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761 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:26:03 ID:kOLLjaDQ0
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( ´_ゝ`)扇風機との対話のようです
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(`・ω・´)「一旦名作からは離れて紹介していこう」
(゚、゚トソン「扇風機としゃべるんですか。新しいですね」
(`・ω・´)「あ、ここ笑いどころ…」
(゚、゚トソン ?
(`・ω・´)「……別にいいや」
.
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762 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:26:44 ID:kOLLjaDQ0
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(゚、゚トソン「じゃあ、これはあまり有名じゃないんですか?」
(`^ω^´)「いや? 一応有名だよ?」
(゚、゚トソン「え?」
(`・ω・´)「うちの社で有名って言ったら、歩くやbtcmやリプレイなどが挙がるからねえ。
大手ゆえの、欠点だ。せっかくの良作を、なんと言えばいいのやら」
(゚、゚トソン「素直にケッサクっていえないのですか?」
(`^ω^´)「言ってもいいんだけど、ほら、数が多いから。
安易にケッサクケッサクなんて言ってったら、安っぽい言葉になってしまう」
(゚、゚トソン「ああ……」
.
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763 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:27:24 ID:kOLLjaDQ0
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(`・ω・´)「さて、本題に入るが」
(゚、゚トソン「はい」
(`・ω・´)「この話を、ひとことで言おう」
(`・ω・´)「主人公が、扇風機としゃべるんだ」
.
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764 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:28:06 ID:kOLLjaDQ0
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(゚、゚トソン
(`・ω・´)
(゚、゚トソン ?
(`^ω^´)
(゚、゚トソン
(`^ω^´)
(゚、゚トソン「…ハ?」
(`・ω・´)「さ、最近の女の子って、怖い…」
.
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765 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:28:59 ID:kOLLjaDQ0
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(`・ω・´)「ちなみに、これは短編だ。すぐに読みきれる。だから、紹介できることも少ないな」
(゚、゚;トソン「え、ええぇ…?」
(`・ω・´)「だから、見所を言っていこう」
(`・ω・´)「まず、シュールギャグという面においては、なかなか光るものがある」
(゚、゚トソン「まあ、ギャグなんだなあってのは……その。わかりますが」
(`・ω・´)「これには流石兄弟が出てくるんだけど、その二人の掛け合いがまた、昔ながらでいいんだ」
(゚、゚トソン「流石兄弟……」
(`・ω・´)「扇風機と対話なんていう、暑さに頭がやられたとしか思えないような兄。
それに冷静を欠きつつも淡々とツッコミをいれていく弟」
(`・ω・´)「これがナンバーワン、とかいうわけではないが、この兄弟コントは面白い。
というのも、今回は兄のボケが冴えてるんだ。そういった意味じゃあ、これは珍しい作品だ」
(`・ω・´)「扇風機の話題になれば、まあ話題にあがるであろう作品。それが、これ」
(゚、゚トソン「ほう…」
.
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766 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:29:46 ID:kOLLjaDQ0
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(`・ω・´)「ちなみに、だな」
(゚、゚トソン「はい」
(`^ω^´)「誰とは言わないが、とある人には、ゲイ疑惑が浮かぶんだよ」
+(゚、゚トソン
(`・ω・´)「まあ、真実のほどを知るなら、実際に読むことだ」
(゚、゚トソン !
(゚、゚トソン「借りるに決まってるでしょう。お兄さんのお墨付きなんだから」
(`・ω・´)「(やっぱり食いついてきた。私の推理は当たっていたか)」
.
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768 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:31:09 ID:kOLLjaDQ0
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(`・ω・´)「しかし、お墨付き、ねえ」
(゚、゚トソン「?」
(`^ω^´)「いやあ。私個人の好みでいいのなら、ほかにもいい作品はゴロゴロ転がっているのだよ」
(゚、゚トソン「確かに、ぜんぜん弾切れしませんね」
(`・ω・´)「それは作品の数そのものが多いからなんだけど…」
(`・ω・´)「せっかく和やかな作品を紹介したところを申し訳ないが、次に紹介するのは、またドラマだ」
(゚、゚トソン「今度は、どんなドラマなんです?」
(`・ω・´)「とにかく、シリアス。そして、鬱。
シリアスと鬱に満ち溢れた人間ドラマで、これも名の知れた作品だ」
(゚、゚トソン「シリアスな…?」
(`・ω・´)「時にきみ、ダイエットなんかする?」
(゚、゚トソン「え? え、いや……日頃の食生活を意識しているので」
(`・ω・´)「それが、一番いいね」
(`・ω・´)「間違えても……この作品のまねだけは、しちゃあだめだ」
.
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769 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:32:06 ID:kOLLjaDQ0
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(ヽ゚ω゚)ブーンが拒食症になったようです
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(゚、゚トソン「きょ、拒食症…?」
(`・ω・´)「知ってる?」
(゚、゚トソン「知らないけど……字面だけで言うなら、食べるのを嫌がる病気とか…?」
(`・ω・´)「まあ、そうだ。だが、一言にそう言えるわけではない」
(゚、゚トソン「というと?」
(`・ω・´)「この作品を読めばわかることだが、」
(`・ω・´)「拒食症とは、とんでもない病気なんだ」
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770 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:32:58 ID:kOLLjaDQ0
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(゚、゚トソン「はあ」
(`・ω・´)「先に言う。これはシリアスなドラマとこそ言ったが、ある意味ではホラーも入る」
(゚、゚;トソン「ほ、ホラー?」
(`・ω・´)「私は男だがね、読んでいて、もう頭がおかしくなりそうだった」
(`・ω・´)「とにかく、リアルすぎるんだよ。
作者の方が実際にこの病気にかかってしまっただけあって、
この拒食症、という病気の悲惨さ、異常さが、ありありと伝わってくるんだ」
(゚、゚;トソン「……」
(`・ω・´)「しかも怖いのが、被害者となったブーンが拒食症になったキッカケ、
これがまたよくありそうなケースで、だからこそよけいにリアリティーを感じてしまうところだ」
(゚、゚;トソン「………い、一応聞くと、どんなキッカケだったんですか?」
(`・ω・´)「そうだな、それを踏まえつつあらすじを言うか」
.
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771 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:33:38 ID:kOLLjaDQ0
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(`・ω・´)「主人公のブーンは、食べることが大好きだ」
(゚、゚トソン「そうなんで……え?」
(`・ω・´)「それも、肥満体型になりがちな人がとりがちな行動を最初のページからしている。
具体的に言えば、高度のカロリー摂取と暴飲暴食」
(`・ω・´)「ポテトチップスは大きなサイズを袋ごと、
コーラは2リットルサイズを数本単位。
ケーキなんて、ホールでいただくほどには巨漢だ」
(゚、゚トソン「えっと……お相撲さんですか?」
(`・ω・´)「職業柄太ってるわけではないし、ブーンは大学生だ」
(゚、゚;トソン「だ、大学生…!」
(`・ω・´)「ああ。異常だろう? だが、食べることが好きな人だって、いる。
この大飯ぐらいな点については、触れなくてもいい」
(゚、゚トソン「と、いうと…」
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772 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:34:39 ID:kOLLjaDQ0
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(`・ω・´)「こんなブーンだが、しかし高校の頃から付き合っていた女性がいた」
(゚、゚トソン「あ、彼女いたんだ…」
(`・ω・´)「高校生だしな、恋愛だってするだろう」
(`・ω・´)「それに、高校生当時はいたって標準的な体型だった」
(゚、゚トソン「ああ…」
(`・ω・´)「大学になっても付き合いは続いていた」
(`・ω・´)「そんなある日、だ。ブーンは突然、彼女に呼ばれた」
(゚、゚トソン「はあ」
(`・ω・´)「別れてましょう、ってさ」
(゚、゚トソン「へえ」
(゚、゚トソン
(゚、゚;トソン「……別れた…んですか?」
.
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773 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:35:26 ID:kOLLjaDQ0
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(`・ω・´)「理由は、ブーンの体型だ」
(゚、゚;トソン「!」
(`・ω・´)「確かにブーンは、大学生としては太りすぎていた。
面食い女性でなくとも、嫌悪感を抱いてしまうのは仕方があるまい」
(`・ω・´)「だが問題だったのは、ブーンがもともとイケメンだった、とか言うわけではない点だ。
人間、中身だ。そう言われたのを、大学生になっても太っても、ずっと信じていた」
(`・ω・´)「そんな、中身を見るはずの女性にフラれたことで、悲劇がはじまってしまったんだ」
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774 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:41:34 ID:kOLLjaDQ0
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(゚、゚;トソン「あ、ちょ…」
(`・ω・´)「家に帰っても、食欲がない。一旦は、寝るんだ」
(゚、゚;トソン「そこから、拒食が…?」
(`・ω・´)「いや。さすがに、人間すぐに変われたりなんかはしないよ」
(゚、゚トソン「あ、そうなんですか……よかった」
(`・ω・´)「ほんと、フラれただけだったらよかったんだがねえ」
(゚、゚トソン「…え?」
(`・ω・´)「更なる悲劇」
(`・ω・´)「ブーンの母さんが、リストラを食らったんだ」
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775 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:42:14 ID:kOLLjaDQ0
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(゚、゚トソン「!」
(`・ω・´)「ブーンに父さんはいない。つまり、稼ぎがなくなってしまったんだ」
(`・ω・´)「もともと心の優しい男で、母親思いだったブーンは、このことにひどく心を痛めた。
全ては、自分が大飯ぐらいなのがいけなかったんだ、と自己嫌悪に陥り始めた」
(゚、゚;トソン「あ、ちょ、待って―――」
(`・ω・´)「それまでの彼にしては異常なことで、ごはんを食べず、次の日、そのまま学校に行った。
だが、それまで食べていた何キロという食事をとらなかったら、そりゃあ不調になるだろう。
友人のドクオに心配されつつも、ブーンは、この日は早退した」
(`・ω・´)「そして帰宅。母親にも心配されるが、一方のブーンだって、母親の身を案じていた。
彼はそのまま、なんの気なしに体重計にのったんだが……」
(`・ω・´)「いま思うと、このときに体重計にのっていなければ、また違ったルートをたどっていたのかもしれないね」
(゚、゚トソン「体重計にのったら、なにかが起こったんですか?」
(`・ω・´)「ああ」
(`・ω・´)「太っているブーンだが、6キロの減量に成功したのさ」
.
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776 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:43:00 ID:kOLLjaDQ0
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(゚、゚トソン「6キロ…!」
(`・ω・´)「それを見て、それまで不調だったブーンの心のもやもやは、一気に吹っ飛んだ。
そりゃあそうだろう?」
(`・ω・´)「自分の食のせいで彼女にフラれ、自分の食のせいで母に辛い思いをさせる。
だからとそれをガマンしていたら、痩せたんだ。
この二つの悩みを、自分の体重とともに解消できる。一石三鳥となるんだから」
(`・ω・´)「だが……その、痩せることによる感動を覚えてしまったから、彼はなってしまったんだ」
(`・ω・´)「拒食症……に」
.
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777 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:43:40 ID:kOLLjaDQ0
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(゚、゚;トソン「………」
(`-ω-´)「……ここから、どのような悲劇が舞い降りるかは、自分で読んでみてほしい」
(`・ω・´)「だが、最初に言ったように、これはホラーを疑わざるを得ないほど、恐ろしい作品だ」
(`・ω・´)「私も主筆だった以上これも読んだのだが、確か、泣いていたと記憶している」
(`・ω・´)「恐ろしくて。悲しくて。鬱で。……いまは絶版となった、あの作品のように、ね」
(゚、゚;トソン「……」
(`・ω・´)「だから、無理強いはしない。読みたくなけりゃ、読まなくったっていいさ」
(`・ω・´)「だが、これは、個人的には多くの人に読んでもらいたい。それほどの、私的名作だ」
(゚、゚;トソン「………」
.
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778 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:44:24 ID:kOLLjaDQ0
-
(`^ω^´)「……ちょっと、刺激が強かったかな」
(゚、゚トソン「そ、そんなことはないですよ」
(`・ω・´)「きみはスリムだからいいだろうけど……でも、興味があるなら、」
(゚、゚トソン「読みます。………読ませて、いただきます」
(`・ω・´)「……ありがとう」
(`・ω・´)「しんみりとなってしまったが、次」
(`・ω・´)「これも、悲しいお話だ」
(`・ω・´)「私たちが娯楽として扱っているアレの裏で広がる、家族の話」
(`・ω・´)「我々は、テレビのその向こう側までは、見ることができないんだ」
(`・ω・´)「家庭崩壊、だなんて……」
.
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779 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:45:10 ID:kOLLjaDQ0
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( ^ω^)が家庭を売るようです
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(゚、゚トソン「これはまた、人間ドラマ……なタイトルですね」
(`^ω^´)「すまないね。私は、人間ドラマが好きでね。
うちの社のドラマには、ケッサクというケッサクが多いんだ」
(゚、゚トソン「これも有名なんですか?」
(`・ω・´)「それは、わからない。
が、無名であれ有名であれ、これも読んでもらいたい作品のひとつだ」
.
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780 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:45:50 ID:kOLLjaDQ0
-
(`・ω・´)「それはいいとして」
(`・ω・´)「時にきみ、大家族番組は見たことがあるか?」
(゚、゚トソン「あ、はい。えーっと、」
(゚、゚トソン
(゚、゚トソン「そう思ったのなら、そうしろ!
そう思ったのならそうしろってまで、俺は」
(`・ω・´)「はいストーップ」
(`・ω・´)「まあ、とにかく、知っているようなら話ははやい」
(`・ω・´)「これは、大家族の日常を撮ったドキュメンタリー番組、その背景を生々しく描いた作品だ」
(゚、゚トソン「というと、これは実話ですか?」
(`・ω・´)「ああ、これね。ノンフィクションだ」
(゚、゚トソン「実話、なんですか……」
(`・ω・´)
(`・ω・´)「違う。フィクションだ。失礼」
(゚、゚トソン「え、え…?」
.
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781 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:46:53 ID:kOLLjaDQ0
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(`・ω・´)「だが、実に生々しく描かれているから、
実際にこういうことが起こっているかもしれないってのは確かだ」
(`・ω・´)「私も、ある大家族番組を昔から見ていたのだが、
その子供たちのうち何人かはじきに、不良になってしまった。
おそらく、テレビの影響があったのだろう」
(゚、゚トソン「不良になってしまうって……なんでですか?」
(`・ω・´)「私もきみも予想がつかないだろうが、
我々の思っている以上に『テレビ』の持つ重圧は凄まじい、ということさ」
(`・ω・´)「なにがどう凄まじいかは、言えない。それが本筋だからな」
(゚、゚トソン「はあ…」
.
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782 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:47:34 ID:kOLLjaDQ0
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(`・ω・´)「話としては、単純だ」
(`・ω・´)「主人公……いや、内藤家の大黒柱、ホライゾン。
彼は五人の子供と妻を養う、三十後半の男性だ」
(`・ω・´)「だが、彼は不運にも、クビを切られてしまった。
六人の妻子がいて、再就職の見込みがないにも関わらず、だ」
(゚、゚トソン「えっ…」
(`・ω・´)「まあ、クビを切られるのもうなずける人なんだがな、彼は……。
そんな彼だが、友人の努力家に相談したところ、彼はある提案をしてくれた」
(゚、゚トソン「それが……」
(`・ω・´)「そう」
(`・ω・´)「大家族の姿をありありと全国に発信する、大家族ドキュメンタリー番組のオファーだ」
.
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783 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:48:14 ID:kOLLjaDQ0
-
(`・ω・´)「職なし、ただ世話をして、その姿をテレビにするだけで収入が入る。
ものぐさな彼にとっては、願ったり叶ったりな『職』だったろう」
(゚、゚トソン「で、そこからはじまるんですね」
(`・ω・´)「いや。終わるんだよ」
(゚、゚トソン「…え?」
(`・ω・´)「言ったろ?」
(`・ω・´)「この作品は、家庭の崩壊を描いているんだ」
.
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784 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:49:22 ID:kOLLjaDQ0
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(゚、゚トソン「あっ…」
(`・ω・´)「その理由は、主に二つ」
(`・ω・´)「一つが、大家族ドキュメンタリーを許容してしまうと、完全に自分たちにプライバシーがなくなることだ。
生活のあるがままを撮るということは、あるがままを隠すことは許されなくなるからね」
(`・ω・´)「そして、もう一つ。これは、親にとってはどうでもいい。問題は、子供だ」
(`・ω・´)「子供……テレビに街角インタビューとして出るだけでたちまち噂になる社会だ、子供ってのは。
そんななか、もしクラスメートに、テレビ番組に出演している人がいたら、どうなる?」
(゚、゚トソン「有名になります」
(`・ω・´)「で?」
(゚、゚;トソン「で?って……。わかりません」
(`・ω・´)「……その、予想外なところに潜む、悲惨さ。これは、実際に読んでみて、味わってほしい」
(゚、゚トソン「やっぱり、結局はそこに行き着きますか……」
.
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785 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:50:03 ID:kOLLjaDQ0
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(゚、゚トソン「お兄さん、2tトラック貸してください」
(`^ω^´)「おお、いいぞいいぞ」
(`^ω^´)
(`・ω・´)「えっ? 本気で言ってる?」
(゚、゚トソン「さすがにこの本も含めると、持ち帰れそうにないので」
(`・ω・´)「そ、そう……。いや、いいんだけどさ、別に……」
(゚、゚トソン「もっとお兄さんのオススメが聞きたいです」
(`・ω・´)「疲れないかい?」
(゚、゚トソン「大丈夫」
(`・ω・´)「じゃあ、いいだろう」
(`・ω・´)「またまた、シリアスで、ドラマな作品だ」
(`・ω・´)「人々の心に巣食う感情。嫉妬でも、拒絶でも、恐怖でもなく―――」
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786 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:50:45 ID:kOLLjaDQ0
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( ^ω^)悪意のようです
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(`・ω・´)「――だ」
(゚、゚トソン「悪意…? 珍しいチョイスですね」
(`・ω・´)「これも最初に言っておくと、閲覧注意と言わざるを得ない」
(゚、゚トソン「え?」
(`・ω・´)「グロテスクな描写があるのでな。
グロ描写と言えばこの悪意の名が挙がるほどには、有名だ」
(゚、゚トソン「そ、そうなんですか……」
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787 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:51:50 ID:kOLLjaDQ0
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(`・ω・´)「それはいいとして、あらすじを言おう」
(`・ω・´)「主人公はまたしても彼なわけだが、この作品は特徴的な始まり方をする」
(゚、゚トソン「ほうほう」
(`・ω・´)「恋人だった女性を殺した容疑で逮捕されたブーンだが、
彼は、取調に全く応じないんだ」
(゚、゚トソン「……ん? ミステリーですか?」
(`・ω・´)「ミステリー……というほどでもないけど、リプレイなんかとよく似ている」
(゚、゚トソン「はあ。次」
(`・ω・´)「取調に応じないブーンを前に、憤る刑事二人。
もうだめか、と思っていたときに、ようやくブーンは動いた」
(゚、゚トソン「なにかをしゃべったんですか?」
(`^ω^´)「え? なにもしゃべってないよ?」
(゚、゚トソン「…え?」
(`・ω・´)「舌を自分で切ったんだから」
(`・ω・´)「そりゃあ、しゃべられるはず、ないね」
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788 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:52:36 ID:kOLLjaDQ0
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(゚、゚;トソン「………っ!」 ゾクッ
(`・ω・´)「舌を、切る。そんな描写が受け付けられないなら、この作品を読むのは諦めることだな。
それが全てってわけじゃあないのだが、
如何せん、このシーンを見ないことには最高の面白さを得られない」
(゚、゚;トソン「い、いけますとも。借ります」
(`・ω・´)「はやいわ。まだ紹介しきっていない」
(゚、゚トソン「え、ええと……」
(`・ω・´)「さて」
(`・ω・´)「これはリプレイに似てる、と言ったね?」
(゚、゚トソン「はい」
(`・ω・´)「あちらは刑事パートと過去パートとがあったが、
こちらもいわば、一緒のスタイルをとっている」
(`・ω・´)「刑事二人が今回の事件について追う現代パートと、
ブーンが殺人に至るまでの経緯が描かれた過去パート」
(`・ω・´)「そしてこの作品は、この二つのパートが、
それも巧みな演出で描かれているのが最高に面白いんだ」
.
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789 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:53:18 ID:kOLLjaDQ0
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(゚、゚トソン「刑事パートのほうはだいたいわかったので、過去パートの紹介を」
(`・ω・´)「紹介、といっても、あまり言えることはないよ」
(゚、゚トソン「え?」
(`・ω・´)「描かれる過去は、ブーンの大学生活だ」
(`・ω・´)「仲のいい何人かと一緒に、日々を楽しく過ごす。そんななかに芽生える、恋心」
(゚、゚トソン「ああ、なるほど……」
(`・ω・´)「―――そんな日々が、少しずつ、変わっていく」
(゚、゚トソン「……え?」
(`・ω・´)「三丁目と一緒さ。悪意の過去パートも、だんだんと、よからぬ方向へと進んでいくんだよ」
(゚、゚トソン「あ、ああ……」
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790 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:54:00 ID:kOLLjaDQ0
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(`・ω・´)「ブーンは、どうして恋人を殺した?」
(`・ω・´)「舌を切ったのは? 事件の真相は?」
(`・ω・´)「……これは、初見では想像すらできないほど、奥が深い作品だ。
この一冊のなかに広がる世界は、今きみが予想している以上に大きなものだと思いなさい」
(゚、゚トソン「は、はい」
(`・ω・´)「……と、以上の紹介をもってもう一度聞くが、」
(゚、゚トソン「このさいだから、それも読んでみます」
(`・ω・´)「いいのか? 局所的とはいえ、グロテスクだぞ?」
(゚、゚トソン「どうせ、職なしなんですし」
(`-ω-´)「暇になったら、読みたくなる。小説のいいところだね」
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791 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:54:56 ID:kOLLjaDQ0
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(゚、゚トソン「ほかにも、あるんですか?」
(`・ω・´)「あるにはあるんだけど……そろそろ疲れてきただろう?」
(゚、゚トソン「ま、まあ。一旦区切って、今までの本でも探してみたいところです」
(`・ω・´)「ショボンの帰りを待たないとは、な」
(゚、゚トソン「……あ。そうだった」
(`・ω・´)「え?」
(゚、゚トソン「元はと言えば、これ、ショボンさんが来るまでの時間つぶし、だったんだ」
(`・ω・´)
(`・ω・´)「え。素で忘れてたの?」
(゚、゚;トソン「つ、次の作品を!」
(`・ω・´)「え、ええ……。いいけど……」
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792 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/06/09(日) 20:56:22 ID:kOLLjaDQ0
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(`・ω・´)「歩くやbtcmを御三家、とは言っているが、この作品を入れて四天王、と捉えてもいい」
(゚、゚トソン「そういや、御三家のうちの最後の一つはなんですか?」
(`・ω・´)「悪いね、うちが出版していたわけじゃないから」
(゚、゚トソン「あ、そうなんですか」
(`・ω・´)「そうだな、歩く、btcm、ぼくモナ、そしてその作品を含めて、五人衆と呼ぶのも面白いかもしれない」
(゚、゚トソン「五人衆……。四つしかありませんが」
(`・ω・´)「今から紹介する作品が、それに加わるんだ」
(`・ω・´)「アツさで言えば、トップクラス」
(`・ω・´)「そして、いまやメジャーになった杉浦ロマネスクの発祥の作品、と言ってもいいだろう」
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