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182 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:39:33 ID:6Oe7ortoO
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したらば市役所
議員控室
PCモニター前
彡 l v lミ「杉浦先生、もうそろそろですね。息子さんの発表」
( ФωФ)「うむ」
彡*l v lミ「便利な世の中だ、こうしてパソコンで配信されて別の所の状況がわかるなんて」
( ФωФ)「年を取るとなかなか流行りについていけないのであるな」
彡 l v lミ「ごもっともです。隣の市ではアニメキャラクターで町おこしをしようと考えているようで、私にはさっぱり」
( ФωФ)「時代は変わる。我々は我々のやることをやるだけだ」
彡 l v lミ「ええ。政治も、商業も、教育も……おおよそ、全ての文化がこうして移り変わっていっても、基本は一つですな」
( ФωФ)(教育、か)
(´ФωФ)(ひかる……私は本当に良かったのだろうか)
( ФωФ)(たとえ、杉浦家の未来のためとはいえ──)
( ФωФ)(いくら、脅迫状がただの脅しであるであろうとしても)
( ФωФ)(息子を……このような──)
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183 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:40:25 ID:6Oe7ortoO
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彡 l v lミ「杉浦先生?」
( ФωФ)「むっ、いかんな。時代どころか、現実から逃避してしまっていた」
彡 l v lミ「はっはっは。それはいかんですな。ちゃんとひかる君の晴れ舞台を見てあげないと」
( ФωФ)「……」
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184 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:41:03 ID:6Oe7ortoO
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〜〜〜
ソウサク大学
発表会場
( ・−・ )「──以上で、『鋼鉄の処女と便利屋の関係性』についての発表を終わります。ご清聴、ありがとうございました」
パチパチパチ
ノリ, ^ー^)「はい、静香シンさんの発表でした。ありがとうございました。
中世の拷問機として有名なアイアンメイデンの真偽について、非常に斬新な解釈をされていましたね。皆さん、もう一度拍手をお願いします」
パチパチパチ
ノリ, ^ー^)「では、続きまして──」
('A`)「ふぅ……」
(-A-)「……ソウサク大学はやっぱり"レベルが高いな"、うん」
('A`)「いや、別に女の子のレベルが高いとかそういうわけじゃないんだ、ビー、クールだ。僕」
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185 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:41:55 ID:6Oe7ortoO
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(;-A-)⊃白「ってそれより、そろそろひかる君の発表だけど……」
( 'A`)白<おかけになった電話番号は、電源が入っていないか電波がとどかないところにあるためかかりません
('A`;)「ハイン、かかんないし……どうするんだろ」
(‘_L’)「宇都宮さん」
('A`)「あ、比連崎さん」
(^_L^)「発表会は順調のようです。学校の警備員からも特に異常があるとの報告はありません。そちらは何かありましたか?」
('A`)「いえ、特に……でもさっきから所長に連絡がつかないんです」
(‘_L’)「所長……高岡さんですか」
(-A-)「携帯に連絡を入れても繋がらないし……何やってんだろ」
(‘_L’)「それは妙ですね……部下に探させましょうか?」
(;'∀`)「い、いえいえ。多分、どっかで遊んで──ゴホン!一人で捜査してるんだと思います。所長、ワンマンだから」
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186 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:42:41 ID:6Oe7ortoO
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(‐_L‐)「そうですか、なら良いのですが。先ほど私も付近に怪しい人物などいないか確認して参りましたが、この様子だとゆっくり坊ちゃんの発表を聞くことができると思います」
('A`)「はい。そういえばひかる君なんですけど……いつも"ああ"なんですか?」
(‘_L’)「……やはり、失礼をしてしまったようですね」
('A`;)「あ、いや、別にそんな気にはしていないんですが」
(‐_L‐)「申し訳ございません。なにぶん、杉浦家の人間は代々、ソウサク大学出身でして……その事に誇りを持っておりますので」
('A`)「まぁソウサク大学っていったらチュウオウ大学の次に名前が挙がるほどトップクラスですもんね。比連崎さんも、この大学出身なんですか?」
(^_L^)「いえ、私は田舎の大学出ですよ。呂招のお父上と縁がありまして、学歴に関係なく雇っていただいたのです。まぁ、一種の縁故採用ですね」
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187 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:43:24 ID:6Oe7ortoO
-
('A`)「そうなんですか」
(;^_L^)「お恥ずかしい。ですが、こうして坊ちゃんや呂招と共に過ごしていると時々思うのです。学歴とはなんだろうと」
('A`)「……」
(‘_L’)「人をはかるための目安でしょうか、良い企業へ入るための資格でしょうか。未だに、私としても答えが出ません」
(-へ-)「うーん……難しいですね。考えたこともなかった」
(‘_L’)「宇都宮さんは確かしたらば大学でしたよね」
('∀`;)「はい。普通に高校卒業して、普通に入学、普通に就職して……周りが言うモラトリアムなんてなかったからなぁ」
(^_L^)「羨ましいです」
('A`)「そ、そうですかねぇ?……ん?」
('、`*川 テクテク
( 'A`)ノシ「あれ?おーい!伊藤さーん!」
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188 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:45:57 ID:6Oe7ortoO
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('、`;*川「!」
('、`*川「あら、さっきの。もうナンパは終わったの?」
(;‘_L’)「ナンパ?」
(;-A`)「いやいやいや!ナンパなんてしてないから!」
(‘_L’)「宇都宮さん、こちらの方は?」
('A` )「えっと、ついさっき知りあったんだけど、伊藤さん。今日の発表会で受付と案内をしてるOBの方です」
(‘_L’)「こんにちは。私は比連崎と申します。今日はソウサク大学の発表会ということで、"知人"の宇都宮さんと一緒に来ました」
('、`*川「こんにちは。ご紹介いただいたとおり、一般受付兼案内人の伊藤です。発表会、楽しんでるかしら?」
(^_L^)「はい。もうすぐあの杉浦ひかる君の発表ですしね。楽しみですよ」
(^、^*川「フフッ、そうね──」
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189 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:47:34 ID:6Oe7ortoO
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('A`)「っと、伊藤さん伊藤さん。僕と一緒にいた女性、どこに行ったか知らないかな?」
('、`*川「ああ、ハインちゃんね!あの子、ショッピングエリアでアイス食べたら急にお腹が痛いって、トイレに引きこもっちゃった」
(;'A`)「うわっ、あの乱暴所長……ショッピングエリアのトイレですね、行ってきま」
⊂('、`;*川「ちょ、ちょっと待って!」
('A`)「?」
(-、-*川「……なるほどね、君が"モテない"わけがわかったような気がするわ」
('A`)「な、何言って」
('、`*川「"お花摘み"を邪魔するつもり?それも、お・と・こが」
(-A-)「……あ、ああー……」
(;‘_L’)ボソッ「ここは引いたほうがよさそうですよ、宇都宮さん」
('A`;)ボソッ「そ、そうですね……それにもうすぐ彼の番ですし、持ち場離れたらまた怒られる」
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190 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:48:20 ID:6Oe7ortoO
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('∀`;)「じ、じゃあ後で迎えにいこうかな、アハハハ」
('.`*川「そうした方がいいわ。女ってそういうところ気にするものなのよ」
('A`)「勉強します……」
('、`*川「フフ、それじゃあ私は行くね。ナンパがんばってねぇ!」
('A` )「だからナンパなんてして……行っちゃった」
( ‘_L’)⊃□「……」スッ
('A`)「比連崎さん?どうしました、タブレットなんか出して」
(‘_L’)「いえ、念のため参加者リストと照らし合わせているのですよ。万が一を考えて、彼女が本当に今日、OBとして参加しているかを」
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191 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:49:09 ID:6Oe7ortoO
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('A`;)「本格的ですね……」
(‘_L’)「……あ、これだな。伊藤順子。顔写真も……うん間違いない」
(*‘_L’)「"彼女は大丈夫のようです"。ちゃんと今日のリストに入っています」
('∀`)「そりゃそうでしょう、もし、犯人がそこまで大胆にこの学校をうろついたらすぐ捕まりますって」
(^_L^)「そうですね、ハハハ」
('∀`)「アハハハハ」
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192 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:52:18 ID:6Oe7ortoO
-
〜〜〜
('、`*川「はぁ、疲れたわぁ」
( ・∀・)「お疲れ様、順子」
('^`*川「もう、止めてよ偽名で呼ぶの」
( ^∀^)「ごめんごめん。おかえり、"ペニー"」
(~、~*川「くたくたよぉ、モララー。さっき危うくバレそうになったし」
( ・∀・)「うん、うん?バレそうって、"どっちが"?」
('、`*川「ターゲットの始末に関しては問題ないわ。杉浦ひかるが計画のことについて一言でも発したら、私の持っている遠隔スイッチを使って、頭上の照明を落下させる」
( ^∀^)「うん、うん。せっかく大学のセキュリティを破って君をOBとしてもぐりこませたんだ。この仕掛けがバレたらけっこうめんどくさいからねー、良かった、こっちじゃなくて」
('ー`*川「ウフフ、ま、バレそうって言ってもごまかしたから、探偵の方も大丈夫よ。ちゃんと閉じ込めておいた」
-
193 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:53:28 ID:6Oe7ortoO
-
( ・〜・)「さっすがペニー!格闘はお手の物だね!あ、でもあんまり痛いことしちゃダメだよ」
('、`*川「あら、どうして?」
( ・∀・)「ハインちゃんの可愛い顔が台無しになっちゃうじゃないか」
('へ`*川「むぅ、あんな口の聞き方も知らない小娘のどこがいいのよっ」
( -∀・)「そうそう、男はあーゆーのに惹かれるもんさ。地位が上がれば上がるほど、偉くなればなるほどに、いつの時代もね」
(=、=*川「よく分からないわ」
( ・∀・)「わからなくていいさっ!だから君もそんな顔しないでおくれよ。綺麗な顔が台無しになっちゃう」
(^、^*川「もう、モララーったら!」
-
194 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:56:20 ID:6Oe7ortoO
-
<「さて本日の発表会もいよいよ最後となりました」
( ・∀・)「おやおや、フィナーレだね。ペニサス」
スッ ◎⊂('、`*川「大丈夫よ、押すだけだし」
<「第178回、ソウサク大学発表会の最後を務めるのは……」
<「杉浦ひかる君!」
(-_-)「はい」
(-、-*川「かわいそうな子ね」
( ・∀・)「うん、うん?」
<「栄えあるソウサク大学の──」
('、`*川「言ってみれば、父親の尻拭いに、死んでしまうなんて」
(-_-)「はい」
( ・∀・)「うん、うん」
-
195 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:57:07 ID:6Oe7ortoO
-
<「よって、この名誉ある──」
('、`*川「せめて、"違うことを発表していたら"ね。私達に目をつけられることもなかった」
( ・∀・)「うん、うん!」
<「誇りをもって──」
('ー`*川「ハインちゃんも気の毒ね、こんな事がなければトイレに閉じ込められないで済んだのにね」
( ・∀・)「うん、う…………トイレ?」
<「それでは、お願いします!」
( ・∀・)「ペニサス、探偵を閉じ込めたのは……トイレか?」
('、`*川「えっ、そうよ?密室に閉じ込めろってあなたが言うからショッピングエリアのトイレに──」
(-_-)「はい」
( -∀-)「ああ、ああ。はいはいはいはい。あれだね、あれだ」
-
196 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:57:57 ID:6Oe7ortoO
-
(-_- )≡ザッ
(-_-)「私は、今から……ある計画について発表します」
( ・∀・)「"サイアク"だね」
(-_-)「それは────」
('、`;*川「は……?」
从 从「その発表」
从 ゚∀从「ちょっと待ってくれねぇか?」
(゚、゚;*川「!?」
-
197 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:58:50 ID:6Oe7ortoO
-
〜〜〜
(>、<;*川「ど、どういうこと!?絶対に内側からは開けられないよう、物という物を必死に置いたのにぃ!!」
( ・∀・)「僕さぁ、学生の時、よく携帯の充電切らしたことがあったんだ」
('、`;*川「も、モララー?」
( ・ε・)「でね、駅のトイレで充電するの。まぁ電気泥棒なんだけど」
( ・∀・)「一回、イオンだったかなぁ、新しい感じのデパートかなにかで充電切れちゃってさ」
( ・∀・)「トイレで充電したんだ。そしたら」
-
198 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 11:59:47 ID:6Oe7ortoO
-
───
从 ゚ー从「ここがショッピングモールを完全に模範として作られているんなら……」
从 ゚∀从「ウォシュレットのコンセントを抜いて……と」
从 -∀从「これで、警備室に連絡がいくはずだ」
从 ^∀从「最近の商業施設はすげぇからなぁ、トイレのコンセント一つ抜いたくらいで"異常発生"って……」
从 ゚∀从「警備員が飛んでくるぜ」
<な、なんだこれは!?
从 ゚ー从「ほぉら、来た来た」
从 ゚∀从「助けてくれ!閉じ込められてるんだ!」
<意味がわからん……!
ゴゴゴッ ガチャ
<ふぅ……とにかく、出してあげるから事情を説明し
从 ゚∀从ノシ「後でな!」
<こ、こら待ちなさ……速い……!
───
( ^∀^)「……って具合でこっぴどく怒られたよ、ハハハハハハ」
-
199 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:00:45 ID:6Oe7ortoO
-
(゚、゚*川「なっ……な……!」
( -∀・)「ま、ただの昔話だけど、しかしやられたねぇ、ペニー」
◎⊂('、`*川「くっ……!こうなったらこのまま照明を──」
( ・∀・)「ダメだよ、あの方に怒られちゃう」
('^`;*川「なんでよモララー!顔も知らないボスのことなんて気にし」
( -∀-)「ダメ、ダァメ。僕達はラストリゾートの幹部だ。ボスのことは裏切れない」
(-、-*川「なら……どうするっていうのよ……!」
( ・∀・)「ま、あれだよ。聞いてようよ」
('、`*川「聞く……って、なにを?」
(・∀・ )「"発表"を、さ」
-
200 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:01:47 ID:6Oe7ortoO
-
〜〜〜
ノリ, ^ー^)「ひかる君、この方は……?」
(゚_゚;)「な、なんでこんなっ……!おい、どういうつもり──」
キョロキョロ 从゚∀ 从≡从 ゚∀从「これ撮ってるんだよな?全国のみなさーん、こーんにーちはー!」
从 ゚∀从「私は彼の発表をお手伝いするアシスタントの"リッヒ"ちゃんでーす!よろしくね!」
ノリ, ^ー^)「なんと、アシスタントの方でしたか!」
从^∀ 从「司会さん、マイク貸してもらっていいですかー!」
ノリ, ^ー^)⊃†⊂从^∀ 从「はい、どうぞどうぞ!」
从゚∀ 从(-_-#)= ボソッ「ふ、ふざけるなよ……!僕の発表を台無しにする気か、高卒……!」
从 ゚∀从(-_-#) ボソッ「緊急事態だ、さっき襲われた。端的に言うとあんたの命が危ない」
(゚_゚;)「なっ……!?」
从 -∀从「命と発表と、どっちが大事だ?」
(-_-;)「……ど、どうするっていうんだよ」
-
201 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:02:39 ID:6Oe7ortoO
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从 ゚∀从「脅迫状を送った犯人だって、無意味に攻撃してリスクを負いたくはないだろ。ここは……」
从 ゚∀从「ゴホン」
从^∀ 从「じゃあ発表を始めます!テーマは」
(-_-;)「お、おい」
从 ゚∀从「"学歴"について」
(-_-)「……はっ?」
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202 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:03:23 ID:6Oe7ortoO
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〜〜〜
(゚A゚;)「なにやってるんだよ、ハイン……!」
(‐_L‐)「学歴について、か……」
(;'A`)「比連崎さん、申し訳ありません!すぐに止めて──」
(‘_L’)「いえ、待ってください」
('A`;)「きます……って、はい?」
(‘_L’)「私自身、内藤さんからも聞き及んでいますし、実際、少し話しただけですが……彼女が目的もなしにこのようなことをするとは思えない」
(‐_L‐)「おそらく……"そうせざるを得ない状況"であると考えます」
('A`)「そう、せざるを得ない……?」
(‘_L’)「ええ。至急、部下に付近の不審者を再度調べさせますから、この場は高岡さんにお任せしましょう」
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203 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:04:08 ID:6Oe7ortoO
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('A`;)「は、はぁ……でもいいんですか、ホントに。うちの所長、けっこう乱暴だから本格的に迷惑をかけてしまうかも……」
(‘_L’)「いざというときは身を挺してでも坊ちゃんをお守りしますよ」
( _L )「それにまぁ……本音を言えばね、あ、内緒ですよ」
('A`)「?」
(^_L^)「ちょっと聴いてみたいのですよ、彼女と坊ちゃんの発表を」
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204 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:04:53 ID:6Oe7ortoO
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〜〜〜
从 ゚ー从「では、杉浦ひかる君。あなたにとって、学歴とはなんですか?」
(-_-)「……社会的尺度をはかることの出来る一つのポテンシャル」
┐从 ^∀从┌「おー、難しい。もっと簡単にいきましょうよ。要はそいつの身の丈を伸ばすシークレットブーツってことですか?」
(-_-;)「余計にややこしいじゃないか……」
アハハハ
クスクス
从 ゚∀从「おっと、ごめんなさい!じゃあもっと突っ込んで聞きますね」
从 -∀从「その人間の全てが、学歴に集約されているとお考えで?」
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205 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:08:57 ID:6Oe7ortoO
-
(-_-)「さっきも言っただろう、君はなにを聞いていたんだ?あくまで一種の社会的尺度をはかる──」
从 ゚、从「そもそも社会的尺度って何ですか?」
(-_-)「はぁ……スキル、能力の有無や熟練度のことさ、人脈や金もそうだが」
从 ゚∀从「それ以外には?」
(-_-)「それ以外……?」
从 ゚∀从「例えばスキルや能力、人脈に金……そういったものが全く無い人間が高学歴だったらどういう評価になりますかね?」
(-_-)「……」
从 -∀从「変わりにその全てを持っていない、人当たりの良い高身長イケメン──まぁ人脈は置いといて──と比べるとどうです?どっちの方が人間的に良いですかね」
(-−-)「……くだらないな。空気抵抗の無い環境で、綿と鉄、同じスピードでどっちが頭上に落ちてくる方が良いか聞いてるようなものだ」
从 '∀从「理系ですねー!そう、尺度がはかれても、人ははかれない」
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206 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:10:01 ID:6Oe7ortoO
-
(-_-)「君が言いたいことはなんだ?学歴は無くても素晴らしい人間がいて、学歴はあってもダメな人間がいるということを言いたいのか?」
从 ゚∀从「全てだ、ということには肯定しかねますが、無くてもいいとまでは言いません」
(-_-;)「ならなんだ!はっきりしてくれ」
从 ゚ー从「ひかる君は何を学びました?今までの学歴で」
(-_-;)「はぁ?」
从 -∀从「私には理解することもできない難しいことを勉強してきたんでしょうね」
(-_-)「……」
从 ゚∀从「それはきっと、その学校でしか学べなかったことでしょう。高校でもトップクラスの──」
(-_-)「……違う」
-
207 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:11:05 ID:6Oe7ortoO
-
从 ゚‐从「おや?」
(-_-)「僕がソウサク大学に入る前の高校は、たいして高い偏差値でもなかった」
(-_-)「でも、努力した。杉浦家の名前を汚すわけにはいかないからね。死ぬ気で勉強して、ようやくここに立てたんだ」
(-_- )「それを勝手な推測でどうこう言われたくは無いね」
从 ゚‐从「……」
从 -∀从「それですよ」
(-_- )「?」
从 ゚∀从「目的を持って、一生懸命に努力して勝ち取った自分の歴史……それを学歴なんて言葉で片付けて果たしてよいのでしょうか」
(-_-)「……」
从 ゚∀从「私は、違うと思います。学歴ではなく、"学校歴"だと呼ぶべきだと思います」
(-_-;;)「が、学校歴ぃ?」
-
208 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:12:01 ID:6Oe7ortoO
-
从 ゚∀从「そうです!今の社会では学歴が重視されてしまい、当人が学び、経験したことではなく、卒業した学校が評価の対象となってしまいます!」
从 -∀从「学生時代に体験した全ては学歴によって示される、それはおかしい!」
从 ゚へ从「ならば、学校歴とすればいい!学んだことは別にあると、主張するのです!」
(-_-;)「ば、バカなことをいうな!そんな主張、論外だ!」
从 ゚∀从「果たして論外でしょうか、ほら」
ザワザワ
<゚Д゚=>「なぁなぁ、どう思う?」
( ゚¥゚)「いやいや、ないでしょ。ありえん」
ハソ ゚−゚リ「でもさぁ、私の友達も学業以外で色々頑張ったけど、行きたい企業じゃ結局フィルターで切られるって言ってたよ」
-
209 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:13:12 ID:6Oe7ortoO
-
<-Д-=>「そうだよなぁ、やっぱ大学名で落とされることあるし……」
( ゚¥゚)「おいおい、俺達はソウサク大学だぜ?何のために難関大学に来たと思ってんだよ」
( ゚¥゚)「高学歴だからこそ面接で有利になるんじゃないか、それを学校歴なんて子供みたいな考えはちょっとな」
<゚Д゚=>「まぁ確かに……指標があるから社会が成り立ってるんだもんな」
ザワザワ
从 -∀从(そろそろ良いか。時間は稼いだ、とっとと締めよう)
从 -∀从「……と、まぁ賛否両論あるかと思いますが、一つの考えとして覚えておいてほしいんです」
(-_-)「……」
从 ゚∀从「今の社会では、自分が学んできたことと学歴は、必ずしも一致しないと。短いですが、以上で終わります」
-
210 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:13:56 ID:6Oe7ortoO
-
ザワザワザワ
ノリ, ^ー^)「はい、杉浦ひかる君とアシスタントのリッヒさんの発表でした。ありがとうございました」
ノリ, ^ヮ^)「短かったですが、非常に興味深いお話でしたね。
就職活動を控えている学生の皆さんにはもちろん、これからという新入生の方にも思うところがある発表だったと思います」
ノリ, ^ー^)⊃†⊂从゚∀ 从 マイク アザッシタ 「では、私はこれで」
ノリ, ^ー^)「皆さん、拍手を──」
(-_-)「……待ってくれ」
从゚∀ 从「ん?」
(-_-)「君の"学歴"はなんだ?」
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211 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:14:46 ID:6Oe7ortoO
-
从゚∀ 从「……そりゃどっちの意味で言ってる?」
(-_-)「任せるよ」
从゚〜 从「うーーーーーん……」
从-ο 从「……」ハァ
クルッ 从 ―从
从 ∀从「チュウ……」
(゚_゚;)(ま、まさか……国内トップの、チュウオウ大学……!?)
从//∀从「中卒だ、バカッ……」
(゚д゚;)「はへぁ?」
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212 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:18:17 ID:6Oe7ortoO
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〜〜〜
(-、-*川「埋蔵金計画について一言も喋ってない……これじゃ私らただの見学人ね」
( ・∀・)「……」
('、`*川「モララー?」
( ・∀・)「いやぁ、良かった良かった」
('、`;*川「えっ?発表?ま、まぁそりゃぶっとんでるけど──」
( ^∀^)「ハインちゃん、ケガ大丈夫みたいで良かったよ」
(・、・*川「そっちかい!発表のことじゃないのね」
( ・∀・)「ん?発表……?ああ」
( -∀-)「茶番だね、あれ。杉浦ひかるの発表をごまかすにしてもなかなかできない滑稽なショーだったよ」
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213 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:19:03 ID:6Oe7ortoO
-
('、`*川「あら、ひどい言い草ね。気に障ったの?」
( ・、・)「うーん、うん。ま、あれかな。一言で言うと」
( ・∀・)「"説教臭い"」
('。`*川「プッ……!フフ、なるほどね」
( -∀-)「あーあ、彼女がいなかったら見れたのになぁ」
('ー`*川「確かに私も見たかったわ、本当の発表。でも、退屈しのぎにはなったんじゃない?あの探偵さん、なかなかの演技だったし」
( ・∀・)「いやいや、僕が見たかったのはそれじゃないよ」
('、`*川「えっ?」
( ・―・)「そうだなぁ、さっきのスピーチで唯一面白かったフレーズを使うなら」
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214 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:19:44 ID:6Oe7ortoO
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( ・∀・)「"鉄"が落ちるところを、さ」
('、`;*川「……!」
('、`;*川(やっぱ、この男)
( 、 *川(狂ってるわ……だから好きなんだけど)
( ・∀・)φ カキカキ「さぁて、ペニー。後始末の準備しよう」
('、`*川「後始末?ってか何書いてるのよ」
( ・∀・)⊃□「まず、君はハインちゃんから盗ったモノを返す。あとこれも」
('、`*川「……本気?そこまでする必要あるかしら」
( ・∀・)「迷惑かけちゃったからね、チャラにしときたいんだ」
-
215 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:20:15 ID:6Oe7ortoO
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(-、-*川「ま、警察に動かれても面倒だしねぇ……わかったわ。それで?」
( -∀-)「うん、うん。ひかる君さ」
( -∀・)「今日発表しなかっただけで、後日されたら意味ないから。"口止め"、しとかないとね」
-
216 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:20:58 ID:6Oe7ortoO
-
〜〜〜
ソウサク大学
広場
从ヽ゚д从「あー、疲れた。もう色々疲れた。道行く人の視線が痛い」
从 ゚∀从「ハインちゃん帰りたいぃ!でも帰れないぃ!」
(゚A゚;)「あっ!!ハイン!どこ行ってたんだよ!」
从`∀从「ドォクゥオォ……お前こそどこ行ってたんだこの役立たずが!」
('A`#)「な、なんだとぉ!そっちだって連絡もよこさずにあんな──」
从 ゚∀从「どうせ可愛い子の尻おっかけまわしてたんだろ、この変態が!!」
('A`;)「なっ、そ、そんなわけないだろ!だから、なんの連絡もしてこない君が──」
从 ゚へ从「うるせぇ!こちとら、拉致られて携帯やら財布やらパクられたんだよ!くそっ!取り返さないとヤバイ!家賃に食費、光熱費……!!」
('A`;)「えっ!?ら、拉致られたって……!?どういう」
-
217 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:21:59 ID:6Oe7ortoO
-
(‘L_’)≡≡「高岡さーん!」
从 ゚∀从「あ、役立たず二号」
(-A-;)「こらっ……!」
(‘_L’)⊃「探しましたよ!はい」
从 ゚‐从「あれ、これ私の携帯と財布……腕時計まで」
(‘_L’)「先ほど、伊藤さんというOBの方から受け取りましたよ。"ゴミ箱に捨ててあった"って。何があったんですか?」
从 ―从「あの暴力女……!そうだよ、比連崎さん、聞いてくれ。奴は──」
(;‘_L’)⊃□「おっと、その前にこれも一緒に渡してくれと」
从 ゚―从⊃□('A` )ナニナニ?「なんだ?封筒……?」
[発表会、素敵だったよ。お腹、痛くないかい?ごめんね、治療費として受け取ってください。
ラストリゾート モララーより]
从*゚∀从⊃[]「10……万……!」
( A )「ラスト……リゾート……!モララー……!!」
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218 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:23:01 ID:6Oe7ortoO
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(‘_L’)「伊藤さん、なにやら不機嫌そうでしたが……彼女がなにか?」
从 -∀从「……いや、なんでもね。悪いな、引き止めた」
(‐_L‐)「は、はぁ。ともあれ、ご苦労様でした。明日、依頼料について連絡いたしますので」
从;^∀从「依頼料ねぇ……ハハ、ま、今回は失敗かな……予想外のことが多かったし」
(‘_L’)「……確かに、本来の発表ができなかったことは事実です」
(^_L^)「しかし……私個人としては、充分な働きをしていただいたと思いますよ。
あなたがそうしなければ、もしかしたら坊ちゃんに被害が出たかもしれない。その点は、呂招にも進言しておきますので」
从゚∀ 从「ありがとうございます。ま、期待はしませんけど、よろしく頼みます。それじゃ。いくぞ、ドクオ」
('A`)「……あ、ああ」
-
219 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:24:17 ID:6Oe7ortoO
-
(‘_L’)「……高岡さん」
从 ゚∀从「はい?」
(‘_L’)「先ほどの発表、支離滅裂ですし、言っている本人が中学卒業までの学業しか修めていない。正直、説得力がありません」
从;゚ー从「あー、あれはほら、テキトーに──」
(‐_L‐)「ですが、あなたが……"学んできた"ことについては少し興味があります」
从 ゚‐从「……」
(‘_L’)「学歴と学んできたことは一致しない……そういった見解に至った、経緯はいったいなんですか?」
从 ゚‐从「……それは」
(;‘_L’)「それは?」
从 -∀从「ナイショ」
-
220 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:25:08 ID:6Oe7ortoO
-
〜〜〜
ソウサク大学
帰路
(-_-)「とんでもない目にあった……ふざけたことをしてくれる、中卒が」
(-_-)「気分が悪い……」
プルルル
(;-_-)⊃白「……父さん?」
(-_-)白「もしもし……ああ、もうすぐ家に着くよ、うん」
(;-_-)白「……ごめん、埋蔵金計画、発表できなくって……」
(;-_-)白「ああ、うん。えっ、今日帰ってくるって?珍しいな」
(*-_-)白「……あ、ありがとう。わかった。それじゃ」
(-_-)(一緒に夕食を取るなんて、何日ぶりだろう)
(-_-)「あの発表のことで叱られるのかな。ほんと、勘弁してくれよ。なにが学校歴だ」
(-_-)「……」
(-_-)(……学んできたこと、か。僕は、たくさんの勉強をして、たくさんの知識を持っている)
(-_-)(でも、それはほとんどの学生が言えることだ。難しい大学なら、当然)
-
221 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:26:09 ID:6Oe7ortoO
-
(-_-)(なら僕だけが学んだ、僕だけにしか学べないことってなんだろう)
( -_-)⊃□「……そうか、この計画か」
( -_-)(別にいいじゃないか、発表に合わせなくたって。いつでも、僕は父さんの手助けができる)
(-_-)(ネットで個人的にでもいい、なんなら大学や然るべき機関と交渉して場を設けてもいい)
(-_-)(父さんのために、杉浦家のために。それが僕の──)
( ・∀・)「こんばんは」('、`*川
(-_-)「……?」
( ・∀・)「おや、おや。いけないなぁ。あいさつは大事だよ。こんばんは」
-
222 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:27:08 ID:6Oe7ortoO
-
(;-_-)「こ、こんばんは。あの、どちら様……」
( -∀・)「失礼、名乗るほどの者じゃないんだ。キミにお願いがあってね」
(;-_-)「……」
( ・∀・)「ああ、ダメダァメ。ポケットの携帯電話、使えないよ。ジャマー使ってるから」
(;-_-)「じゃ、ジャマー……?携帯をジャミングしてるとでもいうのか?」
( ^∀^)「あら、あら。天下のソウサク大学の中でも優秀な杉浦ひかる君なら知ってるかと思ったけど」
( ・∀・)「最近は便利でねぇ、映画館とか美術館みたいなところで他人を気にせず通話する輩がいるだろう?」
( ・∀・)⊃「そういう時にこれさ。"電波妨害機"。アマゾンでも買えるよ?」
(;-_-)「……いくらだ」
(;・ο・)「えっ、欲しいの!?えっと、確か三万──」
(;-_-)⊃□「違う!あんたたちが欲しいのはこれだろ!」
-
223 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:28:04 ID:6Oe7ortoO
-
(*・∀・)「おー、おー、話が早い。そう、それ。そのノート。埋蔵金計画だっけ?」
(-_-)「……本当に、脅迫状の通りだったわけか……だとすると、探偵のしたことは正しかったのか……?」
( -∀-)「さぁねぇ、ま、どうでもいいでしょ。さ、どうする?"交渉タイム"といこうか」
(;-_-)「……本当は、いくらなら渡すって気はないんだ。これは……渡さない。絶対に、どれだけお金を積まれても……!」
( ・〜・)「んーんー?勘違いしてるなぁ」
( ・∀・)「譲って欲しいんだよ、僕は、タダで、無料で、なんのリスクもなく」
(;-_-)「なっ、なにを──」
( ・∀・)「ペニー」
('、`*川≡「はぁい」
□('、`*川≡ ゛(゚_゚;)「うわっ!?あ、あれ……!?」
( ・∀・)⊃□⊂('、`*川「ありがと」
-
224 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:29:00 ID:6Oe7ortoO
-
( -∀・)
⊃□⊂ パラパラ「へぇ、キレイな字だね。あ、もう一つ、ひかる君にお願い。
これがコピーだとして、まぁ別に原本でもどっちでもいいけど、とりあえず公表しないで欲しいんだよね」
(;-_-)「なんで……こんな……」
( ・∀・)
⊃□⊂パラパラ「そうしなければ何もしな……あれ?」
('、`*川「どうしたの、モララー?」
( ^ワ^)⊃=□ シュッ「…………クッ、ハハハハハ!!ごめんごめんやっぱり今のなし!返すよ、ほら!」
( ゚_゚) □ バサッ
(。^ワ^)「アハハハハ!アハ、ハハハハ!!面白い!すっごい楽しい!」
(;゚_゚)⊃□(な、なんなんだよ、こいつ……!)
-
225 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:29:52 ID:6Oe7ortoO
-
(*・∀・)「あー、笑った笑った!ごめんね、ホント。僕の勘違いだったみたい。
全然公表してもらっても構わないし、僕たちもなんの干渉もしないよっ、ごめんね、怖い思いをさせて!」
('、`;*川「ちょ、モララー、どういうことよ?」
(;-_-)「……」
( ・∀・)「いやいや、ね。"ゼロ"が足りてなかったんだ、うん。まったくの見当違いさ。帰ろうペニー」
(;゚_゚)「ちょ、ちょっと待て……!ゼロが足りない……!?何を言ってるんだ、この計画で取得できる財産は数億──」
( ・∀・)「足りないな、足りない」
(;-_-)「あんたたち、いったい……!?」
-
226 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:30:36 ID:6Oe7ortoO
-
( ・∀・)「僕らの、『M計画』にはあと"四つ"くらい足りない」
(゚_゚)「エム、計画……まさか、それってM資金──」
( ・∀・)
(∴ ・∀・)
―(∴ ・∀・∵)―
―∴∵∴∵(・)∀(・)∴∵∴∵―「」
(;;゚_゚;)ゾクッ
( ・∀・)「どうしたの?」
(;つ_゚)ア アレ?
( ・∀・)「うん、うん。僕らは今後キミに一切関わらない。だからキミも今日のことは忘れよう、ね?」
(;゚_゚)〃コクッ
( ^∀^)ノシ「いい子だ、それじゃ。帰り道気をつけてねー」('ー`*川
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227 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:31:35 ID:6Oe7ortoO
-
(;゚_゚)(手足が……動かない)
(;-_-)(怖い……でも、気持ちいい……なんだろう、この感覚)
(;-_-) ハッ
(;-_-)(……そういえば、前に心理学を勉強していた時、覚えたことがあった)
(-_-)(ドイツの神学者、ルドルフオットーが定義した"聖なるもの"の概念)
(-_-)(カリスマと似て非なる感覚、"ヌミノース"の一つ)
戦 慄 的 神 秘
(-_-)(Mysterium tremendum)
(;^_^)(は、ハハ……なんだ、理解できれば、なんのことないじゃないか)
(; _ )(ああ、"勉強"しててよかった……)
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228 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:32:49 ID:6Oe7ortoO
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〜〜〜
三日後
高岡探偵事務所
リビング
从*'∀从「うふふ、諭吉がひとーり、諭吉がふたーり──」
从 ゚∀从「腹パン一発で10万はなかなか良い商売だな。ラストリゾート入ろうかな」
⊂('∀`*)「ハイン、ハイン!ほら、これ見ろよ!」
从 ゚∀从⊃「あ、なんだよ。朝刊?」
( '∀`)σ「これ!ここ!」
[杉浦議員、息子の杉浦ひかるさんと共に埋蔵金発掘へ着手]
('A`)「すごいよな!あの後、したらば新聞社へ記事になるよう、ひかる君が掛け合ったみたいでさ!」
从 -∀从「ふーん……んだよ、あの家族。そこまでするならちゃんと依頼料よこせっつの」
('A`)「いいじゃん。結果的に安全を確保したってことで、半分は貰えたんだしさ」
从 ゚、从「あのなぁ……」
-
229 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:34:05 ID:6Oe7ortoO
-
('A`)「それよりも、こないだからも言ってるけど気になるのは"ラストリゾート"だ。今回の件に絡んできたのには驚いたよ」
从 ゚∀从「そうかぁ?別にたいしたことじゃねぇだろ」
('A`;)「なに言ってるんだ、ハインだって閉じ込められたり危害を加えられているじゃないか」
从 -∀从「……はぁ」
(-A-)「ちくしょう、もう少し頑張れば何か情報を手に入れられたかもしれ──」
从 ゚∀从「ドクオ」
(゚A`;)「っ、は、はい……?」
-
230 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:35:18 ID:6Oe7ortoO
-
从 ゚‐从「私も前から言ってたと思うが、私らは探偵だ。依頼以上のことに関しては詮索しない」
(;'A`)「わ、わかってるよ。でも……」
从 ゚―从「別に一宗教団体が何をしようが、ドクオが気になろうと私には関係ねぇことだ」
('A`)「……」
从 -∀从「いちいち首つっこんでたらそのうち面倒ごとになる」
从 ゚∀从「ま、ほどほどにしとけよ。所長命令だ」
('A`)「……」
从 ゚∀从「返事は?」
(-A-)「うん……」
从#゚∀从「敬語は!?」
('A`)「はいはいっ」
-
231 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:36:18 ID:6Oe7ortoO
-
从 ゚へ从「ったく、朝から辛気臭くなっちまった。ほら、飯でも食いにいこうぜ!せっかく金も入ったんだし」
('A`)「そうだな、"誰かさん"のせいだから奢ってもらわないと」
从*゚∀从「ほぉ、殊勝な心がけだ。えっとね、ハインちゃんはお寿司がいいなぁ」
('∀`*)「僕はハンバーグがいいなぁ」
从 ゚∀从「……」('∀` )
从#゚μ从「てめぇ、自分がシケたことしといてふざけたこと言ってんじゃねぇぞ……!?」
('A`#)「なんだよ、ハインが説教みたいなこと言うからだろ!?」
从#^∀从「上等だ、表に出ろ。"特別新人研修"を受けさせてやる」
('へ`#)「ふん!パワハラで労基に訴えてやる」
-
232 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 12:37:15 ID:6Oe7ortoO
-
从#゚―从「うーーー!」('へ`#)
从゚― 从「ふんっ!」( 'へ`)
ピンポーン
从*゚∀从「依頼か!?」('A`*)
ガチャ
|゚ノ ^∀^)「ごきげんよう、ハイン!すがすがしい朝ですわね!才色兼備の"淑女探偵"、藤堂レモナが参りましてよ!」
(;'A`)「……えっ、どなた?」
从;∩∀从「……うわっ、レモナかよ……」
乱暴粗悪なディテクティブのようです
第二話『学歴』
おわり
|゚ノ ^ー^)「そういえば先日の発表会、拝見しました。素敵でしたわ、"中卒探偵"さん」
从# ∀从「……七十五日、七十五日……!耐えろ、耐えるんだハインちゃん……!」