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67 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 12:50:23 ID:9kpWy5VI0
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Place: 草咲市 須赤一丁目 33-31付近 飲食街の外れ
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Cast: 志納ドクオ 賤之女デレ 大天福ショボン 天主堂モララー
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68 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 12:53:58 ID:9kpWy5VI0
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(´†ω゚`) 「大ッ天ッ福(だいってんっぷく)ハピ☆ネス大先生のォ!!吸血鬼狩りタァイム!!」
('A`) 「……」
( ・∀・)っy=━ 「先生、声が大きいです」
細く薄暗い路地に杭持ちの大声が響き渡る。
ロングコートを着込み人目を避けるような姿とは逆に、その男の態度は大仰で、横柄で、目障りだった。
「杭」と呼ばれる武器を持ち、袋小路の出入り口に立ちふさがる。
強い。意味の分からない顔面でありながら、杭持ちの中でも上位の実力者だ。
( ・∀・)っy=━ 「志納(しのう)ドクオだな。神の御名のもとにさばきを」
もう一人の青年は、大天福に反し物腰は静か。
両手で構えた銃の用心金にはおなじみの十字架が光っていた。
彼もまた、強い。大天福の弟子ではあるらしいが、能力は十分に一人前だろう。
('A`) 「……お前らに、聞きたいことがある」
( ・∀・)っy=━ 「なんだ?」
(´†ω゚`) 「命乞いなら冥土でやれィ!!」
_,
( ・∀・) 「先生黙って」
(´†ω・`) 「ハイ」
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69 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 12:55:02 ID:9kpWy5VI0
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('A`) 「地雷女と呼ばれている吸血鬼を知っているか?」
( ・∀・)っy=━ 「……それが?」
('A`) 「居場所を知っているなら教えろ。あの女は俺が殺す」
青年は黙った。
話すかどうか思案しているというよりも、こちらの真意を探っているといったところか。
銃口は一切ぶれない。紛らわしい行動を取ればすぐさま銃弾が放たれるだろう。
( ・∀・)っy=━ 「俺たちは、地雷女の居場所は知らない。こちらが教えてほしいくらいだ」
('A`) 「……チィッ、杭持ちの無能さは相変わらずだな」
( ・∀・)っy=━ 「そして仮に知っていたとしてもお前はここで死ぬ」
('A`) 「そして話の通じなさもまた猿並か」
くぐもった銃声が響く。
放たれた弾丸はドクオの耳元を掠め、壁にめり込んだ。
続けて銃身が跳ねる。
射線を見切る余裕があった。
躱せるところをあえて腕で受ける。
瞬きの間に生み出された銃創から、鮮血とは言い難い黒い液体が噴き出す。
重畳だ。上手く静脈を破壊してくれた。
流れ出る血を拝む形で両手に付ける。
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70 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 12:56:35 ID:9kpWy5VI0
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(´†ω゚`) 「モララー、わざと傷を作ったぞ!血刑に気をつけろ!!」
( ・∀・)っy=━ 「言わなくたってわかるって……」
車一台ほどの幅の路地。左の壁いっぱいに弧を描いて大天福が迫る。
その間も青年、モララーは銃撃を止めない。
わざと射線を右に寄せ、大天福の方へ誘導している。
なるほど。師弟だけあって息はあっている。
(´†ω゚`) 「大天福スラァッッシュ!!」
大天福の、杭による斬撃。
ドクオはこれに血まみれの手を差し出した。
路地に反響する金属音。
大天福の杭はドクオの手の平に受け止められている。
ドクオは刃を握りしめ、大天福は無理やりに押し込もうと力を込めた。
モララーは銃撃を一旦中止。弾倉を交換する。
組み合ってしまったため大天福が邪魔で銃が使えないのだ。
( ・∀・)っy=━ 「……血の硬化程度はできるようだが、やはり雑魚か?」
ドクオは、大天福にやや押されていた。
吸血鬼になれば女子供でも大の男に押し勝つ力を得る。
杭持ちとして鍛え抜かれた大天福が相手とはいえ、単純な力比べで吸血鬼が負けるなど珍しい。
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71 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 13:00:09 ID:9kpWy5VI0
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(´†ω゚`) 「大天福キィィッック!!」
杭をあっさりと離し、大天福はドクオの腹に足の裏を突き出した。
唐突な転換にドクオの反応は間に合わない。
吹き飛び背後の壁に叩き付けられ、口から唾液が漏れる。
(´†ω・`) 「モララー」
( ・∀・)っy=━ 「はい」
(´†ω・`) 「雑魚と侮るな。こいつ何かあるぞ」
( ・∀・)っy=━ 「先生が言うなら、そうなんでしょう」
地面にずるりと落ちながら、ドクオは舌を打つ。
モララーの方はもう少しで油断を誘い出せたはずだが、この男中々侮れない。
('A`) 「……地雷のことを知らねえお前らに、用はねえんだが」
(´†ω・`) 「この大天福、屠ると決めた吸血鬼をみすみす逃がすなど出来る男ではない」
大天福は、着ていたコートを脱いだ。
下は白のワイシャツと、ガンベルトらしき黒い帯。
ただし、銃のホルスターの姿は無く、代わりに肩口から杭の柄らしきものが覗いている。
('A`) 「……外人の観光客が喜びそうだな」
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72 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 13:02:03 ID:9kpWy5VI0
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背中に手を回し、大天福が取りだしたのは通常よりも長い杭。
鞘に収まるその姿は拵えの無い刀のようだ。
杭を抜き、鞘を捨てる大天福。
趣は杭に同じであっても、武器としての立ち位置はやはり日本刀に近いものだろう。
(´†ω゚`) 「モララー。援護は任せたぞ」
( ・∀・)っy=━ 「……必要かなぁ」
受けに回っては不味い。
ドクオは尻餅の状態から、上半身の勢いで大天福に飛び掛かる。
(´†ω゚`) 「大天福抜き胴スラァッシュ!!」
獣の如く食い掛かったドクオの脇を、大天福は歩むように通り過ぎる。
手に持った杭が滑らかに、音も無く、ドクオの腹を滑った。
鋭い痛み。
零れた血を硬化させて鎧替わりにしていたが、それでも斬り裂かれた。
血が少なかったのもあるが、大天福の技の切れが上回ったのだ。
( ・∀・)っy=━ 「浅いか」
よろめくドクオに、モララーの銃撃。
咄嗟に頭と胸を庇ったが、彼の狙いは初めから膝だった。
鉛に撃ちぬかれ、崩れ倒れる。
体の下にじわりじわりと血溜りができてゆく。
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73 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 13:03:12 ID:9kpWy5VI0
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(´†ω゚`) 「大天福フライングフィニッシュスピネイドォ!!」
宙に飛び上がる大天福。
杭を逆手に振り上げ、着地と同時に心臓を貫くつもりだ。
ドクオは渾身の力で横に転がり逃げる。
血が少ないためこれだけで頭が朦朧とした。
( ・∀・)っy=━ 「先生、血に触れては!」
(´†ω゚`) 「噴!」
血だまりに着地した大天福は言われるまでも無かったとばかりにすぐさま飛びのく。
靴を蹴る様に脱ぎ捨て、靴下で地面に立つ。
判断が早い。伊達に吸血鬼殺しを生業にしていないわけだ。
( ・∀・)っy=━ 「先生、危険なので近づかないでください」
言葉尻に被さる銃声。
狙いはドクオの頭だ。
座り込んだ状態で、何とか手で受ける。
衝撃に揺らぎただの一発で地面に倒れた。
( ・∀・)っy=━ 「先生の勘違いか?」
倒れたドクオの頭へ、ゆっくりと狙いをつける。
仮に血の能力、『血刑』を使われても距離があるから大丈夫、ということか。
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74 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 13:05:25 ID:9kpWy5VI0
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('A`) 「……やっぱ、おまえら、ダメだァ」
( ・∀・)っy=━ 「?」
狙いを定め、引金を引く寸前、モララーは異変に気付いた。
照準に目を当てているほんの数秒に、何かが変わっている。
大きな変化だ。だが、具体的に何か把握出来ない。
( ・∀・)っy=━ 「……!血が、無い!」
('A`) 「おせえって」
ドクオがふらふらと立つ。
身に着けているカーキのパーカーにも、青いジーンズにも。
塗りたくった手にも、溜まりになっていた地面にも。
何処にも、ドクオの血が見当たらない。
( ;・∀・)っy=━ 「何をしたところで!」
モララーが銃を撃つ。
くぐもった銃声の連続。最後にはスライドが開きっぱなしになる控え目な金属音が重なる。
そこまで撃ってなお、ドクオには一発も当たっていない。
( ;・∀・)っy=━ 「なに、が」
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75 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 13:07:39 ID:9kpWy5VI0
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(´†ω・`) 「モララー下がれ!コイツの血刑は毒だ!」
( ;・∀・) 「……ッそうか!」
モララーが袖で口元を抑え、大きく飛びのく。
着地と同時によろめいて尻を着いた。
実感が伴わないまま平衡感覚を失っているのだ。
狙撃が悉く外れたのもその影響である。
大天福もモララー同様、むしろより近くにいたせいで毒のダメージを受けていた。
内股で前かがみで小型犬の如くプルプル震えている。
杭を杖代わりにして倒れることは耐えているが、今にも崩れ落ちそうだ。
('A`) 「チッ……二人いっぺんに殺すのは無理か……」
塞がらないドクオの腹の傷からは滾々と血が湧き出ているが、一滴も地面には落ちない。
腰元まで垂れたところで蒸発し、黒い霧となって立ち上る。
すぐに拡散し目に見えなくはなるが、空気中を移動し、確実に杭持ち達の体を蝕んでいた。
(´†ω゚`) 「……しかしこの大天福、ただではやられん!!」
目を真っ赤に充血させた大天福。
唇を噛む痛みで意識の明晰を僅かに取戻し、立ち上がる。
その手に光る、鈍色の杭。
ドクオは出血多量で動けず、今攻撃を受ければ身を守る術は無い。
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76 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 13:09:14 ID:9kpWy5VI0
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(´†ω゚`),´∴ 「行くぞ!大ッ天ッ福オリジナルアルティメットンァァァアア!」
( ;・∀・) 「先生ェ!!だから技名はシンプルが良いってあれほど!!!」
杭を振り上げ叫ぶ途中で大天福は血反吐をまき散らして卒倒した。
零れる血は口の端で泡になっている。
放っておけば十数分で死ぬだろう。
( ;・∀・) 「く、こんな間抜けな負け方……!」
モララーが震える手で上着の内側に手を滑り込ませる。
取りだしたのは、簡易の注射器。
フィルムケースのような円柱状で、体に押し付けると針が出て薬剤を注射できる。
内容は、抗吸血鬼化薬。
吸血鬼化を抑制するのが目的のものだ。
解毒効果は無いが、この毒は吸血鬼の血が由来なのである程度は期待できる。
いくらか効果があったことを自覚し、モララーは大天福に駆け寄った。
素早く指で肋骨の隙間を突き、完全に意識を奪う。
これで今以上に毒を吸入することは無い。
( ;・∀・) 「志納ドクオ、次は必ず殺す」
モララーは手早く大天福を担ぎ、走り出した。
崩れ落ちる勢いを利用するかのように、路地を出てゆく。
あとはまあ、救急車でも呼べば、あの毒ならば五分五分で生き延びるだろう。
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77 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 13:10:47 ID:9kpWy5VI0
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たっぷりと溜めて、舌を打つ。
あのままモララーがドクオを殺しに来ていれば、もっと強力な毒で殺すことが出来た。
吸血鬼殺しより仲間の救出を優先したのが、少々意外でもある。
('A`) 「……クソ、便利さなんてかけらもねえじゃねえか、この血刑」
血を変異させ操る吸血鬼の態、血刑。
特性故に血を流さねば使えず、血は流し過ぎれば仮死状態に陥ってしまう。
上手く使おうにも、最近血刑を使えるようになったドクオは毒を作り出すのに多くの時間を要する。
もっとさっさと強力な毒を生み出せていれば、組み合った時点で大天福は殺せていた。
('A`) 「……帰らねえと、血が、足りねえ……」
よろよろと立ち上がり、すぐに崩れ落ちる。
血刑に血を使いすぎた。
応援を呼ばれてる可能性がある。早く逃げなければならないというのに。
('A`) 「……クソ、せっかく、バカどもを、追っ払ったのに」
傷は全て塞がった。
しかし体の中を巡る血が足りない。
苦々しい顔をしながら、ドクオは薄汚い壁に体重を預ける。
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78 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 13:12:30 ID:9kpWy5VI0
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ζ(゚ー゚*ζ 〜 ♪
ζ(゚ー゚*ζ´ 「あら?」
目を閉じ、朦朧としていたドクオの耳には、その音は聞こえていなかった。
その少女は仮死に陥りかけているドクオへ歩み寄る。
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79 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 13:13:31 ID:9kpWy5VI0
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ζ(゚ー゚*ζ 「ねえ、おじ様?お兄さん?」
('A`) 「……あ?」
ζ(゚、 ゚*ζ 「可哀想。お腹が空いているのね」
('A`) 「なんだ、てめえ」
ドクオの朦朧とした視界にも、少女が映り込んだ。
栗色の髪に、ゴシックなデザインの人形のようなドレス。
整った顔に浮かぶ笑顔は、どこか作り物を思わせた。
ζ(゚ー゚*ζ 「ちょっと待ってね」
('A`) 「おい、何をする気だ」
胸元に付けられた、鮮やかな青い石のブローチ。
少女の小さな手が楕円形のそれを捻ると、カチリと音がして台座の金細工が開き、石が外れた。
摘まみあげられたその宝石の裏には、爪の先ほどの小さな刃物が仕込まれている。
('A`) 「おい」
ζ(^ー^*ζ 「今私の血をあげるね」
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80 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 13:15:19 ID:9kpWy5VI0
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少女は首元のボタンを外し、服を大きくはだけさせた。
露わになった鎖骨のやや下。
健康的な色の肌に石を強く押し付ける。
ドクオが驚く暇もない。
石は鎖骨をなぞる様に滑り、過ぎ去ったそこには血を膨らませる赤い傷口が生み出された。
ζ(゚ー゚*ζ 「さ、どうぞ、おじ様」
(;'A`) 「……」
抱擁を求めるように、手を広げ誘う少女。
ドクオは動かない。
滴る少女の血は赤く、自然に喉が、腹がなる。
だが、突き上げる衝動をドクオは必死に抑えた。
ζ(゚、゚*ζ 「どうしたのおじ様?早く吸わないと、血がもったいないわ」
(;'A`) 「……俺は、人の、血は、吸わねえ」
ζ(^ー^*ζ 「でもおじさまは吸血鬼でしょう?吸血鬼は人の血を吸うのが普通でしょう?」
(;'A`) 「……」
この娘は、何者だ。
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81 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 13:17:33 ID:9kpWy5VI0
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なぜ吸血鬼と知って平然と近づいてくる。
なぜ自分の血を飲ませようとする。
ドクオの背を、寒気が痺れさせる。
命を奪いに来たあのふざけた二人の杭持ちよりも、この少女にこそ恐怖を覚えた。
ζ(゚、 ゚*ζ 「もう、仕方ないわね」
少女は滴る血を指で掬い取る。
指にねっとりと絡んだそれを、小鳥に餌付けする優しさでドクオに差し出した。
(;'A`) 「……ッ」
顔をそむける。
甘い匂い。生臭い誘惑。
一口でも触れたら、欲求に負ける。
必死に拒むドクオの頭を、少女は血を掬ったのとは逆の手でそっと抑えた。
少々さびしそうな、困った笑顔でドクオの唇へ血を運ぶ。
ζ(゚、 ゚*ζ「ごめんなさい。おじ様のお口には合わないかもしれないけれど、このままではおじ様死んでしまうもの」
(; A )
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82 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 13:20:34 ID:9kpWy5VI0
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違う、口に合わないなんてことが無い。
今まで嗅いだどんな香りよりも素晴らしく、唾液が溢れる。
心のすべてを奪われそうになる。
だからダメだ。やめてくれ。
この血を舐めたら、人間に戻れなくなる。
ζ(゚ー゚*ζ 「さ、観念なさって」
( A ) 「グッ」
薄く空いた唇に滑り込む人差し指。
噛みしめ、閉じた歯を一つ一つなぞる様に血を塗り付けていく。
歯の隙間を抜けて、口の中に広がる少女の血の味。
やっぱりだ。匂いで全部わかってたんだ。
甘い。
ほら、甘い。
美味い。
旨い。
感動が、電流になって、背骨の髄まで溶かし解してゆくようだ。
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83 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 13:21:23 ID:9kpWy5VI0
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( ゚A゚) 「ッ゙!」
ドクオは、鎖の千切れた猛獣の如く、少女の傷にしゃぶりついた。
あまりに突然で少々驚いた少女は、すぐに穏やかな笑顔に戻る。
胸元に頭を押し付け、無心に血を啜る彼を優しく抱きしめた。
小さな手で髪を撫でるその姿は、まるで母親のようですらある。
ζ(゚ー゚*ζ 「よほどお腹が減っていたのね。どうぞ、好きなだけ飲んで」
傷口に舌を差し込み、広げる。
あふれ出た血を、吸い込み飲む。
死にかけていた体がみるみる生き返ってゆくのがわかった。
ζ(゚ー゚*ζ 「あら、もう大丈夫?」
いくらか欲求が満たされたところで、ドクオは少女を解放した。
まだ飲める。もっと飲みたいと体が軋む。
だが、これ以上は少女を殺しかねない。
ドクオを見返す少女は相変わらず笑顔であったが、いくらか血色が悪くなっていた。
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84 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 13:26:25 ID:9kpWy5VI0
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(;'A`) 「すまない、俺は……」
ζ(゚、 ゚*ζ 「おじさま、口の周りが汚いわ。ちょっと待ってね」
少女はドクオの顔を白いハンカチで拭う。
唾液と血を拭き取り、満足げに笑った。
食欲を誘う人間の臭いが、彼女が妖艶な女であるような倒錯を起こさせる。
少女はハンカチを丁寧に畳んでしまい、地面にちょこんと座り込んだ。
路地は汚い。
綺麗な服が埃に汚れるが本人は全く気にしていないようだった。
ζ(゚ー゚*ζ 「ねえ、おじ様。私、お願いがあるの」
(;'A`) 「……?なんだ」
ζ(゚ー゚*ζ 「おじ様、私を飼ってくださらない?」
(;'A`) 「……は?」
ζ(゚ー゚*ζ 「私を、娘として、飼ってくださいな」
ドクオは、少女が何を言っているのか理解できない。
戸惑いの視線の先、微笑む彼女の美しさは、やはり作り物の様であった。
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85 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/02/23(日) 13:27:42 ID:9kpWy5VI0
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終り。
三行
大天福
大先生
大失敗