( ・∀・) みたいなやつら (´・ω・`)

最終話:ナイト・キャップでおやすみ

107 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/09/12(月) 00:45:55 ID:ud2lCfWc0
 
最終話:ナイト・キャップでおやすみ


――ほじる。ほじる、ほじる。

( ^ω^)、 カッ、カカカッ

マスターの右手に握られたアイスピックが軽快に氷をほじっていく。


( ・∀・)「ほじってるんじゃなくて、削ってるんじゃない?」

(´・ω・`)「ふふ、そりゃそうだ」カラン

今ショボンが飲んでいるのは、ウェイク。
「どデカく使おう」でお馴染みのあのウェイクだ。

対するモララーの一杯は、オジサンズ・アンブレラ。
淡い水色のすっきりとしたカクテル。

きっと、いまの戦争が終ったころ、こんな、
夢を持ったような古風のアンブレラが流行するだろう。

108 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/09/12(月) 00:47:40 ID:ud2lCfWc0
 
(´・ω・`)「でさぁ、俺も、ずっとこのままでいいのかなって」

( ・∀・)「焦ってるの?」

(´・ω・`)「うん。小5の頃に食べたホルモンをまだ飲み込めないまま、
     40歳を迎えていいのかなって」

( ・∀・)「それはよくないと思う」

(´・ω・`)「18歳で結婚して、30歳の頃には孫が12人いて
       40歳には孫リース業を営むプランだったのに」

( ・∀・)「駐車場のスロープ並みに穴だらけのプランだな」

(´・ω・`)「あそこにいる人達みたいにさ、カップルでこういう店に来たいんだよ俺は」

そう言うとショボンは、向かいのテーブルを指差した。

109 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/09/12(月) 00:48:21 ID:ud2lCfWc0
 
ショボンが指差した方向には、二人の男女が腰掛けていた。

男の方はモナー。保険会社に勤めるサラリーマン。
そして隣の女性はツン、モナーと現在交際しているOLだ。



ξ゚听)ξ「この前、広瀬すずに似てるって友だちに言われちゃった」

( ´∀`)「それって『人妻ナンパ自宅中出し』シリーズに出てる人だっけ?」

ξ゚听)ξ「まだ出てないわよ」

( ´∀`)「まるでこの先出るのが決まってるみたいな言い方」

ξ゚听)ξ「信じて待っていればいつか実現するかもしれないでしょ」

( ´∀`)「そんなポジティブな話じゃないと思うがなあ」

110 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/09/12(月) 00:49:10 ID:ud2lCfWc0
 
( ´∀`)「僕もこの前、街で有名人に間違われたよ」

ξ゚听)ξ「へぇ、誰に間違われたの?」

( ´∀`)「『もしかして、テレホマンさんじゃないですか?』って言われた」

ξ゚听)ξ「どんな格好して歩いてたのよアンタ」

( ´∀`)「最近、自分の中で腐葉土を纏うのがブームでさ」

ξ゚听)ξ「なんか冒涜的なニオイがすると思ったらそれだったのね」

( ´∀`)「『テレホマンフライングアタ〜〜ック!ってやってもらっていいですか?』って
      リクエストされちゃって困ったよ」

ξ゚听)ξ「どんだけテレホマンに通じてるのよその人」

( ´∀`)「おかげで今月の通信料10万超えちゃった」

ξ゚听)ξ「やったのね……」

112 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/09/12(月) 00:50:14 ID:ud2lCfWc0
 
ξ゚听)ξ「それにしてもココ、いい雰囲気のお店ね。
       どうやって見つけたの?」

( ´∀`)「大島てる」

ξ゚听)ξ「それ事故物件のサイトじゃない、やめてよ」

( ´∀`)「ウソウソ、本当はあそこにいる彼が、教えてくれたんさ」

モナーは、そっとショボンへ目配せした。

それに気づいて、軽く会釈を返すショボン。
モララーは、彼を肘で軽く小突いた。


( ・∀・)「おいおい、隅に置けないやつだな」

(´・ω・`)「ゲームキューブみたいなやつ、ってことかい?」

( ・∀・)「ゲームキューブは真四角だから隅に置けるだろ」

(´・ω・`)「取っ手、取っ手」

( ・∀・)「あ、そっか……」

きまり悪そうに、モララーはグラスの中身を飲み干す。

113 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/09/12(月) 00:52:17 ID:ud2lCfWc0
 
そんな彼の様子を見て微笑しながら、マスターが口を開いた。

( ^ω^)「いやぁ、あなた達の含蓄のある会話には感服致しますお、
       そんな二人におすすめのカクテルがあるんですお」

( ・∀・)「僕達におすすめ?」

(´・ω・`)「気になるな。なんだい?」

( ^ω^)「それは、こちら――」

マスターは、薄緑に透き通る液体で満たされたグラスを2つ差し出した。



             |i--i|  |i--i|
             l|  |l  l|  |l
              `Y´   `Y´
               |     |
              ⊥     ⊥



( ^ω^)「どうぞ、ノックアウトです」

(´・ω・`) ?

( ・∀・) ?

114 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/09/12(月) 00:52:48 ID:ud2lCfWc0
 








                   ?

             ( ´・ω・`)   (・∀・ )


          彼らは、バカみたいなやつらだ。






               みたいなやつら
                 〜Fin〜

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