('A`)ドクオは凄腕ハンターのようです

8.賢者の石

145 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/11/27(金) 22:10:55 ID:kGOiR2..0

8.賢者の石


(;'A`)

凄腕ハンターと呼ばれるウツタ・ドクオは、驚いていた。
彼は最近、錬金術に凝っていた。

普通の魔法とは違う仕組み、違う力のそれが面白くて、色々と練成しては楽しんでいた。


ふとした思いつきで、賢者の石を作ってしまうまでは。


(;'A`)「どうしよう…どうしよう…」

本物である。
これに触れた金属は、皆黄金に変わる。
焦りすぎてちょっと落としてしまった時に、ベルトのバックルが黄金に変わったので本物である。

握って少し念じると、石から液体が出てくる。
おそらくこれを飲むと不老不死になれるが、怖いので流しに捨てた。
タレ眉のホムンクルスのお方に怒られそうな気がした。

146 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/11/27(金) 22:11:45 ID:kGOiR2..0

(;'A`)

さらに、目の前。


ノハ;゚听)

(;-@∀@)


目撃者がいるのである。
二人も。

(;-@∀@)「え…ちょっと、貸して」

(;'A`)「あ、う、うん…」

賢者の石を受け取ると、アサピーはズボンのチャックにそれを押し当てた。
彼の股間がまばゆく輝きはじめた。

(;'A`)「あの…いちおう凄いものだから、股間とかはちょっと…まずいかな、って」

(;-@∀@)「失礼…手近な金属がこれしかなくて…」

147 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/11/27(金) 22:12:36 ID:kGOiR2..0

ノハ;゚听)「それって、売ったら高いんですか?」

(;'A`)「バカ高い…っていうか値段もつけられないとは思うけど…色んな国から刺客が沢山来ると思う…」

ノハ;゚听)「まずいっすね…」

売れない理由は、それだ。
賢者の石は、未だどこの国でも製造に成功していない。
また、製法も確立されていない。

売れば、そのルートを嗅ぎ付けられることは確実だった。

(;'A`)「ほぼ運でできたものだから捕まっても製法とか教えらんないし再現もできないし…」

ノハ;゚听)「なるほど」


(-@∀@)「しかし、上手く使いたいところだね」

(;'A`)「…えっ使うの?」

(-@∀@)「おかねほしい」

(;'A`)「あっ正直…」

148 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/11/27(金) 22:13:59 ID:kGOiR2..0

ノハ;゚听)「なんとか、こう、国とかにバレずに…」

(;'A`)「第一、どこが賢者の石買える大金持ってるの」

ノハ;゚听)「…」

ノハ;゚听)「国?」

(;'A`)「いやいや」

(-@∀@)「石自体を売ることは考えなくていいんじゃない?」

ノハ;゚听)「でも…賢者の石ですよ?」

(;'A`)「だからでしょ」

突然、ヒートの動きが止まった。
何かに気づいたようだ。
おずおずと、話し出した。

ノハ;゚听)「…、ちょっといいですか」

(;'A`)「どうぞ」



ノハ;゚听)「今、すっごい犯罪のプラン練ってるっぽくてちょっとかっこいいです、私達」

(;'A`)「限りなく近いからね、その例え」

149 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/11/27(金) 22:14:44 ID:kGOiR2..0

(-@∀@)「まあ、聞きたまえよ。君達」

今度はアサピーが話し出す。
メガネを指で押し上げ、インテリらしさを醸し出している。
ちょっとだけ期待できそうな気がした。

(-@∀@)「石自体は、確保しとけばいいんだよ。金を売ればいい」

(-@∀@)「鉄のものを手に入れて、金にする。それだけでいいんだ」

(-@∀@)「実家の蔵から遺産が見つかりまして、とか言えば自然だし、そこまで詮索されないだろう」

(-@∀@)「あとは、以下無限ループ。石さえあれば、ね」

(;'A`)「えっ待って…なんでそんな冷静になっちゃってんの…」

(-@∀@)「じゃ、スプーン借りるよ」

(;'A`)「自分ちのでやって!」

(-@∀@)「大丈夫大丈夫、倍にして返すよ」

(;'A`)「ダメな台詞!」

150 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/11/27(金) 22:15:39 ID:kGOiR2..0

ドクオの制止もむなしく、アサピーは行ってしまった。
ドクオ家の金属食器を、根こそぎ金に換えて。

ノハ;゚听)「成功するんですかね…」

(;'A`)「…わからない」

ドクオが立ち上がったところ、ヒートが不思議そうな顔をした。
ドクオの股間を凝視している。

ノハ;゚听)「………?」

(*'A`)「あ、何…?」

ノハ;゚听)「……ご主人様、ベルト…?」

見ると、普段と同じベルト。
なんの変哲もない。

('A`)「…なんの変哲もない?」

ノハ;゚听)「一回、金に変わりましたよね?」

('A`)

('A`)「あれ?」

151 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/11/27(金) 22:16:54 ID:kGOiR2..0

(;'A`)「あ、じゃあ、もしかして…」

(;'A`)「一定時間で元に戻る?」

ノハ;゚听)「はい」

(;'A`)「やっぱり賢者の石としては不完全だったのかも…」

ノハ;゚听)「じゃ、石からでてきたあの水は…」

(;'A`)「不老不死には、なれないのかな…多分…」

二人の間に、沈黙が流れた。

ノパ听)「…夜ご飯、作りますね」

(;'A`)「あ、うん…。今木の皿と木のスプーンしかないから、それで食べられるもので」

ノパ听)「頑張ります!」

153 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/11/27(金) 22:17:48 ID:kGOiR2..0





アサピーが詐欺の罪で起訴されたのは、また別の話である。






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