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525 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/08/16(日) 00:28:15 ID:2EWsZhEM0
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ζ(゚、゚*ζ
从'ー'从 フリーズしてる〜
ζ(゚、゚*ζピーピーガガガガガ…
( ><) しっかりするんです!
( ;^Д^) そんなに難しいのか?
ζ(゚ー゚;ζ 難しいわよー!だってだって!パターン通りにしか動かないのがロボットでしょ!?
なのにシミュレータ上で「指向性を持った動き」を表現しなさいなんて…
ζ(゚、゚*ζ 無理無理無理かたつむり!!!!
( ><) あんな難しい講義取ってるから…
( ^Д^) あの教授の講義は大体の奴が落とすらしいぜ
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526 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/08/16(日) 00:31:13 ID:2EWsZhEM0
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ζ(゚ー゚;ζ う〜〜〜〜
从'ー'从 誰か知り合いで講義取ってる人いないの〜?
( ^Д^) 俺の知る限りでは誰も。先輩も取ってねえだろうなあ
( ><) 過去レポもないんです!
ζ(゚−゚*ζ はいはいわかりました!取った私がわるうございます!自分で頑張りますよ!
( ^Д^) 何ギレなんだろうこれは…
デレは友達と別れた後、オートウォークを駆けだした。
歩くだけでもそこそこ早く移動できるが、走ったりすれば自動車並のスピードになる。
だから学内でオートウォーク上を走るのは禁止されていた。
< こら君ぃ!
ζ(゚ー゚;ζ すみません!
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527 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/08/16(日) 00:33:48 ID:2EWsZhEM0
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いらだちを隠せないまま、図書館へ引きこもる。
人工知能の本を片っ端からあさっていった。
ζ(゚−゚*ζ
ζ(゚−゚*ζ
ζ(゚ー゚;ζ
ζ(゚−゚*ζ
ζ(゚、゚*ζ
ζ(゚、゚;ζ うぅぅぅぅううぅうぅううぅううぅううううぅぅっぅううぅぅうぅぅぅう!
< ?何か救急車の音聞こえない?
ζ(゚ー゚;ζ (きゃー難しい!)
ζ(゚、゚;ζ (私も、諦めようかな、この講義)
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528 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/08/16(日) 00:38:09 ID:2EWsZhEM0
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何冊も何冊も、手にとってはページに視線を踊らせ、ため息を本に差し込み、棚に戻す。
それを何冊も、何度も、うんざりするほどに、意識が霞むまで。
気がつくと、図書館には誰もいなかった。
ζ(゚、゚*ζ (はー……)
本を取る動作すら、億劫だ。
そのとき、ふと、一冊の本が目にとまった。
著者 ブーン博士
聞いたことがある、確か、そう、以前誰かの講義で、名前を耳にしたことが、あれは、そう、確か…
( ・∀・) 「「全身サイボーグ……」」 ζ(゚、゚*ζ
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529 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/08/16(日) 00:48:37 ID:2EWsZhEM0
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口を突いて出た言葉が全く同じ瞬間、別の誰かのそれと混ざり、空中で霧散した。
意識が飛んでいて、近くに誰かいるのに気がついていなかった。
ゆえに、普段図書館で眺め、心の中で寵愛していた彼のガラス細工みたいな顔がすぐ間近にあることに、心臓が跳ね、肺の狭間で震えた。
ζ(゚ー゚;ζ !!??!!!!??!?!?!!???!?
( ・∀・) あ…いや、すまない。僕は急がないから、君が先に読んでいいよ
ζ(゚ー゚;ζ いやあの私は別にちょっと目がついただけというか特に意味とか必要性とかはなく!?
( ・∀・) 酷く混乱しているようだが、持病か何かあるのかい?
ζ(゚、゚;ζ ないないない!そうじゃないの!
( ・∀・) そう…なら、いいけれども
<(゚ー゚<;ζ (しまったー!これじゃ私普段からこんな感じの変人ってことじゃん!サイアク!)
( ・∀・) ……?
<(゚ー゚<;ζ (神様自転を逆回転させてお願い!)
昔、どこかの星のコミックで、スーパーヒーローが惑星の自転を逆回転させ、時間を戻したことを思い出した。
今思えばあんなことをすれば地表の生物は圧殺され、気候も荒れ狂い、惑星の環境が幾十億年前の状態に戻るのだろうが。
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530 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/08/16(日) 00:53:08 ID:2EWsZhEM0
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( ・∀・) 何百年もまえに、全身サイボーグなんて技術があったのが驚きだよな
<(゚ー゚<;ζ
ζ(゚ー゚*ζ
ζ(゚ー゚*ζ そうね…未だに、歴史上ブーン博士以外に全身サイボーグを完成させた人はいないんでしょう
( ・∀・) ああ。理論上は可能、でもどうしてもアルゴリズムが欠けていた
( ・∀・) ――――――"心"が…
ζ(゚ー゚*ζ …フフ
( ・∀・) ん?
ζ(゚ー゚;ζ あっ…ごめんなさい、あの…馬鹿にしたつもりじゃないの
( ・∀・) ふむ…
ζ(゚ー゚*ζ ただ、なんて言うか、心なんて非科学的なことを、凄く自然に言うものだから…
本当に、心を作る技術があるような、そんな言い方に思えて
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531 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/08/16(日) 00:55:23 ID:2EWsZhEM0
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( ・∀・) あるよ
ζ(゚ー゚*ζ ……え?
( ・∀・) 心を作る技術は、存在していた。とある星の破滅と共に、その技術は闇に葬られたが、確かにあったのさ
ζ(゚ー゚;ζ そ、そうなの!?
あれって星間伝説の一つだと思ってたけど、じゃあ、心を持ったロボットが…
ζ(゚ー゚;ζ 心を持ったロボットがこの宇宙のどこかにいるの!?
( ・∀・) ζ(゚ー゚;ζ
( ・∀・) ζ(゚ー゚*ζ
ζ(゚ー゚*ζ ご、ごめんなさい、興奮しちゃって
( ・∀・)
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532 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/08/16(日) 01:08:18 ID:2EWsZhEM0
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( ・∀・) いや、いいんだ
(・∀・ )
ζ(゚ー゚;ζ で、でもよく知ってたわね、心を持ったロボットのこと
私、うわさ話程度にしか聞いたことなかったよ。教授だってそんな話…教科書にもないし
(・∀・ ) 仕方がないさ。居住用の星には情報統制がしかれている
今や辺境にある銀河の片田舎の星でさえ、心の技術が漏れないよう、厳しく取り締まっている
紛争地域くらいか、DEM社の規制が及ばないのは
ζ(゚、゚*ζ DEM社…どうしてDEM社が、そんなことを?
( ・∀・) 興味を持たれたらまずいんだろう、きっと
ζ(゚、゚*ζ だ、誰に…?
モララーは手に持っていた本を戸棚に戻した。
( ・∀・) "心ない人間"にさ
しばらく二人は静寂の中に佇んだ。
図書館のインテリアの一つである大時計が、わざとらしく時を刻む音が響く。
正確なだけの機械仕掛けと、二人の不規則な呼吸の音が、時折メロディを奏でた。
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533 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/08/16(日) 01:23:22 ID:2EWsZhEM0
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/**
第六章 心ある人形の物語*/
ζ(゚ー゚*ζ じゃあ、あなたもレポートを書く為に?
( ・∀・) ああ
ζ(^ー^*ζ 私も。難しいから、ちょっと諦め気味だけどね
( ・∀・) 僕も、途方に暮れていた
人気のない薄暗い図書館で、ひときわ美しく微笑むモララーを見ながら、心労がかき消えていくのを感じた。
ああ、これが心なのだと。
これが人を愛するということなのだと、何だかとても今更のように、そして確信を持って感じていた。
デレは、モララーに"ぞっこん"であった。