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495 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:16:39 ID:f3g1KVM20
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どうしようもないくらいに
歪んだこの愛で
世界は満ちている
『愛ト茄子ト平和ナ果実』
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496 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:17:32 ID:f3g1KVM20
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珍しい暗闇の空をながめる。
都市は常に町と道路の明かりで洪水のようにあふれかえり、夜と昼のさかいがなかった。
いま現在でぃが居るのは区域の外、ワタナベのよく知る田舎の土地であり、新たな住まいだ。
半分に欠ける月。
電気のない世界に居たことはこれまでになく、自分の指先まで見えないというのは新鮮だった。
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497 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:18:27 ID:f3g1KVM20
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从'ー'从「なにしてるの」
近くでワタナベの声がする。
草むらを踏む音。
ライトのない場所でよくでぃを見つけられるものだ。
ワタナベの視力に感嘆する。
(#゚;;-゚)「そろそろ新月が近いんだ」
从'ー'从「月のない夜のこと?」
(#゚;;-゚)「そう。まっくらな夜のこと。雲もなくて、ずっと闇なんだ。」
从'ー'从「困るなあ。あなたが見えないもの」
女の手が伸びてくる。
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498 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:19:08 ID:f3g1KVM20
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でぃの腕をつかみ、肩に伸びて顔に触れる。
頬から鼻筋まで、顔を確認されるように触れられる。
ワタナベの手つきに愛撫めいたものがないから、でぃも安心して身をまかせる。
(#゚;;-゚)「きみは僕と寝たい……?」
从'ー'从「別に。どうして」
(#゚;;-゚)「好きだと言ったから」
从'ー'从「変なの。好きだとセックスするの?ふつう逆じゃない?」
身体の関係とは利点の交換にある。
娼婦として生きているワタナベにとってそれは絶対の価値観だった。
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499 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:19:54 ID:f3g1KVM20
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(#゚;;-゚)「……わからない。普通、じゃないから」
从'ー'从「あたしはあなたが好きだけど、そういうので汚したくはないの」
ワタナベはそう言って、しかし訂正した。
彼女のなかのでぃはどこまでも清純で、白さにあふれているから、少しくらい自分の痕をつけたい。
从'ー'从「ううん、たまに、汚したくもなる。とっても綺麗だから」
(#゚;;-゚)「綺麗……」
从'ー'从「おとぎ話ってね、綺麗で、可愛くて。でもそれだけでしょ?本当にあるものだなんて思わないもの。」
(#゚;;-゚)「奇形だとは言われ慣れているけど、綺麗だなんて初めて言われた」
ワタナベのてらいのない言葉に戸惑う。
態度にも声にも現れていないが、何も知らないはずの彼女だからこそ、その言葉が好ましい。
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500 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:20:39 ID:f3g1KVM20
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从'ー'从「きっと自分たちが汚いから。認めたくないのよ。」
从'ー'从「ああでも、あたし男に生まれたかった」
(#゚;;-゚)「どうして。きみこそ、そのままの姿で美しいのに」
从'ー'从「男に生まれて、あなたを妊娠せるの」
从'ー'从「そしたらきっと、あたしが死んでもあなたとの血がずっと続いていくんだわ」
从'ー'从「それってきっと、すてきなことよ」
(#゚;;-゚)「……それがきみの愛なら、きみが女でよかった」
从'ー'从「あたしが嫌い?」
(#゚;;-゚)「いいや。男にそんなことされるなんて、死んだほうがまし」
从'ー'从「うん、あたしも」
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501 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:21:36 ID:f3g1KVM20
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嬉しそうにワタナベが笑う。
物騒な事を言うわりに、でぃは最初の出会い以外、彼女に暴力をふるわれたことがない。
ワタナベはほとんど自分を束縛せず、自由にしてくれる。
でぃを好きだと言ったものは、皆それの反対しかしなかった。
(#゚;;-゚)「アカウントを取得したから、チケットの交換をしたい。誰か、それができることに思いあたる人はいないか?」
从'ー'从「……ひとり知ってる。でも関わり合いたくない。あなたを見せたくない」
(#゚;;-゚)「では頼んでいいか」
从'ー'从「船に乗るだけなのに、わざわざ座席を交換する必要があるの?」
(#゚;;-゚)「万が一の用心だよ。アカウントで購入歴が知られれば辿られる。
他人と違う取得で交換したものの方が安全だ。飛行機には乗れないから、船だと長時間拘束される」
从'ー'从「……わかった。連絡とってみる」
(#゚;;-゚)「それからもうひとつ頼みがあるんだけど……」
从'ー'从「なあに」
少し迷ってから、恥ずかしそうにでぃは銃の撃ち方を聞いた。
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502 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:22:21 ID:f3g1KVM20
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503 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:23:08 ID:f3g1KVM20
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(A^ν^)「あのー」
( ´_ゝ`)「いま忙しい」
(A^ν^)「お客様なんですが……」
兄者はプロテクトの実験結果をまとめて見ている。
操縦するための戦闘用アンドロイドはあたりを破壊するだけなら充分だが、小回りには向いていない。
いっせいに取り囲まれて受信機能を壊されてしまえば役にもたたない。
動かなくなった機械は分解されてさまざまな用途に作られ、もしくは売られてしまう。
こちらはそこまで痛くもない損害だが、向こう側にとってみれば美味しいことしかない。
敵も勢いづくし、取られた部品でさらに襲ってくるからアンドロイドはなるべく使いたくないのだが、増員予定のない状況は仕方がなかった。
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504 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:24:10 ID:f3g1KVM20
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( ´_ゝ`)「シリーズは暗殺と警護にしか向いてないしなあ。指揮官役殺してもまとまりがなくなるだけだし。
好きにしてもいいって、焼き払うしかないじゃん。最終手段すぎるし、つまんないし」
(A^ν^)「あのー……」
( ´_ゝ`)「目的も好みも違う連中まとめるって大変なことだったんだな。あの男もったいねーな。スカウトすりゃよかった。でもスパイ殺されたからどっちみち無駄か」
(A^ν^)「兄者さまー……」
( ´_ゝ`)「うえっ」
連絡が入る。
最低限の警備区域、バリケードを張って企業側の兵士が戦う場所に、またパワードスーツが現れたらしい。
兄者は撤退を優先した。人員がいなければ、よけいなことはできない。
( ´_ゝ`)「なんか人事とか中間管理職の気分。一番たいへんなのは真ん中だね、まったく」
口元のマイクに話す。
現場へとつないだ。
( ´_ゝ`)「いったん、爆撃してもいいから避難と、これ以上入ってこさせないで。
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505 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:25:01 ID:f3g1KVM20
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( ´_ゝ`)「うん。準備が入ったら、ミサイルうつから」
(A^ν^)「兄者さま……」
( ´_ゝ`)「なんだって。忙しいのに」
(A^ν^)「たぶんこちらが優先かと」
(A^ν^)「お客さまです。全壊した施設の前責任者で、プロジェクトの重要人物みたいで……」
( ´_ゝ`)「んん?」
視線をそらす。兄者はAのすぐ後ろにいた男を見た。
( ´∀`)
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506 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:26:01 ID:f3g1KVM20
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( ´_ゝ`)「終わってるプロジェクトの責任者がなんだってここに?」ヒソヒソ
(A^ν^)「逃げた実験動物のことじゃないですか。というか本人から来たんですよ。こっちは知らせてないんですけど」ヒソヒソ
( ´∀`)「……終わった?プロジェクトはまだ未完だが」
(A^ν^)「え」キコエテタ
( ´_ゝ`)「え」
( ´_ゝ`)「くわしく聞こうか」
仕方ない。
オートに切り替えて、防衛システムを作動させる。
軍事はもう、ゲームと同じようなものだ。
一気に壊滅させるのを諦めると、兄者は席をたち、別室に男を連れ立った。
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507 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:27:15 ID:f3g1KVM20
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( ´∀`)「ああ。その前に頼みがある」
( ´_ゝ`)「俺権限そんなにないぜ。いまテロリストと戦ってる最中だし」
( ´∀`)「簡単だ。わたしを保護してほしいだけだからな」
( ´_ゝ`)「へえ、なにやらかしたんだ」
( ´∀`)「なに。少し命を狙われているだけさ」
( ´_ゝ`)「ふうん。ホントに珍しくないね」
( ´∀`)「わたしの子供たちからね」
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508 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:28:10 ID:f3g1KVM20
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( ´_ゝ`)「えーっと駆除?簡潔だな。掃除でもすんの?」
兄者は男の差し出した情報端末から経歴と、行ってきた実験の内容を読み込む。
( ´∀`)「似たようなものだ。しかし内容を把握していないところを見るときみはそこまで重要ではないのかな?だとしたらそれなりの階級の方に話したいのだが」
( ´_ゝ`)「いんや。いま現在タワーの修復と治安維持、国内からの出国なんかは最終的に俺のサインがなければOKできませーん。というわけでどうぞお話ください」
( ´∀`)「ふむ。話というほどではないのだが、私の研究内容は知ってるな?
施設に関して」
( ´_ゝ`)「ああ。でもあれ資料全部紛失しちゃったんだけど」
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509 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:28:57 ID:f3g1KVM20
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( ´∀`)「問題はない。結果報告をまとめたものだけだ。しかし無くなったのはどういうものだ?」
( ´_ゝ`)「材料はそろってたんだけどさ、内容と種類がわかんなくて。脱走されたのもまだ特定できてないんだ」
( ´∀`)「ひとつはわかる。わたしを襲ってきたものだから。だが問題なのはもうひとつの方なのだ。生きている検体は捕獲しているものだけなのだね?」
( ´_ゝ`)「うん檻のなかにいるので全部」
( ´∀`)「死んだものも把握できていると」
( ´_ゝ`)「ちゃんとそろえてる。確認する?」
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510 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:29:52 ID:f3g1KVM20
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( ´∀`)「いや。もう見てきた。
しかし困ったな。個体のひとつはまだ可能性が残っていて、実験中であるのだ。個体が年数をたつのを待っていたのだが、まさか逃げられるとは思ってなくてね」
( ´_ゝ`)「プロジェクトはまだ続いてるって言ったけど、それどこ情報よ?そもそもあんなの、ただの趣味じゃねーの?いまどきキメラなんて流行らないぜ」
( ´∀`)「環境に適応した生物の進化が目標だった。人間はいま文明から切り離されたら生きていけないからな」
( ´_ゝ`)「それにしたって使い道がないじゃん。人よりちょっと丈夫でも、戦車に勝てるってほどでもないんだろ?」
( ´∀`)「何を言ってる?生物の耐久のことか?」
( ´∀`)「そんなもの、実験中の副産物だ」
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511 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:49:46 ID:f3g1KVM20
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ひつじたちの沈黙
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512 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:51:18 ID:f3g1KVM20
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( ´∀`)「羊は集団自殺をする。
崖からひとつの個体が飛び降りると、つられて列にならんでいるように他の個体も飛び降りて死ぬ。」
( ´∀`)「この危険察知能力は鳥とよく似ている。
鳥は最初の一羽が飛ぶとそれに釣られて全体が動き出す習性を持っている。
ひつじたちは危機を感じ、逃れようと崖から飛びだすのだ。
そして死ぬ。
学説では危機察知を間違えたひつじに釣られてしまったとの見方が支持されているが、わたしはそうは思わない。ひつじたちは危機を感じていたのだ」
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513 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:52:47 ID:f3g1KVM20
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( ´∀`)「増えすぎる、という危機をね」
( ´∀`)「生物には増えすぎた個を淘汰する本能が備わっている。
どれほど時代を越えても、種としての遺伝子に刻み込まれたものが」
( ´∀`)「しかし人間は進化しすぎた。本能に支配された者はもう、ほとんどいない。
不快であるという理由だけで絶滅させられた生物のリストはひたすら長いというのに」
( ´∀`)「細菌、寄生虫はもちろん、作物を荒らす害獣、増えすぎたクラゲやヒトデなど」
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514 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:55:27 ID:f3g1KVM20
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( ´∀`)「しかし当然ながら弊害はある」
( ´∀`)「それらがいなくなったせいで、人の長寿も増えた。病気や事故が減り、自然的な死人がほとんどでなくなったのだ」
( ´_ゝ`)「うん、なんとなく予測ついてきたわ」
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515 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:56:30 ID:f3g1KVM20
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( ´∀`)「蚊の絶滅を知ってるか」
( ´_ゝ`)「また古代な昆虫がきたね。とうの昔になくなった害虫だろ」
( ´∀`)「そうだ。人類の歴史と寄り添うように蚊は人に寄生してきた。
本来は植物の樹液をすすって生きていたものが、ある時動物の体液を吸い、効率のよいエネルギー摂取を知った。そして蚊は進化した。
そのためだけに、針のような口を伸ばし、身体は薄く小さくなり、自らの体液を血にまぜることで凝固をふせがす。
これほど不快な寄生生物は他にはおらん」
( ´_ゝ`)「いまはもう居ないだろう」
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516 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 02:58:28 ID:f3g1KVM20
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( ´∀`)「いなくなったのではない。
自然的には絶対にな。
人が繁栄すればするほど、蚊は繁殖した。
ときに病気を媒介する害虫となって。しかしいまはもう自然公園の図鑑目録でしか見られない希少種だ。それがなぜかわかるか」
( ´_ゝ`)「さあ。先人さまの、偉大なる努力かな」
( ´∀`)「まさにそのとおり」
( ´_ゝ`)「あたってんのか」
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517 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 03:00:31 ID:f3g1KVM20
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( ´∀`)「人はこのやっかいな同居人を駆逐することに成功した。長い年月をかかて。彼らが繁殖すればするほど、数を減らすように」
( ´_ゝ`)「人為的に絶滅させたのか」
( ´∀`)「そう。繁殖の能力のない雄を作りだし、雌と掛け合わす。
その卵は孵らない。そうやってながく根気強く、次世代につなげる鎖を切ったことによって子の生まれなくなった蚊はやがて死ぬ。そして断絶した」
( ´_ゝ`)「ああ、なるほど」
( ´_ゝ`)「あんたはそれを、人間にもしようとしたんだな」
( ´∀`)「of course!」(言うまでもなく)
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518 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 03:01:37 ID:f3g1KVM20
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( ´∀`)「地球という箱庭で生物が増えすぎないように、管理するのは征服した者の義務だ。
人類もそれに当てはまる。
だが本能を抑えて、理性があるうちは誰が死にたがる?だから種族衰退の遺伝子を組み替える。大量に、人が死ぬように」
( ´_ゝ`)「傲慢だね。自分たちは生き残ると思ってる?」
( ´∀`)「結果だけは予測はできるが絶対ではない。わたしは殺されないかぎり死なないように」
( ´∀`)「しかし国別に、人種別にそれぞれ異なる人間は1000人いればいい。70億は、多すぎるのだ」
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519 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 03:03:08 ID:f3g1KVM20
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兄者は一通り説明を聞いた。
講義するように長かったが、理解させるのを学者らしく上手で、主要な研究内容の目的と結果をわかりやすくまとめた。
これまでの国の方針、経営価値の観点から見た、企業側の不可解な行動を理解する。
シリーズ制作の秘話や、選ばれた管理者の存在理由。
なかなか壮大で、しかし不都合が多すぎるように思える。
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520 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 03:04:21 ID:f3g1KVM20
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( ´_ゝ`)「だから反抗しない人間が必要だったのか」
( ´∀`)「そうとも。殺し合うにも人数が必要だ。だが少数のなかで争いあっていては、絶滅してしまう。支配する側にとって統治はながく続いたほうがいい。」
( ´_ゝ`)「殺してもいい。というか、殺さなきゃならない。自滅はだめなの?」
( ´∀`)「それを待ってるあいだにどんどん増えるぞ。暗黙の了解とはいえ、みなが皆それを了解するわけではない」
( ´_ゝ`)「でも決定されたんだろ?なら堂々とやればいいじゃないか」
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521 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 03:06:26 ID:f3g1KVM20
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( ´∀`)「わかっとらんな。生き残るからこそ、下手なリスクを負えないのだ。その後のことを計画せねばいけん。
現在だけでなく未来を考えると、大虐殺なんて黒歴史だぞ。
必要なことといえどな。教科書から消されるだろうが」
( ´_ゝ`)「わかんねーな。なんだってそう大がかりな事すんのか。殺し合いなんてここじゃなくてもどこだってやってるじゃないか。
一発のロケットで方がつくのに、なんでそう長期な計画なわけ?」
( ´∀`)「長い目で見ているからだ。核なんて使えない。汚染は除去するのに時間がかかる。地球の浄化を待ってたらそれこそ本末転倒だ。救うのは地球ではない。」
( ´∀`)「人だ」
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522 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 03:07:27 ID:f3g1KVM20
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( ´_ゝ`)「種族衰退なんてもう始まってると思うんだけど」
( ´∀`)「お前、デザイナー生まれじゃないのか」
遺伝子配合列、デザイナーベビーは当然のように行われている。
優秀な子、美しい容姿、運動能力、どれも平均以上に仕上がるように。
組み替えられた遺伝子で受精させられる。
一定の地位と収入があれば、誰でもサービスを利用できた。
( ´_ゝ`)「ちょっと違うけど、まあ間違ってないな」
( ´∀`)「ならわからんな。人工じゃなく、自然受精は本能だ。
どこにでも人間は適応する。こちらが禿げ山に移植した緑を、若芽が出るたびに貪るシカと同じだ。」
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523 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 03:08:29 ID:f3g1KVM20
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( ´_ゝ`)「全体通して徹底すればいいじゃん。いまだって多少モメてるけどだいたい力で征服できてるのに」
( ´∀`)「遠い未来より目のまえの利益に群がるのが本能だ。いま死にそうなら全力で生きるチャンスを探し、抵抗する。文明と一緒だ。
この利便さをもう人類は捨てることができない。どこか遠くで誰かが死んでも、電気やガス、水道を利用することが重要。それを捨てれば誰かが助かると知っていてもな」
( ´∀`)「人の原罪だ」
( ´_ゝ`)「科学者なのに神を信じてんの?」
( ´∀`)「信仰と技術は関連がない。神に祈っても、絶滅する動物が減るわけでもないし、プランクトンが増えるわけでもない」
( ´∀`)「使いすぎた資源は再生せねばならん。そのためにはいまの人類数は多すぎるのだ」
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524 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2015/06/20(土) 03:09:24 ID:f3g1KVM20
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「人間は繁栄しすぎた。もはや70億は管理できない。」
「間引きが必要なのだよ。それもゆるやかに、誰にも気づかれることないように」
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