从 ゚∀从魔法使いとハゲのようです

最終話

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409 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 21:35:50 ID:J0WLdglA0

黒く、禍々しい魔力の弾丸。
人の頭よりもやや大きいそれが、ハインに向けて放たれた。


从;゚∀从「!? 」


だがしかし、ハインがダメージを負う事は無かった。


(´・_ゝ・`)「間に合ったか」


盛岡が、間に入ってハインを庇ったからである。

410 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 21:36:50 ID:J0WLdglA0

从;゚∀从「も、盛岡……」

(´・_ゝ・`)「大丈夫」


実際、庇ったといっても盛岡にもダメージは入っていなかった。
間に入る瞬間、盛岡の力で魔力の弾丸を叩き潰したからだ。


(*゚ー゚)「あら、凄いのね貴方」

(´・_ゝ・`)「そうでも無いさ」

(*゚ー゚)「あら、頭も凄いのね貴方」

(´・_ゝ・`)「絶対に許さないからな」


手を振りかざし、力を入れる盛岡。
見えない何かが、衝撃波のようにしてしぃに襲い掛かる。

411 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 21:38:30 ID:J0WLdglA0

(*゚ー゚)「あらら」


しかし、しぃは微動だにしなかった。


ζ( ー *ζ


間に立つデレが、ついと手をかざした。
すると手のひらを中心に魔力が展開し、半ドーム状となって2人を盛岡の衝撃波から守ったのである。


(;´・_ゝ・)「……」

从;゚∀从「何でだよ、デレ……」

412 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 21:41:00 ID:J0WLdglA0

(*゚ー゚)「この子、デレちゃんって言うんだぁ?」

ζ( ー *ζ

(*゚ー゚)「この子ね、魔法使いになりたかったんですってぇ」

从;゚∀从「まほう、使い……?」

(*゚ー゚)「憧れてたのかしらねぇ?」

(*゚ー゚)「すっごい強い気持ちだったわよ」

(*゚ー゚)「そんな強い気持ちに惹かれて、ついつい私が力を分け与えちゃったのよ」

从; ∀从「お前が、お前がデレを……」

(*゚ー゚)「下手したら死んじゃってたけど、結果オーライよね」

(*゚ー゚)「だってこうして、魔法を使えるようになったんですもの」

从#゚∀从「デレを、元に戻せええええええぇぇぇぇぇええええぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!! 」


魔力を纏い、しぃに跳び掛かるハイン。
盛岡の静止の声がかかるが、止まるはずが無かった。

413 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 21:44:00 ID:J0WLdglA0

(*゚ー゚)「え〜?」

(*^ー^)「イヤよ。せっかくデレちゃんの夢が叶ったんですもの」


虫唾が走る笑みを浮かべるしぃ。
その顔面目掛け、ハインは蹴りをかます。


ζ( ー *ζ

从;゚∀从「……デレ!! 」


が、その蹴りはデレに止められてしまう。
足を掴まれたハインは、そのままデレに投げ飛ばされる。

住宅の壁に叩きつけられるハイン。
折れていた骨が、悲鳴を上げた。


从; ∀从「あ゙ぁ゙っ……!!!! 」

414 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 21:47:00 ID:J0WLdglA0

(;´・_ゝ・)「ハイン! 」

(*゚ー゚)「貴方は私の相手をしてね」


ハインの元へ向おうとする盛岡だったが、いつの間にかしぃが盛岡の背後に回りこんでいた。
いつ後ろに?考える間もなく、盛岡はしぃが放った魔力の弾丸を背中に受けて吹き飛ぶ。


(;´゚_ゝ゚)「げっファっ!!」

(;´・_ゝ・)「ぐっ……そうだ。こいつらも魔力で攻撃することが出来るんだった」

(*゚ー゚)「あら、知ってるの?」

(;´・_ゝ・)「覚えてないけど、昔そんな事があった気がしてね」

(*゚ー゚)「なにそれ」

(;´・_ゝ・)「!? 」


またしても盛岡の背後を取るしぃ。
今度は気配を察知した瞬間、盛岡が大きく跳んだ。

417 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 22:03:40 ID:J0WLdglA0

(´・_ゝ・`)「同じ手は」

(*゚ー゚)「くらうわよ」

(;´・_ゝ・)「!? 」


跳んでいるハズの盛岡の背後。
そこにいたのは、しぃだった。

爪を伸ばしたしぃが、盛岡の体を貫こうと迫り来る。


(;´・_ゝ・)「っと」


それを、盛岡は空中で体を捻ることで回避する。黒マントが少しだけ破けた。
そして振り向きざまに、しぃに目掛けて力を全力で放った。

その反動を活かして、盛岡は何とかしぃと距離を取る。


(;´・_ゝ・)「くそ、どういうマジックなんだ」

418 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 22:07:00 ID:J0WLdglA0

(*゚ー゚)「中々やるわね……」

(*゚ー゚)「こういうのは、どうかしら?」


盛岡の力に吹き飛ばされ、地面に叩きつけられたしぃ。
しかし、大したダメージは見受けられなかった。
土煙が上がる中、しぃは魔力の弾丸を大量に作り上げる。


(´・_ゝ・`)「……」


しぃがいるであろう、土煙が舞う場所を見つめる盛岡。
この距離からなら、恐らくいつでも対応は出来る。
気をつけるのは背後だけ。気配がしたら、同じように対処すれば良いだろう。
そんな風に考えていた。

しかし


(;´・_ゝ・)「は!? 」


盛岡の周囲を、突然魔力の弾丸が囲んでいたのだ。
いつ?いつ現れた?どこから撃った?

頭の中が『?』で一杯になる盛岡に、弾丸の嵐が襲った。


(*゚ー゚)「終わりかしらね?」

419 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 22:11:10 ID:J0WLdglA0

────────
────





盛岡がしぃに苦戦していた頃、ハインとデレは互いに向き合い、一歩も動かない状況でいた。


从;゚∀从「なぁ、デレ……」

从;゚∀从「目ぇ、覚ましてくれよ」

ζ( ー *ζ

从;゚∀从「デレ……」

ζ( ー゚*ζ「ハイ、ン……ちゃん……?」

从;゚∀从「デレ!? 」

ζ(゚ー゚*ζ「ハインちゃん、だ……」

从 ゚∀从「あぁ! オレだ! オレだよデレ! 」

420 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 22:12:10 ID:J0WLdglA0

ζ(゚ー゚*ζ「ハインちゃん……」

从 ゚∀从「あぁ、分かるか?オレd

ζ(゚ー゚*ζ「どうして、ハインちゃんが私の前にいるの?」

从 ゚∀从「え?」


ハインに向けて、デレの魔法が襲い掛かった。
魔力の弾丸、魔力の炎、氷、雷。
そのどれもが昔、デレがこんな魔法もあるんだよと教えてくれたものだった。


从;゚∀从「やめろよ、デレ! 」


軋む体を、何とか動かして避けるハイン。
デレの方も命中率が悪かったのか、ハインは致命傷になるほどの直撃を受けることは無かった。


ζ(゚ー゚*ζ「……」

ζ(゚ー゚*ζ「ハインちゃんの夢って、なんだった?」

从 ゚∀从「夢……?」

421 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 22:14:30 ID:J0WLdglA0

ζ(゚ー゚*ζ「お医者さん?花屋さん?郵便屋さん?」

ζ(^ー^*ζ「それとも、お嫁さんとか?」


笑顔を浮かべ、魔法を放つ。
刃のような形をした魔力が、ハインの頬を掠めた。


ζ(゚ー゚*ζ「私ね、魔法使いになりたかったの」

ζ(゚ー゚*ζ「お話に出てくるような、強くて心優しい魔法使いに」

从 ゚∀从「……」

ζ(゚ー゚*ζ「ほら、町長さんが昔、本を読んでくれたじゃない?」

422 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 22:16:30 ID:J0WLdglA0

ζ(^ー^*ζ「空を飛んで、魔法で格好良く解決して」

ζ(゚ー゚*ζ「憧れたなぁ、すごく」

ζ(゚ー゚*ζ「でもね、なれなかった」

ζ(^ー^*ζ「私は、なれなかった」


もう一度、デレの魔法がハインに襲い掛かる。
ハインは避けない。避けれなかった。
足元の地面を、魔力の弾丸が抉った。


从 ゚∀从「魔法使い……」

423 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 22:17:20 ID:J0WLdglA0

ζ(゚ー゚*ζ「ハインちゃんにとっては当たり前なんだよね、魔法使いは」

ζ(゚ー゚*ζ「だから理解できないよね、私みたいな普通の人の気持ちなんて」

从 ゚∀从「……」

ζ(゚- ゚*ζ「ショックだったなぁ、絶対に魔法使いになれないって分かったときは」

ζ( - ゚*ζ「体が弱くても、一生懸命勉強もして、頑張って、頑張って頑張って頑張った」


炎の魔法が、ハインの背後で爆発を起こした。


从;゚∀从「ぐ……」

ζ( - ゚*ζ「魔法について詳しくなって、いつでも相手が出来るように魔物についても調べて」

ζ( ー *ζ「でも、その全てが無意味になったんだよ?どんなに努力をしても、魔法使いにはなれないんだもん」

424 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 22:18:10 ID:J0WLdglA0

ζ(゚ー゚*ζ「私の努力、全部全部、ハインちゃんの為のものになっちゃった」

从;゚∀从「そ、んな……」


ハインの肩を、氷の刃が貫く。


从; ∀从「っつぅ……」

ζ(゚ー゚*ζ「バカバカしかったなぁ。悔しかったなぁ。悲しかったなぁ。辛かったなぁ」

ζ(゚ー゚*ζ「しかも、ハインちゃんは召還も出来るくらいに才能もあったみたいだしね」


ちらり、と盛岡達が居るほうへ視線をやる。
しぃの攻撃を、盛岡は何とかして防いでいた。


(;´・_ゝ・)「こ……っの!! 」

(*゚ー゚)「はずれ〜」

427 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 22:59:00 ID:J0WLdglA0

ζ(゚ー゚*ζ「でもね、私はそれでも頑張ったんだよ」

ζ(゚ー゚*ζ「諦め切れなかった。今はダメでも、努力はきっと、いつか報われるんだって」

ζ(゚ー゚*ζ「そう信じてた」

从;゚∀从「……」

ζ(゚ー゚*ζ「盛岡さんだって、案外誰にでも出来るものじゃないのかって言ってたよね」

ζ(゚ー゚*ζ「不思議な力を使う盛岡さんの言葉だからこそ、私は信じたよ」

ζ(゚ー゚*ζ「私も、いつか」

ζ(゚ー゚*ζ「きっと、私だけにしか出来ない特別な事。そんな事が、力が見つかるかもって」

ζ(^ー^*ζ「私、ハインちゃんの為になっても努力は続けたもん」

ζ(゚ー゚*ζ「報われるんだって、そう信じて」

从;゚∀从「デレ……」

ζ(゚ー゚*ζ「その声で私の名前を呼ばないで」


雷が、ハインの前の前に落とされる。


ζ(゚ー゚*ζ「でも、やっぱり」

ζ(゚ー゚*ζ「私は結局、普通の人間だった」

428 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:02:30 ID:J0WLdglA0

ζ(゚ー゚*ζ「ただの、少し他の事について詳しいだけの人間」

ζ(゚ー゚*ζ「ハインちゃんの言うとおり、役立たずで足手まといで、そんな人間なの」

从;゚∀从「あ、あれは……! 」

ζ(゚ー゚*ζ「もしも魔法が使えてたら、こんな人間じゃなかったんだろうなぁ……」

ζ(゚ー゚*ζ「そんな時にね、しぃさんが私に手を差し伸ばしてくれたの」

ζ(゚ー゚*ζ「魔法使いにしてくれるって」

ζ(゚ー゚*ζ「嬉しかった。すっごく嬉かった。私も、魔法使いになれるんだって」

ζ(゚ー゚*ζ「ずっと追いかけてたハインちゃんの隣に立てるんだって」

ζ(゚ー゚*ζ「憧れてた、魔法使いになれるんだって」

ζ(゚ー゚*ζ「努力は、報われたんだって」

429 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:05:40 ID:J0WLdglA0

────────
────





(*゚ー゚)「あの子、いつまで時間をかけてるつもりなの……?」

(´・_ゝ・`)「余所見かい?」

(*゚ー゚)「いいえ、別に?」

(*゚ー゚) キィィィン

(´・_ゝ・`)「……」

(´・_ゝ・`)「今、何をした」

(*゚ー゚)「ちょっとね」

(*゚ー゚)「可愛い可愛い自分の子に、足りなかったのを補ってあげただけよ」

(´・_ゝ・`)(デレちゃんに魔力を送り込んだのか……?)

(;´・_ゝ・)「くそ、早く何とかしないと」

(*゚ー゚)「焦っちゃイヤよ?」

(;´・_ゝ・)「くっ……!!! 」

431 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:08:00 ID:J0WLdglA0

────────
────




ζ(゚ー゚*ζ「ハインちゃん……」

从;゚∀从「……」

ζ( - ゚*ζ「ぐっ……」

从;゚∀从「!? 」

ζ( ー *ζ「アハ、あハはッ」

从;゚∀从「デレ……?」

ζ( ー *ζ「魔法が使えるってだけの、ハインちゃん」

432 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:12:10 ID:J0WLdglA0

ζ( ー *ζ「みんなから好かれる、ハインちゃん」

ζ( ー *ζ「私よりも、健康で元気なハインちゃん」

ζ( ー *ζ「アは、アハははハハハはははははハハはハはハハ!!! 」

ζ( ー *ζ「ただ運がよくて、才能を持って生まれただけなのに」

ζ( ー *ζ「私が欲しかったものを、ハインちゃんは全部全部持っている」

ζ( ー *ζ「強いて言えば、親がいないくらい」

ζ( ー *ζ「そこだけ。そこだけ私がハインちゃんに無い物を持っていた」

ζ( ー *ζ「だから今まで一緒にいられたの」

ζ( ー *ζ「でもね、やっぱり運が良いだけのハインちゃんはずるいよ」

ζ( ー *ζ「幸せそうな顔を見るたび、イラついたよ」

ζ( ー *ζ「ねぇ、ハインちゃん」

ζ(゚ー゚*ζ「もう、私の前にいないで」

ζ(゚ー゚*ζ「私は、貴方を超えるの」

433 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:15:00 ID:J0WLdglA0

デレが爪を伸ばし、一歩一歩近づいてくる。
ハインは動かない。動けない。


从;゚∀从「う、嘘だよな、デレ」


一歩一歩、ゆっくりと近づくデレ。


(;´・_ゝ・)「ハイン!! 」

(*゚ー゚)「逃げちゃダメよ」


盛岡が動こうとしないハインを助けるために、走る。
それを、しぃが邪魔するように追いかけた。


从;゚∀从「なぁ、目を覚ましてくれよ」

从; ∀从「……友達じゃ、ないのかよ」

ζ(゚ー゚*ζ「もう、違うよ」

从; ∀从「友達だろ!!! 」

434 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:18:00 ID:J0WLdglA0

从; ∀从「だって、オレに魔法を当てなかったのは、ワザとだろ?」

从;゚∀从「お前はまだ、デレのままだよ」

ζ( ー゚*ζ「……ちが、う」

ζ(゚ー゚*ζ「だから……ここで」

ζ(゚ー゚*ζ「私はハインちゃんを殺して、今までの私を捨てるの!! 」


デレの爪が、ハインを貫こうと迫った。


从; ∀从「……っ!! 」

(;´・_ゝ・)「ハイン!! 」


ドン。
盛岡が、ハインを突き飛ばした。

436 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:20:40 ID:J0WLdglA0

从 ゚∀从「ぁ……」

(´・_ゝ・`)「……」


盛岡の体を、


(*゚ー゚)「うふふ」

ζ(゚ー゚*ζ「……」


しぃとデレの爪が、貫いていた。
黒マントから、血が流れ落ちる。

437 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:23:40 ID:J0WLdglA0

(;´ _ゝ )「カハッ……」

从;゚∀从「盛岡!? 」

(;´ _ゝ )「ぐぅ……!! 」

(*゚ー゚)「あら、まだ立てるの?」

(;´ _ゝ )「僕には、やるべきことがあるんでね」

(;´ _ゝ )「ハインの、願いを叶えるまでは……」

(;´ _ゝ )「ガフッ……」


盛岡が血を吐く。
それでも決して倒れはしなかった。


(;´ _ゝ )「それが、召還物だろ。ハインの願いに、応えるんだろ……」

从;゚∀从「盛岡……」


(;´ _ゝ )「それに、盛岡デミタスという……僕が」

(;´・_ゝ・)「僕が、そうしたいんだ」



盛岡が手をかざす。
見えない何かが、しぃとデレを襲う。
2人はそれを、距離をとって躱した。


(*゚ー゚)「へぇ、まだ戦う気なの?」

(;´・_ゝ・)「はは、当たり前だろ」

438 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:25:00 ID:J0WLdglA0

(;´・_ゝ・)「ハインが守りたいと願ったこの街」

(;´・_ゝ・)「ハインの力が足りない分は、僕が頑張らないと」

(*゚ー゚)「どうしてそこまで頑張れるのか、わからないわねぇ」

(;´・_ゝ・)「お前みたいなのに、分かるわけないさ」


ゆっくりと、傷口を押さえながらも立ち上がる盛岡。
息も絶え絶えに、もう一度手を振りかざした。


(*^ー^)「ホント、しぶといわね」


そんな盛岡に対し、しぃは笑顔を浮かべて答える。
直後、盛岡の影から飛び出す大量の黒い棘。
影の針とでも言うべきそれが、


(;´ _ゝ )「っ!!! 」


盛岡の体を串刺しにした。

439 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:28:10 ID:J0WLdglA0

从;゚∀从「あ……」


ハインは、動けなかった。
目の前の光景を、信じられなかった。
あの盛岡が。今までずっと、支え続けてくれた盛岡が。頼りにしてきた盛岡が。

血だらけになっている様を、信じられなかった。


(*゚ー゚)「これで終わりね」

(;´ _ゝ )「ま、だ……!!!! 」

(;゚ー゚)「!? 」


盛岡が渾身の力をもってして、力を行使する。
押しつぶされそうな力に、しぃは顔を歪めた。


(;゚ー゚)「ふ、ふふふ」

(;´ _ゝ )「どうした、笑顔を崩して」

440 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:30:10 ID:J0WLdglA0

(;゚ー゚)「うふふふ」

(;゚ー゚)「心臓を貫かれて、しかも体はズタズタなのに随分と元気じゃない」

(;゚ー゚)「その不思議な力で、堪えてるのかしら?」

(;´ _ゝ )「フゥッ……フウッ……」




(*゚ー゚)「でもね、もうおしまい」




しぃの魔力が、展開されていく。
今までよりも禍々しく、巨大なそれ。
真っ直ぐに放たれると、もう力が無いのか。

盛岡に、直撃した。


(;´ _ゝ )


盛岡が、糸が切れたかのようにして倒れた。

441 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/28(木) 23:37:10 ID:J0WLdglA0

从;゚∀从「盛岡!!!! 」

ζ(゚ー゚*ζ「!」


ハっとし、ようやく体を動かせるようになったハインが、盛岡に駆け寄る。
しかし、デレが魔力でハインを吹き飛ばす。


从;゚∀从「ぐっ……!! 」

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