えない

だけど、月明かりに照らされるその姿は





とてもとても、美しかった

13 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:41:51 ID:CoWgozZgO

从 ﾟ∀从「最善の選択肢、それはな」


从 ﾟ∀从「『戦う』ことだ」


(;'A`)「戦う…？」


从 ﾟ∀从「ああ、悪と戦い、それを殺した時、初めてお前は勝利する」


(;'A`)「勝…利…」


彼女の言った言葉を反芻する


考えた事も無かった

得体の知れない魑魅魍魎と戦うなどと


从 ﾟ∀从「武器なら与えてやる。戦う手段も教えてやる。」


从 ﾟ∀从「俺が一緒に戦ってやる」


そう言って彼女は、優しく微笑んで手を差し出した


从 ^∀从「もう、一人で抱え込まなくていいんだぜ？」

14 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:42:39 ID:CoWgozZgO

これが、生涯のパートナーとなる『悪魔』との出会いだった

15 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:43:49 ID:CoWgozZgO

『(ｰ@A@)犯罪撲滅科Ｄ＆Ｈのようです』




.

16 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:44:34 ID:CoWgozZgO

―――――
―――
―



VIP駅から徒歩数分
居酒屋『榊』の裏に、今の俺の職場がある


その名も、『犯罪撲滅科Ｄ＆Ｈ』


一応、診療所という形で営業しているが、国からの許可は得ていない
なんせ、俺の相手はワケあり魑魅魍魎の類
言っちゃアレだが、完全に漫画やアニメ、ファンタジーの世界だ


え？そんな所に患者なんて来るのかって？
来るんだなそれが
『ワケあり』の患者、『犯罪者予備軍』と呼ばれる人達が

17 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:45:16 ID:CoWgozZgO

(；＾ω＾)「…」


こいつが今日の患者、高校生の内藤ホライゾン

なんでも、最近出来た彼女との関係がうまくいってないらしい


(ｰ@A@)「ふぅん、向こうから告白されて付き合う形に至った、と」


全く、羨ましい限りだ
エロゲみたいな青春、幸せ真っ盛りの筈だ
そんなリア充がこんな胡散臭い場所に来るくらいだ
相当思い詰めていたのだろう


(ｰ@A@)「で、何か原因で関係悪化に至ったと？うんこ漏らしたとか？」

(；＾ω＾)「流石に17にもなってうんこ漏らしませんお」

18 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:46:15 ID:CoWgozZgO

(;ｰ@A@)「えっ……？」




.

19 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:51:11 ID:CoWgozZgO

(；＾ω＾)「原因は……何ですか今の反応？」

(ｰ@A@)「気にすんな、続けてくれ」

(；＾ω＾)「17にもなってうんこ漏らしたことあるんですかお？」

(ｰ@A@)「ねえよ」

(；＾ω＾)「ありますおね？」

(ｰ@A@)「ねえっつってんだろクソ野郎殺すぞさっさと続き話せ」

(；＾ω＾)「はいお…」



内藤君ことうんこ漏らし野郎は、膝に視線を落としポツポツと語り出した



(　＾ω＾)「彼女との付き合いはもう３ヶ月くらいになりますお。そう、あれは蒸し暑い夏の(ｰ@A@)「はいもう結構です」

(；＾ω＾)そ「ええええええええええええええ！？」

(ｰ@A@)「長くなりそうだったんで」

(；＾ω＾)「説明求めたじゃないですかー!!やだー!!」

20 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:53:17 ID:CoWgozZgO

(#ｰ@A@)「うるせえボケ！！うんこ漏らし野郎！！俺はこの後キングダム28巻とウルトラジャンプ買いに行くんだよ！！ちゃっちゃと診察終わらせたいの！！」

(；＾ω＾)「す、すいませ…うんこ漏らし野郎は聞き捨てなりませんお」

(ｰ@A@)「いや…悪かった。漫画の事になるとつい…な」

(；＾ω＾)「はぁ…じゃあ、先生はどうやって僕の悩みを解決してくれるんですかお？」

(ｰ@A@)「まぁまぁ、そんな顔するな。原因を今から当ててみせるからよ」

(ｰ@A@)「当たらなかったら向こう一週間オギコのコスプレして過ごしてやる」

(；´ω｀)「コスプレも何も、あの人ほぼ半裸じゃないですかお…どうやって当てるんですかお？」

(ｰ@A@)「『見るんだよ』」



('A`)つ-@-@「『直』にな」

21 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:55:58 ID:CoWgozZgO

俺は別に、視力は悪くない
このメガネは言わば『フィルター』だ
見たくない『モノ』を防いでくれる


これを外した時、俺の眼は『悪』を見ることが出来るのだ


('A`)「…」


『犯罪者予備軍』とは
悪に憑かれた人間を指す言葉だ


(；＾ω＾)「…」


悪に憑かれた人間は、例外なく『障気』を放つ
その障気のパターンで、悪の種類を見分けるのだ


('A`)「『性欲』、だな。それもとびきり強い」


悪を見れる『目』を持つ者が成せる技だ


(；＾ω＾)そ ﾋﾞｸｯ


内藤の身が竦む
ビンゴだ
オギコのコスプレをしないで済む


('A`)「思うに…彼女を前にすると、理性がぶっ飛んじまうような性欲に支配され、気が付くと…」

(＃＾ω＾)「僕は彼女に手を出したりしませんお！！」

22 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:56:50 ID:CoWgozZgO

('A`)「！」


おや、『こっち』は早とちりだったか
しかし、こいつは…


(；＾ω＾)「っ、怒鳴ってすいませんお…でも、僕は彼女を大事にしたいんですお。性欲に流されて、彼女を傷つけるような事はしたくない」

(；＾ω＾)「先生、これって普通なんでしょうか？好きになった女の子の体を…その…無茶苦茶にしてしまいたいという、どす黒い欲望が湧き上がるのは…？」

23 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 00:57:55 ID:CoWgozZgO
('A`)「……男子高校生なんて、ヤりたい盛りだ。多分、それが普通で、当たり前のようにする行為だろう」

('A`)つ-@-@「でもよ」

(ｰ@A@) ｽﾁｬｯ

(ｰ@A@)「お前さんの『それ』は、自身の意志によるモノではない」

(；＾ω＾)「…？」

(ｰ@A@)「そうだな…世間で言う『悪霊』とやらの仕業だ」

(；＾ω＾)「悪霊」

(ｰ@A@)「そう、人の心の隙間を突き、取り憑く悪霊だ。今回の件はお前さんに少なからずそう言う気持ちがあったから、悪霊に目を付けられた」

(；＾ω＾)「つまり…僕には悪霊が憑いていて、そいつが欲望を湧かしている、と」

(ｰ@A@)「その通り。で、問題の解決法だが、大きく分けて三通りある」

25 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:03:33 ID:CoWgozZgO

(ｰ@A@)「その�@、その欲望を叶えちまう。早い話が『ヤっちまえよ』ってこった」

(＃＾ω＾)「だからっ」

(ｰ@A@)「まーまー、話は最後まで聞けってうんこ漏らしクソ野郎。この解決法は正確には『解決』とは言えない」

(　＾ω＾)「そろそろ真剣に起こりますよ？」

(ｰ@A@)「結果的に両者を傷つけることになるし、『元凶』を消したことにもならない。これは、悪に取り憑かれた者の約二割が辿る末路だ」

(；＾ω＾)「二割…ですかお？」

(ｰ@A@)「そこで解決法その二だ。『悪霊』が抜け出るまで我慢する」

(ｰ@A@)「自制、とも言えるな。要は『悪霊が諦めて出て行くまで我慢しなさいよ！！今日のオギコはかーなりきてるっぽい！！』ってこった」

(　＾ω＾)「どんだけオギコ好きなんですかお」

(ｰ@A@)「湧き出る欲望を、良心と理性でグッと堪える。強い意志を持って罪を犯さないよう努力する。すると、大抵の悪霊は諦めて次の獲物を探しに体から抜け出す」

(；＾ω＾)「じゃあ僕は、我慢すればいずれこの欲望が無くなるんですかお？」

(ｰ@A@)「ところがどっこい」

26 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:04:50 ID:CoWgozZgO

(ｰ@A@)「お前さんに憑いてる悪霊はごっついしつこくて、そんで意味不明なまでに悪い野郎だ」

(ｰ@A@)「具体的に言えばハイドラくらい悪い」

(；＾ω＾)「割と普通の悪党なんじゃ…」

(#ｰ@A@)「ハイドラ嘗めんじゃねえ！！行く先々で誰これ構わず(自主規制)していくオーソドックスで一番めんどくさいタイプの悪党だぞ！！お前いざハイドラに襲われたら『なんだ、普通じゃないかお〜ケツ穴か〜ゆ〜い〜』って言えんのか！？ああん！？」

(；＾ω＾)「す、すいませんお」

(#ｰ@A@)「ﾁｯ…話続けんぞ」

(；´ω｀)「はいお…」

27 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:06:19 ID:CoWgozZgO

(ｰ@A@)「今回の悪霊はその厄介でしつこいタイプだ。一度取り憑かれたら目的を達するまで絶ッッッッッッ〜〜〜〜〜〜」

(ｰ@A@)「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜対に、離れんのだァァァーッ！！」

(；＾ω＾)「……」

(ｰ@A@)「…ｺﾎﾝ、こういったタイプに憑かれた人間の殆どは、解決法その一によって犯罪者となる」

(；＾ω＾)「そ、そんな！！救いは…救いは無いんですか！？」

(ｰ@A@)「狼狽えるんじゃあないッ！！日本の男子は狼狽えないッ！！」

(ｰ@A@)「解決法、その三だッ！！『適切な治療を受ける』ッ！！」

(；＾ω＾)「ち、治療！？お祓いじゃないんですかお！？」

(#ｰ@A@)「この俺をインチキ霊能者と一緒にするんじゃあ無いッ！！」ドギャ￣￣Ｚ＿＿ン！！

(；＾ω＾)そ「ヒィイ！！どこからともかく効果音が！！」

(#ｰ@A@)「ここは犯罪撲滅科だ！！病院だ！！お祓いしたけりゃあ恐山に登れ！！」

(；＾ω＾)「ハイ！！スイマセン！！ごめんなさい！！」

28 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:08:22 ID:CoWgozZgO

(ｰ@A@)「解ればよろしい…」

(；´ω｀)「はいお……」

(ｰ@A@)「解決法その三は、対象から悪を抜き取り、確実に処置する方法だ。だが、それを行うには『覚悟』と、『意志』と、『苦痛』が伴う」

(；＾ω＾)「っ……」

(ｰ@A@)「更に…お前さんの彼女も傷つける可能性もある」

(；＾ω＾)「ま、待ってくださいお！！何故彼女が傷つくんですか！！」

(ｰ@A@)「落ち着け、可能性っつっただろ」

(ｰ@A@)「悪霊の処置は一筋縄じゃあいかない。先ずは『シチュエーション』を用意して、欲望を解放し、悪霊をお前さんの中から引きずり出す」

(；＾ω＾)「い、今行うことは出来ないんですかお！？」

(ｰ@A@)「廃人になりたいなら、今すぐにでも？」

(；＾ω＾)「廃っ…？」

(ｰ@A@)「無理に引っ張り出すと、対象の精神をズタズタにするんだよあいつら」

(ｰ@A@)「俺はな、曲がりなりにも医者であるつもりだ。患者の安心安全を第一に考えている」

(ｰ@A@)「それに、彼女がどうなるかはお前さんに懸かっているんだぜ？」

29 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:09:15 ID:CoWgozZgO

(；＾ω＾)「僕が…」

(ｰ@A@)「俺達も、最悪の事態に陥る前に処置を行うつもりだ。だが、万が一と言う場合もある」

(ｰ@A@)「悪霊に喰われるな。自分を保て。欲望を『拒絶』しろ」

(；＾ω＾)「……僕に、出来るでしょうか？」

(ｰ@A@)「こんな胡散臭いところに来て、胡散臭い話を今の今まで真剣にを聞いてたんだ。端かりゃ見ればバカじゃねーのかって思われる」

(ｰ@A@)「だが俺達はそんなバカの味方だ。自信持て」

(＊＾ω＾)「は、はいお！！」

(ｰ@A@)「ん、じゃあ今日は終わりだ。執刀日は…そうだな、今週の日曜日。詳しい話は追って連絡する」

(ｰ@A@)「ここから先はさらに荒唐無稽な話になる。だが、俺達を信じて行動してくれ」

(　＾ω＾)「…わかりましたお」

30 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:13:59 ID:CoWgozZgO

―――――
―――
―




(ｰ@A@)「…」


診察を終え、PCを立ち上げる
本当は今すぐキングダム28巻とジョジョリ…ウルジャンを買いに行きたいところだが、一仕事終えるまで我慢だ


(ｰ@A@)「犯罪者…死亡リスト…」


『悪』の誕生は二種類に分けられる


一つ目、人々が晴らした『鬱憤』の積み重なりによって生まれる悪

人は、疲れやストレスなどのマイナスエネルギーを発散し、回復をする
その発散されたマイナスエネルギーが長い年月を掛け集合し、一つの『悪』が形成される
このタイプは、万引きや痴漢などの比較的軽い犯罪を引き起こす
また、人々に取り憑いても、大抵は自制心などで抑え込まれ、アクションを起こすことは少ない


二つ目は、人から生まれる『悪』だ
産まれながらの邪悪とは、残念ながら存在する
デカ過ぎる欲望を持っていたり、歪んだ性を持っていたり、良心のタガを持ち合わせていないなど様々
そういう奴らは、元々『悪』を身ごもっていて、死んだ後ですら『悪霊』となり好き勝手やらかす
内藤に取り憑いた悪は、このタイプに当てはまる




(ｰ@A@)「…こいつか」




『悪』を地獄に叩き落とす

俺の、いや『俺達の』仕事はそれだ

31 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:16:24 ID:CoWgozZgO

「…見つけたか？」


首にふわりと腕が回される
甘い声が吐息と共に耳に届き、女性特有のいい匂いが鼻を擽った


(ｰ@A@)「ああ、起きたのか」

(ｰ@A@)「ハイン」


从 ﾟ∀从「へへ、おはよー」


窓の外は既に日が落
ち、夜が訪れていた
夜は彼女の、いや、『悪魔』の時間だ。逆に昼は寝てってやべえもう11時じゃねーかもうこの時間だとTSUTAYAしか開いてねーじゃん


(ｰ@A@)「あの…どいてくれない？キングダム買いに行かないといけないんだけど？」

(ｰ@A@)「あと背中に柔らかいモノが当たっているんですけど」

从 ﾟ∀从「当ててんのよ。その前に？」

(;ｰ@A@)「はいはい、仰せのままにっと」


起動中のマインクラフトを閉じ、インターネットブラウザを開いた


『( ･∀･)』


从 ﾟ∀从「こいつが次のターゲット？」

(ｰ@A@)「ああ、『倉石モララー』。二年前に獄中で死んだ塔の魔女だ」

从 ﾟ∀从「その手に持ってる漫画を一旦置こうか」

33 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:19:53 ID:CoWgozZgO

(ｰ@A@)「罪状は、『強姦罪』。確認されている被害者数は14人。恐らく、もっと多いだろう」

从 ﾟ∀从「そいつが、あの垢抜けない坊やに取り憑いたワケね」

(ｰ@A@)「ほら、見てよこの顔…顔…」


『( ･∀･)』ｲｯｹﾒﾝ!!


ディスプレイに映るジャニ系の爽やかイケメン
女には不自由しなさそうなリア充面だ
こういう野郎が一番いけ好かねえってばっちゃが言ってた


(ｰ@A@)「ええ！鬼望と殺る気がムンムンわいてくるじゃあねーかッ！おいッ！」

从;^∀从「相変わらずイケメン嫌いだなお前」

35 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:20:34 ID:CoWgozZgO

(ｰ@A@)「それによ、許せねーじゃあねえか……女性に襲いかかって恐怖とトラウマ植え付けるなんざ、男の風上にも置けやしねえ」

从 ﾟ∀从「フハッｗｗどこの少年漫画の主人公だお前は」


鼻で笑われた
何だよ、せっかくカッコつけたのに


(ｰ@A@)「ブサメンでも少年漫画の主人公でいたいんや…ワイは天下の大将軍になるんや…」

从*ﾟ∀从「フフッ、でも、そーゆーの嫌いじゃないぜ？」

(ｰ@A@)「ハイン…」

从*ﾟ∀从「ドクオ…」










(ｰ@A@)「そろそろキングダム買いに行きたいからどいてくんない？」

从　∀从そ「」



直後、俺の首がキツく締められた

36 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:23:05 ID:CoWgozZgO

(ｰ@A@)「キングダム28巻、11月19日に発売だ！！ジョジョリオンが連載されているウルトラジャンプと一緒にかってくれよな！！」

( ´_ゝ`)「俺はもう買ったぜ！！」

(´<_｀ )「俺も買ったぜ！！」

(ｰ@A@)「お前らが大好きな流石兄弟も愛読しているキングダムは、ヤングジャンプで好評連載中だ！！よろしく！！」







.

38 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:28:50 ID:CoWgozZgO

―――――
―――
―



日曜日、某所にて



ξ*ﾟ�听)ξ「お待たせ！待った？」

(　＾ω＾)「今来たとこだお。ツン」


執刀日、当日である


鬱田ドクオから送られてきたメールには
『日曜日に彼女とデートし、午後七時に汗明公園に向かえ』
と、あまりにも素っ気ない作戦が書いてあった


(；＾ω＾)(大丈夫かお…？)


内心、不安も覚えつつも、内藤は彼を信じて行動を起こした

39 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:29:32 ID:CoWgozZgO

ξ*ﾟ�听)ξ「今日は映画を観に行くんだよね？」

(；＾ω＾)「お、そうだお」


最近になって一気に下がった気温のために
彼女の服装は露出度の少ない厚着だった


(；＾ω＾)(ほ…)


内藤は、内心胸をなで下ろした
少しでも肌が見えただけで、自信の欲望が膨れ上がるのだ


(；＾ω＾)(でも、油断は出来ないお…)


鬱田の言った言葉を思い出す
『彼女はどうなるかはお前さんに掛かっている』
『悪霊に喰われるな、自分を保て』
『欲望を拒絶しろ』


(；＾ω＾)(長いデートになりそうだお…)

こうして、内藤ホライゾンの人生で一番楽しくないデートがスタートした

41 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:30:19 ID:CoWgozZgO

ξ*ﾟ�听)ξ「何ボーっとしてんのよ？早く行こ！」


内藤ホライゾンの受難その一


(；＾ωﾟ)「」


『手を握られる』


一回り小さく、柔らかい彼女の右手が、内藤の左手を握り締める
その瞬間、彼の右手は性器のように敏感に反応し、抑え込んでいた欲望が一気に燃え広がった


(；＾ωﾟ)「ぐっ……」

ξﾟ�听)ξ「？ どうしたの？」

(；＾ω＾)「いやっ…何でも…無いお…」


念の為に着けたプロテクターが功を奏し、股間の膨らみがバレる事は無かった


(；＾ω＾)(『彼女を楽しませる』『彼女を襲わない』。『両方』やらなくちゃあならないってのが『悪霊に憑かれた者』のつらいところだな。覚悟はいいか？オレはできてる)


デートはまだ始まったばかりだ

42 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:30:56 ID:CoWgozZgO

ξﾟ�听)ξ「ね、何の映画を観るの？」

(；＾ω＾)「ツンが前から観たいって言ってた…ｵﾌｯ、クリント・イーストウッド主演最新作…『人生の特等席』…だお」

ξ*ﾟ�听)ξ「お、覚えててくれたのね…」

(；＾ω＾)「ぼ…僕も観たかった、からね…」





『グラン・トリノ』から四年
『伝説の俳優』が、再びスクリーンに帰ってくる



『人生の特等席』
11月23日全国ロードショー



.

43 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:31:42 ID:CoWgozZgO

世間では若者の映画離れが論されているが、休日の劇場はそこそこの客で賑わっていた


ξ*ﾟ�听)ξ「楽しみね!!」

(；＾ω＾)「う、うん」


彼ら二人と


(＾ω＾；) ﾁﾗｯ


(A@- ) ﾃﾞｪｪｪｪｪｪﾝ!!


(＾ω＾；)(何でいるのあの人ー！？)


鬱田ドクオもその一人であった


ξﾟ�听)ξ「ん？知り合いでもいた？」

(；＾ω＾)そ「いやいや全然全く問題はないお！！」

(；＾ω＾)(し、信じていいのかあの人…)

(A@ｰ )「ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ…ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ…」


(；＾ω＾)(な、なんかブツブツ言ってるお…)

(　＾ω＾)そ(まさか、不甲斐ない僕への助言とか…？)

(A@- )「ｵｷﾞｺ…ｵｷﾞｺﾆﾓﾐｾﾃ…」

(A@- )「ｷｮｳﾉｵｷﾞｺﾊ…ｶｰﾅﾘｷﾃﾙｯﾎﾟｲ…」


(； ﾟωﾟ)(オ…オギコ…)

(； ﾟωﾟ)「オギコのセリフをブツブツ言ってるー！！」

ξ;ﾟ�听)ξそ「いきなりどうしたの！？」

(； ﾟωﾟ)そ「ハッ!!な、何でもないお」

44 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:32:24 ID:CoWgozZgO

ξ;ﾟ�听)ξ「びっくりしたー。いきなり桓騎軍の千人将の名前を叫ぶんだもの…」

(；＾ω＾)「知ってるんだ…」



＜ｼﾞﾝｾｲﾉﾄｸﾄｳｾｷﾉﾆｭｳｼﾞｮｳｦ〜



ξﾟ�听)ξ「あ、始まるみたいね。行こっ」

(；＾ω＾)「う、うんお」


(A@ｰ )〜「ﾄﾝｷｮｳﾀﾞｲ…ﾊｼﾞﾒﾃ…」


(；＾ω＾)(同じ映画だお…)


そして


(@A@)(；∩ω∩)(隣同士ー！)


奇しくも座席が連なった


ξﾟ�听)ξ「そうだ忘れてた！ポップコーンとジュース買ってくるね！何がいい？」


通路側の彼女が立ち上がる


(；＾ω＾)「んと、メロンソーダで」

ξﾟ�听)ξ「メロンソーダね。りょーかい」





(；＾ω＾)「…」

(；＾ω＾)「で、なんで先生がここにいるんですかお…」

(ｰ@A@)「映画観に来たんだよ言わせんな恥ずかしい」

47 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:36:26 ID:CoWgozZgO

(ｰ@A@)「しかし名作だぜ…もうこれで三回目だ…昨今のアニメ映画ならフィルム貰えんじゃねえの？」

(；＾ω＾)「どんだけ観てるんですかお…てかこの席順は絶対に狙ってましたおね？」

(ｰ@A@)「まぁそう邪険に扱わんでくれよ。ちゃんとサポートに来たんだからよ」

(；＾ω＾)「治療はいつ施してくれるんですかお？」

(ｰ@A@)「それは指示した通りの時間だ。ちゃんと行けよな」

(ｰ@A@)「どら、ちょっと診てみるか」


('A`)つ-@-@ ﾁｬｯ


(；＾ω＾)「ここでですかお？」

('A`)「なぁに、あのデブさんみたいなツインテールの彼女が帰って来る前に済ませてやる」

(　＾ω＾)「おいマミさんの事をデブって言うな」

('A`)「……ん、オーケィ。とりあえずは順調だ。夜まで温存しとけよ」

(；＾ω＾)「その…夜になったら」

('A`)つ-@-@「お喋りはここまでだ」

(ｰ@A@)「帰ってきたぞ」

(；＾ω＾)「っ…」




それ以降、映画館で会話をする事は無かった

48 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:37:08 ID:CoWgozZgO

その後、内藤の受難はなんやかんや続いたが、尺の都合上割愛させていただく


ただ一つ言える事は


その災難の半分は『鬱田』によってもたらされたものであった


(ｰ@A@)「わっり」

(　＾ω＾)「殺すぞクソメガネ」

49 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:38:12 ID:CoWgozZgO

そして、夜


ﾄﾞﾄﾞﾝﾄﾞﾄﾞﾝﾄﾞﾝ!!『＼汗　明／　公　園』


(；＾ω＾)「…」

ξﾟ�听)ξ「…」


昼間は小学生や子連れで賑わう公園も、夜になると閑散としている

満月と、尽きかけの街灯だけが辺りを照らしている


(；＾ω＾)(こ、こんな場所で何を治療するってんだお…)


ベンチ、遊具、公衆トイレ
一見、何の変哲もないただの公園だ
だからこそ、内藤の不安は加速した


(；＾ωﾟ)「ｸﾞｯ…」


欲望の抑制も、ピークに近い
いつの間にか、鬱田ドクオの姿も消えている


ξﾟ�听)ξ「…ねぇ、ブーン」


夜空を見上げながら、彼女が話しかけてくる
その声だけでも、濃厚な媚薬をゆっくりと流し込まれる感覚に支配される


(；　ω　)「なんっ、だお…ツン」

ξﾟ�听)ξ「ねぇ、今日は無理してない？あなた朝から何かおかしいわよ？」


彼女の目が
彼女の鼻が
彼女の口が
彼女の髪が
彼女の耳が
彼女の体が
内藤の劣情を加速させる

50 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:38:54 ID:CoWgozZgO

ξﾟ�听)ξ「ねぇ、悩み事があるなら話してよ。辛そうなあんた見てると…その…」

ξ �� )ξ「こっちまで辛くなっちゃうじゃない…」


俯いて、声を震わせる彼女


(；　ω　)「…ツ」


『犯　せ』


(； ﾟωﾟ)「ッ！？」


内藤の頭の中で、得体の知れない声が響いた


『いい女じゃないか…初々しくて良い』

『こういう女を無理やり犯すのが、僕は一番好きなんだ』


：(； ﾟωﾟ)：「だ…れだ…お…」

ξ;ﾟ�听)ξ「ブーン…？」


『スレンダーな体型だな。肉付きは余り良くないが…肌はキレイだ。ふやけるまでしゃぶりつくしてやりたい』

『胸は控えめだが、そういう女もまたいたぶりがいがある』

『さぁ、ヤれよ。お前の欲望を開放しろ』


(； ﾟωﾟ)「お…あ…」


声が響く度に、体の制御が効かなくなる
呼吸は小刻みになり、口からは涎が流れ出る
動悸は激しくなり、体内が燃えるように熱くなる

51 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:39:35 ID:CoWgozZgO

『さぁ！！犯せよ！！服を剥ぎ取って挿入ちまえ！！』


(； ﾟωﾟ)「ハァー！！ハァー！！ハァー！！」


『突きまくって膣で出せ！！お前の子種を孕ませろ！！』


ξ;ﾟ�听)ξ「ブーン！？どうしたの！！どこか痛いの！？」


『セックスは男の価値だ！！ステータスだ！！強さだ！！ヤれねえ男に価値はない！！』

『女はそれを受け止める義務がある！！童貞思考で躊躇するんじゃあ無い！！』


(； ﾟωﾟ)「ハァー！！ハァー！！」


『声』が思考を支配する
理性を奪われていく


ξ;ﾟ�听)ξ「ブーン！！ねえ！！」

彼女の手が、内藤の肩を掴む


(　　ω　)「」


瞬間


『今　だ』


意識が、飛んだ

52 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:43:37 ID:CoWgozZgO

(； ﾟωﾟ)「…」


気が付いた時には


ξ;ﾟ�听)ξ「…」


彼女を、押し倒していた


『ヤれ！！ヤれ！！ヤれ！！ヤれ！！』


(； ﾟωﾟ)「フッ、フゥッ！！フゥッ！！」ｶﾁｬｶﾁｬ


声に後押しされ、ベルトのバックルを外す


ξ;ﾟ�听)ξ「えっ、ちょっと！！ブーン！！」

(； ﾟωﾟ)「いっ、いいおね、ツっ、ツン」

ξ;ﾟ�听)ξ「やめて！！やめてってば！！」


もはや、流されるがままであった


(； ﾟωﾟ)「つ、辛い、んだお。たっ、助けてくれっ、お」

ξ;ﾟ�听)ξ「イヤッ！！ブーン！！いつものブーンに戻ってよ！！」





ξ;��;)ξ「ブーン！！」

54 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:44:51 ID:CoWgozZgO

(　 ﾟωﾟ)







.

55 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:45:31 ID:CoWgozZgO

(； ﾟωﾟ)「何を…やっているんだ…」

(； ﾟωﾟ)「僕は！！」


ξ;��;)ξ


彼女が、泣いている
何よりも、笑顔が可愛い彼女が
傷つけないと、自らに誓ったはずだ



(＃ ﾟωﾟ)(そ　れ　が　こ　の　様　か　ッ　！　！)



内藤は激怒した
不甲斐ない自らに対して

そして憎んだ
醜い『声の主』を


自らを蝕む『悪霊』をッ！！



『どうした？早くその女を』

(＃ ﾟωﾟ)「黙れッ！！」

『なっ…？』

(＃ ﾟωﾟ)「僕は、僕はッ！！お前なんかに従わないおッ！！」


ξ;��;)ξ「ブ……ン？」


(＃ ﾟωﾟ)「何が価値だ…ステータスだ！！強さだッ！！」

(＃ ﾟωﾟ)「テ　メ　ェ　の　吐　く　言　葉　は　ク　ソ　溜　め　以　下　だ　ッ　！　！」


『き、さま…ッ、言わせておけば…』


(＃ ﾟωﾟ)「僕は彼女を！！ツンを守るおッ！！」

56 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:46:19 ID:CoWgozZgO

「シチュエーション、悪霊の位置、人払い、そして『拒絶の意志』。オールクリアだ」



「頼むぜ、ハインッ！！」



.

57 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:48:56 ID:CoWgozZgO

从 ﾟ∀从「はいよォ！！」

上空から『ナース服を着た悪魔』が地上に降り立ち
同時に、ナースキャップをむしり取った

从 ﾟ∀从「ビコーズ！！『LOCK』！！」

ｗ( ∵)ｗ「ｺﾞｴｴｴｴｴ!!」

その中から、丸い蝙蝠が一羽飛び立ち、内藤の頭に止まり

(＃　ω　)「ッ！！」

広げた翼で、彼の体を『硬直』させた

从#ﾟ∀从「オラァッ！！」

すかさず、内藤の背中に文字通り拳を『叩き込む』
端から見れば、体を貫いているように見えた

ξ;��;)ξ「ﾋｯ…」

ツンが、短く悲鳴を上げたが意に介さない

从#ﾟ∀从「さぁ、出て来な！！悪霊野郎ォォォーッ！！」

ずるり、ずるり
徐々に腕が引き抜かれていく
そこには、血の一滴も付着しておらず
内藤の胸にも傷らしきものは見当たらない
ただ、その手には


『見えない何か』が握られていた


从#ﾟ∀从「…ッラァ！！」

腕を完全に引き抜くと

「!!ｴｴｴｴｴｺﾞ」ｗ(∴ )ｗ

ナースキャップから逆さまの蝙蝠が飛び立ち、その手に止まった

从#ﾟ∀从「ゼアフォーッ！！『MARK』！！」

瞬間、空間に紫電が走る
その正体が、露見する

58 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:52:34 ID:CoWgozZgO

　　　「」


　∀　「」


　∀･)「」


(;･∀･)「」




血と重油を混ぜたような、ドロリと濁った『黒い人間』
頭から同じ色の液体がとめどなく流れ出て、体を伝わり、地面へと吸い込まれるように消えていく


ξ;��;)ξ「なに…これ…？」


呆然と呟く彼女に、ハインは至極簡単に答えた


从 ﾟ∀从「『悪』だよ」

从 ﾟ∀从「ﾊﾞｯﾁｲ」ﾎﾟｲｯ

59 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:53:16 ID:CoWgozZgO

(ｰ@A@)「『倉石モララー』…うん、本人だな」


暗闇の奥から、カルテを持った鬱田が現れる


从#ﾟ∀从「思った通りのゲス野郎だぜ…さっさとぶっ殺そう！！」

(ｰ@A@)「待て待て、物事には順次ってもんがあるだろ。まずは内藤の『LOCK』を解除しろ」

从#ﾟ∀从「…はいよ」


ハインが指を鳴らすと、ビコーズと呼ばれた蝙蝠は頭から離れ、ゼアフォーと共にキャップへと戻る
同時に、内藤は膝から倒れ込んだ


(ｰ@A@)「よっ、と」


その体を、鬱田が支えた


(　　ω　)「…」

(ｰ@A@)「…ちょっぴりヤバかったが、いい啖呵だったぜ」

(ｰ@A@)「なかなか見事な大炎であったぞ内藤！！」

(ｰ@A@)∩ ｸﾞｯ

(#ｰ@A@)「勝ち鬨じゃあぁ！！」



(#ｰ@A@)「うおおおおお！！」



从#ﾟ∀从「オイ」

(ｰ@A@)「分かったもう止める」

60 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:54:21 ID:CoWgozZgO

(ｰ@A@)「悪いが、そこの胸が貧相なお嬢さん。あんたの男、受け取ってくれるか？」

ξう��;)ξ「殺すぞクソメガネ」

(;ｰ@A@)「ええー…カップル揃って同じ悪口言われたよ…」


ピクリとも動かない内藤をゆっくり受け渡す

(　　ω　)「」

ξ;ﾟ�听)ξ「ね、ねぇ…大丈夫なの？」

(ｰ@A@)「俺の嫁(巨乳)の悪霊摘出術は世界ィィィ一ッ！！命や精神に異常は無いッ！！」

从*ﾟ∀从「や、やめろよ…照れるだろ…」ﾃﾚﾘｺ

ξﾟ�听)ξ「殺すぞクソ共」

(;ｰ@A@)「こええ…これだから貧乳は…」

ξﾟ�听)ξ「白亀西と同じ目に合わせてやろうか？」

(ｰ@A@)「すまんかった」


( ･∀･)「…」


(ｰ@A@)「さてと、倉石モララーさんよ。アンタには一つの運命と二つの選択肢がある」


( ･∀･)「…」


(ｰ@A@)「あんたはこれから地獄へ行き、長い年月をかけて罪を償って貰う。想像を絶する苦痛を味わいながらな」

(ｰ@A@)「素直に従うとならば、ちょいとばかし罪は軽くなる。だが、抵抗するならば」


(ﾉ@A@) ｽｯ


('A`)つ-@-@ ﾁｬｯ


('A`)「この俺が直々に地獄へ叩き落としてやる」

61 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:55:50 ID:CoWgozZgO

( ･∀･)「……聞いたこと、あるぜ」

( ･∀･)「俺たちみたいな奴らを探して、狩ってる『悪魔』共がいるってな」

('A`)「狩ってんじゃねえ。『治療』だ」

从 ﾟ∀从「趣味にしてる奴もいるけどな」

(;'A`)「『C2』な…あいつはただのキチガイだろ…」



(　∀ )「クク、ククク…」



(*･∀･)「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ！！凄いや！！僕はなんて幸運なんだ！！」


狂ったように笑い、黒い液体が更に分泌される


('A`)「幸福？ほぉ？一体何が幸福なんだ？」

(*･∀･)「何が！？何がだって！？わかんねえのかマヌケ！！」

(*･∀･)「野郎くせえ豚箱で死んでから、幽霊となって女とヤれた！！垢抜けねえガキに取り憑いて！！乳くせえ女を孕ませる！！しかもサツには目を付けられねえ！！これを幸福と言わずなんと言うんだい！！」

62 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:56:12 ID:CoWgozZgO

ξ;ﾟ�听)ξ「最低…信じらんない」

(*･∀･)「いい顔だねお嬢ちゃん！！そんな顔をしてきた女を犯すのがたまらない快感なんだ！！」

(*･∀･)「それに…ハハッ、ここで君たちを屈伏させれば、僕は『悪魔』をも犯す事が出来る！！こんな幸せ他にあるか！？嗚呼、楽しみだなぁ！！君はどんな顔で泣き( A )「も　う　い　い」



重く冷たい、その一言で



( ･∀･)「っ…」

倉石モララーは押し黙り

ξ;ﾟ�听)ξ「ﾋｯ…」

ツンは恐怖に息を飲み

从*ﾟ∀从「ﾎｩ…」

ハインは恍惚のため息を吐いた



( A )「ふざけやがってクソ野郎が…お前今なんてった？悪魔を？犯す？」

( A )「悪魔って…お前…その…ハインのことじゃあ、無いよな？」

(;･∀･)「はは…この中で悪魔と言ったら彼女しか(#ﾟ#A#ﾟ#)「殺　す」


(;･∀･)そ「！？」

ξ;ﾟ�听)ξそ「ヒィ！」

从*ﾟ∀从「ﾎｧｱ…」


凄い顔だった
顔には血が登り、そこら中に青筋が浮き出、目は血走っていた
それはまさに、人の想像する中で最も醜悪な



『悪魔』、そのものであった

63 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:58:48 ID:CoWgozZgO

从 ﾟ∀从「ドークオ、落ち着いて」


(#ﾟ#A#ﾟ#)「…」

(∩A∩)「…」

('A`)「…」


('A`)「お前の、答えは分かった。倉石、モララー」

('A`)「死ね、倉石。もう一度、今度こそ」



('A`)「地獄へと堕ちろ」





『執刀開始』

64 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 01:59:33 ID:CoWgozZgO

从 ﾟ∀从「よっと」


背負ってきたのメスを地面に突き立てる


('A`)「…」


鬱田が柄を握り締めると、ハインの姿がメスへと吸い込まれた
同時に、変化が訪れる


柄の形状が、扁平から円柱形へと変形し、色は徐々に朱に染まっていく
刃は反り返り、鋭さを増す


その姿は、もはや『メス』と呼ぶにはあまりにも禍々しかった


('A`)「…執刀具、『王騎』」


地面から引き抜いたそれは、『矛』であった


(;･∀･)「……どっかのデビルハンターよろしく、リベリオンでも持ち出すかと思えば、ずいぶんシブいモン用意するじゃあ無いか」


倉石は、悪霊になって忘れていた感情を久しく思い出した


『危機感』だ


冷たい刃を首筋に当てられたような
銃口を眉間に突きつけられたような
胸をゾクリと撫でる感覚は
人の目につかない存在となってからは、味わっていなかった

65 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:00:21 ID:CoWgozZgO

('A`)「お前らを唯一ぶっ殺せる『悪魔を込めた武器』だ。その形状は、使用者の魂を映し出す」

('A`)「行くぜおい…！！」


矛を片手に、倉石へと駆け出す


( ･∀･)「マヌケが…霊がッ！！お前らに攻撃出来ないとでも思っているのかッ！！」


『霊』は、物理的に現世の物体に干渉出来る
金縛りや、首締めが有名な例として挙げられる


ある幽霊は、本屋で雑誌を切り抜いたり、包丁で悪人を刺したり
券売機から取り出した金で新幹線の切符を購入するなど、生きている人間と変わらない行動をとった


倉石モララーも例外ではない


( ･∀･)「出て来い…」


『悪霊』は、重ねた罪の数だけ強力になる
金縛りや、首締めなどを凌駕した『進化した攻撃』を放つ事が出来る


倉石の場合はッ！！


( ･∀･)「『孕ませ散弾銃』ッ！！」


ショットガンを産み出す能力を持っていたッ！！

66 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:01:33 ID:CoWgozZgO

倉石の周囲から、大量のダブルバレルのショットガンが生成される
銃口は全て、鬱田へと向けられていた


( ･∀･)「『Bang』」


その言葉を口火に
散弾銃が一斉に火を吹いた


('A`)「ッ！！」


亜音速で放たれた『漆黒の弾丸』が、八方から鬱田へと襲いかかる
弾丸が地面を突き刺し、舞い上がった砂埃が辺りを染めた



( ･∀･)「はい、おしまい」

68 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:05:50 ID:CoWgozZgO

ξ;ﾟ�听)ξ「嘘……あっけなさ…過ぎる…」


勝負は、一瞬で終わった
『多数のショットガン』と『一本の矛』では、戦力差が段違いだ
いくら矛のリーチが長くとも、飛来する鉛玉にはかなわないだろうと
いくら矛の切れ味が良くとも、散弾の威力には届かないだろうと


( ･∀･)「な〜んだ、てんで弱いじゃあないか。楽しめなくなるから、殺すつもりは無かったけど…ま、しょうがないよね。正当防衛っと」


誰もが、そう思うであろう


( ･∀･)「さ、ツンちゃん。続きを―――」


『一人』を除いては

69 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:08:30 ID:CoWgozZgO

「オラァッ！！」


砂埃から銀の刃が飛び出す


(;･∀･)そ「あぶッッ！！」

咄嗟に散弾銃を交差させて防御する
巨大な風圧が、砂埃を一掃した





('A`)「そんな豆鉄砲じゃあ、俺は殺せねーぜ？倉石」

(;･∀･)「うっ、そだろ…？」


鬱田ドクオ、今だ生存ッ！！


('A`)「ずいぶん軽い弾だったようでな、矛の一振りで全部飛んでったわ」

(;･∀･)そ「バケモンかよお前！！」


姿を隠す異常な量の砂埃は、鬱田が起こしたものだった
圧倒的風圧を持ってして、散弾を全て吹き飛ばしたのだ


('A`)「『剣は銃より強し』、ンッン〜名言だなこれは」

矛を持つ両腕に力を込める

(;･∀･)「ｸﾞｯ…」

('A`)「オラ、てめーのその貧相なイチモツで俺をイかせてみろや」

70 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:09:11 ID:CoWgozZgO

(;･∀･)(こいつ…なんて力だッ！！)


一見、痩せているように見えるこの男からは、想像出来ない程の力で矛を押し込んでくる
刃が徐々に、倉石へと迫る


(;･∀･)(だがお前の負けだッ！！クソ白衣野郎ッ！！)


鬱田の両脇、背中へとショットガンを生成
間髪入れず撃鉄が打ち下ろされた


(;'Aﾟ)∴「ぐふッ！！」


複数の弾丸が鬱田のわき腹、背中へと炸裂する
白衣が弾け飛び、口からは血を吐き出した


(;･∀･)「ハハッ！！人間風情が！！この俺に逆らうからだッ！！」


倉石は、今度こそ勝利を確信した


が


(;･∀･)そ「なっ…ッ！！」


矛の重みは、更に増した


(;'Aﾟ)「…ｺﾞﾎﾟｯ」

(;･∀･)「嘘だろ！！致命傷じゃねえのか！？」

71 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:09:56 ID:CoWgozZgO

(;'Aﾟ)「お前…女を孕ませることが…生きがいだったそうだな…」

(;･∀･) ｿﾞｸｯ


顔色は悪く息も絶え絶え
『虫の息』と呼ぶに相応しい状態だ


(;･∀･)(なのに！！何故！！)

(;･∀･)(これほどまでに恐ろしいのだ！！)


(;'Aﾟ)「強姦だろうが何だろうが…平気で行い…何人もの女性を妊娠させた……それが男の強さだと…お前はそう妄信していた…そうだな…？」


途切れ途切れの語りかけが、尚も倉石の恐怖を加速させる


(;･∀･)「あ、ああ！！そうさ！！男の価値は『どれだけの女を抱いたか』で決まる！！古来よりずっと！！強者は沢山の女を孕ませてきた！！僕もそれに倣っただけだ！！女は、男の価値と子どもを産み出すだけの『贄』なんだよ！！」

72 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:11:22 ID:CoWgozZgO

(#'Aﾟ)「片腹痛いわッ！！」


矛が強く押し込まれる
倉石の脚は限界を迎え、膝を着いた


(;･∀-)「ぐあ…っ！」


(#'Aﾟ)「お前の言う強さはただの暴力だッ！！唾棄すべき行為だッ！！いいかよく聞けクソ野郎ッ！！」



(#ﾟAﾟ)「『男の強さ』ってのはッ！！どれだけ女を愛せるかってことなんだよッ！！」



矛を防ぐショットガンの銃身に、ヒビが入る


(;･∀･)そ「ッ！？」


(#ﾟAﾟ)「何故お前がッ！！内藤を完全に操れなかったと思う！！それはッ！！あいつがッ！！」

(#ﾟAﾟ)「彼女を愛する強さを持っていたからだッ！！」


刃の切っ先が、倉石の額に触れた


(;･∀･)「ま、待ってくれ！！」


(#ﾟAﾟ)「何故俺がッ！！こうしてお前を追い詰めていると思う！！それはッ！！お前がッ！！」

(#ﾟAﾟ)「俺の愛する女を傷つけようとしたからだッ！！」


額に触れた刃が、黒い肉へとめり込み始める


(;･∀･)「ま、待て待て待て待て待て！！やめろッ！！」

74 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:14:37 ID:CoWgozZgO

(#ﾟAﾟ)「お前の敗因はたった一つ！！たった一つのシンプルな答えだァァァー！」


(;/∀･)「ま」


(;/　/∀･) ズパァッ！！


矛が、倉石の頭を、体を、完全に両断し、地面を砕いた

75 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:15:21 ID:CoWgozZgO

(#ﾟAﾟ)「『テメーは漢を怒らせた』」







.

76 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:16:36 ID:CoWgozZgO

(;/　/∀ )「ｱ……ｳｱ……」


切り裂かれた断面からは、黒い液体が噴水のように吹き出し、辺りを濡らした
牢獄で死んだ時と同じ様な、『死の実感』が、倉石を蝕み始める


(;'A`)∴「ｺﾞﾎｯ」


鬱田は再び血を吐き出し、倒れ込みそうになる体を、矛で支えた


(;'A`)「仕上げ…だ…」


鬱田が矛から手を離すと、反り返った刃は真っ直ぐに戻り
円柱型の柄は扁平へと形を変え


从 ﾟ∀从


そこから、ハインの姿が吐き出された


从 ﾟ∀从「ビコーズ！ゼアフォー！『GATE』！！」


ｗ( ∵)ｗ「ｺﾞｴｴｴｴｴ!!」「!!ｴｴｴｴｴｺﾞ」ｗ(∴ )ｗ


辺りを飛び回っていた二羽の蝙蝠は、左右に分かれ口を大きく開いた
その間に、赤黒い空間が出来上がる


从 ﾟ∀从「悪霊一名様、我が故郷にごあんな〜い♪」


倉石の体、吹き出す液体
『悪』の全てが、『地獄の門』へと引きずり込まれていく


(;/　/∀ )「ﾔﾍﾞ……ﾃﾞ…ｸﾞ……ﾚ……」

从 ﾟ∀从「『やめてくれ？』お前が一度でも『やめて』と言った女達を見逃したことあるのか？」

从 ﾟ∀从「因果応報ってヤツだ。精々、地獄で悔い改めるんだな」

77 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:17:26 ID:CoWgozZgO

(;/　/∀ )「ｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ……」


倉石は、断末魔を上げながら空間へと吸い込まれていき
この世から姿を消した


从 ﾟ∀从「『GATE』解除」


ｗ( ∵)ｗ「ｺﾞｴ」「ｴｺﾞ」ｗ(∴ )ｗ


蝙蝠が口を閉じると、赤黒い空間はぷっつりと消え
二羽はナースキャップへと戻っていった


从 ﾟ∀从「…バーカ、かっこつけやがって」


ボロ雑巾のような鬱田を一瞥し、呆れたため息を吐く


(;'∀`)「へへ…惚れ、直した…」

(; ∀ )「か……」ｸﾞﾗﾘ

从 ﾟ∀从「っと」


倒れかかった鬱田を、優しく抱き止めた


从 ﾟ∀从「全く…」

从*ﾟ∀从「元から上限いっぱい惚れてるっつーの」

78 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:18:12 ID:CoWgozZgO

(；　ω　)「ん…む…」

ξ;ﾟ�听)ξそ「ブーン！！」

(；＾ω＾)「ツ…ン？」


タイミングよく、内藤が目を覚ます
二度三度と瞬きを繰り返し、ハッと状況を思い出した


(；＾ω＾)「ツ、ツン！！そうだ、悪霊は！？治療は！？」

从 ﾟ∀从「おー、もう全部終わったところだぜー」

(；＾ω＾)「終わった…？いつの間に？」

(；＾ω＾)そ「って先生血まみれじゃないですかお！？一体何があったんですか！？大丈夫なんですかお！？」

从 ﾟ∀从「んあー、平気平気。結構頑丈に出来てるから」

从 ﾟ∀从「でも、一応治療はしなきゃダメだから、俺らはもう帰るな。来週、二人で診療所に来な。経過を診てやるから」


Ｗ从 ﾟ∀从Ｗ ﾌﾞﾜｯｻｧ


鬱田を抱え、背中の翼を広げる


Ｗ从 ﾟ∀从Ｗ「コイツに比べりゃあだいぶ劣るが、アンタもいい漢だったぜ。ツンちゃん、大切にしろよ」

(；＾ω＾)「は…はいお」


ハインは二人に笑いかけると、翼を羽ばたかせ、月夜に飛び去っていった

79 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:20:42 ID:CoWgozZgO

(；＾ω＾)(誰だろうあのナースさん…)

ξ �� )ξ「ねぇ…」

(；＾ω＾)そ「ツン！！さっきのはその…深いワケが」





ξ �� )ξ「あたしのこと、好き？」





(；＾ω＾)「……」

(　＾ω＾)「…」



(　＾ω＾)「好きだお。世界で一番、君が大切だお」



ξ* �� )ξ「…ん、そっか」

ξ*ﾟ�听)ξ「じゃあさっきのは許したげる」

(；＾ω＾)「ほ、本当かお？」

ξ*ﾟーﾟ)ξ「フフ、私も好きよブーン」

(* ＾ω＾)「お……」

ξ*ﾟ�听)ξ「帰ろっか」

(* ＾ω＾)「うんお！」



二人は手を繋ぎ合った
昼とは違い、下劣な欲望は無く
代わりに、胸いっぱいの幸福が、内藤とツンを満たしていった

80 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:24:53 ID:CoWgozZgO

―――――
―――
―




その後の事を、少し話そう

あれから、二人の恋愛は劇的なまでに改善され、清く正しい青春を送っている
学校では、『今年一番爆発して欲しいカップルコンクール』に選ばれたそうだ。何そのコンクール？アッシュフォード学園生徒会が企画したの？


俺の怪我は大した事なく、今では痛みも無く生活出来ている
ハインの献身的な介護の結果だろう。スピードワゴンが見舞いに来たらクールに去るくらいのヤツ


ひんに……ツンちゃんはハインと仲良くなり、暇を見つけては内藤…ブーンと二人で、時には一人で診療所に遊びに来る


ハインの正体が悪魔だと言うことは、二人とも既に認知しており、ツンちゃんに関しては「悪魔と友達なんて刺激的じゃない！！」とのこと


お互い、主に彼氏の愚痴を言い合っているそうだが、その顔はとても幸せそうで俺の股間がﾄﾞﾄﾞﾝﾄﾞﾄﾞﾝﾄﾞﾝ!!＼汗明!!／


それと、今回は治療費を受け取らない事にした

ブーンは申し訳なさそうな顔してたけど、金を持ってねえ高校生からは受け取れないと断った

もとより、地獄の方から成功報酬が振り込まれるからな

81 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:25:42 ID:CoWgozZgO

なぁ、これを読んでいるそこのあんた

最近、いやーな衝動に悩まされてないか？

盗みに殺しに放火に強姦…それらの犯罪的衝動は、あんたに巣くう『悪』が原因なのかもしれない

一度、診療所に来てみないか？

場所は…さっき言ったよな

VIP駅から徒歩数分、居酒屋『榊』の裏

『犯罪撲滅科Ｄ&Ｈ』だ

82 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:28:13 ID:CoWgozZgO

この俺と、世界一かわいい悪魔が

あんたを治してやるからよ

84 名前：名も無きAAのようです[] 投稿日：2012/11/24(土) 02:30:18 ID:CoWgozZgO

『(ｰ@A@)犯罪撲滅科Ｄ&Ｈのようです』





おわり

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