ξ゚听)ξ幽霊裁判が開廷するようです

case2:つきまといの罪/前編

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315 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 15:56:16 ID:qhRfP9qoO

 ドクオが静まり、オサムが木槌を鳴らす。
 しぃは咳払いを一つして、ギコとの距離をあけた。

(*゚ー゚)「それではそろそろ、こちらの証人をお呼びいたしましょう」

 指を鳴らす。
 気障な演出だとツンが吐き捨てるように言った瞬間──

 検事席、しぃとギコの間に、着物の女が現れた。

(゚<_゚;)「ぎゃばっ!!」

(,,゚Д゚)「なかなか慣れないわねえ弟者君」

( ^ω^)「多分一生無理そうですお」


从 ゚∀从「……」


 乱れ髪の女は腕を組み、内藤達をゆるりと眺めてからそっぽを向いた。
 胸元がはだけていて、随分と豊かな胸の谷間が確認出来る。
 男子中学生には刺激が強い。

( <_ ;) アワワワワ

 弟者には別の方向で刺激が強かったようだが。

316 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 15:58:16 ID:qhRfP9qoO

ξ;゚∀゚)ξ「ああら証人さん……前に会ったときも、
      着物の前はきっちり閉めた方が見栄えがいいってお教えした筈だけど……」

从 ゚∀从「私の勝手だろ。長年この姿で過ごしてるし」

ξ;゚∀゚)ξ「だからってそんな──」

 瞬間。

 内藤の肩から手の感触が消え。
 どさりという音が背後から響いた。

 内藤とツンは、同時に振り返る。


( <_ ;) フエタ…オバケ…フエタ…


 ──弟者が、何とも既視感に溢れた状態で倒れていた。

317 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:00:48 ID:qhRfP9qoO

ξ;゚听)ξ「……えっ、あっ、弟者君!? 弟者君!!」

( ^ω^)「幽霊が増えて、また恐怖が振り切れたんでしょうかお。
       寧ろ、くるうさんが出たときに気絶しなかっただけ、頑張った方じゃありませんかお」

ξ;゚听)ξ「怖がりすぎでしょ!! 姉より酷いんじゃないのこれ!
      弟者くーん!? ……起きねえ!!」

(;'A`)「霊でも引くわ」

从;゚∀从「あーあー……」

(*゚ー゚)「……とりあえず進めませんか?
     正直なところ、彼が証言するときに起きてくれさえすれば、それでいいわけですし」

 ギコやオサムもその意見に賛同した。
 裁判長にまで賛成されれば、言われる通りにするしかあるまい。

 内藤は足元に放置されていた弟者の鞄を開けると、
 タオルを出して頭の下に敷いてやった。
 ツンと共に、元の位置に戻る。

318 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:06:19 ID:qhRfP9qoO

ξ;゚ -゚)ξ「ちょっとやばいわ……計算外……」

( ^ω^)「?」

 苦々しげな顔で、ぶつぶつ呟くツン。
 どうしたのだろう。

【+  】ゞ゚)「証人、名前を」

从 ゚∀从「ハインリッヒ。浮遊霊やってる」

【+  】ゞ゚)「享年や死因は覚えてるか?」

从 ゚∀从「さあね。かれこれ何十年か幽霊やってるから、ろくに覚えてないや」

 ハインリッヒはぶっきらぼうに答えた。
 標準語ではあるが、合間のイントネーションに馴染みのない響きが混じる。
 どちらかというと西の方の。

ξ゚听)ξ「……この間お会いしたときは、もっと方言が出てらしたけど」

从 ゚∀从「検事が、こがい喋り方じゃ伝わらん言うけん」

 にやりと笑って彼女は言った。
 どうやら、方言で話されては分からないから標準語で話せ、としぃに指示されたようだ。

 ドクオがハインリッヒを睨む。
 検察側の証人ということは、有り体に言ってしまえば、ドクオにとっては敵だ。

319 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:09:28 ID:qhRfP9qoO

从 ゚∀从「ま、ここしばらく全国をぶらぶらしてたからね。
     標準語もそれなりに話せるよ。面倒だけどさ」

【+  】ゞ゚)「出身は?」

从 ゚∀从「愛媛」

(,,゚Д゚)「愛媛! 結構遠いところから来たのねえ」

川 ゚ 々゚)「えひめ?」

【+  】ゞ゚)「四国だよ、くるう」

川*゚ 々゚)「! いよかん!」

(*゚ー゚)「今は証人の出自はどうでもよろしい。
     ……証言の方をお願いします」

从 ゚∀从「はいはい」

(*'A`)「ふぉわっ!」

 ハインリッヒが腕を組み替える。
 そうするとますます胸が強調されるものだから、
 咄嗟に、内藤とドクオ、オサムの目がそちらに向いた。

 ツンやしぃは白い目で内藤達を見、くるうは表情を消す。

321 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:11:30 ID:qhRfP9qoO

(*゚ー゚)「汚らわしい……」

(*,゚Д゚)「あたしのおっぱいでも見せてあげようかしら」

('A`)「大胸筋は引っ込め」

川#; 々;)「うわああああオサムの馬鹿あ!! 馬鹿!! くるうだって結構大きいのに!!」

【+  】ゞ゚)「俺はくるうにしか興味ないよ」

川#; 々;)「うそつき!!」

【+  】ゞ゚)「くるう。大きいとな、好きとか嫌いとかに関わらず目が行くものなんだ」

ξ゚听)ξ「もうやだこの神様」

( ^ω^)(ていうか神様も、そういうの興味あるのかお)

 なかなか話が進まない。
 ハインリッヒが困惑と呆れを浮かべ、しぃに問う。

322 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:14:14 ID:qhRfP9qoO

从 ゚∀从「話していいかな」

(*゚ー゚)「どうぞ」

川#; 々;)「殺す!!」

从;゚∀从

(*゚ー゚)「お気になさらず」

从;゚∀从「お、おう。……私、ここら辺に来て間もなくてさ。
     物珍しいから、色んなとこ見て回ってたんだよ」

从 ゚∀从「そしたら──先月の中頃か。
     被告人って表現でいいんだっけ? ああそう。
     被告人に声かけられた」

('A`)「ああ? んなもん覚えてねえぞ」

从 ゚∀从「会話らしい会話なんてしてないからな。ただ一言、あんたが『初めて見る顔だな』って。
     そんで私のことをじろじろ見て去ってったよ。
     気味悪かったから覚えてる」

(#'A`)「気味悪いって言い方はちょっと失礼じゃねえか?」

从 ゚∀从「胸見てる時間が長かったし」

('A`)「その節はすみませんでした」

323 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:18:34 ID:qhRfP9qoO

 以下、ハインリッヒの話。

 例の榊原のアパート近くには大きな樹がある。
 ある日、その上に座って、眼下の光景を眺めていたときのこと。

 夜になり、ドクオがアパートの前に現れた。
 きょろきょろと辺りを見渡して、向かって右の壁からアパートの中に入っていく。

 不審に思ったハインリッヒは、そこでアパートを見張ることにした。
 それから数時間。
 朝になり、ドクオが壁から出てくるのを確認。

 直後、出社のためか、榊原がアパートを後にした。

从 ゚∀从「2人で同じ方向に行くからさ、あの男に取り憑いてんのかと思ったんだ」

 そのまま待って。
 昼になり、夕方になり、夜になり。
 被害者が帰宅した頃に、再びドクオがやって来て、昨夜のようにアパートに入っていった。

 とはいえ他人事。
 その頃にはすっかり興味をなくし、ハインリッヒは樹の上を離れた。

( ^ω^)「ずいぶん長い時間、樹の上に居たもんですお」

从 ゚∀从「長いこと幽霊やってると、1日2日の暇くらい、何てことないさ」

324 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:21:59 ID:qhRfP9qoO

 それから間もなく、2日後。
 駅前をぶらついていたハインリッヒは、そこでまたもやドクオを見かけた。
 昼時で人が多く、すぐに見失ってしまったのだが。

(*゚ー゚)「被害者の会社はヴィップ駅の近くにあります」

(#'A`)「だから……!」

ξ゚听)ξ「『たまたま』です。ですよね、ドクオさん」

(#'A`)「……ああ」

从 ゚∀从「おっと、私を睨むなよ。
     あんたが無罪か有罪かは知らないよ。
     ただ私は見たままを話してるだけで」

 その数日後、もう一度アパートに寄ってみたところで
 捜査中のギコに遭遇し、事件を知った──らしい。

【+  】ゞ゚)「ふむ」

 話を聞き終え、オサムは顎を擦った。
 ハインリッヒが話している間に一体何をしたのか、くるうはすっかり落ち着いていた。

 ドクオは証言の内容自体は否定していない。
 ならばハインリッヒは嘘は言っていないのだろう。

325 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:24:27 ID:qhRfP9qoO

(*゚ー゚)「このように、被告人はアパートに出入りまでしていた。
     これだけでも充分だとは思うんですがねえ」

【+  】ゞ゚)「そうだなあ……」

ξ゚听)ξ「……異議。それではあまりにも、証拠として説得力が足りないものと考えます」

( ^ω^)(ううむ)

 ツンの反論は、少々弱く感じられる。
 明確な証拠があるわけではないが、それでもドクオは怪しい。

 向かいで、ギコが首を捻る。

(,,゚Д゚)「犯人じゃないってんなら、何でアパートを出入りしてたのかって話になるしねえ」

(;'A`)「うっ……!」

 ドクオが、痛いところを突かれたと言わんばかりに狼狽えた。
 怪しさを増す一方だ。

326 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:26:17 ID:qhRfP9qoO

(*゚ー゚)「ありがとうございます、証人」

从 ゚∀从「あんなんで役立ったかね」

(*゚ー゚)「充分に。あなたのおかげで、被告人も言い逃れ出来なくなったようで。
     ……さて。後は、弁護側の証人ですね」

ξ゚听)ξ「ええ、そうね」

(*゚ー゚)「あなた、昨日、仰いましたよね。
     『証拠は無いが証言で無罪を勝ち取る』と。
     まだ起きてくれないようですが……何を証言させるつもりだったんです?」

 ずいぶん思い切ったことを言ったものだ。
 ツンは表情こそ平静を装ってはいるが額に汗が浮かんでいた。

 弟者は依然気絶したままである。

327 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:29:10 ID:qhRfP9qoO

ξ;゚听)ξ「えっと……犯人は、『泥』を用いて嫌がらせを行っていたじゃない?」

(*゚ー゚)「はい」

ξ;゚听)ξ「実は6月4日の朝に、
      ヴィップ中学校の下駄箱が泥まみれにされるという事件がありまして」

(*゚ー゚)「……ヴィップ中で? 聞いてませんが」

ξ;゚听)ξ「あの、どうやら学校側は下らないイタズラだと判断して、
      警察に届けることはなかったようなのよね」

(,,゚Д゚)「それをどうしてあんたが知ってんのよ」

ξ;゚听)ξ「ツンちゃんは何でも知ってるの。
      ……で……そのことについて弟者君に証言してもらいたかったんだけど……」

328 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:31:29 ID:qhRfP9qoO

( <_  ) チーン

ξ;゚听)ξ「この有り様で」

川 ゚ 々゚)「軟弱」

【+  】ゞ゚)「言ってやるな」

 下駄箱のことを弟者が証言して、何があると言うのだろう。
 内藤が疑問を込めてツンを見遣ると、ツンは目を逸らした。
 何なのだ一体。

 そこへ、焦れた様子のしぃの声が飛ぶ。

(*゚ー゚)「なら、内藤君でもよろしいのでは?
     彼と内藤君は同じ学校に通っているんでしょう?」

ξ;゚听)ξ「……そうだけどさ」

( ^ω^)「僕ですかお?」

 既に負け戦。
 別に、ちょろっと話すぐらいなら構わないが。

 ツンは弟者と内藤を見比べ、長々と溜め息をついた。
 沈黙。
 やがて観念したか、内藤と視線を交わす。

329 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:33:16 ID:qhRfP9qoO

ξ゚听)ξ「じゃあ、よろしく。
      ……なるべく時間稼ぎお願いね」

 最後の一言は恐らく、内藤にしか聞こえなかった。
 時間稼ぎ。弟者が起きるまでだろうか。
 まるで、弟者が起きさえすれば、それで済むのだと言わんばかりの。

 面倒だと思わないでもない。
 だが、ここまで来て何もせずに終わったら、「来た意味」が全くもって皆無。
 それは癪だ。

 内藤は咳払いをしてから、口を開いた。

( ^ω^)「……その日の朝、学校に行ったら、僕らのクラスの下駄箱に泥がぶち撒けられてましたお。
       特に弟者の所が酷くて」

(,,゚Д゚)「ブーンちゃんのクラスだけ?」

( ^ω^)「はいお。で、」

 時間を稼げとツンは言った。
 なら──そうしてやろうではないか。

 「爆弾」をぶち込んでやれば、話を長引かせることは出来るだろう。

330 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:34:48 ID:qhRfP9qoO

( ^ω^)σ「そのとき、僕、この人見ましたお」


 この人。
 内藤は、ドクオを指差した。


ξ゚听)ξ

(*゚ー゚)

(,,゚Д゚)

('A`)

331 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:37:06 ID:qhRfP9qoO

 嵐の前の静けさとは、このこと。
 数秒経って、ドクオが爆発した。

(;゚A゚)「このタイミングでぇええええええ!!?」

( ^ω^)「校門の上に立って、僕に手を振って、消えましたお」

ξ;゚听)ξ「……それ本当?」

( ^ω^)「本当ですお」

ξ;--)ξ「つくづく間の悪い人ね……」

(;'A`)「おい待てよ、さっき言うなっつったろうが!!」

( ^ω^)「その3、4日前には『お前霊感あるんだろ、体貸せよ』ってしつこく迫られたし」

(;'A`)「黙れ! ちょっと黙ってくれ!!」

 ドクオが内藤に飛び掛かり、口を塞ぐ。
 そういえば、開廷前にも同じようなことをされた。

 オサムが木槌を3度、連続で叩いた。ドクオを真っ直ぐ睨んでいる。
 睨まれたドクオは、泣きそうな顔で笑って内藤から離れた。

332 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:39:39 ID:qhRfP9qoO

从;゚∀从「あちゃー」

(;*゚ー゚)「……何という」

( ^ω^)「ああ、あと、泥といえば、うちの玄関にも泥がぶつけられたような跡が」

(∩A∩)

【+  】ゞ゚)「くるう」

川 ゚ 々゚)「嘘の臭いしない」

(,,゚Д゚)「あらやだ、急展開」

ξ;゚听)ξ「……時間を稼げとは言ったけどね、君……」

 ツンに小突かれる。
 内藤も自分で言っていて、やっぱりドクオが犯人なのではないかと改めて思った。

 だが存外、ツンは慌てることはなかった。
 「面倒事が増えた」程度にしか捉えていなさそうな。

333 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:47:20 ID:qhRfP9qoO

 一方で、しぃが冷静に言葉を落とす。

(*゚ー゚)「……読めましたよ。
     ありがとうございますツンさん。彼のおかげで、有罪判決を勝ち取れる」

ξ゚ -゚)ξ「……」

 嫌味な笑顔。
 優位に立ち、相手を見下す者の笑みだ。

(*゚ー゚)「被害者は霊感を持つ人間だった。
     それを知った被告人は、体を貸せと頼んだものの断られてしまう。
     被告人は被害者に対して怒りを覚え、執拗に嫌がらせを繰り返した!」

(*゚ー゚)「そうして次は内藤君を標的に──」

(;'A`)「違う! ……そこのガキに憑依させろっつったのは本当だ。
    でも、泥だとか榊原だとかは本当に知らねえよ!」

(;'A`)「アパートに行ったのだって、ガキの情報を集めたかったからだ!
    2階の右端の部屋は、夜には霊の溜まり場になる。そこで情報収集してたんだよ!
    必要なら、そこで話した霊共の名前教えるから確認してこいよ!」

(,,゚Д゚)「ああ、何年か前に自殺があった部屋ね。
     溜まり場……悪さしてないか、一回見に行かないとねえ」

334 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:49:51 ID:qhRfP9qoO

【+  】ゞ゚)「何故それを話さなかった?」

(;'A`)「言えるかよ! ガキに憑依しようとしてたなんて、それこそ心証悪くなるだろうが!」

 オサムにへこへこする余裕もなくなったらしい。
 ツンが制止しかけて、やめた。
 「時間稼ぎ」を優先させたようだ。

【+  】ゞ゚)「6月4日に校門の上に立っていたのは?」

(;'A`)「憑依させろって交渉しに行っただけだ!
    何か面倒なことになってたみたいだから、すぐ帰ったよ!!」

从;゚∀从「おうおう、白熱してなさる……」

(*-ー-)「無駄な足掻きですねえ。気が済むまで喚かせてあげましょうか」

川;゚ 々゚) ビクビク

( ^ω^)(……あれ?)

 言い合いの中、内藤は携帯電話を開いていた。
 あまり堂々と見るのも何なので、携帯電話が机に隠れるようにして。

 そうしたとき、おかしなことに気付いた。
 視線の先は、とあるデータの日付。

335 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:52:30 ID:qhRfP9qoO

( ^ω^)「ツンさん」

 応酬の、一瞬の切れ間。
 そこに1人落ち着いた声で発言したことで、皆の意識は内藤へ向かった。

ξ;゚听)ξ「なあに?」

( ^ω^)「被告人が捕まったのって、今月の4日でしたっけ」

ξ;゚听)ξ「そうだけど」

(*゚ー゚)「6月4日の夜11時頃だね。商店街の中を歩いているところをギコが見付けた」

( ^ω^)「それから今まで監視とかはされてましたかお?」

(,,゚Д゚)「ええ。取り調べをした後は、被告人の隔離場所に置いといたわよう。逃げられたら困るもの」

( ^ω^)「……じゃあ、やっぱり変ですお」

 ツンに携帯電話の画面を見せる。

 そこに映っているのは、泥で汚された玄関の写真。

336 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/11/25(日) 16:53:42 ID:qhRfP9qoO

( ^ω^)「玄関に泥が付けられてたの、5日の朝だったんですお」

 僅かな間をおいて。
 ツンが目を見開き、しぃは眉根を寄せ、ドクオはぽかんと口を開け放し──

从;゚∀从

 ハインリッヒが、顔を強張らせた。

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