- 442 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:40:00 ID:J0WLdglA0
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(*゚ー゚)「さぁて、あとはあの子を殺すだけね」
(´ _ゝ `)
(*゚ー゚)「うふふふふ」
(*゚ー゚)「貴方、中々良かったわよ」
(´ _ゝ `)
【 立て……立つのだ…… 】
- 445 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:45:00 ID:J0WLdglA0
-
(´ _ゝ `)
【 ……思い出せ……思い出すのだ……我よ 】
(´ _ゝ `)
【 本当の我を……本当の力を……本当の姿を…… 】
【 …守りたいものを、守るのだ。我よ… 】
(´ _ゝ `)(この……声、は……)
- 448 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:50:40 ID:J0WLdglA0
-
【 我は汝。汝は我 】
【 少女の思いに応える為に、我は力を貸そうとしたのだろう 】
(´・_ゝ `)「そうだ……僕は……」
【 そのような姿となってしまったが、本当の自分を今こそ取り戻すのだ 】
(´・_ゝ `)「……ちが、う」
(´・_ゝ・`)「まる、で……今の僕を、偽者みたいに言う……な」
【 ………… 】
(´・_ゝ・`)「盛岡デミタスも、本物の自分の一つなんだ」
- 450 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:53:10 ID:J0WLdglA0
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(´・_ゝ・`)「あの子との日々は、本物だったんだ」
(´・_ゝ・`)「ハインの願いに、僕は応える」
(´・_ゝ・`)「僕は、守りたいんだ」
【 ……あぁ、そうだな。そうだ。守るのだろう 】
【 あの子の願いも、あの子の事も 】
【 ……思い出したか?我よ 】
(´・_ゝ・`)「あぁ、思い出した。お前は、僕だ」
(´・_ゝ・`)「召還に失敗して、それで出たのが僕」
【 そう、もう一人の我だ 】
- 451 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:57:00 ID:J0WLdglA0
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【 では行こう。盛岡デミタス。もう一つの、本物の我よ 】
【 小さき者の、祈りを。願いを、叶えに 】
【 汝と我はそれに応えるべく、現れたのだろう? 】
(´・_ゝ・`)「……」
【 我が力を与えよう。我は力の求道者。もう一つの、我なり 】
(´・_ゝ・`)「あぁ。僕は、盛岡デミタス。そして────
( ФωФ)『湖の条件はいくつかあって、色々なものが伝えられてるのであるよ。例えば思いの強さや力なんかである』
( ФωФ)『その中でも私が一番変わってるな、と思った条件があるのであるよ』
( ФωФ)『それはな』
( ФωФ)『三月であること、だそうである』
(´・_ゝ・`)「ハインの願いに応える者だ」
- 452 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:58:30 ID:J0WLdglA0
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- 454 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/03/01(金) 00:00:00 ID:HFI077vA0
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世 界 に 3 月 が や っ て く る
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- 455 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/03/01(金) 00:01:14 ID:HFI077vA0
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- 456 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/03/01(金) 00:02:00 ID:HFI077vA0
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(´・_ゝ・`)
(メ._凵j
- 457 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/03/01(金) 00:04:10 ID:HFI077vA0
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デレに吹き飛ばされたハインは、しぃとデレの2人を相手に戦っていた。
从;゚∀从「くそっ、くそっ!! 」
倒れた盛岡。
襲ってくるデレ。
頭の中がぐちゃぐちゃになる。
だが、それでも『守るんだ』という思いは揺らがなかった。
从;゚∀从「みんなを、みんなを……! 」
(*゚ー゚)「何をぶつぶつ言ってるの?」
从;゚∀从「っ……!! 」
骨が折れていても、奮闘するハイン。
しかし、それでも力及ばず倒れてしまう。
- 458 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/03/01(金) 00:05:42 ID:HFI077vA0
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(*゚ー゚)「うふふ、子供のクセに頑張ったほうよ、貴方」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
(*^ー^)「じゃあね」
しぃの魔力が、ハインに向けて放たれた。
ハインはもう、それを防ぐ力も無かった。
从; ∀从「……っ」
从; ∀从「守り、たかったなぁ……」
『ならば、我が力を貸そう』
从;゚∀从「え?」
顔を上げると、見慣れた黒マント。
だが着ている者は、見慣れない。
長い耳に白い毛、首に銀色の首輪をした、ウサギだった。
しかし、ハインにはそれが誰なのかが分かった。
(メ._凵j「……毎回庇ってる気がするな」
从;゚∀从「も、盛……岡?」
(メ._凵j「ハイン」
从;゚∀从「え?」
- 460 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/03/01(金) 00:06:22 ID:HFI077vA0
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我 の 拳 は 神 の 息 吹 !!
" 堕 ち た る 種 子 " を 開 花 さ せ、
秘 め た る 力 つ む ぎ 出 す !!
__
λ  ̄\_`"〜、、
从ノi )__ `"〜、、
(,,,,,,,ノ )__ `"〜、、
__ (\ ⌒`)_ `"〜、 从
ヽ__\ \\ __ ) ) (ノ
__\\_| |\ // )
从 \ ̄ > ´ ヽ|/) イ 从
)\ノ ヾ _\(_ (⌒_/) / / 人,,从
、---------------(iiゝ二> `⌒ / ^) / ノ ノ )ν
`"〜、、 _/ < ^) / / (、
( `) ( y(、 L/ フ / ( ( ヽ \
) ⌒)//⌒) __> /.ヽ-、\_ フ/ ) ヽ(
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄/(ノ ノ⌒  ̄ . ̄`ヽ(___/ (___)  ̄  ̄  ̄ ̄ /(ノ ) ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/(ノ ノ⌒ 三三三三三三三三三三三三 /(ノ ノ⌒
ν⌒ 三三三三三三三三三三三三三三 /(ノ ノ⌒
三三三三三三三三三三三三三三三 ノ ノ⌒
三三三三三三三三三三三三三三三 ν⌒
三三三三三三三三三三三三三三三
美 し き 「滅びの母」 の 力 を !!!!!
- 463 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/03/01(金) 00:07:23 ID:HFI077vA0
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从 ∀从「……!! 」
(メ._凵j「守ってみせろ、ハイン」
(メ._凵j「お前の小さな願い、我が応えよう」
从 ゚∀从「……」
不思議と、力が湧き上がるのが分かったハイン。
今なら、何でも出来る気がした。
いや、何でも出来た。
守りたいものを守れるだけの力が、今、ハインにはあった。
(メ._凵j「あとはそれを、どう使うかはお前が決めろ」
(*゚ー゚)「な、何よ、何なのよこれは! 」
(メ._凵j「邪魔だな、お前は」
(;゚ー゚)「きゃあああああああああ!!! 」
しぃだけを吹き飛ばすウサギ。
見えない何かに飛ばされるしぃを、ウサギは追い討ちをかけるようにして駆け出した。
从 ゚∀从「……」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
残ったのは、ハインとデレであった。
- 464 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/03/01(金) 00:08:30 ID:HFI077vA0
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(*゚ー゚)「何するのよ、貴方」
(メ._凵j「思い出したよ、お前たちヴァンパイアロードの力」
(メ._凵j「影の支配」
(メ._凵j「それは影から影への移動を可能にし、影を操る能力」
(メ._凵j「それが、お前が背後を取れていた種だ」
(*゚ー゚)「……それが分かったからって!! 」
しぃの魔力の弾丸が、何発も放たれる。
距離、速度、大きさ。
加えて、ウサギの影から針が串刺しにしようと伸びる。
回避は、不可能だった。
(*゚ー゚)「うふふ、あっけないわね」
- 466 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/03/01(金) 00:10:43 ID:HFI077vA0
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しかし
(*゚ー゚)「え?」
(メ._凵j「ふん」
その弾丸全て、届く前に消え失せたのだ。
針もまた、見えない何かによって阻まれへし折れる。
(メ._凵j「さぁ、後悔するが良い」
ゆっくりと、しぃに向けて手をかざした。
(メ._凵j「ハイン、頑張れよ」
- 467 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/03/01(金) 00:11:47 ID:HFI077vA0
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ハインとデレは、戦っていた。
デレは魔法を放ち、ハインがそれを拳でかき消す。
ζ(゚ー゚*ζ「こ、のぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!! 」
从 ゚∀从「ふっ!!! 」
デレが放つ巨大な魔力の弾丸を、ハインは真っ二つに叩き割る。
そのまま、割った先にいるデレに向って飛び込んだ。
ζ(゚ー゚;ζ「くっ!! 」
从 ゚∀从「もうやめろ、デレ」
手を伸ばせば届く距離。
これならどんな攻撃でも、ハインは躱せないだろう。
- 468 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/03/01(金) 00:13:10 ID:HFI077vA0
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しかし、デレは動けなかった。
ハインの目を見ることしか出来なかった。
从 ゚∀从「オレは、街を守りたいんだ」
从 ゚∀从「みんなが、大好きなんだ」
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从「ごめんな、デレ」
从 ゚∀从「オレ、守るからさ。みんなを」
从 ゚∀从「……守りたいんだ」
从 ∀从「……デレ」
ζ(゚ー゚;ζ「……!!! 」
何とか体を動かし、魔法を放とうとするデレ。
しかし、ハインの動きのほうが速かった。
从 ∀从
ハインの拳から、魔力の塊が放たれる。
ζ(゚ー゚*ζ「……あ」
それは、デレを包み込むようにして、飲み込んだ───────
- 469 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/03/01(金) 00:14:45 ID:HFI077vA0
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ζ(゚- ゚*ζ「……あれ?」
だが、デレは無傷だった。
ζ(゚ー゚*ζ「わ、私……」
从 ゚∀从「言っただろ。守りたいものを、守るんだって」
从 ゚∀从「オレが守りたい街の中には、お前がいないとダメなんだよ」
ハインの魔力が、デレの中にあるしぃの魔力だけを吹き飛ばしていたのだ。
盛岡が以前、幽霊を〜と教えていたことの応用であった。
勿論、ウサギの力があったからこそ出来た芸当でもある。
ハインは、デレを元に戻して見せたのであった。
ζ(;д;*ζ「は、ハインちゃん……わたし、わたし……」
从 ゚∀从「良いんだよ、もう終わったんだ」
从 ゚∀从「デレは、何にも悪くねぇよ」
ζ(;д;*ζ「ハインちゃあああああぁぁぁぁぁあぁぁん!!! 」
ハインの胸に飛び込むデレを、ハインは受け止めた。
泣きじゃくるデレの頭を撫でながら、ハインはある事に気づく。
- 472 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/03/01(金) 00:16:13 ID:HFI077vA0
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从 ゚∀从「あ……」
霧が晴れていたのだ。
もうすっかり辺りは暗く、夜になっていた。
だから黒く、暗い霧が晴れていたことに気づくのが遅れたのだろう。
雲に隠れていた月が、顔を出した。
从 ゚∀从「……」
丸くて、大きくて、綺麗な月だった。
暖かい風が、ハインの頭を撫でるようにして通り過ぎる。
盛岡の撫で方に、似ていた。
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从「……あー」
从 ゚∀从「そ、っか」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「盛岡、もう……」
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从「願い事、叶ったよ」
从 ゚∀从「守れたよ、オレ」
街には、黄色いシスラナの花が咲いていた。
その隣には、銀色の首輪が一つ、落ちていた。
从 ∀从「ありがとな」
ぽつりと呟いた声は、風に乗ってどこかへと、飛んでいった──────。
- 473 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/03/01(金) 00:17:28 ID:HFI077vA0
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────────
────
─
いつかの時代のどこかの国。
しかし、蒸し暑い夜の事だった。
(;∀ ;)「くそ!! くそ!!!! 魔物め!! お母さんをよくも!!! 」
薄暗い路地裏で、少年が一人泣いていた。
そこに忍び寄る、一つの影。
(;∀ ;)「!!! 」
少年が顔を上げると、手が差し伸べられた。
逆光で顔は見えなかったが、とても優しい声だった。
- 474 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/03/01(金) 00:18:18 ID:HFI077vA0
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「大丈夫かい?」
声からして、それは男だった。
(;∀ ;)「……」
少年は手を取った。
男の頭が、光を反射して輝いた。
それを見て、少年は思わず笑った。
从 ゚∀从魔法使いとハゲのようです 完