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1 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:37:13 ID:D8MwDOUQ0
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※警告!
今回の話は、最後らへんで、オブラートに包んではいるものの
ネタバレが発生してしまうかもしれない箇所が存在します。
ネタバレの内容が推し測れるかもしれないので、
警告の上、その作品が未読だったらお引き取りを推奨します。
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2 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:38:24 ID:D8MwDOUQ0
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(゚、゚トソン「さて……」
(゚、゚トソン「今日はショボンさんいるかな」 ガチャ
(´^ω^`) 〜♪
(゚、゚トソン「あ、いた」
(゚、゚トソン
(゚、゚トソン「……鼻歌なんかうたってる」
.
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3 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:39:05 ID:D8MwDOUQ0
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(´^ω^`) 〜♪
(゚、゚トソン「もしもーし」
(´^ω^`)
(´・ω・`)「あ、トソンちゃん。いらっしゃい」
(゚、゚トソン「いらっしゃいって、ここ、一応図書館でしょう……」
(´・ω・`)「来るのを待ってたんだ。ささ、いつもの席に」
(゚、゚トソン「あ、はい……って、なんだかゴキゲンですね」
(´^ω^`)「ん? そうかい?」
(゚、゚トソン「なんだか、ウキウキしてるように見えます」
(´^ω^`)「そうかあ。いやあ。あはは」
.
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4 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:40:41 ID:D8MwDOUQ0
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(´^ω^`)「なんでもこの前は、兄貴からのマーケティングの、全てに釣られたみたいだけどね」
(゚、゚トソン「つ、釣られたなんて、人聞きの悪い」
(´^ω^`)「確かに、オムライス出版の本には面白いのが多い」
(´^ω^`)「でも、思い出したんだ」
(´^ω^`)「あそこに負けず劣らずな、老舗の出版社がまだ残っていたことを」
(゚、゚トソン「はあ」
(´・ω・`)「で、トソンちゃんに何の作品を紹介しようかなあ、って思って。
. みごとに良作ぞろいで、読了した当時の感動が蘇って、ごらんのありさまさ」
(´^ω^`) 〜♪
.
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5 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:42:02 ID:D8MwDOUQ0
-
(゚、゚トソン「……」
(゚、゚トソン「あー」
(゚、゚トソン「それはいいのですが」
(´^ω^`)「なに?」
(゚、゚トソン「ショボンさんって、」
(゚、゚トソン「実は、ゲイだったんですね」
.
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6 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:42:42 ID:D8MwDOUQ0
-
(´^ω^`)
(゚、゚トソン
(´^ω^`)
(゚、゚トソン
(´^ω^`)
(´゚ω゚`)「は、はああああああああ!!!??」
(´゚ω゚`)「な、なんでさ! 僕は女にしか興味がない男だぞ!!!」
(゚、゚トソン「いや、だって」
.
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8 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:43:22 ID:D8MwDOUQ0
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(`-ω-´)『ようやく、最愛なる弟と再会できたというのに……』
(`・ω・´)『ショボンの匂いがするんだ、ここ』
(`・ω・´)『そうともさ!』
(`・ω・´)『私とショボンは、』
(`・ω・´)『愛しあっ』
.
-
9 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:44:08 ID:D8MwDOUQ0
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(´・ω・`)
(´・ω・`)「い、いやいや」
(´・ω・`)「ちょ、ほんとうに、そんな仲じゃないから」
+(゚、゚トソン
(;´・ω・)「あ、腐女子の餌にされる人の気持ちがわかった! たまらんわ、これ!」
(゚、゚トソン「そんな、興奮なさらなくても」
(;´・ω・)「興奮なんて紛らわしい単語を使うな!」
(゚、゚トソン「ショボンさんがゲイってのは、薄々気づいておりましたから」
(´・ω・`)「僕がホモって風潮、どうにかならないかなあ」
(゚、゚トソン「あ、ゲイじゃなくてホモでした?」
(´・ω・`)「どうでもええわ」
.
-
10 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:44:50 ID:D8MwDOUQ0
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(´・ω・`)「ま、ま。それはいいじゃない」
(゚、゚トソン「はあ」
(´^ω^`)「僕の興奮が醒めないうちに、さっさとオススメを紹介したいんだけど、」
(゚、゚トソン「私としてはお兄さんとの馴れ初めから聞きたいのですが…」
(´^ω^`)「あ、だめ。醒めそう」
(゚、゚トソン「やっぱり、ひどい妄想の兄弟の例みたいに、」
(´・ω・`)「あ、それ。読んだ、読んだよ。え、なに、リアルすぎてコワかったんだけど」
(゚、゚トソン「リアルってことは、やっぱりショボンさんも、似たような感じで……」
(゚、゚トソン「へェ〜〜〜〜!」
(´・ω・`)「もうやだ」
.
-
11 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:45:32 ID:D8MwDOUQ0
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(´・ω・`)「ちょーっとテンション下がったけど、とりあえず」
(゚、゚トソン「仕方ないですね」
(´・ω・`)「……の前に」
(゚、゚トソン「はい」
(´・ω・`)「ちなみにトソンちゃんは、兄貴にどんなの紹介されたの」
(゚、゚トソン「どんだけ対抗意識持ってんの…」
(´・ω・`)「いいから」
(゚、゚トソン「えっと、いろいろ紹介されたけど……」
(゚、゚トソン「……あ。最初は確か、虚構の城でした。ミステリーの」
(´^ω^`)「ほお〜〜〜。虚構の城か。ほおぉ〜〜〜」
(゚、゚トソン「……で、それがどうかしました?」
.
-
12 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:46:18 ID:D8MwDOUQ0
-
(´・ω・`)「兄貴のことだ、『ミステリーは少ないんだ』とか言ってたでしょ」
(゚、゚トソン「ええ、まあ。刑事とか探偵が出るタイプは、少ないって」
(´^ω^`)「……よし! 今日の一冊目は、これにしよう!」
(゚、゚トソン「なんなんです?」
(´・ω・`)「聞いて驚くな? 虚構の城と同じく、刑事が出てくる推理小説だ」
(゚、゚トソン「え? 希少種って聞いたんですけど」
(´^ω^`)「そ〜そ〜! で、虚構の城を読もうと思ったトソンちゃんなら、きっとこっちも読めるさ!」
(゚、゚トソン「はあ」
(´・ω・`)「刑事が主人公の、数少ない王道ミステリー」
(´・ω・`)「それもシリーズものとなれば、これしかないね」
.
-
13 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:47:09 ID:D8MwDOUQ0
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(´・ω・`)は偽りの絆をつなぐようです
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(゚、゚トソン「偽り?」
(´・ω・`)「イツワリ警部の異名を持つ主人公が、あれやこれやと事件を解決する話さ」
(゚、゚トソン「あ、ミステリーなんですね。このタイトルで」
(´・ω・`)「確かに初見じゃあわかりづらいだろうけど…」
(´・ω・`)「それはそうと、シリーズ作品には『偽り』の名がつくことから、
. このミステリーシリーズは偽りシリーズとも呼ばれているね」
(゚、゚トソン「シリーズって……これ一冊で、ですか?」
(´・ω・`)「まさか」
.
-
14 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:47:49 ID:D8MwDOUQ0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(´・ω・`)は偽りの香りを見抜くようです
(´・ω・`)とある忘れられた事件のようです
(´・ω・`)は偽りの根城を突き止めるようです
(´・ω・`)アルプスの風に吹かれるようです
(´・ω・`)は偽りの絆をつなぐようです
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(゚、゚トソン「い、五つも?」
(´・ω・`)「三冊五作品。『偽り』とついたやつが長めで、ついてないやつが短めだ」
(゚、゚トソン「ここまでショボンさんみたいな顔が並ぶと気持ち悪いですね」
(´・ω・`)「ほっとけ!!!」
.
-
15 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:48:31 ID:D8MwDOUQ0
-
(゚、゚トソン「で、どんな……そもそも、どれから読めばいいんですか」
(´^ω^`)「いーい質問だ」
(´・ω・`)「まず、初出は偽りの香りなんだけどね、」
(゚、゚トソン「じゃあそれから読めばいいんですか?」
(´・ω・`)「いや、話としてはそれぞれがそれぞれで完結してるから、別に順番は適当でいいと思う。
. ぶっちゃけ、この五つでビビッときたタイトルのものから読み始める、とかでも」
(´・ω・`)「ちなみに、トソンちゃんはどれがいいって思った?」
(゚、゚トソン「一番最後の、偽りの絆を……」
(´^ω^`)「都合がいい。これが最新作で、かつ僕が紹介しようと思ってた一冊なんだ」
(゚、゚トソン
(´^ω^`)「いやあ、はっはっ」
(´^ω^`)
(´・ω・`)「……どうしたの?」
(゚、゚トソン「いや、別に…」
.
-
16 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:49:14 ID:D8MwDOUQ0
-
(´・ω・`)「え、っと……」
(´^ω^`)「ある日、主人公のイツワリ警部と部下のワカッテマス刑事は、あるホテルのパーティに招待される」
(´・ω・`)「そのホテルがあるのは、キタコレっていうサイハテの地で、とにかく寒く、雪がひどい場所だ。
. 招待されたこの日も、行きしなこそ大丈夫そうだったものの、雲行きがケネンされていた」
(゚、゚トソン「パーティって?」
(´・ω・`)「そのナントカってホテルのオープン記念で、十人前後という少人数で開かれる個人的なものだ。
. これに、昔そのホテルのオーナーと縁があった主人公が呼ばれたわけさ。
. 部下の刑事は、それの付き添いとして引っ張り出されただけなんだけどね」
(゚、゚トソン「はあ」
(´・ω・`)「雪と寒さに挫けずにパーティに到着した刑事二人。
. 同じく招待されたいろんな人と挨拶を交わして、18時のパーティを待つのみ、となった」
(´・ω・`)「だがここで、おかしなことが起こった」
(´・ω・`)「その18時になっても、パーティがはじまる気配がしなかったんだ」
.
-
17 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:50:05 ID:D8MwDOUQ0
-
(゚、゚トソン「……」
(゚、゚トソン「!」
(´・ω・`)「どうしたんだろうと思っていたところ、刑事はあることを聞いた。
. なんでも、ある人がパーティに出席していないとのことだ」
(゚、゚トソン ワクワク
(´・ω・`)「心当たりはあったため、刑事ともう一人でその人を探しに。
. ……すると二人は、見てしまったんだ」
(´・ω・`)「腹にナイフを突き立てられた、その人の姿を、ね」
.
-
18 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:50:48 ID:D8MwDOUQ0
-
(゚、゚トソン「…!」
(´^ω^`)「容疑者は、この日パーティにやってきたみんな!」
(´^ω^`)「しかも、豪雪のせいで警察も救急車も来れないなんていう、
. クロッズドサークルのオマケ付きだ!」
(´・ω・`)「豪雪のなかに取り残されたホテルという、密室空間!
. 犯人に逃げることは許されない。ただ、ばれないようにふるまうのみ!」
(´・ω・`)「それを、刑事――イツワリ警部が、鮮やかに解いてみせる!
. いつの間にか張られていた伏線を回収するさまなんか、見所だよ」
(´^ω^`)「そう。まさにミステリーの花形、とも言うべき展開と設定なのさ!」
(゚、゚トソン「……っ!」 ワクワク
.
-
19 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:51:29 ID:D8MwDOUQ0
-
(´・ω・`)「これの面白いところは、これがシリーズ作品の、それも最新作というところにある」
(´・ω・`)「これ一冊でも楽しめるんだけど、シリーズの過去作品を読んでいたら、
. お遊び要素っていうか、そんな関連性のある人物や団体が出てきて、」
.
(´^ω^`)「もしかしてこの人って、あのときの! ……なんて楽しみ方もできるのだよ」
(゚、゚トソン「シリーズ、なに一つ読んでないんですけど」
(´・ω・`)「それでも楽しめる。濃いキャラばっかだからね」
(´・ω・`)「それに、週刊ニータで毎週連載されていたってのもまた特徴さ」
(゚、゚トソン「週刊ニータ?」
(´・ω・`)「最近できたんだ。これ以外には、光生荘とかダウナーもここで連載されているね」
(゚、゚トソン「ほうほう」
(´・ω・`)「立ち読みでもしてみたら?」
(゚、゚トソン「機会があったら」
.
-
20 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:52:19 ID:D8MwDOUQ0
-
(´^ω^`)「――で、だ」
(゚、゚トソン「はい」
(´・ω・`)「いいだろう? ボリュームも虚構の城よりある。
. あっちを借りようと思っていたなら、こっちだって借りれるはずさ」
(゚、゚トソン「……」
(´^ω^`)「さーさー! あ、そうだ、三冊セットで貸してあげよう!
. なあに、貸出期限はこのさい気にするな! じっくり、」
(゚、゚トソン「さすがに一度に三冊も読もうと思えないので遠慮します」
(´^ω^`)「は、はあああああっ!!?」
.
-
21 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:53:20 ID:D8MwDOUQ0
-
(´・ω・`)「あのさ、一応聞くけど」
(゚、゚トソン「なに?」
(´・ω・`)「あんた確か、オムライス出版の本をいっぱい借りようとしてたよね?
. とりあえずわんさかわんさか」
(゚、゚トソン「してたよ」
(´・ω・`)「なんでこっちはだめなの? 三冊だぜ?」
(゚、゚トソン「え、なんとなく」
(´・ω・`)「おい、紹介してるのが僕だからだろ。僕が紹介したからだろ? なあ」
(゚、゚トソン「あ、えっと」
(゚、゚トソン「はい」
.
-
22 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:54:04 ID:D8MwDOUQ0
-
(´・ω・`)
(´・ω・`)
(´^ω^`)
(´・ω・`)
(´;ω;`)
(゚、゚トソン「あ、泣かないで…」
.
-
23 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:55:17 ID:D8MwDOUQ0
-
(´;ω;`)
(゚、゚トソン「な、なんとなくやめとこーって思っただけですって」
(´;ω;`)
(゚、゚トソン「ほ、ほら、冗談ですから、ジョーダン…」
(´;ω;`)
(゚、゚トソン「あ、私なにか借りたいな。おすすめ教えてください」
(´^ω^`)「ほいきた!」
(゚、゚トソン
(゚、゚トソン「やっぱり、やめ…」
(´;ω;`)
(゚、゚トソン「お願いします」
.
-
24 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:55:58 ID:D8MwDOUQ0
-
(´・ω・`)「こーなったら、僕も出し惜しみなんてしないぞ」
(゚、゚トソン「というと?」
(´・ω・`)「この出版社、実を言うと文芸好きの人から絶大な支持を得ているんだ。
. どうしてかわかるかい?」
(゚、゚トソン「えっと、確かここ、老舗だったような……。だからじゃないですかね?」
(´・ω・`)「確かに、それもある。実際、オムライスよりも長いしね」
(゚、゚トソン「!」
(´・ω・`)「で、この出版社が人気な理由」
(´・ω・`)「それは、出版される作品にハズレがないからだ」
.
-
25 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:56:44 ID:D8MwDOUQ0
-
(゚、゚トソン「ハズレ?」
(´^ω^`)「簡単に言えば、ここが出版した本は一読して損はしない、ってこと。
. 個人個人の好みこそあるものの、だいたいは面白いと思えるだろうよ」
(゚、゚トソン「そうなんですか」
(´・ω・`)「まあ、そんな話をするのは実はよくないんだけど……」
(´・ω・`)「それはいいとして、だ。
. そんなこの出版社の本のなかでも、飛びぬけて人気の一冊を紹介してやろう」
(゚、゚トソン「飛びぬけて……。名作、ってことですか?」
(´^ω^`)「ああ、名作だ。そして、僕が自信を持ってオススメできる一冊でもある」
(゚、゚トソン「というと」
(´・ω・`)「一年の休載を挟んで、みごと完結されたケッサク中編」
(´・ω・`)「類稀なるストーリー進行と伏線回収の巧さは、超一流!」
(´・ω・`)「キーワードは――――ジョーカー、だ」
.
-
26 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:58:17 ID:D8MwDOUQ0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ゲームに集うは、切り札のギャング達のようです◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(゚、゚トソン「あれ、主人公は……?」
(´^ω^`)「………『Player』だ」
(゚、゚トソン「プレイヤー?」
.
-
27 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:58:59 ID:D8MwDOUQ0
-
(´・ω・`)「あらすじを先に言おう」
(´・ω・`)「その前に、ギャングって言って、なんのことかわかるかな?」
(゚、゚トソン「定義は知りませんが、ヤクザ的なものなんだろうなー、とは」
(´・ω・`)「上出来だ」
(´・ω・`)「で、そのギャングのなかでも世界最高峰の能力を持ったギャング達の集団。
. それが、『Player』と呼ばれている」
(゚、゚トソン「…」
(´・ω・`)「集団といっても、その実は小規模な組織だ。
. だが、間違いなく世界最高峰を誇っていたギャング集団と呼べるだろう」
(゚、゚トソン「なんでですか?」
.
-
28 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 17:59:42 ID:D8MwDOUQ0
-
(´・ω・`)「コロシなら右に出るものはいない殺し屋、コードネーム【エース】」
(´・ω・`)「バスから飛行機から立て篭もりから、手段を選ばない占拠のプロ、コードネーム【ジャック】」
(´・ω・`)「やつに運べないモノはない。密輸専門のギャング、コードネーム【クイーン】」
(´・ω・`)「最年少にして大統領に上り詰めた若きエリート、コードネーム【キング】」
(´・ω・`)「この世の全てを知り尽くした最強の情報屋、コードネーム【スペード】」
(´・ω・`)「機械が相手であれ心情を読み取ってしまう詐欺師、コードネーム【ハート】」
(´・ω・`)「その姿はさながら世紀の大怪盗。コードネーム【ダイヤ】」
(´・ω・`)「非合法ながら神のメス捌きを見せる狂気の闇医者、コードネーム【クローバー】」
(´・ω・`)「『奇跡の力』を持つ奇跡のギャンブラー、コードネーム【セブン】」
(´・ω・`)「電子世界に穴を開ける双子のハッカー、コードネーム【ポケットテン】」
(´・ω・`)「……以上が『Player』のメンバーなんだけど、質問は?」
(゚、゚トソン「ないです」
.
-
29 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 18:00:25 ID:D8MwDOUQ0
-
(´・ω・`)「そう! まさしく、最強にして最高峰のギャングなんだ!」
(´・ω・`)「彼らの活躍は、この世界の経済を狂わせかねない域にまで達している!」
(´・ω・`)「だがしかし、そんな『Player』たちにあるアクシデントが起こった」
(゚、゚トソン「アクシデント?」
(´・ω・`)「『Player』を一流に育て上げたボス、モナー」
(´・ω・`)「彼が、亡くなってしまったんだ」
(´・ω・`)「つまり……ボスが、消えた」
(´-ω-`)「跡継ぎが決められないまま……ね」
.
-
30 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 18:01:18 ID:D8MwDOUQ0
-
(゚、゚トソン「!」
(´・ω・`)「こういう組織ってね、跡継ぎ問題はなによりも重大なんだ。
. それはヤクザだったりチンピラだったりでも一緒。わかるでしょ?」
(´・ω・`)「それはいいとして、ボスの死去にともなって、彼ら『Player』は、召集された。
. 用件はもちろん―――次期ボスを決めること」
(´・ω・`)「だがここで触れておきたいことがある。
. 彼ら『Player』は、そりゃあもう仲が悪いんだ」
(゚、゚トソン「……」
(´・ω・`)「だから、次期ボスの話に入るや否や、さっそく諍いが発生した。
. そんな状態で果たして、話し合いなんかでボスが決まると思うかい?」
(゚、゚トソン「というと……」
(゚、゚トソン「次期ボスを決めるのは、話し合いなんかじゃなく……」
(´・ω・`)「『ゲーム』だ」
(´・ω・`)「これは、次期ボスを選ぶための『ゲーム』に集う、」
(´・ω・`)「切り札のギャング達の戦いを描いた作品なんだ」
(゚、゚トソン「!」
.
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31 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 18:02:00 ID:D8MwDOUQ0
-
(´^ω^`)「『ゲーム』の細密なルールは、まあ読めばいいとして、だ」
(´・ω・`)「この作品の魅力は、さっきも言った二点が抜きん出ているところにある」
(゚、゚トソン「ほう」
(´・ω・`)「まず、ストーリーの進行が、巧すぎる。
. 複数の話が同時進行されるさまなんか、もう最高だ」
(゚、゚トソン「………同時進行……、……あ!」
(´・ω・`)「司書としていろんな作品を読んできたけどね、この作品はそのなかでも最上位レベルだ」
. なにがどう巧いかは、クチでは言えない。当然だけどね」
(´-ω-`)「で、伏線回収もまた、巧すぎる」
(´・ω・`)「伏線がまた、次の展開を呼び起こす。
. 伏線がまた、予想外の展開を呼び起こす」
(´・ω・`)「そして、最後の最後。僕はもう、鳥肌がたったね。
. あれこそがほんとうの伏線回収なのだな、とすら思ったよ」
(゚、゚トソン「…」 ワクワク
.
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32 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 18:02:43 ID:D8MwDOUQ0
-
(´・ω・`)「砕けた文章ばかりだから、すらすら読める。
. 加えて、地の文が多いのに、テンポがとにかくいい。疾走感すら感じるね」
(´・ω・`)「ガンアクションに殺し合いに騙し合い。
. 男性ならもちろん、女性でも興奮を禁じ得ない面白さだ」
(´・ω・`)「この出版社を語る上で外せない名作のうちの一冊、と僕は思うね」
(゚、゚トソン「!」
(´^ω^`)「何時間かはかかるけど、休日一日で読みきれるであろう量だ。
. さっそく、貸出手続きをして……」
(゚、゚トソン「あ、ちょっと」
(´・ω・`)「な、なに?」
(゚、゚トソン「そういや、最初に言った、」
(´・ω・`)
(゚、゚トソン「キーワードの『ジョーカー』……って、なんですか?」
(´・ω・`)
(´・ω・`)「あっ」
.
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33 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 18:03:23 ID:D8MwDOUQ0
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(゚、゚トソン「……?」
(´・ω・`)「え、えっと」
(´^ω^`)「そ、そう! 『ジョーカーは、誰だ。』。
. これ、この本の広告にも使われたキャッチフレーズなんだけどね、」
(゚、゚トソン「もしかして、ネタバレ?」
(´゚ω゚`)「ち、違う! け、決して、そんなんじゃ――」
(゚、゚トソン「……」
(;´^ω^)「さ、さ。気にしないで。これは、ゼッッッタイに読んだほうがいい」
(゚、゚トソン「……」
(´;ω;`)「頼むって! 僕のかなりのお気に入りなんだよ!
なあ、これだけでも!」
(゚、゚トソン「えー」
(´・ω・`)「ふんだ。だったら貸さない」
(゚、゚トソン「あっ…」
.
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34 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 18:04:03 ID:D8MwDOUQ0
-
(゚、゚;トソン「え、ちょっと……」
(´・ω・`)「ツーン」
(゚、゚;トソン ウズウズ
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)
(´^ω^`)「(『じゃあ貸さない』からの『やっぱり貸してよ』パターン!
. 演技上手だなあ、僕。むふふ!)」
(゚、゚トソン「じゃあ今日はいいや」
(´^ω^`)「は、はァァッ!!?」
(゚、゚;トソン「笑ったまま奇声はだめ!」
(´゚ω゚`)「な、なんでさ! そこは『やっぱり貸してよ』でしょ!」
(゚、゚トソン「あ、やーっぱりそんなの考えてたんだ」
(´・ω・`)「あっ」
(゚、゚トソン ニヤニヤ
(´・ω・`)「は、はめたな!?」
.
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35 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/07/06(土) 18:04:43 ID:D8MwDOUQ0
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(゚、゚トソン「今度にしますよ、今度」
(´・ω・`)「今度……」
(゚、゚トソン「なので、次」
(´・ω・`)「うーん…」
(゚、゚トソン「ちなみに、お兄さんの紹介はテンポがよかっ」
(´^ω^`)「よし、だったらコイツはどうだ!」
(゚、゚トソン「あ、ちょ」
(´・ω・`)「ゆるふわ系ほのぼのギャグ……だった、作品」
(´・ω・`)「にして、ほのぼのからシリアスへの移行がきっちりと行われた作品でもある」
(´・ω・`)「で、」
(゚、゚トソン「いいからさっさと」
(´゚ω゚`)「うるせえ! 血も涙もないやつめ!」
(゚、゚トソン「……血?」
.