死神として就職したものの上司はツッコミどころ満載のようです

六人目:津出ツン

163 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:11:27 ID:WWhfqBJ60


拝啓、お父さん、お母さん、便所コオロギ、お元気にしてますか。

最近大きなニュースなどは特にありませんが漬物を食べ損ねました。悔しいです。

この何とも言えない気持ちを誰にぶつければいいんでしょうか。上司でしょうか、それとも職場の犬でしょうか。

それとめっきりと寒くなってきましたね。鼻水が止まりません。

この季節は体調を崩しやすいので気をつけて。

P.S.ささやかなクリスマス気分にケーキとチキンを置かれても対応に困ります。

更にP.S.線香替わりにロウソク一本ケーキ立てないでください。何だか悲しくなります。

164 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:12:20 ID:WWhfqBJ60


( ^ν^)・'.。゜「ぶえっくしゅ!!」

(゚、゚トソン「あれ、ニュッさん風邪ですか?」

( ^ν^)「いや別にそういう訳じゃ……て言うか死神って風邪ひくんですか」

(゚、゚トソン「いえ別に」

( ^ν^)「じゃあ何で聞いたんですか……」

(゚、゚トソン「一瞬ニュッさんが蘇生されたのかと思って……」

( ^ν^)「蘇生!?」

(゚、゚トソン「蘇生」

( ^ν^)「くしゃみで蘇生すんの!?」

(゚、゚トソン「しません」

( ^ν^)「しねぇのかよ」






( ^ν^)死神として就職したものの上司はツッコミどころ満載のようです




                六人目:津出ツン

165 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:12:58 ID:WWhfqBJ60


( ФωФ)「ぬう……今日はよく冷えるであるな……」

lw´- _-ノv「でも石油ストーブってどうよ」

( ФωФ)「我輩暖房エアコンとかは嫌いなのである」

lw´- _-ノv「まぁ温まるんだからいいけどさぁ。後でモチ焼くべモチ」

爪'ー`)「石油ストーブでモチ焼くのって懐かしいなぁ。小学生以来だわ」

lw´- _-ノv「冬の風物詩だかんね。さーてどんくらい種類作ろっかな」

lw´- _-ノv「磯辺、あんこ、きなこにお雑煮、ぜんざい……」

爪'ー`)「よもぎも追加で」

lw´- _-ノv「えー今からだとめんどくさいなぁ」

( ФωФ)「雑煮もなかなか面倒だと思うが……それは年明けでいいだろ」

lw´- _-ノv「んー……いちごパンツの言う通りかな。私もう仕事ないだろうしピャーちゃん戻ったら一緒に作ろ」

爪'ー`)「杉ちゃんだんだん慣れてきたな」

( ФωФ)「何かもうどうでもよくなったのである」

166 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:13:46 ID:WWhfqBJ60


( ^ν^)「おうおう先輩方は暖房群がり虫ですか」ケッ

(゚、゚トソン「ニュッさんも意地張ってないで参加したらどうですか」

( ^ν^)「絶対その場から動かなくなる自身あるから嫌だ」

(゚、゚;トソン「自信満々に言われても……」

<おんみょ〜ん

(゚、゚トソン「あ、仕事来た。どれどれ……」

(゚、゚トソン「フォックスさーん。仕事入りましたよー」

爪;'ー`)「うわマジかよ……嫌だぁ〜仕事行きたくなーい!!」

( ФωФ)「つべこべ言わずに行ってくるのである」

爪;'ー`)「ストーブから離れない杉ちゃんに言われたくねぇよ……あーもう嫌だなー」ノソノソ

(゚、゚トソン「じゃあ私達も行きましょうか」

( ^ν^)「うぃっす」

167 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:14:23 ID:WWhfqBJ60


( ^ν^)「そういやフォックスさんってどこ担当なんですか」

爪'ー`)v「俺東北〜」

( ^ν^)「それはまた……冬場には辛い場所で」

爪;'ー`)「めっちゃ辛いよ!?吹雪とかやばいし路面凍結してるから滑るし何より寒いし!」

( ^ν^)「それはそれは……せめての情けに効果が切れてカピカピになったホッカイロあげますね」

爪;'ー`)「いらねぇ!!ゴミじゃねぇか!!」

(゚、゚;トソン「ほらほら遊んでないで行きますよ」


―――
――――……

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―――
――――……

168 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:15:00 ID:WWhfqBJ60


【群馬】

(゚、゚トソン「えーっと今日は……あ、山だ」

( ^ν^)「山田さん?」

(゚、゚;トソン「山田さんではなく山登りです!ハイキングですよ!」

( ^ν^)「うへぇ」

(゚、゚トソン「それで名前は……津出ツンさん。死因は足を滑らせて崖から転覆。そこからの頭を強く打ち付けて死亡と……」

(゚、゚;トソン「年齢は……15歳!?女子高生じゃないですか!」

( ^ν^)「つーことはピャー子と子供店長の間か」

(゚、゚;トソン「そうなりますね」

( ^ν^)「しかも女子高生って山登りするんですか。しかも一人で」

(゚、゚;トソン「するんじゃ……ないですかね。趣味か登山部かのどちらかでしょう」

( ^ν^)「今流行りの山ガールとか森ガールってやつですか」

(゚、゚;トソン「もうそれ流行ってないんじゃ……」

(゚、゚;トソン「まぁ流行は置いといて、早速現場に向かいましょう」

( ^ν^)(俺と死因似てるのが親近感湧いて嫌だな)

―――
――――……

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――――……

169 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:15:38 ID:WWhfqBJ60


【山中】

(゚、゚トソン「着きました」

(;^ν^)ゼェハァゼェハァ……

(゚、゚トソン「大丈夫ですか?」

(;^ν^)「全然……山登りなんかしねぇから余計辛い……」

(゚、゚トソン「まぁ、柿農家の息子でも登山はしませんからね」

(;^ν^)「と言うか登山自体そうそうする人間居ませんよ」

(゚、゚;トソン「なんですと……!」

(;^ν^)「何でそんなレジャー寄りの思考なんだ!」

170 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:16:13 ID:WWhfqBJ60


( ^ν^)「で?肝心の魂と死体は?」

(゚、゚トソン「ご安心を。この下にありますので」

( ^ν^)「この下って……」チラッ

( ^ν^)「結構ありますけど」

(゚、゚トソン「はい」

( ^ν^)「はいじゃねぇよ」

(゚、゚トソン「なんです?怖いんですか?」

( ^ν^)「ガタがアシアシしてます」ガタガタガタ

(゚、゚;トソン「ひ、膝が笑ってらっしゃる……」

171 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:17:23 ID:WWhfqBJ60


(゚、゚;トソン「でも降りる方法ってこの下を滑り落ちるしかないんですよ?」

( ^ν^)「ダンボールで滑るのも嫌です」

(゚、゚;トソン「ダンボールなんか使いませんよ。このまま直立しならザーッと」

( ^ν^)「無茶ぶりをおっしゃる」

(゚、゚トソン「転落失敗したら普通に痛いんでそれだけは気をつけてください」

( ^ν^)「余計滑りたくねぇよ」

(゚、゚トソン「ではお先に!」ピョン

( ^ν^)「ちょ」

(゚、゚トソン三 ザー

( ^ν^)「うわぁ本当に滑り落ちて行ったよ……直立不動だし……」

( ^ν^)「………」

( ^ν^)「せめてこの前みたいに巻き添えにしてくりゃあなぁ……」

( ^ν^)ジー

( ^ν^)(ションベン漏れそう)

172 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:17:57 ID:WWhfqBJ60


( ^ν^)(マジどうしよう……)

(;^ν^)そ「うおあ!携帯鳴ってるし!」ホントニホントニライオンダー

(;^ν^)「もしもし!」ピッ

『ニュッさんまだですか。早く来てください』

(;^ν^)「山の中なのによく電波繋がったな!」

『死神ですから』

(;^ν^)「何でもありだな本当……畜生降りたくねぇ!せめてビーグルが居たら……」

『ビーグルさんの散歩はピャー子さんがやってますよ。ホント一瞬なんで頑張ってください』

(;^ν^)「クソッ!ええいじゃあもうヤケクソで降りるから受け止めてくださいよ!」

『嫌ですよ』プッ ツーツーツー

( ^ν^)

(#^ν^)「あんのペチャパイ……」ダッ


――――……

173 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:18:44 ID:WWhfqBJ60


(゚、゚トソン

(゚、゚トソン(ニュッさん遅いなぁ……早くしないと困るのに……」

ヒュー……

(゚、゚トソン「あら」

(;^ν^)ドスッ

(゚、゚;トソン「ニュッさんが降ってきた!」

(;^ν^)「ん……だああああ!!いってえええええええ!!」

(゚、゚;トソン「で、でしょうね……て言うか何ですかその関取みたいなポーズ……」

(゚、゚トソン「………」

(゚、゚*トソン「ふふwww……ニュッさん関取……細いのに関取……ふふ……wwww」

(#^ν^)「時間差でツボってんじゃねぇよ」

174 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:19:29 ID:WWhfqBJ60


( ^ν^)「……で、見つかったんですか?」

(゚、゚トソン「あ、それが見つからないんですよ。ここにあるのは死体だけです」

(;^ν^)「うおっ目の前に」

(゚、゚トソン「多分落ちた弾みに飛ばされたんでしょう。きっと近くに有るはずです。探しましょう」テクテク

( ^ν^)「嫌だなぁ……俺より死体の状態ひでぇじゃん……」テクテク

―――
――――……

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―――
――――……

175 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:20:15 ID:WWhfqBJ60


(゚、゚トソン「あの距離だったらこの辺りに……」キョロキョロ

ξ- -)ξ

(゚、゚トソン「居ました」

( ^ν^)「気絶してるな」

(゚、゚トソン「あぁニュッさんもこんな状態だったなぁ……」

( ^ν^)「似たような魂見る度俺の事思い出さないでくださいよ。どうします?」

(゚、゚トソン「とりあえず起こしましょうか。大丈夫ですか?」

ξ;- -)ξ「うーん……」

ξ;- -)ξ「あたまくらくらする……」

(゚、゚トソン「脳震盪でしょうか。何か飲み物を……」

( ^ν^)「じゃあ俺のモンスターエナジーを」

(゚、゚;トソン「ダメですダメですそんなの!」

(゚、゚;トソン「とりあえず私の持ってるミネラルウォーターを……」

(゚、゚;トソン「私の言葉分かります?お口あーんしてください」

ξ;--)ξアー

(゚、゚;トソン「ゆっくりゆっくり……」

ξ;-〜-)ξチビチビ

(゚、゚;トソン「ごっくんしてください」

ξ;--)ξゴックン

( ^ν^)「子育てか」

176 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:20:51 ID:WWhfqBJ60


ξ;--)ξ「うう……」

ξ;゚听)ξハッ

ξ;゚听)ξ「わ、私崖から落ちて……!でも傷は塞がってるし……」

(゚、゚トソン「おはようございます」

ξ;゚听)ξ「ぎゃ、ビックリした!貴方救助隊の人?にしては就活生みたいな……」

(゚、゚トソン「私は死神の都村トソンと申します。貴方を迎えに来ました」

( ^ν^)「死神二号機梅宮ニュッです」

ξ;゚听)ξ「し、死神……?それより私死んで……」

(゚、゚トソン「ええ死にました。三途の川まで案内しますよ」

ξ;゚听)ξ「信じられないわよそんなの!いきなり死んだなんて言われても!」

(゚、゚;トソン「誰もはそう思いますよ」

( ^ν^)「都村さん都村さん、例のモノを見せてやりやしょう」

(゚、゚;トソン「何ですかそのヤの付く職業みたいな言い方……まぁあまりいいものではありませんが」

―――
――――……

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―――
――――……

177 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:21:32 ID:WWhfqBJ60


(゚、゚トソン「えーっと確かここですね」

( ^ν^)「相変わらずひでぇ状態だな」

ξ;゚听)ξ「こ、これが私……!?」

( ^ν^)「何その一通りオシャレされて鏡見た時みたいな反応」

ξ;゚听)ξ「うわぁ……気持ち悪っ」

(゚、゚;トソン「気持ち悪いって……これ貴方ですよ?」

ξ;゚听)ξ「だってぇ……こんなカバンの底で潰れたあんぱんみたいなさぁ……」

( ^ν^)「ちなみに頭蓋骨割れて脳みそが溢れてるんだぜ?」グイッ

(゚、゚;トソン「こらこらこら!!乱暴に掴まない!」

ξ;゚听)ξ「そうよ!乙女の髪の毛を掴むなんて最低だわ!」

そ(゚、゚;トソン「そっち!?怒る所そっち!?」

( ^ν^)「なかなか肝の据わったガキんちょだな」

―――
――――……

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―――
――――……

178 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:22:04 ID:WWhfqBJ60


ξ゚听)ξテクテク

ξ゚听)ξ「んー……死神って本当に居たのね。疑ってごめんなさいね」

(゚、゚トソン「いいえ。もう慣れっこですから……」

ξ゚听)ξ「地獄とか天国もあるの?」

(゚、゚トソン「ありますよ。生前何をしたかによって変わりますねぇ」

ξ;゚听)ξ「えっ……今まで付いた嘘の数で閻魔様に下引っこ抜かれちゃうのかな!?」

ξ;;)ξ「どうしようニュッ君!私そんないっぱい舌ないよ!」ユサユサ

( ^ν^)「舌いっぱいあったとしても閻魔ドン引きして終わるだろ」

ξ´凵M)ξ-3「ならよかったぁ……」

(゚、゚;トソン「いや別に……嘘ついたぐらいで地獄は落ちませんが……安心する所そこなんですか?」

ξ゚听)ξ「んじゃあさ、どんな人が地獄に落ちるの?やっぱ悪い人?」

(゚、゚トソン「はい。殺人、放火、強盗に誘拐……要するに犯罪者です」

(゚、゚トソン「あ、後自殺」

ξ゚听)ξ「自殺すると地獄に落ちちゃうの?」

(゚、゚トソン「はい。両親から貰った命を粗末にするなんて、閻魔様が最も嫌う事ですからねぇ」

ξ゚听)ξ「へー……色々とあるのね。私も死神になろっかな」

( ^ν^)「やめとけやめとけ色々と辛いぞ」

ξ゚听)ξ「何よ!ニュッ君のけちんぼ!」

( ^ν^)「けちんぼじゃなくて忠告っつーんだよこの場合」

(゚、゚トソン「若い子に懐かれやすいですねニュッさん。もう着きますよ」

179 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:22:51 ID:WWhfqBJ60


ミセ*゚ー゚)リポケーッ

(゚、゚トソン「ミセリ」

ミセ*゚ー゚)リ「あ、トソンちゃん。ごめんボーッとしてた。お客さんかな?」

(゚、゚トソン「はい。この子です」

ξ゚听)ξ"「こんにちは」ペコッ

ミセ*゚ー゚)リ「うわすげぇJKだ!」

ξ;゚听)ξ「見破られた!?」

ミセ*゚ー゚)リ「情報は全部回ってくるからねー」

ξ;゚听)ξ「うわ個人情報丸分かり」

ミセ*゚ー゚)リ「そりゃ根掘り葉掘りとね。あ、お金持ってる?片道130円ね」

ξ;゚听)ξづ「しかもお金を要求された!」チャリ

ミセ*゚ー゚)リ「うひひひひありがとね」

(゚、゚トソン「では……ここでお別れです」

ξ゚听)ξ「あ……もうさよならしなきゃいけないの?」

ξ゚听)ξ「何か寂しいなぁ」シュン

ミセ*゚ー゚)リ「落ち込みなさんな。着くまでミセリちゃんと女子トークしよう」

ξ*゚听)ξ「する!」

( ^ν^)「切り替えはぇぇなオイ」

180 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:23:24 ID:WWhfqBJ60


ミセ*゚ー゚)リ「では出発!」

ξ゚听)ξノシ「じゃーねぇー!!」

(゚、゚トソン「さようならー」

( ^ν^)「じゃあなガキんちょ」

(゚、゚トソン「……凄い明るい子でしたね」

( ^ν^)「テンションの落差激しいし表情筋が忙しい奴だったな」

(゚、゚トソン「それじゃあ戻りますよ。今度こそは食べそびれない様にしませんとね!」

( ^ν^)「ですね」

――――……

181 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/12/12(月) 21:24:03 ID:WWhfqBJ60


(゚、゚トソン「戻りました」

( ^ν^)「寒い」

川*` ゥ´)「お!お疲れさん二人共」

(゚、゚*トソン「それで私達のおモチは……?」ワクワク

( ^ν^)ソワソワ

川*` ゥ´)「あー……実は市販のモチ買い忘れてさー」

(゚、゚;トソン「えっ、そんな……」

川*` ゥ´)「しゃーねぇからアタイと杉浦でもち米から作ったよ」

(゚、゚;トソン「逆に本格的になった!」






六話 おしまい

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