('A`)しりとりをするようですo川*゚ー゚)o
最終話「     」「  」



642 名前: ◆MgfCBKfMmo[] 投稿日:2013/12/14(土) 21:02:20 ID:Va.GeS3U0
最終話





「     」('A`)人(゚ー゚*川o「  」





.

643 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:03:20 ID:Va.GeS3U0
8月27日



9時頃


(ホテルの人)カタカタ

('A`)「どうですか」

(;ホテルの人)「うーん」

(;ホテルの人)「すいません、そのお客様、チェックインはされてるんですが」

(;ホテルの人)「どうも今は出かけているみたいで」

('A`)「……どこに行ったかは」

(;ホテルの人)「それはわからないです。すいません」

('A`)「いえ」

(-A-)「仕方ないです。どうも」

644 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:04:19 ID:Va.GeS3U0
ホテルの外



('A`)「うーん」

(;'A`)「……」

(;'A`)「電話番号くらい聞いておけばよかった」

('A`)「どこにいるんだよ、親父」

('A`)「せっかく謝る気になれたのに」

プルルルル

('A`)!

カチャリ

('A`)■「はい、もしもし」

(;^ω^)『ドクオ! 大変だお!』

645 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:05:20 ID:Va.GeS3U0
('A`)「な、ブーン?」

(;^ω^)『今モララーさんから電話が来たんだお』

(;^ω^)『キュートちゃんが、今日の6時の飛行機に乗るって』

(;'A`)「……は?」

(;'A`)「お、おい何を言ってんだよ」

(;'A`)「帰ったのが昨日で、今日出発? んな無茶な」

(;^ω^)『それが父親の都合らしいんだお。クーさんがモララーさんに言ったって』

(;'A`)「クーさんが!? それじゃ、本当に……?」

(;^ω^)『ドクオ、どうするんだお? もし会いたいなら、今すぐ電車に』

(;'A`)「ああ、それは」

646 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:06:19 ID:Va.GeS3U0
(;'A`)(どうしよう……まさかこんなにすぐに、キューちゃんが遠くに行っちゃうなんて)

(;'A`)(謝りたいとは思っていたけど、こんなことになるなら彼女に何か残してあげたい)

(;'A`)(もっと何か、彼女のためになるようなもの)

('A`)(……そういえば、最近こんな話、どこかで)

('A`)ピーン

     ●     ○     ●



川 ゚ -゚)「仲直りした後は……すまないが、考えてくれないか」


川 ゚ -゚)「キュートのためになるようなことは何か、を」


('A`)「……キュートのために」


     ○     ●     ○

647 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:07:19 ID:Va.GeS3U0
('A`)(……あのとき、俺は)

('A`)(引き出しの奥にしまいこんだ、写真を見ようとしていた)

('A`)そ(そうだ! 今の俺にできること、やらなきゃいけないこと)

('A`)「ちょっと待ってくれ! 俺、やらなきゃいけないことがあるんだ」

( ^ω^)『なんだお? それ』

('A`)「実は……」

648 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:08:19 ID:Va.GeS3U0
病室



ガチャリ

(´・_ゝ・`)「……母さん」

J( 'ー`)し「……デミタスさん?」

(´・_ゝ・`)「ああ、よくわかったね」

J( 'ー`)し「わかるわ。それくらい」

テクテク

(´・_ゝ・`)「もう、話していいのかい?」

J( 'ー`)し「ええ、大丈夫」

(´・_ゝ・`)「そうか、良かった」

649 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:09:19 ID:Va.GeS3U0
J( 'ー`)し「ねえ、そこの椅子に腰掛けて。落ち着かないわよ」

(´‐_ゝ‐`)「ああ」

スッ

(´‐_ゝ‐`)「……母さん」

(´・_ゝ・`)「昨日、ドクオに会ったんだ」

J( 'ー`)し「あの子に?」

(;´・_ゝ・`)「それで、その……」

J( 'ー`)し「喧嘩した?」

(;´・_ゝ・`)「え?」

650 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:10:27 ID:Va.GeS3U0
J( 'ー`)し「ふふ、当たりね」

(´・_ゝ・`)「ど、どうしてそれが?」

J( 'ー`)し「わかるわよ、それくらい」

J( 'ー`)し「あの子は息子ですもの。私と、あなたの」

J( 'ー`)し「あの子、あなたにそっくりなところあるのよ」

(´・_ゝ・`)「そっくりなところ?」

J( 'ー`)し「何かトラブルや、悩みがあったら、自分で抱え込んでしまうところとか」

(;´・_ゝ・`)「わ、私はそんなこと、あったかな」

651 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:11:19 ID:Va.GeS3U0
J( 'ー`)し「なかなか連絡をくれないのも、仕事のトラブルを家に持ち込みたくないから、そうでしょ?」

J( 'ー`)し「そういう優しさ、私にはすぐわかるのよ」

(´・_ゝ・`)「……そんなに意識したつもりはなかった」

(´・_ゝ・`)「現に、そのことでドクオを傷つけてしまった。優しくなんかないよ」

(´・_ゝ・`)「あの子には、私のことを父親じゃないとまで言われてしまった。父親失格さ」

J( '-`)し「……あの子が、そんなことを」

(´・_ゝ・`)そ「あ、待ってくれ。彼を責めないでくれ」

(´・_ゝ・`)「彼は思ったことを言っただけだ。その苦しさは、あの姿を見てひしひしと伝わってきた」

652 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:12:19 ID:Va.GeS3U0
(´‐_ゝ‐`)「だから、私は反論することもできない。私はもう父親なんかじゃ」

J( 'ー`)し「……いいえ、あなたは父親よ」

(´・_ゝ・`)「……母さん」

J( 'ー`)し「あの子がそれを嫌うなら、それをあの子におしつけなければいいだけよ」

J( 'ー`)し「あなたはずっと、あの子を思っていて。そうしなければならないの。例え嫌われても、あの子を愛していなくちゃいけない」

J( 'ー`)し「それが、親っていうものでしょう?」

(;´・_ゝ・`)「……」

653 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:13:19 ID:Va.GeS3U0
街中


ドンドンドン

(;'A`)「駐在! 駐在!」

ドドドド

バン!

(;><)「な、なんですか!」

('A`)「人を見なかったか!?」

( ><)「人? 行方不明ですか?」

('A`)「いや、そんな大事じゃないけど、急いでいて」

( ><)「…………おい」

654 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:14:26 ID:Va.GeS3U0
( ><)「大事じゃないのに起こすとは、なんという」

(;'A`)「ああもう、知らないなら、いいんです。すいません」

∪・ω・)クウクウ

('A`)「ん? コルレオーネ、助けてくれるのか?」

∪・ω・)クウ!

( ><)「相変わらず仲いいですね」

( ><)「ちゃんと連れて帰ってくださいよ」

('A`)「はい!」

( ><)「それじゃ」

スタスタ...ガチャリ

('A`)「……なんだかんだいって心配してんだな」

('A`)「よし、どうしようか。匂いとかかげばわかるのか?」

∪・ω・)クウ?

655 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:15:20 ID:Va.GeS3U0
再び、病室



(;´‐_ゝ‐`)「ああ、そうだな。私は迷ってしまっていた」

(´・_ゝ・`)「どうしたら彼に好かれるか、そればかり考えてしまっていたよ」

(´・_ゝ・`)まさか、君に気付かされてしまうとは。励ましにきたつもりなのに」

J( 'ー`)し「あら、最初にドクちゃんの話を振ったのはあなたでしょうに」

(´・_ゝ・`)「……確かに」

J( 'ー`)し「それにしても、ドクちゃんもそんなことを言うようになったのか」

(´・_ゝ・`)「寂しい、あいつはそう言っていた」

(´・_ゝ・`)「この街に閉じ込められて、寂しいって」

656 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:16:19 ID:Va.GeS3U0
J( 'ー`)し「やっぱり、私を世話することに責任を感じているのかしら」

(;´・_ゝ・`)「……」

J( 'ー`)しフッ

J( 'ー`)し「バカね。外に出たいなら、言えばいいのに」

J( 'ー`)し「そしたら止めたりなんか、するわけないのに」

(´・_ゝ・`)「いいのかい? あの子は君のために残っているんだぞ?」

J( '-`)しムスッ「何が私のためよ。私の意見なんか聞いてないじゃない」

J( 'ー`)し「息子が笑って過ごしてくれる、それ以上に望むものなんて、ないわよ」

657 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:17:21 ID:Va.GeS3U0
J( 'ー`)し「今度会ったらガツンと言ってやらなきゃ」

(´・_ゝ・`)「……なんだか、たくましくなったな」

J( 'ー`)し「そう? ふふ、嬉しい。これであなたに似合った妻になれたかしら」

(´・_ゝ・`)「とっくに」

ガチャリ

(´・_ゝ・`)!

J( 'ー`)し!

(;'A`)ハアハア

(;'A`)「あ、当たった」

J( 'ー`)し「ドクちゃん!」

(´・_ゝ・`)「ドクオ?」

658 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:18:20 ID:Va.GeS3U0
スタスタ

          ガシッ






(;´・_ゝ・`)「な、何を」

(;'A`)「親父!」

ガバッ

(-A-)「すまん! そして協力してくれ!」

(´・_ゝ・`)(頭を、下げた?)

(´・_ゝ・`)「協力って、何の?」

('A`)「あんたにしか、頼めないことなんだ。あんたの技術がいる。これから言うものを持って、ついてきてくれ」

J(;'ー`)し「ドクちゃん……?」

659 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:19:20 ID:Va.GeS3U0
     ●     ○     ●

まだドクオが小さい頃



J( 'ー`)し「ドクちゃん、着いたよ」

(*・A・)「わーい」

サラサラ

(・A・)「……ここ? ここがとーちゃんの言ってた、いいスポット?」

J( 'ー`)し「そう。まだドクちゃんが赤ちゃんのときに、写真撮影にいい場所を探していてね」

J( 'ー`)し「この街にもきっといいスポットはあるって言って、それで見つけたのが、ここ」

J( 'ー`)し「もう少ししたら、宅地開発されちゃうんじゃないかとか、いろいろ噂されているんだけど」

J( 'ー`)し「一応、まだ残ってくれているみたいね」

660 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:20:19 ID:Va.GeS3U0
(・A・)「んー、普通の森の中じゃん、橋や川とかあるだけで」

J(;'ー`)し「私にもわからないけど、バランスがどうとか、明暗がとか」

(・A・)「???」

J( 'ー`)し「難しいか」

J( 'ー`)し「でもね、こういうところ、あの人が気に入っていたってこと、覚えておくといいわ」

J( 'ー`)し「きっといつか、役に立つから」

(・A・)「……うん! わかった!」

サラサラ

     ○     ●     ○

661 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:21:20 ID:Va.GeS3U0
現在

10時半



サラサラ

('A`)「親父、ここ、覚えているか?」

(´・_ゝ・`)「……」

('A`)「ここの景色、あんたが好きって言ってくれたところだ」

(´・_ゝ・`)「……覚えている」

('A`)「最近まで、ここで絵を描いていた子がいたんだ」

('A`)「この場所をとても気に入ってくれた……」

(´・_ゝ・`)「……」

('A`)「その子は今夜、海外に発つ。もうしばらくここにはこれない」

(´・_ゝ・`)!

662 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:22:18 ID:Va.GeS3U0
('A`)「この自然、いつまでも残るとは限らない」

('A`)「まだ無事だけど、いつか、この田舎だって、時代が経てば開発されちまうかもしれない」

('A`)「そうなったら、この景色はなくなっちまう」




(-A-)




('A`)「だから、親父」

クルッ

('A`)「ここで、写真を撮ってくれ。機材は持ってきたんだろ?」

663 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:23:19 ID:Va.GeS3U0
(´・_ゝ・`)「……ああ、お前に言われた通りに」

('A`)「じゃあ、早く」



(´‐_ゝ‐`)「いや、待て」

('A`)?



(´‐_ゝ‐`)「ドクオ……私はお前を息子だと思う」

('A`)そ



(´・_ゝ・`)「いつでもだ。何があろうとも」



(;'A`)「……」

(´・_ゝ・`)「……」

664 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:24:37 ID:Va.GeS3U0
(´‐_ゝ‐`)フッ

(´・_ゝ・`)「仕事だな。了解した」

(´・_ゝ・`)「この景色を、一番輝く形で残してやる。お前も手伝え、ドクオ」

('A`)「……」

('A`)「……親父」

(*'A`)「……」

(*'A`)「わかった。手伝うさ!」

(*'A`)(キュート)

(*'A`)(もう少し、待っていてくれ)

665 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:26:29 ID:Va.GeS3U0
12時

ショボン邸



川 ゚ -゚)「ただいまー」

o川*゚ペ)oムスー

川 ゚ -゚)「キュートの停学手続きしていたよ」

(´・ω・`)「ああ、こっちも転入手続きが終わったところだ」

(´・ω・`)「向こうの新しい学期が始まる直前で良かった。中途だといろいろ手間が増えるからな」

川 ゚ -゚)「またまた、大抵お金で解決しちゃうくせに」

(´・ω・`)「ははは、そんなこと言うなよははは」

o川*゚皿゚)oムキー

川 ゚ -゚)「ほら、キュート、部屋に行くぞ」

o=o川*゚皿゚)o=oジタバタ

川 ゚ -゚)「出発何時だっけ?」

(´・ω・`)「4時には出ないとだ」

川 ゚ -゚)「おっけー」

666 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:28:23 ID:Va.GeS3U0
キュートの部屋



o川*゚皿゚)o「お姉ちゃんのバカ!」

川 ゚ -゚)「はいはい、私はバカですよー」

o川*゚Д゚)o「なんで大人しくお父さんなんかの言うこと聞いてるの!」

川 ゚ -゚)「仕方ないだろ、ここで暮らしている以上は従わなくちゃ」

o川*>Д<)o「家出してやる!」

川 ゚ -゚)「やめとけやめとけ、もっと長い目で見ろ。碌なことにならないぞ」

o川*゚‐゚)o「というかお姉ちゃんはなんでこっちで暮らすの?」

川 ゚ -゚)「私はここの管理を任されたからな、もう成人だしいろいろ融通が聞くんだ」

667 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:29:18 ID:Va.GeS3U0
o川*゚Д゚)o「えーずるい」

川 ゚ -゚)「まあ、キュート、お前もあと一年の辛抱さ。そういうところきっちりしてるから、お父さん」

o川*゚ぺ)o「……そうだけど」

川 ゚ -゚)「気がかりか? やっぱり」

川 ゚ -゚)「ドクオくんのこと?」

o川*゚ぺ)o「……」

o川* へ )o「だって、逃げてきちゃったようで」

o川*;へ;)o「ちゃんと謝りたいのに、向こうに連れて行かれちゃう」

o川*;へ;)o「また後で連絡したいけど、きっとバタバタするし」

o川*;へ;)o「そうして時間が経ったらドクちゃんと、疎遠になっちゃうかも」

川 ゚ -゚)「意外とネガティブに考えるな」

668 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:30:18 ID:Va.GeS3U0
o川*;Д;)o「あーもう! いろいろもじゃもじゃしてるの!」

川 ゚ -゚)「ごちゃごちゃだろう」

o川*;皿;)oムキー

川 ゚ -゚)「ほれ、4時間なんてあっという間だ、さっさと準備しな」

o川*;‐;)o「ドクちゃん」

o川*;‐;)o「会いたいよ……」

670 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:31:18 ID:Va.GeS3U0
写真屋



ドンドン

ξ゚听)ξ「はいはい、いらっしゃい」

ズイッ('A`)「ツン!」

ξ;゚听)ξ「わっ」

(´・_ゝ・`)「こんにちはー」

ξ゚听)ξ「あ、あらデミタスさん!?」

ξ゚听)ξ「叫ばないでよね。 仕事の依頼?」

('A`)「今さっき撮った写真を現像してほしいんだよ。これ、な」

ゴソゴソ...スッ

ξ;゚听)ξ「え、こんなにあるの?」

(;´・_ゝ・`)「はは、すまないね。熱が入っちゃって」

ξ゚听)ξ「いいですけど……1時間は掛かりますよ?」

('A`)「……とにかく急いで」

ξ;゚听)ξ「わ、わかったわよ。もう」

671 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:32:18 ID:Va.GeS3U0
写真屋ロビー



プルルルル

ガチャッ

('A`)■「はい」

('A`)■「あ、モララーさん」

( ・∀・)『事情はブーンから聞いている』

( ・∀・)『キュートに会いに行くんだろ?』

('A`)「はい!」

( ・∀・)『今クーから連絡があった』

( ・∀・)『彼女らは4時には家を出発してしまうらしい』

672 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:33:18 ID:Va.GeS3U0
('A`)「4時……あと4時間ないんですね」

( ・∀・)『彼女らが住んでいるのは東京南部の○○市だ。電車は通じているか?』

('A`)「うまく乗り換えれば、1時間半で着きます」

( ・∀・)『それなら、駅に知人を置いておく。ジョルジュという男だ』

( ・∀・)『あいつはクーさんたちの家に何度も侵入しようとしているから、場所には詳しい。駅から10分ほどで到着できる』

(;'A`)「な、なるほど」

( ・∀・)『駅に着いたら彼を探せ。いいな、俺たちは君の味方だ』

('A`)「……はい! でもまさか、こんなに協力してくれるなんて」

(;・∀・)『いやなに、君に告白させてしまったときの、あのときの罪滅ぼしさ』

673 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:34:18 ID:Va.GeS3U0
( ・∀・)『それじゃ、な』

プッ

('A`)「……」

(-A-)「ありがとうございます」

('A`)(現像まであと1時間弱)

('A`)(電車が1時間半、駅から10分)

('A`)(すぐに乗り換えられたとして、到着するのは2時40分から、長くても3時……1時間猶予がある)

('A`)(いけるか?)

674 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:35:21 ID:Va.GeS3U0
1時間後



サッ

(´・_ゝ・`)「これでいいかな」

ξ゚听)ξ「大丈夫です」

(;'A`)「悪いな、親父。代金まで」

(´・_ゝ・`)「気にすることない。ほら、早く車に行ってくれ」

ξ゚听)ξ「ドクオ、なんだか知らないけどね」

ξ゚听)ξ「……今度は、諦めないで」

('A`)そ

('A`)「……ああ!」

ガチャリ

675 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:36:19 ID:Va.GeS3U0



ブロロロロ

( ^ω^)「お、来た!」

( ^ω^)ノシ「おいすー!」

キキー

ガチャリ

('A`)「ブーン?」

( ^ω^)「迎えに来たお」

( ^ω^)「僕もこの電車で東京に帰るお。一緒に行くお」

('A`)「……そうなのか」

( ^ω^)「それに、まあ、気になるし」

(;'A`)「はは」

676 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:37:17 ID:Va.GeS3U0
(´・_ゝ・`)「ドクオ」

('A`)!



(´・_ゝ・`)「……頑張れ」



('A`)「あ……」

(*'A`)「はい!」

(´・_ゝ・`)ノ「それじゃ」

ブロロロロ

( ^ω^)「今の……親父さん?」

('A`)「行くぞ、ブーン」

( ^ω^)「え? お、おう」

( ^ω^)(不仲と聞いていたのだけど……いろいろあったみたいだおね)

677 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:38:21 ID:Va.GeS3U0
ピリリリリリ

<間もなく電車が到着します。白い線の内側に

('A`)「きたか」

( ^ω^)「△△駅で乗り換えて、後は一直線だお」

('A`)「時間はまだある」

ゴー...

プシュー

ガラッ

678 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:39:18 ID:Va.GeS3U0
2時

キュートの部屋



川 ゚ -゚)「キュートやー」

川 ゚ -゚)「準備できたか?」

o川*゚‐゚)o「……うん」

川 ゚ -゚)「ん?」

ポツリ

川 ゚ -゚)「画材道具はいいのか?」

o川*゚‐゚)o「飛行機なんかに乗せたら壊されちゃいそうで」

679 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:40:17 ID:Va.GeS3U0
川 ゚ -゚)「ああ、よく言うね」

o川*゚‐゚)o「思い出もいっぱい詰まってるし、必要なら向こうで買えばいいかなって」

o川*゚‐゚)o「……お姉ちゃん」

川 ゚ -゚)「ん?」

o川*゚ー゚)o「あの田舎の絵、まだ描き途中なんだけど」

o川*゚ー゚)o「帰ってきたら、絶対続き描くから」

o川*゚ー゚)o「それ、大事に保管していてね」

川 ゚ -゚)「……もちろんさ」

川 ゚ ー゚)「私はお前の姉だからな」

680 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:41:17 ID:Va.GeS3U0
o川*゚ー゚)o「……ありがとう」

【TV】<ワイワイ

川 ゚ -゚)「あれ、テレビが付けっ放しじゃないか」

o川*゚0゚)o「ほんとだ。忘れてた」

【TV】<ガヤガヤ

川 ゚ -゚)「なんか、騒ぎみたいだな」

川 ゚ -゚)「神奈川の方か」

o川;゚ー゚)o「え……」

681 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:42:18 ID:Va.GeS3U0
電車の中



( ^ω^)「無事△△駅で乗り換えられたお」

('A`)「ああ、あとは目的地まで一気に」



キキー



┗(;'A`)┛「ほわああああ」┗(゚ω゚;)┛



(;'A`)「な、なんだ!?」

<急停車です。ご注意下さい

(;'A`)(;^ω^)「えええ!?」

682 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:43:20 ID:Va.GeS3U0
(乗客)<えーなにそれー

(乗客)<急いでるのにー

ガヤガヤ

(乗客)<おい、先頭車両にいたやつがさー

(乗客)<人身事故っぽい

(乗客)<外で騒ぎになってるって

(乗客)<うわ、私見えちゃったかも



(;'A`)……

(;'A`)「やばくない?」

(;^ω^)「あわわ」

684 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:44:17 ID:Va.GeS3U0
ノロノロ

プシュー

(;'A`)「とりあえず次の駅には着いたな」

<ピンポーン

<列車の遅延をお知らせします

<復旧するは3時××分を見込んでおり

(;'A`)「はっ!? い、1時間も動かないのか!?」

(;^ω^)「本当に人身事故だったんだお、ひいい」

(;^ω^)「3時すぎまで待つのじゃだめかお?」

(;'A`)「無茶だ。ここからあの駅に着くのに1時間は掛かる」

(;'A`)「家に向かう時間も考えたら、ギリギリアウトだ」

685 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:45:21 ID:Va.GeS3U0
(;^ω^)「そ、それじゃ」

プルルルル

('A`)■「ん……モララーさんだ」

ガチャ

('A`)「はい」

(;・∀・)『おい、電車は!?』

(;'A`)「……だめっす」

( ・∀・)『今どこにいる?』

('A`)「△△からちょっと先の、◇◇っていう駅です」

686 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:46:17 ID:Va.GeS3U0
( ・∀・)『遠いな……タクシーは?』

(;'A`)「う……あいにく持ち合わせが」

(;・∀・)『くそ、高速でも使えばむしろ早くつけるのに』

(;'A`)「そうなんですか?」

(;・∀・)『ああ、その路線の線路は蛇行しているからな』

('A`)「……高速」

(゚A゚)ハッ

(゚A゚)「モララーさん! 頼みたいことが」

687 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:47:18 ID:Va.GeS3U0
2時30分

駅前



(;'A`)「……まだか」

(;^ω^)「本当に来るのかお?」

('A`)「そのはずだ。そう、聞いたから」

('A`)「モララーさんにも確認してみたら、30分後には着くはずだって」

( ^ω^)「……一応、電車はまだ止まっているみたいだお」

(;^ω^)「勢いづいて出てきてしまった手前、ここでまた電車に乗るとなるとお金がかかるお」

(;'A`)「ちくしょう、もっとお金持ってきておけばよかった」

ソワソワ

688 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:48:18 ID:Va.GeS3U0
('A`)「……」

ドルルン

('A`)そ

( ^ω^)そ

ドルルン,ドルルン

クルリ

('A`)「き」

(゚A゚)σ「きたあああああああああああああああ」

ドルルン

     バァーーーーーーン




( ゚∋゚)「久しぶりだな!」

690 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:49:18 ID:Va.GeS3U0
( ゚∋゚)「よく覚えていたな。俺がこっちの方に来ているって」

('A`)「それでも、ギリギリでした」

('A`)「なんとか、この地域にクックルさんがいてくれたから良かったです」

( ゚∋゚)「ふむ、事情は断片的にしか聞いていないが」

( ゚∋゚)「お前を○○市に連れて行き、ジョルジュに渡せばいい。そうだな」

('A`)「はい!」

( ゚∋゚)「じゃ」

ポイ

(;'A`)「わっとと」

( ゚∋゚)「ヘルメは被れ。高速いくぞ」

691 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:50:18 ID:Va.GeS3U0
ドルルン

('A`)キュッ

( ^ω^)「ドクオ……」

('A`)「ブーン。ここまでありがとな」

( ^ω^)「はは、構わないお。どうせ帰省するついでなんだお」

( つω;)「それじゃ、ドクオ。達者で、あれ、なんか目にゴミが、うう」

('A`)「……」

('A`)「なあ、ブーン。お前さ、金あるのか?」

( つω;)「…………」

( ^ω^)フッ

( ^ω^)「おい」

ドルルルル

( ゚∋゚)「よし、腰によく手を回せ!」

('A`)「yes sir!」

692 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:51:19 ID:Va.GeS3U0
( ゚ω゚)「ちょっと待てやあああああああああぁぁああぁぁぁ」

(;'A`)「ごめえええええぇぇん」

ブロロロロロ

( ゚∋゚)「安定して走り続ければ、1時間ちょっとで到着と言ったところか」

('A`)(着くのが3時半、そこから探して……ギリギリか)

( ゚∋゚)「なあ、ドクオ。今度赤信号で止まったら、モララーに電話をかけてくれ」

( ゚∋゚)「高速の出口にジョルジュを移動させた方が良い。その方が効率いいはずだ」

('A`)「キュートの家から近いんですか?」

( ゚∋゚)「やや伸びるが、駅に行くよりもスムーズに受け渡しができる」

('A`)「わかりました! やってみます」

( ゚∋゚)「高速に入ったら口を開くなよ。前傾姿勢になって腕にだけ力を込めろ」

( ゚∋゚)「言葉は聞えないし、通じない。わかったな」

('A`)「はい!」

693 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:52:18 ID:Va.GeS3U0
ブロロロロロロロ

('A`)「……あの、クックルさん」

(;'A`)「失礼ながら、おいくつでしたっけ」

( ゚∋゚)「20だ」

(;'A`)「バイクの免許はいつ?」

( ゚∋゚)「去年取った」

(;'A`)「二人乗りダメなんじゃ」

( ゚∋゚)「ばれたことはない」

(;'A`)ヒイイ

694 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:53:41 ID:Va.GeS3U0
3時

ショボン邸



プルルルル

川 ゚ -゚)「はい、もしもし」

(;・∀・)「クーさん! 大変なんだ、ジョルジュと連絡が取れない!」

川 ゚ -゚)「なんだと?」

(;・∀・)「ドクオたちが高速の入口に到着するから、その傍のファミレスに居てくれと伝えたいんだ」

(;・∀・)「だけど肝心のあいつが電話に出てくれない。いったいどうして」

川 ゚ -゚)「わかった、わたしも心当たりを探してみよう」

(;・∀・)「ああ、頼む。それじゃ」

川 ゚ -゚)「ああ」

ガチャッ

川 ゚ -゚)「さて、どうしたものか」

695 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:55:10 ID:Va.GeS3U0
プルルルル

川 ゚ -゚)「!?」

ガチャッ

(守衛)「こちら守衛です!」

川 ゚ -゚)「どうした?」

(守衛)「門の前で怪しげな男を捕まえまして」

  _
( ;゚∀゚)「離せこら! 予行なんだって、予行!」


(守衛)「などと意味不明な供述を」

川 ゚ -゚)「うん、わかった。放してやれ。そして私と代われ」

(守衛)「な、しかし」

川 ゚ -゚)「OKOK問題ない。私が呼んだようなものだ」

(守衛)「はあ、それではしばしお待ちを」

川 ゚ -゚)「…………いたわ」

696 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:56:31 ID:Va.GeS3U0
電話を終えた後


キュートの部屋


ガチャリ

(´・ω・`)「キュート、そろそろリビングに来ないか?」

o川*゚‐゚)o「……はい」

トボトボ

川 ゚ -゚)「ん」

川 ゚ -゚)(ああ、ああ。あからさまに元気のない顔をしている)

川 ゚ -゚)(私もリビングに行ってやろう)

o川*゚‐゚)o(あと一時間か……)

697 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:57:41 ID:Va.GeS3U0
高速



     ドルルルルルルル

                       


※都合により描いてませんが、ヘルメットは被ってます

698 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 21:59:10 ID:Va.GeS3U0
3時半頃


( ゚∋゚)(よし、料金場を出た)

( ゚∋゚)(このまま目的地へ突っ走って)

ピーーーーーーーー

(;゚∋゚)「な、しまった!」

( 'A`)「へ?」

(警官)「停まれ停まれ!」

(;゚∋゚)「くそ、速度オーバーだ」

(;'A`)そ「えええええええ」

699 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:00:10 ID:Va.GeS3U0
(警官)「ここで待ってろ」

タッタッタ

( ゚∋゚)「ち、出口を狙うとは。警視庁め」

(;'A`)「ど、どれくらいかかるんですか?」

( ゚∋゚)「ふむ……見たところ10か20台ほど溜めて検挙するタイプのようだ」

( ゚∋゚)「……最悪30分ほどかかるかもしれない」

(;'A`)「そんなに!?」

(;゚∋゚)「これに三年未満での二人乗りもばれたら……まずいな」

(;'A`)「……どうしましょう」

700 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:01:11 ID:Va.GeS3U0
( ゚∋゚)「……なあ、ドクオ」

( ゚∋゚)「お前、走れるか?」

('A`)「え?」

( ゚∋゚)「この警察、人数は多くない」

( ゚∋゚)「奴らの目をかいくぐって、車の陰を逃げていけば、あるいは」

(;'A`)「そ、そんな! 公権力相手に!」

( ゚∋゚)σ「しかし、待ち合わせはあのファミレスだろ?」

('A`)「えっと、あ、あれだ」

( ゚∋゚)「ちょちょっと、な?」

(;'A`)「……やるしかない、ですね」

701 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:02:12 ID:Va.GeS3U0
( ゚∋゚)「ヘルメ、返せ。しまうから」

('A`)「は、はい」

( ゚∋゚)「達者でな。忘れ物するなよ?」

(;'A`)「いえ、すいません。ここまでありがとうございます」

('A`)「では」

コソコソ

(;'A`)「車の陰、車の陰……」

702 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:03:11 ID:Va.GeS3U0
コソコソ

コソコソ

(警官)「ん」

(;'A`)そ

(警官)「お前……免許持っていないな!?」

(DQN)「ひいい」

(警官)「こっちこい、みっちりしごいてやる!」

(DQN)「うわあああああ」

(;'A`)「ほっ」

('A`)(警官の隙が生まれた。今がチャンス!)

タタタタタ

703 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:04:12 ID:Va.GeS3U0
ファミレス



タタタタタ

(;'A`)「つ、ついたあああああああ」

ゴソゴソ

(;'A`)「!!」
  _
(#)゚∀゚)「よう、元気そうじゃないか」

(;'A`)「ジョルジュさん!? どうしたんですか、その顔」
  _
(#)゚∀゚)「なに、ちょっとな。まあいい、行くぞ!」

(;'A`)「はい!」

チラリ

('A`)(時間は……3時40分!)

('A`)(間に合うか!?)

704 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:05:00 ID:Va.GeS3U0
ショボン邸



(´・ω・`)「はやくいこうかな」

o川;゚ー゚)o「!!」

川 ゚ -゚)「え、なんで?」

(´・ω・`)「いやー、さっき人身事故のニュースあったじゃん?」

(´・ω・`)「成田行くまでにそういうこと起きたら危ないしさ。早めに動こうかなと」

川 ゚ -゚)「えー、結構時間長く取ってるじゃないか。いいだろ別に」

(´・ω・`)「いやいや、私が不安なんだ。なんかこう、嫌な予感がするというか」

川 ゚ -゚)チッ「こういう勘だけは働きやがって」

(´・ω・`)「ん?」

川 ゚ -゚)「なんでもないよー」

705 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:06:10 ID:Va.GeS3U0
(´・ω・`)「さ、キュート。行こうか?」

o川;゚ー゚)o「い、いや!」

ギュッ

(´・ω・`)「おいおい、何をいまさら嫌がっているんだ」

o川;゚ー゚)o「4時まで、なるべく長く残りたい!」

(´・ω・`)イラ

(#´・ω・`)「ええい、せっかく問題も起こさず戻ってきたのに、わがままな奴め!」

グイ

(#´・ω・`)「こうなったら無理やりにでも連れて行ってやる、さあ、こい!」

o川;>ー<)o「いーやーだー!!」

川 ゚ -゚)(やれやれ、ひどい争いだ)

川 ゚ -゚)(どれ、ここはひとつ手を加えてやるか)

川 ゚ -゚)「キュート、トランクの鍵持ってないか?」

o川;゚ー゚)o「へ? そ、そこのバッグの中に」

川 ゚ -゚)「ふむ、これか」

706 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:08:03 ID:Va.GeS3U0
ガサゴソ

キラーン

川 ゚ -゚)「あった」

川 ゚ -゚)「これを……こうして……」

グググ

ポーイ

o川;゚ー゚)o「え!?」

(;´・ω・`)「えええ!?」


                 ガッシャーーーーーン






川 ゚ -゚)「ああっと! 鍵が! 窓を飛び出して! 庭に飛んで行ったー」

(;´・ω・`)「あああああ、なんてことを!」

川 ゚ -゚)シレ「手が滑りました! あとで弁償します!」

708 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:11:12 ID:Va.GeS3U0
o川;゚ー゚)o「え? あれ普通にまずくない?」

o川;゚ー゚)o「私、探してくる!」

ピュー

(;´・ω・`)「わ、私も」

ガシッ

川 ゚ -゚)「まあ待てよ。父さん」

(;´・ω・`)「なんだ? 離しなさい」

川 ゚ -゚)「やだね。キュートと約束したんだ。こっちに来てもなるべく柔らかくいるってね」

707 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:10:02 ID:Va.GeS3U0
(;´・ω・`)「何をわけのわからないことを」

川 ゚ -゚)「あんたもあんただよ。せめてこんなときくらい、キュートに好きにさせてやりな」

川 ゚ -゚)「キュートがやっと見つけた、寂しくならない相手なんだからな」

(;´・ω・`)「なんだ、まさかあの田舎の青年がくるというのか?」

(;;´・ω・`)「ま、ままままままさか付き合っているとでも言うのか?」

川 ゚ -゚)「いや、振ったらしいよ」

(;´・ω・`)「はあ? ならばなぜ?」

川 ゚ -゚)「そんなめんどくさい関係にならなくても、どこにいようとも、気が合えば仲良くはなれるってことさ」

(;´・ω・`)「……ぐぬぬ」

(´・ω・`)「その男、4時には来るんだな?」

709 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:12:13 ID:Va.GeS3U0
川 ゚ -゚)「そのはずだ」

(´・ω・`)「ならば、4時きっかりまで待とう。それっきりだ。それ以上待てん」

川 ゚ -゚)「みみっちいなあ」

(´・ω・`)「ふん、私にだって親としての矜持がある」

(´・ω・`)「キュートを世話するのはこの私だ」

川 ゚ -゚)「だからそれが余裕のない表れだって、あー、もう、いいよ。黙っててくれ」

(´・ω・`)「うむ」

川 ゚ -゚)(まあ、それなりに心配するのは、いいことかも知れないけどな)

川 ゚ -゚)(キュートはキュートで、自分で考えて生きているのさ)

川 ゚ -゚)(なあ)

710 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:13:50 ID:Va.GeS3U0
○○市内


  _
( ゚∀゚)「うおおおおおおおおおおおお」
  _
( ゚∀゚)「頬がなおった!」

(;'A`)「そこですかい!」
  _
( ゚∀゚)「あ、あれだ」

('A`)「あれ。お」





(゚A゚)「でけえええええええええええええええええええええええええええええ」

711 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:15:01 ID:Va.GeS3U0
(゚A゚)「なにあれ! なんで洋館!? なんか事件が起こるの!?」
  _
( ゚∀゚)「なに、侵入することはできる。ここの守衛はそんなに厳しくは」

ピーーーーーー

  _
( ゚∀゚)「ん、なんだこの音は。まだセンサーにも何も触れていないはずなのに」

(;'A`)「??????」

ズダダダダ

(守衛)「いたぞ、ブラックリストの男だ!」

(守衛)「あいつめ、また現れやがったな。まんまと引っ掛かりやがって」
  _
( ;゚∀゚)「な、まさか俺のどこかに発信機を!?」

(;'A`)「どうしてそんなに目をつけられているんですか!?」

712 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:16:17 ID:Va.GeS3U0
  _
( ゚∀゚)「ドクオ、お前は逃げるんだ」

(;'A`)「で、でもそこが目的地なのに」
  _
( ゚∀゚)「俺がなるべく多くの守衛をひきつける。そしたらお前は門へ行け」
  _
( ゚∀゚)「守衛がいなけりゃ、邪魔されることもない。とっとと侵入してキュートと会ってこい!」

(;'A`)「ジョルジュさん、俺のために犠牲に……」
  _
( ゚∀゚)「ふ、あばよ……」

タッタッタッタ

「またきてやったぞてめえらあああああああああああああああああ」

ワーワーキャー

(;'A`)「うう、とにかく一旦引かないと……」

713 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:17:01 ID:Va.GeS3U0




o川*゚ー゚)o「鍵……鍵」

キラーン

o川*゚ー゚)o「ん」

トットット

o川*゚ー゚)o「ああ、会った」

o川*゚ー゚)o「これで……もう戻らなきゃ」

タッタッタッタッタ

o川*゚ー゚)o「ん?」

クルリ

川 ゚ -゚)「やあ」

714 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:18:02 ID:Va.GeS3U0
o川*゚ー゚)o「お姉ちゃん、鍵ならもう」

川 ゚ -゚)「待て!」

シーン

o川;゚ー゚)o「?」

川 ゚ -゚)「……まだ、聞かれたらまずい」

川 ゚ -゚)「キュート、よく聞け」

o川*゚ー゚)o「え?」

川 ゚ -゚)「玄関に向かって走れ。彼が、いる」

o川*゚ー゚)o「!?」

715 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:19:23 ID:Va.GeS3U0
o川*゚ー゚)o「もしかして、ドクちゃん? い、いつの間に」

川 ゚ -゚)「いろんな人たちが協力してくれたんだよ」

川 ゚ -゚)「さあ、もう時間が無い。一言二言交わすだけなら、お父さんも邪魔しないはずだ」

o川;゚−゚)o「…………」

o川*゚ー゚)o「やっぱり、こっちにはいられない、よね」

川 ゚ -゚)「ああ。今はダメだ。無茶をして、いいことなんてない」

川 ゚ -゚)「機会が来たら、また会いにこい。そのときを楽しみにするんだ」

o川*゚−゚)o「会うときを、楽しみに……」

川 ゚ -゚)「あの絵、描くんだろ? それと同じさ」

o川*゚ー゚)o「! うん!」

716 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:20:50 ID:Va.GeS3U0
o川*゚−゚)o「それじゃ……お姉ちゃん」

o川* − )o「私、いくね」

クルリ

トットットット

川 ゚ -゚)「……うん」

川 ゚ -゚)「行ってこい、キュート」

717 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:21:50 ID:Va.GeS3U0




(#'A`)「むおおおおおおおおおお」

ギギギ

(#'A`)「ちくしょう、重いいいいいいいいい」

ギギギギギギ

ゴゴゴ

(#'A`)「や……やっと一人分の隙間!」

(;'A`)ゼエゼエ

ヨタヨタ

(;'A`)「あそこを……くぐれば……キュートが」

(;'A`)「キューちゃん……」

ヨロ...ヨロ

718 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:23:02 ID:Va.GeS3U0
ハア

(;'A`)

ヨロリ

('A`)





o川*゚0゚)o




o川*゚ー゚)o「……本当だったんだ」

719 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:24:20 ID:Va.GeS3U0
('A`)「あ」




('A`)「これ」




スッ




o川*゚ー゚)o「……うん」




o川*゚ー゚)o「ありがとう」

720 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:25:29 ID:Va.GeS3U0
4時






カーン,カーン,カーン,カーン






('A`)ノ「     」     「  」\(゚ー゚*川o






.

721 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:26:40 ID:Va.GeS3U0






それから、俺は






キュートのいない日々を過ごした。






.

722 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:28:02 ID:Va.GeS3U0
あれから、前より人づきあいがよくなった。





ブーンもそうだし、その先輩のモララーさん、クックルさん、ジョルジュさん、クーさん





街の、ツンや、駐在さんたち、それから、かーちゃん





そして、デミタス、俺の親父





気付けば、みんなと仲良くなっていた。




.

723 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:31:23 ID:Va.GeS3U0
その全ては、あのひと月から始まった。





俺の人生は、あのときから大きく変わり





寂しさとか、そういう途方もない気持ちもすっかり考えなくなった。






だけど、キュートがいない喪失感は





他の何を持ってしても、埋めることはできなかった。





.

724 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:32:35 ID:Va.GeS3U0
その空白は、ちっぽけな俺ではどうすることもできないものだ。





それだけ、キュートの存在が俺にとって大きな意味をなしていたんだ。





だから、俺は待った。





その機会が訪れるのを、ずっと、待ち続けた。





そして……





.

725 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:33:19 ID:Va.GeS3U0







数年後







.

726 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:34:21 ID:Va.GeS3U0






ドクちゃん






しりとりしよ?






.

727 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:35:21 ID:Va.GeS3U0







('A`)「メロンミルク」






o川*゚ー゚)o「クルミ」






.

728 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:36:23 ID:Va.GeS3U0






('A`)「ミネストローネ」






o川*゚ー゚)o「ネックレス」






.

729 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:37:20 ID:Va.GeS3U0






('A`)「水彩画」






o川*゚ー゚)o「ガイコツ」






.

730 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:38:29 ID:Va.GeS3U0




(゚A゚)ハッ





(*'∀`)「付き合ってください」「いや」o(^ー^*川o




('A`) …………チェ     ヘヘヘ o(^ー^*川o




.

731 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:39:20 ID:Va.GeS3U0






('A`)「……屋台囃子」






o川*゚ー゚)o「……しまうま」






.

732 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:40:53 ID:Va.GeS3U0







('A`)               o(゚ー゚川o






('A`)ノ「また会おう」「うん」\(゚ー゚川o







(*'A`)               o(^ー^川o






.

733 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:42:20 ID:Va.GeS3U0







会えたね







…………うん







.

734 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:43:38 ID:Va.GeS3U0



735 名前: ◆MgfCBKfMmo[sage] 投稿日:2013/12/14(土) 22:44:38 ID:Va.GeS3U0







('A`)しりとりをするようですo川*゚ー゚)o







おわり







.



<<<第九話「……    」あとがき>>>

トップ中編・長編作品一覧('A`)しりとりをするようですo川*゚ー゚)o最終話「     」「  」
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