- 391 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/04/04(木) 22:11:26 ID:2rr64Cow0
-
_
(;゚∀゚)「しかしなんでお前は俺たちに話しかけてきたんだ?」ダダダ
⊂( ;^ω^)⊃「実は会議初めてで、場所とかちょっと不安だったから……」ダダダ
<_;プー゚)フ「聞いた相手によっちゃ不審者扱いされるぞ……」ダダダ
(;'A`)「しかし高岡さんもそういうとこ適当だからなぁ」ダダダ
<_;プー゚)フ「まぁあの人なら納得だけどな」ダダダ
( ;´ω`)「高岡さんが白衣だったから、ラフって何でもいいのか!って勘違いしちゃったんだお……」ダダダ
- 392 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/04/04(木) 22:12:17 ID:2rr64Cow0
-
_
( ゚∀゚)「ま、ウチのとこもあんまし人の部署のこと言えないけどな……」ダダダ
( ^ω^)「?皆さんはどこの人なんだお?」ダダダ
(;'A`)「案内所だよ。就職案内所」ダダダ
( ;^ω^)「あぁ、あのちゃんぽん集団と噂の……」ダダダ
<_プー゚)フ「ちゃんぽん?」ダダダ
( ^ω^)「特に脈絡のない人材をごちゃまぜにしてるから「ちゃんぽん」、だ、って聞いたお」ダダダ
_
( ゚∀゚)「ちゃんぽんに失礼だろそれ……」ダダダ
<_;プー゚)フ「お前憤るとこそこじゃないだろ……」ダダダ
- 393 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:13:01 ID:2rr64Cow0
-
(;'A`)「まぁ、ちゃんぽんかどうかはともかく、案内所は悪く言われてもしょうがないところあるしな……新興部署だし……」ダダダ
_
( ゚∀゚)「まだ実質的な案内所職員は5人しかいないしなぁ……それと上司が1人、か」ダダダ
( ;^ω^)「5人……えらく少ないおね……」ダダダ
<_プー゚)フ「モナーさんの力が無きゃとっくに潰されてるだろうな……よし、ついた」ダダダ
('A`)「お!まだ門空いてる!セーフ!」
( ;^ω^)「門、って……まさかこの廃病院でやるのかお?」
('A`)「まぁ、ちょっと違うけど、大体そんな感じだ」
( ^ω^)「えぇ〜っ……もっと普通の市庁とかそんな感じの綺麗な建物だと思ってたのに……」
- 394 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:14:17 ID:2rr64Cow0
-
瓜゚∀゚)「ウィーヒック!ししししし、酒もうないんか!ししし!」フラフラ
( ^ω^)「なんか酔っ払いまでふらついてるお……」
('A`)「いや、この人は……なぁ、じいさん」
瓜゚∀゚)「ひーっく!何だお前ら!!しし!地獄にきたんか!」
( ;^ω^)「なんだこいつ……」
('A`)「あぁ、灼熱地獄にしてもらおうかな」
瓜゚∀゚)「……!」ピク
- 395 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:15:02 ID:2rr64Cow0
-
( ;^ω^)「え?何?」
瓜゚∀゚)「……焼き方は?」
('A`)b「弱火でじっくり」
瓜゚∀゚)「入れ」
('A`)「どうも」
( ;^ω^)「何が何だか……」
- 398 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:17:17 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「お、あったあった」ガサガサ
( ^ω^)「?こっちは裏庭じゃないかお?建物はあっちだお」
('A`)「いや、ここが入口だ」
( ;^ω^)「い、井戸!?」
<_プー゚)フ「じゃ、俺から行くぜ」ピョイ
( ;^ω^)「と、飛び込んだ!?」
_
( ゚∀゚)「じゃぁ俺も」ピョイ
( ;^ω^)「ちょ」
- 399 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:18:21 ID:2rr64Cow0
-
( ;^ω^)「な、何なんだお、一体……自殺オフか何かかお?」
(;'A`)「お前、本当に何にも聞いてないのな……」
( ;^ω^)「送られてきた案内にはここの住所しか書いてなかったお……」
('A`)「ここは入り口だよ。俺たちの本部、通称『地獄』へのな」
( ^ω^)「閻魔省、だけに地獄、かお」
('A`)「何のひねりも無いよなぁ」
( ;^ω^)「確かに……」
- 400 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:19:13 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「まぁいいいや、とにかくちゃっちゃか入っちゃおう」
( ;^ω^)「飛び込んで大丈夫なのかお?その、僕体重重いし、着地時に膝が……」
('A`)「これ落ちるわけじゃなくて、ワープするみたいなもんだからな。体重関係ないよ」
( ^ω^)「おお!なんかよくわからないけどそれなら安心だお!」
('A`)「ああそうだな。なんかよくわからないけど。じゃあお先にどうぞ」
( ^ω^)「お!遠慮なく……」ピョン
「ぎゃああぁあああ!」バッシャアア
(;'A`)「!?」
「冷てええぇえええぇええええええ」パシャァアァン
- 401 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:20:17 ID:2rr64Cow0
-
(;'A`)「え?」
「ちょ……これ普通の井戸じゃないかお!!!ひぇええ!!!」バシャバシャ
(;'A`)「もしかして……」スッ
つ[]
('A`)「あ、入場時間過ぎてる……」
「えぇ〜っ……」バチャバチャ
- 402 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:21:17 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「ここ、時間過ぎるとただの井戸になっちゃうんだよね」
「えっ、じゃぁ僕たちは……」バチャン
('A`)「もう今日は入れない……」
「えぇ〜っ……」パシャ…
('A`)「……ロープ、持ってくるね……」
「うん……」チャプチャプ
――――――――――――――――――――――――――――………………………………
- 403 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:22:02 ID:2rr64Cow0
-
<_プー゚)フ「こないなあいつら……」
_
( ゚∀゚)「もう時間過ぎちゃったよ……」
<_;プー゚)フ「しょうがない、俺らだけで行くか」
_
( ゚∀゚)「そうだな……今日はもうこっちに来れないだろうしなぁ」
<_プー゚)フ「会議まであと何分くらい?」
_
( ゚∀゚)「十分ちょいだ。ギリギリだったな」
- 404 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:23:45 ID:2rr64Cow0
-
<_プー゚)フ「そんじゃさっさと……」
「おやおや そこで たむろしてるのは 案内所の方々じゃ ありませんか」
<_プー゚)フ「……誰だ」
| ^o^ |「わたし ですよ わたし」
_
( ゚∀゚)「ちっ、なんだ、退魔局の下っ端か」
| ^o^ |「下っ端とは 失礼な。 あなた方より ずっと 世間の役に 立ってますよ この 税金泥棒共め」
<_プー゚)フ「ふん!なぁにが役に立ってます、だ!つい最近だって一般市民を囮に使うなんて馬鹿な真似したくせによぉ!」
| ^o^ |「そ、それは 国益を 優先したので あって……」
<#プー゚)フ「じゃぁ!そのためになら怪我人でようがいいって言うのか!!おい!!!」
「要は簡単な確率の問題だ」カツ…カツ…
<_プー゚)フ「……!」
- 405 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:24:30 ID:2rr64Cow0
-
( ・∀・)「命の足し算や引き算を忌み嫌う者に限って、二兎を追おうとする。いや、時には何もしさえしない。君らのことだよ、案内所」
<_プー゚)フ「モララー、退魔局長……」
( ・∀・)「おい、ゆうたろう。何こんなところで油売ってる。とっとといけ!」
| ^o^ |「す、すみません」
タッタッタ……
_
( ゚∀゚)「……局長こそ、こんなところで私たちに構っている暇などないのでは?」
( ・∀・)「はは、言ってくれるね、眉毛君。その通り、私には君らに構う暇などない」
- 406 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:25:59 ID:2rr64Cow0
-
<#プー゚)フ「じゃぁ!なんで会議開始直前にこんなところにいるんですか!!」
_
(;゚∀゚)「おい、ちょっと落ち着k……」
「あまり僕の部下をいじめないでほしいモナ」カッ…カッ…
_
<_プー゚)フ「!!」(゚∀゚ )
( ・∀・)「……おやおや、ボスのお出ましですか」
( ´∀`)「モナモナ。ボスだなんてかっこいいもんじゃないモナよ」カッ……
<_プー゚)フ「所長……」
- 407 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:26:39 ID:2rr64Cow0
-
( ・∀・)「『十王』の現最高権力者とあろうものが、会議直前にこんなところでなにをしているんですかね」
( ´∀`)「わかってるくせに。同じだモナ。君と、ね」
( ・∀・)「……」
<_プー゚)フ(何してたんだろうな)ヒソヒソ
_
( ゚∀゚)(さぁ、俺ら一般職員には縁もないようなことだろ)ヒソヒソ
从 ゚∀从「あー!お前らまだこんなとこいたのかよ!!」
( ;・∀・)「げっ」
<_;プー゚)フ「た、高岡探知部長!?」
_
(;゚∀゚)(地獄の権力者三人が会議直前にふらふらしてるってどうなのよ……)
- 408 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:27:36 ID:2rr64Cow0
-
从 ゚∀从「ったく、お前らはいい加減会議直前にうんこ行くのやめろよなー!!!」
( ;・∀・)「あ、ちょっと!」
( ´∀`)「面目ないモナ」
<_プー゚)フ「あぁ……同じってそういう……」
_
( ゚∀゚)「いつもトイレで顔合わせてたのね……」
( ;・∀・)「あぁ〜!!やばいもうすぐ会議始まっちゃうなぁ!!急いで行こうっと!!!」ダダダ
- 409 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:28:21 ID:2rr64Cow0
-
( ´∀`)「どうしたんだろうモナね、彼急に慌てて」
_
(;゚∀゚)(そりゃあんだけキメキメで登場したのに、直前までウンコしてたってのがばれたらなぁ……)
从 ゚∀从「いやお前も少しは慌てろよ!!もう始まるぞ!!」
( ´∀`)「う〜ん、それがちょっと困ってて……あ、そうだ君たち」
<_プー゚)フ「あ、はい何ですか?」
( ´∀`)「どっくん見てない?ちょっと話しときたいことあるんだけど」
_
( ゚∀゚)「それがかくかくしかじかで」
( ´∀`)「えっ」
- 410 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:29:28 ID:2rr64Cow0
-
<_プー゚)フ「あと一緒にいた探知部の太った新人君も多分来れないかと……」
从;゚∀从「太った新人……ブーンか!!何やってんだあいつは……」
( ´∀`)「ちょっと連絡してくるモナ」
从;゚∀从「は?いやもうそんな時間ないぞ!?」
( ´∀`)「……その、おそらく今どっくんと一緒にいるであろう彼、実力はどんなものモナ?」
从 ゚∀从「……仕事としての経験は無いに等しいが、能力だけ見れば、ありゃ化け物だ」
( ´∀`)「というと?」
- 411 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:30:12 ID:2rr64Cow0
-
从 ゚∀从「探知範囲がばかげてる。その気になればあいつ1人で半径5キロ圏内の異常を感知できるんじゃないか?」
_
(;゚∀゚)「ごっ……ってあいつが!?」
<_;プー゚)フ「人は見かけによらないな……」
( ´∀`)「よくそんな人材もってこれたモナね」
从 ゚∀从「最近、ウチもちょいちょいそっち方向に力入れ始めたからな。しかしあいつはウルトラハイパーな収穫だったよ」
( ´∀`)「ふーむ、じゃあまぁ死ぬことはないモナね」ボソッ
<_プー゚)フ「えっ」
- 412 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:33:09 ID:2rr64Cow0
-
( ´∀`)「いやいやなんでもないモナ、はっはっは」
_
( ゚∀゚)「いやいやいや、今死ぬっt」
( ´∀`)「さぁ行こう!もうほんとに始まっちゃう!遅れたらまた案内所の威厳なくなちゃうモナよ!!!」
从 ゚∀从「んなもんもうとっくに底ついてるだろ」
( ´∀`)「いいから!急ぐモナ!」ダダダ
从 ゚∀从「ったく……」ダダダ
<_プー゚)フ「……ドクオ、大丈夫かな」
_
( ゚∀゚)「もう彼のことはあきらめよう……」
<_プー゚)フ「所長の大丈夫が大丈夫だったためしはないしな……」
- 413 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:34:30 ID:2rr64Cow0
-
_
( ゚∀゚)「まぁ今回はあのブーンとかいうのも一緒だし、少しは希望が持てるか……」
<_プー゚)フ「でもグラサン眼帯世紀末だぞ……」
_
( ゚∀゚)「うん……」
<_プー゚)フ「……」
_
( ゚∀゚)「……」
<_プー゚)フ「……取りあえず会議行くか」
_
( ゚∀゚)「うん……」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――……………………………………
- 414 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:36:55 ID:2rr64Cow0
-
―喫茶店―
カランコローン
ハソ ゚−゚リ「いっらっしゃいま……せ……」
ii i ミ
lli i ミ;
( ^ω^) 「あ、どうも」
l⌒ . ̄|
\| | |
| |∪
| i‐i |
(__)(_)
ハソ;゚−゚リ「きっ、きゃぁぁああ!!!」
( ;^ω^)「!?」
ハソ;゚−゚リ「強盗!!強盗よ!!!」
- 415 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:37:49 ID:2rr64Cow0
-
( ;^ω^)「い、いや違いm」
(;゜A゜)「ごっごごごごごごうとううううううう!!!??????」
( ;^ω^)「なんであんたは急にテンパってるんだお!!」
(;'A`)「お、女の人の大声とか怖いじゃん……流石にちびっちゃうよ……」
( ;^ω^)「ダメだこいつ!!まるでダメ!!!」
ハソ;゚−゚リ「ひゃ、ひゃくとおばん通報を……」ピププッペ
( ;^ω^)「あ、やばいこの人ガチだ!」
(;'A`)「ず、ずらかるぜぇ〜!」
タタタッタッタタ………
- 416 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:38:36 ID:2rr64Cow0
-
―公園―
( ^ω^)「世間じゃ華やぐ土曜日に缶コーヒーを片手に男二人で公園のベンチに並んで座ることになろうとは……」
('A`)「言うな……何も……」
( ^ω^)「そもそもあのおっさん→瓜゚∀゚)が融通効かせてくれれば……あのひとが井戸から地獄への道管理してるんだおね?」
('A`)「小野のじいさんだろ?まぁあの人も仕事だからしゃあないって」
( ^ω^)「まぁそれはそれとして……さっきの何なんだお……大声怖いって意味わからんお……」
('A`)「俺、人間女性恐怖症なんだよ……もう視線が合うだけでも汗腺がフィーバーしちゃうんだよ……」
( ;^ω^)「えっ、それはもしかしてゲイってことかお?」
- 417 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:40:25 ID:2rr64Cow0
-
(;'A`)「違うわ!!女性のお化けとかなら大丈夫だから!!」
( ;^ω^)「なんかめちゃくちゃ職業病だおねそれ……」
('A`)「女性恐怖症を抱えたまま、この先どうやって生きていこうか時々すごく不安になる」
( ;^ω^)「確かに声だけであそこまでなっちゃうレベルだと、生活に支障きたしそうだおね」
('A`)「もうきたしてるよ……警察には十数回連行されたよ……」
( ;^ω^)「かける言葉もないお……」
- 418 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:41:10 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「まぁそれはいいや。とりあえずこれからどうする?ずっとベンチに座ってても、お前の格好と俺のオーラが相まって不審者扱いされるぞ?」
( ^ω^)「服買おうにも、ドア開けた瞬間に警備員に応援を呼ばれちゃったし……」
('A`)「恰好だけ見たら、お前大概デンジャラスだからな……」
( ^ω^)「そうこう話してるうちに、僕たちの目の届く範囲からは子供たちが一人残らず逃げ去ってしまったおね……」
('A`)「お、じゃあ警察の見回りが来るまではここでゆっくりできるな」
( ^ω^)「その前向きさ……まぶしいほどだお……」
- 419 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:42:05 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「でへへ、褒めるな褒めるな……」
ビュオワッ
( ^ω^)「いやぁんエッチな風!!!ジャケットの下の乳首が露わに!!!!」
('A`)「黒っ」
( ^ω^)「ちゃっかりチェックしてんじゃねぇお!!!やっぱりゲイじゃんかお!!」
('A`)「いやお前が大声あげるからそっち見たら、視界にねじ込まれたんだよ!その存在感爆発の乳首が!!!」
( ^ω^)「自分で言っておきながら乳首のこと言われるのちょっと恥ずかしいお……」
- 420 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:42:48 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「まぁ誰だって自分に何かしらのコンプレックスを抱えてるもんだよ」
( ^ω^)「綺麗にまとめようとしやがって……ってか風ちょっと強くないかお?濡れ濡れで寒いお」
('A`)「そういや今日やたら埃舞ってるなぁ……って、お前のジャケットの中から今なんか飛んでったぞ」
( ;^ω^)「あ!いかんお!」ダダダ
( ^ω^)つ□パシッ
( ^ω^)「ナイスキャッチ!自分自身!!」
('A`)「それ何だ?」
- 421 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:44:09 ID:2rr64Cow0
-
( ^ω^)「あぁ、これは今日の探知部での会議で使う予定だった資料だお」
('A`)「さっき井戸に入った割にはあんまし濡れてないのな」
( ^ω^)「……部長が『地獄の奴らは傘なんか使わない!!だろ!?』とか言ってたから、傘を持ってこないようにしたんだお」
('A`)「高岡さん……」
( ^ω^)「でも、一応雨とか降るといけないから、ちゃんとビニール袋に入れていたんだお」
('A`)「どれどれ……うわっ、なんか生暖かい!!」
( ^ω^)「そりゃ革ジャンの内側にしまってたせいで、常に地肌とぴっちりくっついてたもんだから」
('A`)「じ、若干指が滑るのは脂かこれ……」
( ^ω^)「あんま言わないでくれお……言いようのない羞恥心に襲われるお……」
- 422 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:45:04 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「見てみていい?」
( ^ω^)「どうせ極秘情報とかってわけでもないし、別に構わないお」
('A`)「ふむふむ、『巨大反応の調査とその結果』?」
( ^ω^)「あぁ、それ、うちの近くで探知やってみたとき、馬鹿でかい反応があったんで、調べてみたんだお」
('A`)「反応の大小なんてわかるのか?」
( ^ω^)「なんか僕の探知能力、普通のとちょっと違うみたいなんだお」
- 423 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:46:01 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「探知部のことはあんまわかんないからそっちの能力のことはさっぱりなんだよなぁ」
( ^ω^)「うーん、まぁそう言ってもうちのやつらの能力も十人十色らしいし、『こういうのだ』ってのは無いんだお」
('A`)「で、お前の能力は位置特定とその反応の大きさの感知、って感じか?」
( ^ω^)「まぁそんなもんだお」
('A`)「巨大反応っていうとどのくらい?」
( ^ω^)「その報告書の奴はヤバかったお。なんか周りが軽くゆがんちゃうレベルで」
('A`)「うわ、そりゃめんどいな」
- 424 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:47:36 ID:2rr64Cow0
-
( ^ω^)「ていうか調査してた場所、まぁ僕の家の周りなんだけど、やたら反応いっぱいあるんだお」
('A`)「ふうん……」ペラッ
( ^ω^)「でもそのデカい反応の奴は全然動かなかったんだお」
('A`)「ふむふむ……」ペラッ
('A`)「ん?何でウチの事務所の住所書いてあるの?ていうか何で知ってんの?」
( ^ω^)「えっ」
- 425 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:48:56 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「ほら、これ」
( ^ω^)「……そこ、巨大反応のあったとこだお」
('A`)「巨大反応……」
______
('A`)。o○( (´・ω・`) )モワワーン
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
('A`)「あっ」
( ^ω^)「ま、まさか事務所でデカい妖怪の拘束でも……いや建物が呪われてるのか……」
(;'A`)「あ〜……え、えっと、このことは報告しないでくれるとありがたいんだけど」
( ;^ω^)「いやいや、こんなでっかいの放置してたら、街一個くらい簡単に潰されちゃうお!!」
(;'A`)「じ、実はこれはウチのお婆ちゃんの仏壇の放つオーラなんだよ。お婆ちゃん人を驚かすの大好きだったから」
( ;^ω^)「驚かすとかいう次元じゃねぇお!そもそも1人分の幽霊じゃありえない大きさだったし!!!」
- 427 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:49:49 ID:2rr64Cow0
-
(;'A`)「と、とにかく無害だから!!ほら、だって全然動いてないんだろ?」
( ;^ω^)「ていうか『その場所』の反応、それだけじゃないお……最近もなんかかなりでっかいのが来たと思ったら急に消えたし……」
(;'A`)「そ、それはいつ頃?」
( ;^ω^)「確か週の頭だったお。で、その次の日もなんか別のが来てたお。そっちはそこまで大きくなかったけど……」
(;'A`)(キュートと垢なめか……)
- 428 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:50:43 ID:2rr64Cow0
-
( ;^ω^)「どういうことなんだお?」
(;'A`)(ごまかすか?いや、無駄だ!下手打てば本格的に探知部の調査のメスが入る!)
(;'A`)(……そういやこいつ、少し『臭う』な……それも都市伝説独特の臭いだ……)
(;'A`)(まさかこいつにも『隠してること』があるんじゃないか?)
(;'A`)(……仕方ない……話すだけ話してみるか……)
(;'A`)「じ、実はな、そいつウチの職員なんだよ」
( ;^ω^)「はぁ!?」
(;'A`)「て、手伝ってもらってるの!!色々!!!」
( ;^ω^)「そんな馬鹿な話が……」
- 429 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:51:26 ID:2rr64Cow0
-
(;'A`)「そうでもないって!!ほら、俺就職案内所じゃん!」
(;'A`)「だから職としてウチでの手伝いをしてもらってるの!主に家事!」
( ;^ω^)「で、でもそれって違法じゃ……」
(;'A`)「そ、そんなことないよぉ〜!使えるものは使う!これって大事なエコ!」
( ;^ω^)「それにしたって……いやしかし……」
( ;^ω^)「うーん……」
(;'A`)「……」
- 430 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:52:28 ID:2rr64Cow0
-
( ^ω^)「……ここの住所が事務所、って言ってたおね」
(;'A`)「え?……あぁ、うん」
( ^ω^)「ってことは、この一帯の地区はあんたの受け持ち、ってことかお」
('A`)(……来た!あたりだ!)
('A`)「そういうことになるな。ちなみに案内所の管轄下には退魔局はあんまし干渉してこない。実質俺一人の受け持ちだな」
( ^ω^)「……実は僕にもちょっとした事情があるんだお」
('A`)「ビンゴオオオオオオオオオオオォオオオ!!!!」
( ;^ω^)「!?」
('A`)「あ、いや、何でもない何でもない。続けて続けて」
- 431 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:53:38 ID:2rr64Cow0
-
( ;^ω^)「……それで、僕、今度あんたの地区も含んだエリアの担当になったんだお」
('A`)「……目を瞑ろう、互いのために、ってことでいいのか?」
( ^ω^)「……ま、そういうことだお」
('A`)「……教えてほしいことが三つある」
( ^ω^)「何だお?」
- 432 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:54:18 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「まずあんたの『事情』とやらだ。それが分かってないと何かあった時、普通の都市伝説なのか、あんた関連なのか分かんなくなるからな」
( ^ω^)「……」ピク
('A`)「二つ目。あんたの担当の範囲だ。こっちにゃ『巨大反応』以外にもちょいちょい事情があってな。どれだけ説明しなくちゃならんのか知りたい」
('A`)「三つ目。あんたの名前だ。俺はいつまであんたあんたお前お前言わなくちゃならないんだよ。自己紹介位しろよ」
( ^ω^)「……こっちからも聞きたいことが3つ。いいかお?」
('A`)「……ん。どうぞ」
- 433 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:55:57 ID:2rr64Cow0
-
( ^ω^)「まずそっちの『本当の』事情だお。あれだけの反応のやつが『家事』とかあり得ないお。常識的に!」
( ^ω^)「二つ目。あんたの能力だお。何も話してないのにこっちの事情が『都市伝説』絡みって分かったってことは探知系の能力なのかお?」
( ^ω^)「三つ目。あんたの名前だお。わたわたしてて、すっかり聞くタイミング逃してたお」
('A`)「……お前の能力って、普通の人も探れるのか?」
( ^ω^)「いや、難しいお。閻魔省職員みたいにそっち系の人間だったらいけるけど」
('A`)「十分だ。今、俺らの近くに閻魔省関係のやつがいるかどうか探ってみてくれ」
- 434 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:57:50 ID:2rr64Cow0
-
( ^ω^)「ここで話すのかお?」
('A`)「会議で大半の職員が一か所に集まってる今がチャンスだろ?」
( ^ω^)「……わかったお」ガサゴソ
┌──┐
∩] ^ω^)スチャッ
('A`)「ヘッドホン……?いやそれよりお前、今それどっから出した!?」
┌──┐
{@] ^ω^)「肩パッドの隙間だお……大丈夫だお。少なくとも今、半径1キロには怪しい反応はないお」
('A`)「結構広範囲探れるのな。何でそのデカいヘッドホンが肩パッドの隙間に入るのかは置いといて」
- 435 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 22:59:01 ID:2rr64Cow0
-
( ^ω^)「本気出せばもっと行けるお」スチャッ
つ{@] ̄{]
('A`)「すげぇな……」
( ^ω^)「でへへ、それほどでも」
('A`)「……よし、じゃぁ俺から話そうか」
('A`)「まず本当の事情……家にいるのはふらんけんちゅ……フランケンシュタインだ」
( ;^ω^)「フラ……はぁあぁぁぁああ!!?」
('A`)「手伝ってもらってることは、家事のほかは……たまに妖怪とか都市伝説の手術してもらってることくらいかな」
( ;^ω^)「家事やらせてんの!?フランケンシュタインに!?」
- 436 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:01:08 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「あと今、元口裂け女がウチで勉強しててさぁ」
( ;^ω^)「意味わかんねぇお!衝撃の告白を畳み掛けてきやがって!反応追いつかねぇお!」
('A`)「次に俺の能力だけど、探知ってよりはそっち方向にちょっとカンが利く、ってのと、触れることで『やつら』の『特徴を無くす』、って感じかな」
( ;^ω^)「特徴を……無くす?」
('A`)「ただ物質的なのは無くせないけどな。口裂け女の傷しかり」
( ;^ω^)「う、う〜ん、まだよく分からんお……」
('A`)「で、三つ目だけど」
( ;^ω^)「わからないまま流された……」
- 437 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:01:51 ID:2rr64Cow0
-
⊂('A`)「俺の名前は鬱ノ宮 読男(うつのみや どくお)だ。よろしくな」スッ
( ^ω^)「……僕の事情だけど、家に1つ人形があるんだお。それがちょっと変わってて、できればあんまし人に知られたくないんだお」
( ^ω^)「二つ目。僕の受け持ちは市内だけだお。って言っても実際周りの市町村は担当いないし、実質県内はほぼ僕の管轄だと思ってもらっていいお」
( ^ω^)つ「三つ目。僕の名前は内藤 雷蔵(ないとう らいぞう)だお。ブーン、って呼んでくれお。よろしくお」スッ
( ^ω^)つ⊂('A`)ガシッ
- 438 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:04:55 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「……やばいな」
( ^ω^)「ああ……」
('A`)「今の俺たち最高にCOOLだぞ……」
( ^ω^)「ハードボイルドゥ、ってやつかお……」
('A`)「大人の色気むんむんじゃん」
( ^ω^)「今日の爽やかな風に乗って、僕たちのこの色香がみんなに届くといいおね」
('A`)「そうだな。この風……に……」
('A`)「……」
( ^ω^)「?どうかしたかお?」
- 439 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:05:52 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「……おい、ちょっともう一回探知やってみてくれないか?」
( ^ω^)「何でまたそんな急に……」
('A`)「いいからいいから。範囲はさっきよりちょい広めで頼む」
( ^ω^)「いいけどこれ結構疲れるんだお……」
┌──┐
∩] ^ω^)スチャッ
┌──┐
{@];^ω^)「な、なんだおこれ!?」
('A`)「どうした!?」
- 440 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:12:56 ID:2rr64Cow0
-
┌──┐
{@];^ω^)「かなりデカい反応が二つ……こっちに来るお!!ものすごい速さで!!!」
(;'A`)「……こっちもビンゴかよ畜生!!」
┌──┐
{@];^ω^)「!!!来る!!!!」
ギュォォォォォォオオオオオオオオオオ!!!!!!!
⊂( ´_ゝ`)⊃ ⊂(´<_` )⊃
☆ ノ 丿 ☆ ノ 丿
ヽ .ノ (⌒) 彡 ヽ .ノ (⌒) 彡
と_丿=.⌒ と_丿=.⌒
シュタッ!!!!! シュタァ!!!!!!!
┌──┐
{@];^ω^)「な、なな……」
- 441 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:13:50 ID:2rr64Cow0
-
( ´_ゝ`)「ふーむ、何やら同族のかほりを感じたから来てみれば、何だ、やっぱり勘違いだったか」
(´<_` )「まったく、兄者はせっかちさんだな。思いつきで行動するのはいいがTPOを考えてだな」
( ´_ゝ`)「今日は別に思いつきで行動してもいい日だろう。フリーだぞフリー。今日はこの街が俺らのおもちゃだ」
(´<_` )「違いない。せっかく山から下りてきたんだ。俺も都会を楽しみたいさ」
( ´_ゝ`)「JAST DO ITだJAST DO IT。考えてばっかりじゃ得るものなんてほんのちょっぴりだぞ」
(´<_` )「ハイカラなキャッチだな兄者。だがおそらくスペルを勘違いしているぞ」
( ´_ゝ`)「弟者よ。今会話をしているのは俺とお前たった二人。スペルなんてものより思いが伝わること、これが大事じゃないか?」
(´<_` )「その通りだな。流石は流石の兄者」
( ´_ゝ`)「HAHAHAHAHAHA!!!」(´<_` )
- 444 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:16:20 ID:2rr64Cow0
-
┌──┐
{@];^ω^)「何なんだお、こいつら……」
(;'A`)「見りゃわかんだろ。修験者の服装に、赤みがかった顔、一本歯の下駄」
┌──┐
{@];^ω^)「天狗……」
(;'A`)「しかもあの長っ鼻……大天狗の方だ」
( ´_ゝ`)「おう、そうだ。俺たちゃ泣く子も黙る天狗兄弟……」
バァ――――――――――――――ン!!!!!!
_人人 人人人人人人人人_
( ´_ゝ`) > 流石ブラザーズだ!!!< (´<_` )
 ̄Y^Y^Y^YY^Y^Y^YY^Y^Y^Y ̄
- 445 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:17:28 ID:2rr64Cow0
-
┌──┐
{@] ^ω^)「こっちの話聞いてたのかお……」
( ´_ゝ`)「天狗なめんなよ!聞いてないふりをしておきながらその実さりげなく聞いておくことにかけては天下一品!」
(´<_` )「それが俺たち!!」
バァ――――――――――――――ン!!!!!!
_人人 人人人人人人人人_
( ´_ゝ`) > 流石ブラザーズだ!!!< (´<_` )
 ̄Y^Y^Y^YY^Y^Y^YY^Y^Y^Y ̄
- 446 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:18:18 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「しかし何で天狗がこんなところに……」
( ´_ゝ`)「そりゃあ俺たちだって羽を伸ばしたいことだってあるさ。天狗だもの」
(´<_` )「お、兄者うまいな」
( ´_ゝ`)「HAHAHAHAHA!!!」(´<_` )
┌──┐
{@] ^ω^)(なんか天狗って思ってたよりアホっぽいお……)
(´<_` )「しかしちゃんと姿を隠してたはずなのに見つかるとは、ついてないな」
( ´_ゝ`)「そうだな……ん?ガリガリの方何持ってんの?」パシッ
- 447 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:19:10 ID:2rr64Cow0
-
(;'A`)「うおっ!」
┌──┐
{@];^ω^)(い、一瞬でドクオの手から資料を奪ったお……速い……)
( ´_ゝ`)「なになに……」ペラッ
(;'A`)「あ、返せそれ!」
( ´_ゝ`)「えーやだー」
(´<_` )「返せと言われれば返したくなくなる!!それが俺たち」
バァ――――――――――――――ン!!!!!!
_人人 人人人人人人人人_
( ´_ゝ`) > 流石ブラザーズだ!!!< (´<_` )
 ̄Y^Y^Y^YY^Y^Y^YY^Y^Y^Y ̄
- 448 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:20:28 ID:2rr64Cow0
-
( ´_ゝ`)「というわけであばよ!!」バサッ
(´<_` )「帰ってママの足にキスでもしてな!!」バササッ
(;'A`)「あっ!!くそ!!逃げるな!!!」
( ´_ゝ`)「ばいなら〜」(´<_` )
シュンッ!!!
┌──┐
{@];^ω^)「も、もう見えなく……」
(;'A`)「おい雷蔵!!」
┌──┐
{@];^ω^)「ブーンって呼んでね!!」
(;'A`)「だぁ!!めんどくせぇ!!ブーン!!お前の能力で奴らを」
┌──┐
{@] ^ω^)「大丈夫。もうやってるお。ただ……」
(;'A`)「ただ!?」
- 449 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:21:51 ID:2rr64Cow0
-
┌──┐
{@];^ω^)「移動速度が速すぎるお……このままじゃ、じきに僕の探知範囲から出ちゃうお!!」
(;'A`)「……」
┌──┐
{@];^ω^)「どうするかお?車か何かで追いかけるかお!?」
(;'A`)「いや、駄目だ。奴らは自由に動き回れる。闇雲に追っかけたって捕まらないだろうな」
┌──┐
{@];^ω^)「じゃ、どうするんだお!」
(;'A`)「……お前のMAX探知範囲、どのくらいなんだ?」
┌──┐
{@];^ω^)「半径4、5キロ、ってとこだお」
(;'A`)「ギリギリ、かな」
┌──┐
{@] ^ω^)「?何がだお?」
- 450 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:23:16 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「奴ら、『この街が俺らのおもちゃ』って言ってたろ?」
┌──┐
{@] ^ω^)「だから市内から出ないってことかお?でもそれでも広すぎるお……」
('A`)「ここは確かに栄えてるけど、東京なんかに比べりゃその範囲も狭い。ビル群なんて精々半径2,3キロ圏内に集中してる」
('A`)「奴ら、都会ってものに期待してたみたいだしな。で、この街の『都会』っぽい部分は、おそらく半径5,6キロ圏内ってとこだろ」
┌──┐
{@] ^ω^)「つまり、今奴らが僕の探知不可能な場所に行ったとしても、街の中心で全力で探知をすれば、なんとか見つかる……?」
('A`)「確率そう高いわけじゃないがな……しかし、もし奴らを逃して、あの資料が誰かの手に渡り、それを閻魔省が回収したら……」
┌──┐
{@];^ω^)「……僕は情報管理不届きで減給、最悪、素行調査で家入られてアウト……」
(;'A`)「……俺はS級指名手配かくまってたのがばれて、最悪、本物の地獄行き……」
┌──┐
{@] ^ω^)「……やばいお」
('A`)「ああ……」
- 451 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:24:01 ID:2rr64Cow0
-
┌──┐
{@] ^ω^)「今の僕たち最高にデンジャラスだお……」
('A`)「絶体絶命ィ、ってやつだな……」
┌──┐
{@] ^ω^)「ていうかこれ二人でどうにかしなきゃならんのかお……」
('A`)「そうだな……さっき俺と一緒にいた奴らなら、上手いこと言って手伝わせることもできるんだろうけど……」
┌──┐
{@] ^ω^)「まぁ夕方まで出てこないだろうおね……」
('A`)「二人だと流石にきついか……」
┌──┐
{@] ^ω^)「かといって手伝ってくれそうな人なんて……」
('A`)「こっち側の人間で、尚且つ事情を詳しく聞いてこない、もしくは同じような境遇の奴なんてそうそういないぞ……」
┌──┐
{@] ^ω^)「どうしたもんだこれ……ってあれ」
('A`)「どうした?」
- 452 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:24:59 ID:2rr64Cow0
-
┌──┐
{@];^ω^)「天狗の反応でっかくて気づかなかったけど、近付いてくる反応がもう一つ、別にあったお!!」
(;'A`)「おいおいおいまじかよ!!今どの辺に……」
┌──┐
{@];^ω^)「もう目の前に……」
(;'A`)「なっ!」バッ
(,,゚Д゚)「こら!!そんな恰好でそんなとこに座ってたら子供たちが遊べないだろうが!!みんな入り口で怯えてるぞ……って」
(;'A`)「ギコ!?」
(,,;゚Д゚)「ドクオさん!?」
┌──┐
{@];^ω^)「え!?知り合い!?」
- 453 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:26:02 ID:2rr64Cow0
-
(;'A`)「何でこんなところに……」
(,,;゚Д゚)「いやいやこっちの台詞ですよ……ていうか何であんたはいっつも苦情の対象に……」
(;'A`)「いや今回は俺というよりこっちだろ!」
(,,゚Д゚)「え?」
ii i ミ
┌li i ミ┐
{@] ^ω^) 「あ、どうも」スクッ
l⌒ . ̄|
\| | |
| |∪
| i‐i |
(__)(_)
(,,゚Д゚)「うわっ、なんだその恰好……遠目で見てた時に想像してたのよりずっとひどいな……」
┌──┐
{@] ^ω^)「そんなストレートに言わなくても……」
- 454 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:26:52 ID:2rr64Cow0
-
(,,゚Д゚)「ドクオさんと一緒にいるってことは、あんたもやっぱり都市伝説とか妖怪とかそういうのか?」
┌──┐
{@;^ω^)「失礼な!人間だお……ってえ?ドクオの仕事知ってんのかお?」
(,,;゚Д゚)「あ、いけね!口滑っちまった!!」
(;'A`)「日ごろあれだけ人前でそういうこと言うなって言ってるだろ……まぁ今回は別に大丈夫だけど」
(,,゚Д゚)「ってことは仕事仲間か何かですか?」
('A`)「まぁそんなとこだな」
- 455 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:28:30 ID:2rr64Cow0
-
┌──┐
{@];^ω^)「え、えっと……」
('A`)「あぁ、こいつはギコ。俺の元客で今は警察官やってるよ」
(,,゚Д゚)「あ、ども。ギコっす」
┌──┐
{@] ^ω^)「あ、ども。内藤です。ブーンと呼んでほしいです」
(,,゚Д゚)「ぶ、ブーン?」
┌──┐
{@];^ω^)「く、詳しくは置いといて、今はここで駄弁ってる場合じゃないお!!」
(,,゚Д゚)「?なんかあったんすか」
- 456 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:29:31 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「いやー色々あってなぁ……人手が足りなくて困って……」
(,,゚Д゚)
('A`)
('A`)「あっ」
(,,゚Д゚)「?なんすか」
('A`)「こっち側の人間で、尚且つ事情を詳しく聞いてこない、もしくは同じような境遇の奴……」
('∀`)「いるじゃん!!」
(,,;゚Д゚)(この流れは……まずい!!またいらんことに巻き込まれる!!)
- 457 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:30:18 ID:2rr64Cow0
-
(,,;゚Д゚)「あ、あの〜、今日はちょっと……」
('A`)「ギコ、お前俺が死んだら困るだろ?」
(,,゚Д゚)「え……いや特に困ったりすることってないと思いますけど……」
('A`)「えっ……」
(,,゚Д゚)「じゃ、俺はちょっとやらなくちゃいけないことがあるんで……」
('A`)
(,,゚Д゚)「俺はこれでおいとまを……」
- 458 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:31:20 ID:2rr64Cow0
-
('A`)
┌──┐
{@];^ω^)「ま、待ってくれお!!結構ガチでヤバいんだお!!」
(,,;゚Д゚)「う〜ん、実は結構こっちも大変な状況でして」
┌──┐
{@];^ω^)「?どういう……」
(,,゚Д゚)「ホントは今日休暇を過ごすためにこっち来たんですが、一時間くらい前から、街中で突発的な強風による被害がすごい出てて」
┌──┐
{@] ^ω^)「強風……」
(,,゚Д゚)「で、木が倒れたり看板落ちたり屋根落ちたり、交通整理やらで警察の方も人手が足りないみたいで」
┌──┐
{@] ^ω^)「で、君も動員されるのかお?ん?君はこの辺の地区の人なのかお?」
(,,゚Д゚)「いやいや違いますよ。こっちの方の知り合いの警官が夕方からの用事に間に合わないみたいなんで、俺が代役として出てくれって急に言われて」
- 459 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:32:02 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「夕方からってことは今暇だよな!?な!?」
(,,;゚Д゚)「い、いやぁ、忙しんですよ!!ほら、服選んだりブレスケアとかもしないといけないから!」
('A`)「じゃあこっちの目的とお前の目的、一致してるな」
(,,゚Д゚)「え?」
('A`)「その強風、天狗の仕業だ」
(,,;゚Д゚)「て、天狗!?」
('A`)「さっきからちょいちょい違和感あったんだよな……服は風にあおられてるのに俺の肌は風を感じていない。おそらく消えてるんだ。俺の肌に触れた瞬間」
(,,゚Д゚)「……ってことはその風は『そっち』に関係のある風、ってことっすか」
- 460 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:32:56 ID:2rr64Cow0
-
┌──┐
{@] ^ω^)「だからさっき僕に探知してみろ、なんて言ったんだおね」
('A`)「そうそう。で、その天狗が、俺たちのヤバい情報の書かれた資料を持って行っちゃったんだよ」
(,,゚Д゚)「ヤバい資料?それって『そっち』関連の……」
('A`)「あぁ。下手すりゃ『あいつ』のことがばれて俺は死ぬ」
(,,゚Д゚)「あぁ、なるほど……」
('A`)「天狗を捕まえることができれば、街の混乱も収まってお前は代役やらずに済む。俺の命も助かる。どうだ、乗らない手はないだろ」
(,,;゚Д゚)「う、う〜ん、でもなぁ……」
('A`)「おまえ……俺の命がかかってるんだぞ……う〜んってなめてんのか!うんこ中か!便秘か!!」
- 461 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:33:39 ID:2rr64Cow0
-
(,,;゚Д゚)「いやぁ、正直天狗ってかなりヤバいじゃないですか……なんかどうしようもないっていうか……」
('A`)「……もし俺が死んで、今の地区に閻魔省から別の奴が来たら、どうなると思う?」
(,,゚Д゚)「?それはどういう」
('A`)「おそらく一番数の多い退魔局の奴らが引っ張ってこられる。だが奴らは『そっち』側には決して寛容だとは言えない。むしろ敵意むんむんだ」
(,,;゚Д゚)「うわぁ、そりゃ……」
('A`)「ただでさえ、案内所のいた地区だから『そっち』の奴らが多い。お前みたいにまともに働いてる奴もぼちぼちいる」
(,,゚Д゚)「し、しぃさん……」
- 462 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:34:30 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「そうだな。しぃもだな。でも、そいつらの平穏さえ、ぶち壊しかねないぞ。俺が死んだら。俺が死んだら」
(,,゚Д゚)「しぃさん……しぃさんの平穏は……俺が……」
(,,゚Д゚)ノ「俺が守るッ!!!!」バッ
┌──┐
{@];^ω^)「うおっ、いきなりこぶしを振り上げないでお……」
('A`)「よし、じゃあ協力してくれるな!?」
(,,゚Д゚)「うっす!!!!!」
('A`)「というわけで応援1人確保だな」
- 463 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:35:12 ID:2rr64Cow0
-
┌──┐
{@];^ω^)「その人で大丈夫なのかお?ていうかそもそも……」
('A`)「そう。お前も能力で気付いてると思うが、こいつは普通の人間じゃない。『元』狼男だ」
┌──┐
{@];^ω^)「も、元!?狼男!?」
(,,゚Д゚)「あ、はい、自分元狼男やらせていただいてます……」
┌──┐
{@];^ω^)「もうこの十数分で僕の常識が何回転したことか……」
('A`)「というわけで本来の能力までとはいかないまでも、身体能力はかなり高い。少なくとも並みのオリンピック選手よりずっとな」
┌──┐
{@] ^ω^)「おお、そりゃ助かるお!!」
- 464 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/04(木) 23:37:35 ID:2rr64Cow0
-
('A`)「まぁでも、遮二無二追っかけても捕まるもんでもないし、それが役にたつかどうかわからんがな」
(,,゚Д゚)「えぇ〜っ……上げて落とされた……普通逆でしょ……」
('A`)「とにかく時間がもったいない。ただでさえ人手全然足りてないのに相手は天狗ときてる。いかに『作戦』を立てるかが大切だ。今から考えるぞ!!」
┌──┐
{@];^ω^)「おー……」
(,,゚Д゚)「しぃさんは俺が守る!!!」
┌──┐
{@];^ω^)(し、C3?……ビタミンかお?この人なんかよくわからないお……)
('A`)「コラ!内と……ブーン!ぼけっとしてないでちゃんとお前も考えろよ!」
┌──┐
{@];^ω^)「はいはいお……はぁ……」
トリアエズバショカエマショウ
オレノホテルニイコウ
ゲ、ゲイノホンショウガ…
ゲイチャウワ!!!
ヤッパドクオサンハゲイ…
ダカラチガウッテ!!!
ヤンノヤンノ
―――――――――――――――――――――――――――――………………………………………