ξ゚听)ξ幽霊裁判が開廷するようです

エピローグ

19 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:13:00 ID:KoL7RGjsO



 エピローグ


.

20 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:14:35 ID:KoL7RGjsO

ミセ*゚ー゚)リ 〜♪

||‘‐‘||レ「いいお天気ですね」

ミセ*゚ー゚)リ「うん」

 4月。
 ヴィップ総合病院。

 ミセリを乗せた車椅子を、看護師がゆっくり押していく。

||‘‐‘||レ「もっと暖かくなったら、向こうで桜がたくさん咲きますよ」

ミセ*゚ー゚)リ「へえー。早く見たいな」

 かたかた。アスファルトの上を車椅子が進む。
 病院の正門に辿り着くと、ミセリは表情を一層明るくさせた。

21 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:15:58 ID:KoL7RGjsO

ミセ*゚ー゚)リ「ロマ!」

 ∧ ∧
( ФωФ) ニャア

 門の前に、小太りの猫が佇んでいる。
 おいでとミセリが声をかけるが、猫は欠伸をすると、尻尾を揺らして立ち去った。

ミセ;゚ー゚)リ「あー、つれない奴」

||‘‐‘||レ「いつも来てくれてるじゃないですか」

ミセ*^ー^)リ「……んふふ。退院したら、一緒に住むの。ちゃんと約束したんだから」

||*‘‐‘||レ「ふふ、じゃあ早く退院しないといけませんねえ」

ミセ*゚ー゚)リ「だよねえ。待っててねロマー」

 まるで返事をするかのように少し遠くから「にゃあ」と聞こえたので、2人は一緒になって笑う。

 ミセリの手には、かつて自分が書いた「契約書」が大事そうに握られていた。



*****

22 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:17:36 ID:KoL7RGjsO


(*><)「こんなもんですね!」

 窓辺にクッションを敷き詰め、わざわざ遠出してまで買ってきた少し高価な食器を並べる弟を、
 ワカッテマスは珍妙なものを見る目で眺めた。

( <●><●>)「何ですかそれは」

( ><)「だって今日ぽぽちゃんが帰ってくるんですよ! ちゃんとお迎えしないと」

( <●><●>)「いや、そっち。クッションの横の」

( ><)「猫じゃらしとボールとネズミのおもちゃと……」

( <●><●>)「なに考えてんですか?」

( ><)「だってぽぽちゃん、猫なんでしょう? きっと喜ぶと思うんです」

( <●><●>)「猫ですけど、もう人の姿で固定されてるって言ってましたよ?」

( ><)「でもおもちゃで遊ぶことは出来るんです!」

( <●><●>)「見た目は大人のお姉さんですよ……猫じゃらしにじゃれつく姿見たいですか……?」

(*><)「ぽぽちゃんならきっと可愛いんです」

( <●><●>)(弟が変な趣味に走りませんように)

23 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:18:46 ID:KoL7RGjsO

(*><)「さて、僕はぽぽちゃんのためにご馳走の用意するんです!」

( <●><●>)「何か手伝いましょうか」

( ><)「もう仕上げるだけなので大丈夫ですよー」

 台所に向かうビロードを見送り、ワカッテマスは横になった。

 ──ぽぽちゃんは、弁護士が言った通り、軽い罪で済んだ。
 ドクオに脅されていたことや、結局ビロードを彼に渡さなかったこと、
 そもそも渡す気が失せていたことが主な理由だ。

 裁判ではロマネスクがぽぽちゃんの通訳に駆り出されたので、
 にゃあにゃあにゃあにゃあ可愛らしい鳴き声が飛び交うファンシーな審理だった。
 あんな裁判を傍聴するのは、後にも先にもないだろう。

24 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:20:35 ID:KoL7RGjsO

 裁判の後、この部屋の霊道とやらを正常な状態に戻す作業が行われた(らしい)。
 しかし既に受けた影響が消えることはなく、ワカッテマスは相変わらず室内と時間限定で霊が見えるし、
 ビロードも霊感を失わないままだ。

 ぽぽちゃんがいない間、夜中に1人になったビロードがおばけに怯えてしまうのではないかと心配していたが、
 寧ろ最近は精神的に逞しくなってきたので、結果オーライかもしれない。

( <●><●>)(昼寝しますかね)

 携帯電話のアラームを設定し、ワカッテマスは目を閉じた。
 今夜もアルバイトがあるので仮眠をとりたい。
 さすがに勤務時間が来る前には、ぽぽちゃんも帰ってくるだろう。

 眠って、ぽぽちゃんを迎えて、ビロードの作るご馳走とやらを食べて、
 今夜も元気に女どもを口説き落として稼いでこよう。



*****

26 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:21:41 ID:KoL7RGjsO

  _
(*゚∀゚)「姉者先生!」

∬´_ゝ`)「あ、ジョルジュ先生。こんにちは」

 スーパーの中でばったり同僚と出会い、姉者はにっこり微笑んだ。
 ジョルジュは何やら胸を押さえてきゃあきゃあ騒いでいる。

l从・∀・ノ!リ人「ジョルジュせんせー、奇遇なのじゃ」

( ´_ゝ`)「おお、妹者のクラスの先生か。うちの妹者たんがお世話になってます」
  _
( ゚∀゚)「妹者と……ああ、上のお兄さんだね。
     はじめまして。これから長い付き合いになるね、よろしく」

( ´_ゝ`)「うわーうちの家族になる気満々だよ妹者から聞いた通りだよ姉者逃げろ」

∬´_ゝ`)「なにが?」

 ジョルジュはたまに独特なセンスの発言をするので面白い。

29 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:23:02 ID:KoL7RGjsO

  _
( ゚∀゚)「みんなで買い物とは仲いいなあ。パーティー? 誰かの誕生日ですか?」

 買い物カゴいっぱいに入った食材を見て、ジョルジュが問う。
 その質問に、姉者の頬が緩んだ。

∬*´_ゝ`)「お友達が来るんです」
  _
( ゚∀゚)「お友達?」

l从・∀・ノ!リ人「出連さんなのじゃ」
  _
( ゚∀゚)「出連……ああ、弁護士の」

∬*´_ゝ`)「ツンちゃん、いっぱい食べるから作り甲斐があるんですよ。
      美味しそうに食べてくれるし、見てて嬉しくなっちゃって」

( ´_ゝ`)「はいはい姉者、早く準備しないと出連さんが来るのに間に合わなくなるぞ」

∬*´_ゝ`)「あっ、そうね、さようならジョルジュ先生」

 なかなか顔が締まらない。
 飲み物を選ぶため、踵を返した。

30 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:25:06 ID:KoL7RGjsO


 ──すぐには付いていかず、その場に残った妹者は
 今年度も世話になる担任へありがたい助言を授けることにした。

l从・∀・ノ!リ人「ジョルジュ先生、一番の敵はちっちゃい兄者ではなく
       出連さんだということを覚えておくといいのじゃ。
       日を増すごとに姉者は出連さんと仲良くなるし出連さんは餌付けされるし」
  _
( ゚∀゚)「マジかあ……勝てるかな俺……」

l从・∀・ノ!リ人「正直言うと無理じゃの」



*****

33 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:26:55 ID:KoL7RGjsO


 ──カンオケ神社。

 ギコは拝殿を出ると、靴を履き、拝殿の中へ一礼した。

(,,゚Д゚)「それじゃあ連れていくわね」

【+  】ゞ゚)「ああ、気を付けてな」

川 ゚ 々゚)「ばいばーい」

 オサムの膝に乗ったくるうが、ぶんぶん手を振る。
 それを真似て、オサムもひらひら右手を振った。

(*,゚Д゚)「もー、相変わらずラブラブなんだから」

(;*´・ω・`)「まったくですよ」

 竹箒を抱えた禰宜、ショボンがギコの後ろで溜め息をつく。
 ああいやらしいいやらしいと呟きながらも目はばっちりオサム達に向けられている。

34 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:28:34 ID:KoL7RGjsO

【+  】ゞ゚)「刑事はそういう相手はいないのか」

(*,゚Д゚)「えー、あたし? それがいないのよねえ……ショボンさん、どう?」

(;*´゚ω゚`)「ええっ! そんな! ぼ、僕なんかが女性と、そんな、つ、付き合うって、そんなあっ!!」

(;,゚Д゚)「あっ、ちょっ、ショボンさん!!」

 思う存分どぎまぎして、ショボンは社務所へ走り出してしまった。
 鼻を押さえていたが、鼻血が出たのだろうか。
 大丈夫だろうか。色んな意味で。

【+  】ゞ゚)「……刑事が男だということを、教えてやった方がいいのか悪いのか、未だに悩んでいる」

川 ゚ 々゚)「見た目で気付かないのが悪いと思うの」

(,,゚Д゚)「しぃが女だっていうのは言わないでおいてね、嫌な予感しかしないから。本当に」

 改めてオサム達に挨拶し、拝殿の戸を閉める。

 ギコは伸びをして、後ろで待つ女性へ振り返り、微笑んだ。

(,,゚Д゚)「じゃ、行きましょうか。アパートまでお連れするわ」

(*‘ω‘ *)" ポッ



*****

37 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:31:57 ID:KoL7RGjsO


(#゚;;-゚)「──しぃさん、またそんな格好」

(*゚ー゚)「あーもううるさいな。あなたに指図されることじゃない」

 猫田家、母屋。
 廊下を歩く学ラン姿のしぃに、後を追う形ででぃが小言をぶつけている。

(#゚;;-゚)「何なの、その言い方。
     そうだわ、フサさんのことだけど、あなたあんな勝手な──」

(*゚ー゚)「はいはい、後で聞きます後で」

(#゚;;-゚)「しぃさん! もうっ、最近あからさまに反抗するようになって!」

 耳に指を突っ込み、足を速めた。

 近い内にまた裁判がある。鬱田ドクオ。
 何せ余罪が多すぎる。消滅処分となるのは既に決定しているようなものだろうが、
 犯した罪はきっちり精査しなければならない。

 相手弁護士があの変人でないのが少々物足りないが、
 やるからには全力で臨みたい。
 またフサや他の使役霊の手を借りなければ。

38 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:33:49 ID:KoL7RGjsO

 書類を見下ろすしぃに、でぃは溜め息をついた。

(#゚;;-゚)「まったくもう! そういうとこ、つーさんにそっくりだわ」

(*゚−゚)

 足を止める。
 しぃは怪訝な顔で振り返った。

(*゚−゚)「何ですって」

(#゚;;-゚)「あなたのお父さんにそっくりって言ったの。
     あの男も、いつも勝手なことするわ私の言うこと聞かないわ、突っ掛かってくるわ……」

(*゚−゚)「……父さん、そんなことしてたんですか?」

(#゚;;-゚)「そうよ、しぃさんの前ではやらなかったけど。あー今思い出しても腹立つ」

 ぷりぷり怒る母は、初めて見た。
 初めて──人らしく見えた。

41 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:36:04 ID:KoL7RGjsO

(*゚−゚)「2人とも、そこまで仲悪かったんですか?」

(#゚;;-゚)「ええ」

(*゚−゚)「……嫌いでした?」

 間が空く。

 でぃは決まりの悪そうな顔をすると、そっぽを向いた。

(#゚;;-゚)「……本当に嫌いな相手とは結婚しないんじゃないかしら、私もあの人も……。
     それに一応、すごい人だとは思ってたもの。癪だから言ってないけど」

(*゚−゚)

 じっと見つめる。
 10秒も経った頃、ふ、と息が漏れた。

(*゚−゚)「ふ……」

(*゚ー゚)「……ふ、ふ……」

(#゚;;-゚)「……しぃさん?」

 踵を返す。
 我慢しきれず、しぃは天を仰いで笑い声をあげた。

44 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:38:33 ID:KoL7RGjsO

(*^ー^)「ははははは!」

(#゚;;-゚)「何なのしぃさん、どうしたの。気持ち悪いわよ」

(*゚ー゚)「いや、何でしょうね。……何かよく分かんないな。
     あなたのことは本当に嫌いなんですけどね」

(#゚;;-゚)「最近ほんと可愛くないわ……」

(*^ー^)「ははは」

 障子が開け放された部屋から、フサが「うるさいよ」と迷惑そうに言ってきたので、また笑った。



*****

45 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:40:20 ID:KoL7RGjsO


( ・∀・)「あと2日で春休み終わりかあ……クラス分けどうなるかなー」

(-_-)「同じクラスだといいけどね」

 モララーの部屋。
 格闘ゲームで対戦しながら、モララーとヒッキーが会話を交わしていた。
 その後ろで携帯電話をいじりつつ、弟者が話に加わる。

(´<_` )「俺らがどうなるかは分からないけど、確実にブーンとプギャーは別クラスになるな」

( ・∀・)「あー、まあ、あれはな。あんなことあればな」

(-_-)「すごかったねブーン。みんなの前でプギャー君のこと一発殴って」

(#・∀・)「『何が祟りだ! 嫌な奴がいたら僕は直接文句つけてやるお!!』」

( ・∀・)「格好良かったな、あれ」

(-_-)「一瞬で祟りの噂消えたよね」

( ・∀・)「噂が消えたっつうか、ブーンが人殴ったっていうインパクトに上書きされたっつうか」

 けらけら、モララーが笑った。
 弟者が携帯電話から顔を上げる。

46 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:41:36 ID:KoL7RGjsO

(´<_` )「ブーン、あと一時間くらいしたら来るってさ」

( ・∀・)「おっ。よっしゃ、ブーン来たら総当たり戦やろう」

(;-_-)「僕が最下位確定じゃんか……。
     ──ブーンは、あれ? またいつものところ?」

(´<_` )「ああ。行くのやめろって言ったんだけどな」

( ・∀・)「いいじゃん、かっけーじゃん。探偵助手」

(´<_`;)「……探偵ならなあ」

 窓から晴れやかな空を見上げ、弟者は苦笑した。



*****

49 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:43:27 ID:KoL7RGjsO





ξ゚听)ξ「第97条」

( ^ω^)「神隠し罪」

ξ゚听)ξ「そういやカンオケ神社からお菓子もらったわ」

( ^ω^)「後で弟者達の分もくださいお」

ξ゚听)ξ「第206条」

( ^ω^)「吸血罪」

ξ゚听)ξ「あ、この間、鵜束検事にプレゼント送ったわ。
      2月にもらった資料のお礼に」

( ^ω^)「あの人もまさか裁判で役立つとは思ってなかったでしょうね。
       何送ったんですかお?」

ξ゚听)ξ「資料のコピー全部とリアルな昆虫造型のチョコ入りビックリ箱」

( ^ω^)「まんま送り返しただけじゃないですかお……」

ξ゚听)ξ「着払いで」

( ^ω^)「大人気ない」

51 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:45:28 ID:KoL7RGjsO

ξ゚听)ξ「第75条」

( ^ω^)「呪詛罪」

( ^ω^)「アサピーさんは元気ですかお?」

ξ゚听)ξ「相変わらずね。昨日もうちに来てふざけ倒して帰ったわ」

( ^ω^)「想像できる」

ξ゚听)ξ「はいお疲れ様。えーと、50問中43問正解。前より上がったわね」

 ノートを閉じ、ツンが立ち上がる。
 ポットの前へ向かう彼女に、自分が茶を淹れると申し出たが
 いいから座っててと返されたので、おとなしくソファに留まった。

 出連おばけ法事務所は、相変わらず内藤のおかげで整然さを保たれている。

53 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:46:39 ID:KoL7RGjsO

( ^ω^)「……来ないって決めたのになあ」

ξ゚听)ξ「来なきゃ寂しいわ」

 どう反応していいか分からず、無意味に肩を竦めた。
 先程ツンがテーブルに置いたノートを取り、ぱらぱらページをめくる。

 おばけ法に関する知識は、どんどん増えている。
 ツンからの出題に対する正答率も上がってきた。
 とはいえ決められた範囲内の軽い暗記のみなので、ツンの持つ知識の一割にも満たない。

54 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:49:43 ID:KoL7RGjsO

ξ゚听)ξ「そういえば、一昨日シュールさんと駅前で会ったの」

( ^ω^)「ああ……キュートちゃん……」

ξ゚听)ξ「その名を思い出す度に脱力するからやめて」

 ──素直キュートは、猫だった。

 冗談でも何でもなく。猫だった。
 あの依頼は人探しではなく、猫探しだったのである。


   lw´‐ _‐ノv『あれ、言わなかったっけ』

   ( ^ω^)『妹って言ったじゃないかお』

   lw´‐ _‐ノv『妹だよ、私が2歳のときに家に来たんだもの。メスだよ』

   ξ゚听)ξ『赤い服っつったわよ』

   lw´‐ _‐ノv『首輪のこと服って言うなんて変わってるなあと思った』


 シュールの腕の中で、くりっとした目と小さな口を持つ、やや長めの体毛の小柄な白猫は、
 朱色の首輪を自慢気に見せて、にゃあと鳴いていた。

 かつて、ワカッテマスのアパートの前で見かけた猫だった。
 あの付近に猫の霊が集まるという話を裁判で聞いて、シュールが行ってみたところ
 みごと発見することができた。らしい。


ξ゚听)ξ「あの日は寝れなかったわ私。何故か無性に悔しくて」

( ^ω^)「まあ……シュールさんとキュートちゃんがちゃんとお別れ出来たんだし、結果オーライですお」

55 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:52:06 ID:KoL7RGjsO

 紅茶の入ったティーカップを受け取り、内藤は礼を言う。
 ノートをテーブルに置くと、今度は向かいに座ったツンがノートを開いた。

ξ゚听)ξ「内藤君、弁護士か検事にならない?」

( ^ω^)「そういうつもりはありませんお。
       僕は将来普通の仕事します」

ξ゚З゚)ξ「あっそ」

 ──来年の春には、親元に帰る。

 ツン達がいなくても自分の身を守れるようになるために、
 そして自分なりに「普通」の生活を送れるようになるために、
 最低限のおばけ法の知識を身につけたい。

 霊感は持って生まれたものだ。
 見えるもの、寄ってくるものを完全に無視して生きることは出来ない。

 ならば、それなりに受け入れつつ、対処できるように学べばいい。
 これもまた内藤の「武器」になるのだから。

 演技の方も過剰にならないように、しかし程よく扱えるように日々勉強している。
 こちらは完全に独学だ。

58 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:54:14 ID:KoL7RGjsO

ξ゚ー゚)ξ

( ^ω^)「……何ですかお、にやにやして」

ξ゚ー゚)ξ「いやあ。最近の内藤君、楽しそうだなあと思って」

( ^ω^)「楽しいですお。色々すっきりしたんで」

ξ^ー^)ξ

( ^ω^)「そろそろ笑顔が鬱陶しい」

ξ゚听)ξ「鬱陶しいって何よこら」

 時間を確認する。
 モララーの家で遊ぶ約束をしているので長居はしない。

59 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:55:14 ID:KoL7RGjsO

( ^ω^)「用事あるんで、片付け済ましたら今日は帰りますお」

ξ゚听)ξ「はいはーい。あ、夕方ぐらいに流石家行くから」

( ^ω^)「今夜は美味しいものたくさん作るって姉者さん張り切ってましたお」

ξ*゚听)ξ「いっひひひ、腹空かして行くわ」

( ^ω^)「僕らも食べ盛りなんで、程々に」

 紅茶が冷めるのを待つついでに仕事を終わらせてしまおうと腰を上げた。

 机に散らばる書類を整理する。もう慣れたものだ。

 憑依罪の文字が目に入り、手が止まった。
 誤魔化すようにむりやり動かす。

ξ゚听)ξ「……内藤君」

( ^ω^)「何ですかお?」

ξ゚听)ξ「おばけ、嫌い?」

 この人は、本当に目敏い。

 質問に対して真っ先に思い浮かんだのは、裁判で度々目にした悪いおばけ達。
 特に──先月の裁判は、内藤の中に重たく冷たいものを残している。

60 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:57:19 ID:KoL7RGjsO

( ^ω^)「……悪いおばけは、恐いですお。勿論」

ξ゚听)ξ「うん」

( ^ω^)「……でも……」

 それでも──今まで見てきた裁判を思い返すと、
 胸が温かくなるようなことだって、たくさんあった。

 優しいおばけだって、いっぱいいた。

( ^ω^)「いいおばけとか、良くも悪くもないおばけは、……結構、好きですお」

ξ゚ー゚)ξ「──うん」



 人間にもおばけにも、善悪がある。

 善人と悪人がいるように、霊も様々。
 そしてその二つに区別しきれない者こそ一番多い。

 だから行き違うことがある。
 そうして──犯罪が起きてしまう。

62 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 04:59:05 ID:KoL7RGjsO

 決して無視することは出来ない。
 いいことも悪いことも巻き込んで、事件は起こる。

 絡み合ったそれらを放っておけば、事は更に拗れて、縺れて、被害が大きくなる。
 禍根は肥大する。
 深い傷が残る。


 それを誰かが解きほぐさなければならない。
 ほどいた中に隠れているものを見付け出し、向き合わなければならないのだ。


 そうして救われるものが、必ずある。


 だってそうだろう。
 ツンは、いつも、いつも。

( ^ω^)「ツンさん」

ξ゚听)ξ「ん?」

( ^ω^)「いつも、ありがとうございますお」

ξ゚ー゚)ξ「……どういたしまして」


 必ず誰かから、「ありがとう」と言われてきていたではないか。


.

63 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 05:00:05 ID:KoL7RGjsO










 ──だから今夜も、きっとどこかで──





.

64 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/09/20(土) 05:00:46 ID:KoL7RGjsO





          ξ゚听)ξ幽霊裁判が開廷するようです





               完

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