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759 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 21:55:48 ID:3.a9DpCc0
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〜now roading〜
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( ゚∀゚)o彡゜
HP / A >> A
strength / B >> A
vitality / C >> D
agility / C >> B
MP / E >> C
magic power / F >> D
magic speed / B >> C
magic registence / E >> D
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(推奨BGM)
http://www.youtube.com/watch?v=t1bzIOvNVO4&sns=em
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760 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 21:57:15 ID:3.a9DpCc0
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蒼い空
赤い土
その狭間にそびえる 紫の葉 を有した森。
一年中、色をつける広大な森。
それが赤い森。
……まだその名に忌まわしい記憶が滲んでしまう前の、呪術師の森。
広場で集まるのは数人の子供たち。
背丈、性別、性格に差はあれども
皆同様の表情を浮かべている。
集まった少年少女たちは今年で7歳になる。
この赤い森において、
本来ならばこれから独り立ちする年頃だ。
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761 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 21:58:03 ID:3.a9DpCc0
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『……な、なあ、おまえなんて言って呼ばれた?』
それまで皆が黙りこんでいた。
一人が恐る恐る口を開くと、堰を切ったように全員が喋り出す。
『あたしは…ここでみんなが集まるからとしか言われてないよぉ』
『ぼくはイイモノ配るって、きいたよ?』
『それほんと?! なんだろ?』
『えぇー? ひなんくんれんって聞いたけどなあ』
『うそぉ。 わたしも渡すものがあるって言われたわ』
興奮し、無邪気にはしゃぐ姿は
このあと起こるであろう何かに期待する様子だった。
一族しか住まない森のなかとはいえ、
子供たちだけでポツンと集まる景色は
外の人間が見れば些かの不安を感じるだろう…
しかし当の子供たちは無邪気なものだ。
( ゚∀゚) 『こないだのかくれんぼの決勝トーナメントかな?』
川д川 『……わかりません』
その数は合計8人。
時はまもなく…日の出を迎えようとしている。
『あっ、パパ!』
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762 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 21:58:50 ID:3.a9DpCc0
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一人の子が指を指し、声をあげる。
…その方角から現れたる16人。
女性は紅、男性は碧の着物に身を包み、
腕の太さ程の白い荒縄で肩、腰、背中へとその身を結び締めている。
子供たちとは違い厳かな雰囲気で一歩一歩…
ゆっくりと自分達に歩いてくる父と母の姿を見て、その息子や娘も気圧されて居直す。
その一族は皆、厳しくも優しい気質の持ち主だった。
幼い頃からそれは両親と同郷の友をもって培われていく。
彼らの中に、
笑みを浮かべながら叱る風習はない。
子供だから仕方無いという概念はない。
だらしなくも働かないような習性はない。
厳しい顔をしていれば、それは事実厳しい結果が待ち受けている。
柔らかな顔をしていれば、それは包み込まれるような慈愛が待ち構えているのだ。
だから…子供達は誰に言われるまでもなく
自然と横一列に並びだした。
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763 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:00:42 ID:3.a9DpCc0
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『…いつもと違うね』
( ゚∀゚) 『あんな服はじめてみたぞー』
『ぼくも…みたことないよ』
川д川 『……』
無理もない。
これは定められた年齢に達した一族にのみ行われる儀式の正装であり、
それまでは子にも秘匿される衣裳なのだ。
『ーー 全員揃っているようだな』
碧を着る誰かの父の声が広場中に響く。
静かだが張り詰めた一声は、
空という天井をすぐそこにまで低く感じさせるに充分な熱を感じさせる。
『あまり身構えなくて良いのよ…
これが終わったあと、あなたたちにはやらなくてはならない事があるのだから』
紅を纏う誰かの母が続けて言った。
その声には二種類の色が込められているが、彼らはまだ気付けない。
それぞれの両親の元へ…彼らは歩を進め前に出る。
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764 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:01:32 ID:3.a9DpCc0
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『…これは?』
彼らに手渡されたのは各人に一体の人形。
『今からお前たちに教えるのは一族に伝わる呪術だ。
途中で具合が悪くなったら…』
また誰かの父がそう話しかけ、
『…いや、具合が悪くなるかもしれないが最後まで耐えてもらう。
死んだり怪我をするわけではないから安心しろ』
と緊張の面持ちで言った。
川д川 『……呪術の、れんしゅう』
『そうよ、その人形にあなたたち一人ひとりの魔導力を込めて…』
彼女の母は目にほんの少し…涙を浮かべていた。
子供に気付かれぬよう、長めにまばたきを繰り返す。
気持ちを隠すわけではない。
これから一族を待ち受ける運命に、
どうかこの少年少女らが太刀打ちできる様…
純粋に秘めた想い。
他の子供達も同様の説明を承けた。
この人形から授かる呪術は……
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765 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:02:33 ID:3.a9DpCc0
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( ゚∀゚) 『…?』
少年は自身の親の態度に感じるものがあった。
『皆も心の準備はできたか?
…背中部分の繋ぎ目に指を容れるんだ』
皆一様に人形をくるりと回す。
それは手の中で、グニャリとした感触で頭を垂れる。
『押すんじゃない、"刺し込め" 。
できれば全員が一緒にな』
子供たちは互いに顔を見やりながら
やがて…親指に力を込め始めた。
川д川 『……』
指示に従いながらも少女は気付いていた。
自身の親の態度、その違和感に。
ーー それは焦燥感。
.
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766 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:03:19 ID:3.a9DpCc0
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しばしの間隔をおいて
子供達の指が人形を突き破るのと、
その穴から噴き出す赤黒い煙のような光、
…それは同時だった。
広場の向こう側で、
森が爆発音と共に炎上するのも。
.
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767 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:05:04 ID:3.a9DpCc0
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子供達の悲鳴が聴こえる ーー
人形に貯め込められた黒い魔導力に煽られ、
一人ひとりの体内を巡る赤い魔導力が
目まぐるしく入れ替わるかのように何度も何度も往来する度、その身が跳ねる。
そして背後で大人達の悲鳴が聴こえる ーー
赤い森の至る場所で立ち上る炎が、色づく葉を橙に照らして離さない。
広場にいる両親らは真逆で起きる現象に慌てふためき、一時とはいえ狼狽してしまう。
『ーー 早すぎる、せめてもう少し時間があると思ったが…』
『始まったものは仕方がない。
継承の儀が済めばあとは逃げるだけだ』
男親達はすぐに理を取り戻し、
目の前の子供達を注視する動作に戻る。
…しかし、
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768 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:06:01 ID:3.a9DpCc0
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『あ、ああわわ……!』
全員ではなかった。
一人だけ、タイミングが合わずに始められなかった子が混乱に呑まれ動けない。
『畏れるな! 森は大丈夫だ。
だからお前も皆と一緒に儀を行え』
『で、でで、でもっ ーー だって…』
子の視線は同い年の友へと向けられる。
:(( ∀ )): 『 あがが ーー』
『っあぁ ーー 』
『きゃぁあぁぁ ーー 』
:|川 д 川|: 『ーー ぁ ーー はっ』
赤黒い勾玉を成形するかの如き魔導力の渦は
その瞳に畏怖を与えるものだった。
『…案ずることはない、これは一族に伝わる
【ドレイン】の魔法。
私達も、そして一族全員が最初に覚える呪術だ』
『私たちもこうやって覚えてきたのよ。
だから大丈夫…循環する命が魔導力という形で表れているだけ』
…両親は今まさに森を襲う悲劇を思い、
その背に冷や汗をかきながら子を諭す。
.
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769 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:07:20 ID:3.a9DpCc0
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( <●><●>) 「……」
_
( ゚∀゚) 「……」
そんな彼らの様子を間近で見つめる二人が立ち並ぶ。
一族の怨念、ワカッテマス。
そしてワカッテマスと同じく、呪術を行使できるジョルジュ。
その姿は…誰にも映らない。
_
( ゚∀゚) 「これは、俺の記憶なのか?」
( <●><●>) 「……同時に私の記憶でもあります」
二人の視線は交わらない。
注がれるのは炎に焼かれ広がる赤い森と、
継承の儀の風景。
向こうからは認識できず、
またこちらからも干渉はできない。
( <●><●>) 「……このあと、私達はショボン率いる軍隊によって森ごと焼け死ぬのですよ」
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770 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:08:07 ID:3.a9DpCc0
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ワカッテマスの声色は淡々としている。
今に限り、怨念から解放されているかのように。
_
( ゚∀゚) 「そうか…」
( <●><●>) 「……私も憶えているわけではありません。
ただ…漠然とした皆の想いだけが遺されていました」
_
( ゚∀゚) 「こうしてみると、あの暗そうなガキがお前か?」
( <●><●>) 「……貴方はそのまま身体だけ小さくなったようなガキですね」
そう言い合い、一瞬だけ顔を見合わせた。
笑いはしない…けれども怒りもない表情で。
( <●><●>) 「……私は誰というわけでも無い。
あの少年も、少女も、両親らも、私の礎でした」
( <●><●>) 「……だから貴方のことも覚えていたのですがね」
_
( ゚∀゚) 「俺はこうしていつも夢の中だけでしかお前のことを憶えていなかったよ」
_
( ゚∀゚) 「だから目を覚ますと…何もかも忘れてた」
( <●><●>) 「……能天気なものです」
忘却の彼方で二人は何度も邂逅していた。
かつての友として、
…仲間として、
ーー そして家族として。
_
( ゚∀゚) 「悪かったよ」
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771 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:09:35 ID:3.a9DpCc0
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ーー バチバチと重なる音は全てが炎。
余りに広大な森にも関わらずその全てを灰にせんとする勢いが、
その炎を極めて人為的な悪意として証明する。
『…どうしても、怖いのか?』
闇夜に盛る橙に晒されながら…
最後に優しく尋ねる父親の言葉に小さく頷く子の姿を見て、
『やむを得まい。
皆の衆、各自の子を連れて森を抜けるぞ』
と言い残してその手をひいた。
継承の儀を終えてグッタリと倒れ込む他の子らも、それぞれ両親に背負われる。
『人形を忘れるな。
もう奴らはすぐそこまで来ている』
『…他の皆は無事かしら?』
『こうなった時のために、長と数人で予め退路を拓いている手筈になっている』
『行くぞ……子は前に抱えろ。
手の空いた者は護衛だ』
我が子を抱える父や母。
胸に眠るその重さに懐かしさを覚えながら、
彼らはこれからこの森を生きて出ていかなくてはならない。
『全員を護ろうとは考えるな。
私達は皆でひとつ……誰かが生き残れば…
また一族は甦る』
誰かの言葉に、その場の全員が頷いた。
.
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772 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:10:44 ID:3.a9DpCc0
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『【ドッジ】!』
脚力に重点を置いた身体強化を終えた者から駆け出していく。
爆発音はもはや真後ろといっていい程に迫っている。
一刻の猶予もない。
広場を出れば、あちこちで悲鳴と怒声が炎にまみれ聴こえてくる。
『火の廻りが早すぎるわ! どうして…』
着物越しにも届く身体への熱が、じりじりと体温を上昇させた。
呼吸をするにも重苦しさを感じ、息が切れる。
常人には到底不可能なスピードで走りながらも、大人達は思考を止めず互いに指示を飛ばす。
赤黒い残像がその軌跡を描き消えていく…
『そっちはもうダメだ、こちらに!』
木々生い茂る森の中を、右へ左へ。
行く先を変えながら休まずに彼らは動く。
『…あの日以来、欠かさずにパトロールして不審物がないかを監視していたはず。
乾燥材のようなものは見つかっていないぞ』
『風、かしら? まさかね』
『天候を読み切れるならばそれは神に等しき所業だよ……
私達ですら、一族の経験知識として伝えられていてもずばり当てることは難しい』
『…戦争を引き起こしているのはそういう人種ってことか』
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773 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:12:32 ID:3.a9DpCc0
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もしそうならば…と両親は考え。
(;; -∀-) 『…』
川; д 川 『……』
この子らを無事に逃がすことができるだろうか?
そんな不安が膨らむばかりだった。
大人達は疲労して眠りこける我が子を見つめながら、尚も走る。
なるべく爆炎から遠ざかるように。
…せめて未来を生きるべき子供達だけでも逃れられるように。
しかしその時だった。
『 止まるな! 危ないッ!』
ーー その叫びの直後、
全ての酸素をマントルの下から引っこ抜くかのような大きく短い音が轟き、
彼らを引き裂くような赤い津波が天高く地走った。
『きゃああっ!』
『ぐっ ーー おのれ、しゃらくさい!』
まばたきするほどの瞬間で目の前に炎の壁が立ち塞がり、
橙が森を赤く染める。
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774 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:15:18 ID:3.a9DpCc0
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ゴウゴウと猛る炎の障壁。
『こんな…こんなの、普通に火を放ってなるようなものじゃないわ!』
《おぉい! そっちは無事かぁ?!》
炎壁の層は分厚く、まるで溶岩が噴き出しているような色濃さによってグループは二手に分断されてしまった。
そして……
『いたぞ、こっちだ!』
壁のこちら側と、
《ここにもいたぞ!》
壁の向こう側で聞き覚えのない怒声。
『見付けたぞ呪術師の一族め!』
ガシャガシャと金属の当たる音を立て、
森に火を放った軍隊兵が来てしまった。
どちらも行く手を阻むように出現したせいで、一族は決断を迫られる事になる。
川; д川 『……ぱぱ、まま?』
『…目が覚めてしまったか? すまない』
決断だと? ーー そんなのは決まっている。
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775 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:16:03 ID:3.a9DpCc0
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川; д川 『……森が、焼けているのですか』
『案ずるな、和香。
形あるものはいずれ消えて、また型を成すものだ。
…お前も私達が必ず護るからな』
《大陸に不幸を呼ぶ赤き一族め!
我らが王と、軍師ショボンの名において
皆殺しにしてやるぞ!!》
炎壁の向こうで叫ぶ敵の声が聴こえる。
そうか…
やはり我らが大陸戦争を拒否した事で、
赤い森は一族大地もろとも大陸から拒絶されたというのか。
『王…ショボン…… それが貴様達の司令塔か』
川д川 『……しょぼん?』
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776 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:17:39 ID:3.a9DpCc0
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(;-∀゚) 『……と、とーさん?』
壁のこちら側でも同じく、子は目覚め始める。
…たとえ溶岩が噴射し大地を隔てようとも、我らの意識は共にある。
《案ずるな、和香。
形あるものはいずれ消えて、
また型を成すものだ。
…お前も私達が必ず護るからな》
きけ…同胞の声がする。
『ふふ、その通りだな。
我が子を守らずして何が親か…』
(;゚∀゚) 『か、かーさん…これは?』
『慈夜、ごめんなさいね…
もっと一緒に居てあげたかったけれど』
ーー 慈夜と呼ばれた男の子も、
『和香、お前と私達は常に繋がっている』
川; д川 『……ぱぱ、どうしてですか?』
ーー 和香と呼ばれた女の子も。
その場にいた親子全員が、最後の言葉を交わす。
目の前の、死を招く黒蟻の群れに背を向けて。
.
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779 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:23:38 ID:3.a9DpCc0
-
_
:( ∩∀゚) :「……もういい、やめてくれ」
:( < ><○>): 「……パパ、ママ」
それをただ見るしかできない二人も、
思わず目を背けそうになる。
黒蟻…人間だと思っていたその顔々が変貌し、
割けた口から
"まるで獣のような牙" が剥き出される。
_
( ;∀;)o彡゜ 「もうやめろっつってんだろ!!」
ジョルジュは赤い森の一族に
……文字通りの牙を向ける黒蟻の群れに、
その身を躍らせ出鱈目に腕を振り回した。
それが無駄な行為であっても…
歴史に塗り潰された儚い記憶と夢であっても。
( <○><○>) 「……ジョルジュ」
ワカッテマスもそうしたかった…
この腕に力があれば。
この身に実体があれば。
たとえその腕が目の前の惨劇を
触れること叶わず、すり抜けるとしても。
だがそれは止められない記憶。
ああ、いま、彼らの眼前で
人間の形をした黒蟻が
人間を咀嚼している…。
.
-
780 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:25:12 ID:3.a9DpCc0
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----------
赤い森の悲劇が歴史から抹消されず、
文献として事細かに遺されていたならば
歴史家によりこう記されるだろう。
**********
赤い森を襲った大陸戦争の余波は
過剰に無駄で、凄惨たる痕を大地に刻む。
広大な土地にびっしりと敷き詰められた
自然界の動植物は悉く焼き尽くされ、
大地を抉り取られた。
森に住まう原住民が強く抵抗した跡は
見られなかった。
元は穏やかな民族であり抵抗できなかった
…もしくは破壊を主とした抵抗ではなく、
襲い来る外敵にのみ表れる限定的な
反撃は成し得たのかもしれない。
尚、最後に住人が身に纏っていたとされる
紅と碧の礼服は、一族の概念に帰依する。
一族は魂と生命を司る偶像を胸に秘めており
紅が動脈、碧が静脈を表現していた。
これは心臓から酸素を送り込み老廃物を
回収するという、人体血液の循環。
生きて消費し、糧を得る人の一生…
いわば生命の鼓動を動脈(紅)に見立てた。
ーー 対して静脈(碧)とは、
血液に蓄積された老廃物を元の心臓へと回帰させる。
それは人生の思い出という名の記憶を
生まれた場所に還す…そんな意味が込もる。
.
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781 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:26:01 ID:3.a9DpCc0
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森の一族を葬った一方の軍隊であるが
これには諸説ある。
この時代にはすでに火薬、機械…そういった
一定のテクノロジーが存在するも、
赤い森のような他に類を見ない広大な
土地全域に対して、完全消滅を促す程の
発達した技術は未だ発掘されていない。
大陸戦争による大規模な被害により
テクノロジーそのものが失われた可能性も
考えられるが、それよりも一つ、
より想定される事項が歴史学者の間で
挙げられている。
ーー ではそれはなにか?
.
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782 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:27:09 ID:3.a9DpCc0
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大陸戦争の約20年前、
とある孤島において空から降り注ぐ…
この星に対しての外敵が
突如出現したとの噂が一時囁かれた。
ただし実際の観測者が大陸には居らず、
問題の孤島においても箝口令が敷かれ
有益な情報が得られていない模様。
…断片的な記録としてここに遺るのは、
それは四本足で動く小さな島ほどの体躯を
有し、皮膚は黒く、全面分厚い岩で覆われ
獣よりは昆虫に属するような知性と活動域を
備えていた……という事だ。
その顎(あぎと)は耳まで裂け、瞳は黄色。
ひとたび咆哮すれば目の前の景色を
溶岩の如き爆炎に包み込むという…。
これが真実であるか伝承であるはまだ
定かではない…しかし。
この赤い森の悲劇を生み出した兵士達も
また、同じ特徴を備えていたという。
我々歴史家としても賛否両論であり、
これを世界の事実として捉えるには
些かどころか強く疑問視する声は高い。
…そんなものが存在すれば、この星は既に
成す術なく蹂躙されているはずなのだから。
だがそんな意見が半数支持されるほど、
赤い森での惨劇は酷く醜いものだった。
**********
----------
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783 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:28:03 ID:3.a9DpCc0
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(推奨BGMおわり)
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784 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:28:51 ID:3.a9DpCc0
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ーー 動くもの全てが地に伏して、
血にまみれた風景がやがて白く染まる頃…
膝を抱えて座り込む二人の背は小さかった。
「なあ、ワカッテマス?」
普段は明るく振る舞うはずの男が、
消え入りそうな声で呟く。
_
( ゚∀゚) 「…これが、ショボンが招いた結果だと思うか?」
( <●><●>) 「……」
普段は物静かな男…いや、もはや性別などなかったのかもしれない。
瞳孔の大きなその者は一点を見つめて動かない。
彼らは見てしまった。
両親が焼かれ、生きたまま子供が頭から齧られる様を。
…その死体を、鎧を纏い人の形をした黒蟻達がなおも貪り喰う様子を。
( <●><●>) 「……やはり赦しません」
ワカッテマスはそう呟くしかなかった。
……しかし。
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785 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:30:28 ID:3.a9DpCc0
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_
( ゚∀゚) 「アイツの姿は最後にしか出てこなかった。
これが本当に一族の記憶なのは判る、
でも……」
( <●><●>) 「……黒蟻との関係は分からなかった、ですか?」
一族の記憶が終わる頃に現れたショボン。
そしてツン。
そこにはもう一人、金色の髪を携える青年がいたのだが……
和香と慈夜の意識が途絶えた時点で記憶は終わってしまい、
彼をハッキリと認識することは出来なかった。
当のショボンの姿も、もはや怒りに我を失った誰かの父親を斬り伏せるまでが
彼らの視た限界だった。
( <●><●>) 「……ならば私がこれまでやって来たことはなんなのですか?」
( <●><●>) 「……それに一族を滅ぼした原因が大陸戦争に起因する事は間違いありません。
だから ーー」
_
( ゚∀゚) 「ーー だから大陸の人間は赦さないって?
なんでそうなんだろうなお前は」
ジョルジュは諭すも、論調は強くない。
彼にも分かるからだ…やるせない想いが。
( <●><●>) 「……ショボンの真実、もはや私には調べられません」
そう言って、ワカッテマスは立ち上がった。
力なく…、
しかしその瞳だけは何かを取り戻して。
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786 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:32:23 ID:3.a9DpCc0
-
_
( ゚∀゚) 「…いくのか?」
( <●><●>) 「……私は怨念の塊…もとよりいかなければならない場所などありません」
その指が宙に漂い、ジョルジュの胸元を指し示す。
( <●><●>) σ 「……あとは、そこにいます」
_
( ゚∀゚) 「…そうか」
( <●><●>) 「……ふふ」
惨劇の記憶…
そこでは慈夜も和香も、一族は誰一人として
生き残ることは出来なかった。
二人の魂はあの身代わり人形…
黒蟻が喰い残したうちの一体に、
思念として共に宿っていたのだ。
( <●><●>) 「……そろそろ時間ですね」
_
( ゚∀゚) 「まてよ、流行り病はどうするんだ?
俺だってそこはお前を赦さないぜ」
( <●><●>) 「……そう、ですか。
私と意識が重なったから…」
( <●> < ) 「……私が居なければ自然と収まりますよ。
発動者が居ないのですから」
背を向けながら語るワカッテマスは、もう、
その場から逃げ出したかったかのように見える。
罪の意識ではない。
…だが疲れたのかもしれない。
垣間見た現実と、己の所業に。
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787 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:33:33 ID:3.a9DpCc0
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( <●) 「……そうそう、泥人形ですが」
ふと言い残した事を思い出した。
( <●) 「一体だけ、まだ無事かもしれません。
私はもう貴方の中に溶けますが、
その土塊は新しい私として再び世に現れる…
そんな気がします」
_
( ゚∀゚) 「ふざけるな、処分しろ」
( <●) 「……言ったでしょう?
私はまだ大陸の人間が憎い。
解決したいなら貴方の自由意思でどうぞご勝手に」
_
(# ゚∀゚) 「コノヤロウ…」
真剣に怒りが沸いてくる。
ジョルジュには彼の…ショボンや、
一族を実際に滅ぼした者に対する怨みを心情的には理解できる。
…かといってそれ以外の人間に罪があるかと言われれば、
決して首を縦に振る事はできない。
ワカッテマスがしてきた事は、
ジョルジュにとってはやはり "悪" なのだ。
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788 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:34:40 ID:3.a9DpCc0
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いつの間にか、二人の周囲に "赤い森" は無い。
ひたむきに平和だったあの頃の
色鮮やかな森に満たされている。
_
(# ゚∀゚) 「だったら自力で見つけ出して、とっ捕まえてやるさ」
同じ一族でも、人格が異なれば思想も違う。
それはワカッテマスにも理解できる。
だから ーー 自らの行いを肯定される謂れもない。
消えゆく怨念の象徴はジョルジュに完全に背を向けると、
「……眩しくて、ここにいるのは辛い」
と言った。
…もはや彼の瞳に赤く染まった世界はなく、
澄んだジョルジュの声が聴こえるようだ。
「……そういえば、貴方は追いかけっこが好きでしたね」
_
( ゚∀゚) 「…隠れんぼでお前を見付けられた事は滅多になかったけどな」
このやり取りに意味などない。
思い出話を交わす程に過去は遠くなる。
足先から溶けていくワカッテマスはやがて想う。
この光は、ジョルジュの世界だ…
彼はいつもこの視界で世界を見ていたのか、と。
それを羨ましいとは思わなかった。
…しかし、
こんな見え方もあるのだな、と心の中で呟いた。
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789 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:36:15 ID:3.a9DpCc0
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( ゚∀゚) 「ーー あ…」
ジョルジュの目の前で手を伸ばす、
川 д川 「……さようなら、慈夜」
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( ゚∀゚) 「…後始末、しといてやるよ」
消えていくワカッテマスの最後の顔は、
一瞬だけ…あの頃の和香に見えた。
後には同じように手を伸ばし
独り残された青年が立ちつくす。
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( ゚∀゚) 「……後始末、か」
その手には小さな小さな血塗られたバトン…
幼い子供達が仲間同士で繋ぎあう道具。
ワカッテマスが独りで隠し持ち続けた結晶。
それはジョルジュの中の願望がそうさせただけの、ただの気のせいかもしれない。
でもそれで良かった。
血も汗も本質は同じ ーー 生きていた証。
ジョルジュは今まさに初めて、
"自分の人生の目的" を創ることができたのだから…。
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790 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:37:26 ID:3.a9DpCc0
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( -∀-)
「ーー ぃ」
「ーー っちゃうよ?」
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( ゚∀゚) パチリ。
(´・ω・`) 「あ…起きた」
大の字に倒れ目を覚ましたジョルジュの瞳に映るのは、へこみ、もしくは崩れた天井と、
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( ゚∀゚) 「……なにしてるんですかねあんたは?」
(´・ω・`) 「怖いから緊縛しとこうかと」
どこにあったのか、縄を両手に持ち構えたショボンの姿。
まるでサドマゾがプレイを始める前のワンシーンだ。
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(;゚∀゚)o彡゜ 「やめろ! なんか怖い!」
"( ´・ω・) 「ここに運んできた時もそうしたのに今更だなあ」
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(# ゚∀゚)
つ< 「ーー あっ まさかスーツのシワって…そのせいか?!」
縄を小さく畳みつつ抗議の声を無視する。
ショボンからすれば合理的な方法を選んだつもりだ。
成人男性を担ぐには芋虫みたいにしてやるのが一番楽なのに。
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791 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:38:41 ID:3.a9DpCc0
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(´・ω・`) 「気に障ったならごめんね。
…しかし、急に倒れるから少し驚いたよ」
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( ゚∀゚) 「あー、ああ…」
ジョルジュは特に目立った鈍重さを感じさせずに立ち上がり、
スーツについた埃を手のひらではたき落とす。
そのまま一瞬だけ考えて、
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( ゚∀゚) 「まあ話してもいいか」
(´・ω・`) 「?」
ショボンにいま自分が見たものを、
拳を交わす前と同じように語り始めた。
赤い森の最後をその間際まで視たこと…
呪術師の仲間が何をしていたのか…
兵士の皮を被った黒蟻の群…
ワカッテマスとの別れ…
そして、ショボンに対する疑問…
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792 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:39:29 ID:3.a9DpCc0
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(´・ω・`) 「……」
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( ゚∀゚) 「アイツの怨みってのは、
個人でなく一族全体のものだから…
簡単には消えないと思う」
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( ゚∀゚) 「むしろ個人としては迷いながら…俺のなかに消えていった。
なあ、どうなんだ?」
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793 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:40:27 ID:3.a9DpCc0
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「やっぱりあれは
あんたの仕業だったのか?」
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794 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:41:11 ID:3.a9DpCc0
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(´・ω・`)
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( ゚∀゚) 「……」
ショボンは、
(´・ω・`) 「…」
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( ゚∀゚) 「……」
(´-ω-`)
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795 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:42:10 ID:3.a9DpCc0
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その顔を強く紅潮させるジョルジュに、
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(# ∀ ) 「…何も無いのかよ、言うことが」
ーー 意を決した様に、長い沈黙を破る。
(´-ω-`)
「次は僕が話すよ」 (´・ω・`)
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796 名前: ◆WE1HE0eSTs[] 投稿日:2014/08/19(火) 22:43:26 ID:3.a9DpCc0
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もう一つの失われた歴史を。
正しくは、
人々の記憶に渡らなかった惨劇…というのか。
それはかつて三日月の孤島で起きた。
これを話せば、君はもう逃れられないんだ
ジョルジュ…
(´・ω・`) 「その名前は、聞く者の存在に
感染するから」
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( ゚∀゚) 「……感、染?」
「銷魂流虫アサウルス。
それが赤い森を喰い潰したモノだ」
(了)