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530 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 21:59:26 ID:ZWuj8HrY0
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('A`) 『……暇だ』
(//^三ミ) (ぼくの方が暇だお)
('A`) 『俺なんて景色眺めることすらできないんだぞ』
(//^三ミ) (じゃあ代わる?)
('A`) 『代わりません』
ィシとヨコホリの勝負が決してからまる二日。
ブーン達はハインリッヒの診療所に居た。
居た、と言えばまだ聞こえがいいが、その実情はほぼ軟禁に近い。
ロクな治療魔法もかけて貰えないまま全身を包帯で固定されベッドに放置されている。
以降は定時にハインリッヒが食事を口に詰め込んでいく以外、碌な行動がとられない。
排泄ばかりは声をかければ連れて行って貰えるが、それだけだ。
普段常に体を動かしているブーンにとってはこれが中々辛い。
从 ゚∀从 「ブーン飯だ、口開けろ」
扉が開いて、食事の入った皿を持ったハインリッヒが入ってくる。
ブーンは言われたままに口を大きく開く。
これだけでも首や肩周りの筋肉が軋み、悲鳴を上げる。
焼けるような痛みこそ治まったが、回復とは程遠い不便さだ。
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531 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:01:40 ID:ZWuj8HrY0
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从 ゚∀从 「ったく、いい加減にしてほしいもんだな。お前らの世話のために態々戻ってこにゃならん」
文句を垂れながらも。ハインリッヒはブーンの口に食事を放り込んでゆく。
炒った麦と野菜や豆、ひき肉等をごちゃ混ぜにした粥だ。
見た目はまるで離乳食で、あまり食欲を誘うものではないが、口に入れてみるとこれが中々美味い。
ハインリッヒが投下するままに粥を食い、すぐさま食事は終わった。
胃はまだ足りないといっているが、ダメージと疲労を溜め込んだ体に食事の消化で更なる負担をかけるわけにもいかない。
腹六分目。食い足りない分は、食事の回数を増やすことで補っている。
(//^三ミ) 「ツンはまだ?」
从 ゚∀从 「ああ、ピクリともしねえよ」
(//^三ミ) 「……」
从 ゚∀从 「まあ、心配すんな。疲労と脳への過負荷、そこに加えて魔力切れだからな。二日三日眠っててもおかしかねえ」
ブーンは動く範囲で首を動かし、部屋の斜向かいにあるベッドを見た。
カーテンで囲まれているため姿は見えないのだが、そこにはツンが寝かされている。
心身ともに多く大きく傷ついた彼女は、あの決着の後に意識を失ってから以降一度も目を覚ましていない。
ハインリッヒが診察した上での「心配すんな」なのだから大丈夫なのはわかっているのだが、やはり心配だ。
あの時ブーン達は結果としては何もできなかったに等しい。
その時はできうる限りの全力ではあったが、最終的にツンを一人で戦わせることになった。
すべてはブーンの弱さと甘さによるものだ。
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532 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:02:23 ID:ZWuj8HrY0
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从 ゚∀从 「お前の方こそ、体の調子はどうだ」
(//^三ミ) 「じっとしていれば痛みは感じないお。ただ、動くと突っ張るっていうか」
从 ゚∀从 「そうか……」
ハインリッヒが手を光らせてブーンの肩に触れる。
触診の魔法だ。僅かにピリピリとするが特に何かをされている感覚は無い。
从 ゚∀从 「……相変わらずふざけた回復力だ。筋繊維の再生はかなり進んでるな」
(//^三ミ) 「これくらいならこんなもんだお」
从 ゚∀从 「……」
ブーンの返事にハインリッヒが眉間に皺を寄せた。
人差し指でしきりに揉み解しているが、よほど深く刻まれているようでなかなか消えない。
まったくもって不憫だ。誰だだこんないい先生を困らせてる迷惑な患者は。
从 ゚∀从 「……まあ、これなら包帯はほどいてもいいだろ」
(//^三ミ) 「いいのかお?」
从 ゚∀从 「代りに自分の世話は自分でしろよ。流石に便所の世話までしてると俺が仕事にならん」
(//^三ミ) 「おっおっ!もちろんだお」
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533 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:03:26 ID:ZWuj8HrY0
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( ^ω^) 「ふー、やっと自由になれたおー……」
包帯から解放され、ブーンは体を解す。
少し動かしただけで引き攣る痛みが走るが、拘束されているよりはマシだ。
ひとしきり上半身の可動域を確かめてからベッドを降りる。
久々に自立した床は、ややグラつくような気がした。
从 ゚∀从 「動けそうか」
( ^ω^) 「……んー、まあただ普通に生活するくらいなら」
从 ゚∀从 「あの状態からすりゃ上等だ。俺は往診の残り行ってくるから、大人しくしてろよ」
( ^ω^) 「はいおー」
手早く準備を終え出ていったハインリッヒを見送る。
本当にブーンの世話をする為だけに戻ってきてくれたらしい。
その親切を無駄にする気にもならず、ブーンは言いつけ通り大人しくしていることにした。
こっそり鍛錬するつもりで居たのは秘密である。
とはいえ、再生に伴って体が固まるのだけは避けなければならない。
剣を扱う上で柔軟性は筋力と同じだけ重要だ。
どれだけ強い力があっても、しなやかさが無ければ剣は死ぬ。
筋肉に過剰な負荷をかけ無ければよいのだから、歩く程度ならば平気だ。
そもそも現状のブーンで損傷がひどいのは上半身。
下肢もそれなりにダメージを受けていたが、相対的にはマシであるし、現時点ではほとんど痛みも取れた。
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534 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:04:18 ID:ZWuj8HrY0
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手始めにずっと気になっていたツンの様子を見にゆく。
同じ部屋の反対側というだけで一苦労だ。
歩くといっても使うのは下半身だけで無く、普通に行こうとすると上半身のそこかしこに激痛が走る。
ひいこらひいこらいいながらやっとツンのベッドにたどり着いた。
カーテンを少しだけ開け、頭を突っ込んで中を覗く。
( ;^ω^) 「…………これが心配するなな状況?」
(;'A`) 『治療魔法のオンパレードだな……』
ベッドに寝かされていたツンの身体には、至る所に青白い魔法陣が浮かび上がっていた。
特に多いのは頭。次が胸。あとは手や足の末端にもいくつかある。
それぞれ紋様が違い、それぞれの役目が異なっているのだと、魔法に詳しくないブーンにも分かった。
( ;^ω^) 「寝てるだけには見えないんだけど」
(;'A`) 『まあ、大半は保護の魔法っぽいし、見た目の仰々しさほどヤバくはないと思うんだけど』
つまりは、寝たままになっているツンの体が寝たままでことによってダメージを受けないための魔法なのだという。
床ずれ防止や、血流の維持、代謝抑制等々、直接的にツンを再生するために用いられているものでは無い。
ただし、頭部にかけられているのは、もっと複雑な再生補助の魔法式のようだが。
(;'A`) 『体の怪我よりも、呪具と真っ向勝負した後に魔力切れってのが良くなかったんだな』
( ;´ω`) 「も〜、僕よりも無茶なことするんだから……」
肝心の本人は、実に穏やかな表情で眠っていた。
顔色が悪いせいもあり、呼吸の細い音が聞こえなければ死んでいるようにも見える。
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535 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:05:32 ID:ZWuj8HrY0
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クルクルと動く魔法陣を何となく見ていると、ツンに掛けられている薄手の布団がモソモソと動いた。
体の隙間から顔を出したのは、獣のような毛を生やした蛇。
ツンのペット(?)のニョロだ。
ニョロはブーンを見つけると舌をチロチロと出して這い寄ってきた。
( ;^ω^) 「お、なんだお」
やや戸惑うブーンに、ニョロは頭を摺りつける。
甘えているようだ。
主であるツンが動かないため彼も暇なのだろう。
( ;^ω^) 「……いっしょにいくかお?」
人語を理解しているのか、ブーンの言葉にニョロは尻尾を振り回して応えた。
恐る恐る伸ばした手に、するりとまきついて這い上る。
むず痒い。それに、なんだか初めて見た頃よりも大分長くなっている気がする。
('A`) 『お前コイツ苦手なの?』
( ;^ω^) (なんちゅーか、キュートのキメラを連想する要素多くて。蛇だし魔法使うし)
(;'A`) 『おいおい、まさかキュートのキメラなんて言わねえよな』
( ;^ω^) (うーん……僕が初めて見た頃には、ほとんどツンの匂いしかしなくなってたからなんとも……)
(;'A`) 『………………めっちゃ懐いてんな』
( ;´ω`) (うん……くすぐったい……)
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537 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:06:25 ID:ZWuj8HrY0
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初めての遊具でも見つけたかのようにブーンの体を這いまわるニョロをとりあえず放置し、ブーンは部屋を出た。
一先ず目指すは調理場だ。
水や食事は定期的に摂っていたが、大五郎(この場合焼酎の銘柄の意)はあまり口にできていなかった。
特に何もしなければ少量の摂取でも問題ないとはいえ、やはり懐に入れておかないと落ち着かない。
目的の大五郎は、簡単に見つかった。
調理台の上に、どんと小樽が置かれている。
ハインリッヒに金を渡して調達してくれと頼んでおいたのだが、まさかここまでのものを買ってくるとは。
( ^ω^) (リッヒの家にいる限り大五郎切れの心配はないおね)
('A`) 『リッヒもさ、既にここが俺らの拠点であることを受け入れてるよな』
( ^ω^) (うん。諦めって悲しいね)
樽の側面に注ぎ口が突き刺さっていたので、栓を抜いて適当な器に酒を注ぐ。
余り飲むと酔ってしまい、回復しきっていない体に響く。
木製のカップを半分程満たしたところで栓を閉め、漏れが無いかを確かめた。
(*^ω^) (ん〜〜〜安酒とはいえ樽から直で飲むと気分が違うお〜〜〜)
軽く口をつけ、唇を濡らす。
冷たく、そして熱く。鼻に抜けてゆく匂いは、独特の透明感と甘さがあり、自然と喉が鳴った。
すこし啜る。
いつもの大五郎の色気の無い酒の味に、ほんのりと樽の香りが移って、中々悪くない。
我慢できなくなって、そのまま一気に煽り飲む。
ハインリッヒに飲ませてもらうとどうしても少量ずつになるので、この喉から胃へ向かって駆け下る酒の心地は久々だ。
不味いが、美味い。
舌で愛でるのではなく、喉にぶつけるように飲む楽しみはこういった安酒ならではだろう。
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538 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:08:17 ID:ZWuj8HrY0
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大五郎を飲み干し上機嫌になったところで、ブーンはリビングの椅子からマントを取った。
療養用の寝間着の上に羽織って外に出る。
サロンの風は穏やかだ。
二日とはいえベッドに縛り付けられていた身としては実に心地よい。
少し歩いて家の前の柵に腰掛ける。
空を小鳥が横切って行った。
遠くから家畜の鳴き声が聞こえる。
耳元を撫ぜる風。
心をざわつかせる音も景色も一切ない。
眺めているだけで気力が回復してくる、実に長閑なサロンらしい風景。
数日前にあれだけ大規模な戦闘が行われたとは思えない。
大五郎、根絶法双方ともに街への必要以上の被害を嫌ったお蔭なのだろう。
なお、今は両軍勢も戦後の処理に追われ小競り合いすらも起こっていない。
( ^ω^) (……正直、大五郎が勝ったのは驚きだおね)
('A`) 『ああ、あの人数差だったもんな』
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539 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:09:21 ID:ZWuj8HrY0
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ブーンたちは森に居たので具体的な戦況までは把握していない。
だが、ハインリッヒ伝いに大五郎側が防衛に成功したというのは聞いている。
あの圧倒的な人数差を凌ぎ、本社からの援軍到着まで耐えきったというのだ。
敵の主力級であるニダーと剣を交えたブーンとしては意外以外の何でもない。
サロンにいた兵士は、ブーンが見た限りでツンと同等かいくらか上回る程度が最高値。
個々の戦力だけが勝敗の要因でないとはいえ、人数含め相当に不利だったのは間違いない。
( ^ω^) (指揮はあの支店長さんだったらしいけど……)
(;'A`) 『どうにもそんなタマにはなあ……別の誰かが代理で指揮とってたんじゃねーのか』
( ^ω^) (たぶんね。そもそも戦闘職種じゃないらしいし)
兎に角大五郎サロン支店は現在も無事営業を続けている。
サロンから離れずに大五郎を確保できるのはありがたい話だ。
もし潰されていたとなると、また渡辺に連絡を取って配達してもらうなどしなければならなくなる。
一体どんな策を弄してあの軍勢を退けたのかはわからないが、この際それはまあいいだろう。
金さえあれば気軽に酒が口にできるというのは、ブーンたちにとっては安心できる環境だ。
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540 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:10:02 ID:ZWuj8HrY0
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※
主人公たちからみたセント=ジョーンズ像
(’e’) うわぁ〜〜〜〜〜〜〜
実際のセント=ジョーンズ
(’e’) うわぁ〜〜〜〜〜〜〜
.
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541 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:11:10 ID:ZWuj8HrY0
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しばらくそよ風に吹かれて空を眺め、ブーンは柵から腰を上げた。
軟禁で辟易していた気分は大分回復したし、自分の体の状態も大よそ把握できた。
これ以上外にいて厄介なのに見つかる前に、部屋に戻ってゆっくり酌でもしようというものだ。
確か地下の貯蔵室にチーズや干し肉があったはずだ。
報告すればある程度自由にしていいと言われていたのでありがたくいただこう。
ブーンはマントを翻して屋内へ戻る。
大五郎を手ごろな瓶に注ぎ、地下に降りてチーズと干し肉を見つくろった。
今の身体で瓶や食料を抱えて階段を上るのは少々しんどいが、部屋に戻ってからのお楽しみがあるので耐えられる。
えっちらおっちらと部屋の前まで戻り、半端に空いていた扉を足で開けて中へ入った。
ξ )ξ
( ^ω^)
ξ )ξ
入口のすぐ目の前の床で、ツンが倒れていた。
( ^ω^) 「ツンさーん??」
ξ )ξ
( ^ω^) 「死んでる????」
返事がない。
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542 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:16:06 ID:ZWuj8HrY0
-
ブーンは空いていたベッドに抱えていたもの放るように置き、ツンに駆け寄る。
抱き上げると、ぞっとするほど体が冷たく力が無い。
首元からニョロが飛び出し、勢いよくツンの頬に頭を摺りつけたが、やはり反応は無かった。
ツンのベッドを覆っていたカーテンが開いており、奥に見える布団は半分床に落ちている。
恐らくは目を覚まして這いずってきたのだろう。
ハインリッヒがツンにかけていた魔法の一つに、生命器官の働きのほとんどを魔法によって補助し、
代わりに身体の活動をギリギリまで抑えることで回復効率を上げる物がある。
つまりは絶対安静の寝たきりの人間の為の魔法。
その中で無理に動いたものだから、実質の仮死状態に陥っていってしまっているのだ。
心配げに頬ずりするニョロを服の中に押し戻し、ブーンはツンを抱き上げた。
流石に人一人を持ち上げるほど回復はしておらず、全身が激痛に見舞われたが一先ず我慢。
なんとかツンをベッドに寝せ、布団をかぶせる。
ξ )ξ 「う、ぅぅ……」
一応生きていた。
ツンが停止したことで魔法も再び効果を発揮している。
とりあえずは大丈夫だろう。
( ^ω^) 「ツン、大丈夫かお?」
ξ 听)ξ 「…………ブーン」
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543 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:17:21 ID:ZWuj8HrY0
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ξ 听)ξ 「…………ここ。……リッヒの……?」
( ^ω^) 「そうだお。あの戦いの後、僕らここに運ばれたんだお」
ξ 听)ξ 「……………そう」
ツンの眼が虚ろに天井を見る。
もう少し取り乱すかもしれないと構えていたが、以外にも大人しい。
意識がはっきりしていないのか、魔法のせいか。
なんにせよ、あまりいい気分ではない。
あの山でツンは意識を失うまで呪詛を吐き怒りを吠えていた。
それからこの状態では、何かが切れてしまったのではないかと不安になる。
ξ 听)ξ 「…………ブーン、ドクオ」
( ^ω^) 「……お?」
ξ 听)ξ 「私の体が回復したら、私に剣と魔法を教えて」
( ^ω^) 「……」
ξ 听)ξ 「今の私じゃ、弱すぎる。こんなんじゃ、あの鉄クズ野郎を殺せない」
( ^ω^) 「……ツン?」
もそりとツンの手が動き、自身の頭に触れた。
そこには真新しい傷跡がある。ツンが自ら木の礫を突き刺した場所だ。
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544 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:18:34 ID:ZWuj8HrY0
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ξ 听)ξ 「………ィシさんが死んだとき、沢山の記憶が私の中に入ってきた」
ξ 听)ξ 「…………全部、分かったの。あの人が何をしたくて禁恨党を率いていたのか」
ξ 听)ξ 「…………何故、あんな呪具に頼ったのか」
ξ 听)ξ 「…………私が勝つべき相手が、誰なのか」
ξ )ξ 「……全部、全部わかったの」
( ^ω^) 「……」
ξ 听)ξ 「……あんたたちが、人に技を教えるとか、そういうのを嫌っているのはわかってる」
ξ 听)ξ 「……でも、私には必要なの。少しでも、僅かでも、今より強くならなくちゃいけないの」
( ^ω^) 「……」
ξ )ξ 「……だから、お願い。私に、力を貸して」
ξ )ξ 「あの男、ヨコホリ=エレキブランを、倒すために」
* * *
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545 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:20:06 ID:ZWuj8HrY0
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( ;;;Фωφ) 「おがえりである、ギュード」
o川*゚ー゚)o 「ただいま、試作ちゃん。良い子にしてた?」
( ;;;Фωφ) 「うむ。わるいやづらいっばいきだがら、たおじた」
ヨコホリの修復を終え、砦のある山に帰った魔女を出迎えたのは、二刀を持った一人の男。
彼女が生み出し、「試作ちゃん」と呼ぶ限りなく人に近いキメラである。
彼の足元には、複数の死体が転がっていた。
原形を留めていないが全員武装している。
恐らくは懸賞金や名声目当ての破落戸だろう。
試作ちゃんの腕ならば、目を瞑ってでも勝てたに違いない。
( ;;;Фωφ) 「ごれ、どずる?」
川*゚ ,゚)o 「んー―――……あんまり優秀には見えないし、素材としては最低ランクかなー――……」
b
しばし死体を眺めて悩んだ結果、これらは破棄することにした。
砦のスペースはまだいくらかゆとりがあるが、だからと言ってなんでもかんでも保管しておくわけにはいかない。
人間の素材は先日のフタバの街で上質なものが集まったし、十分足りているのでなおさらだ。
「えい」という掛け声と同時に、死体に火が灯る。
流れる血にすら広がった赤い炎は瞬く間に数人分の死体をただの焦げ跡へと変貌させた。
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546 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:21:38 ID:ZWuj8HrY0
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o川*゚ ,゚)o 「あーあ、もう、こんなのばっかり。やんなっちゃう」
わざと巷に自分の居場所を流して以来、現れるのは身の程知らずの雑魚ばかりだ。
目的の子たちがすぐに来ないのは覚悟していたが、せめてもう少しまともな人に来てもらわなければ。
手間ばかりかかって何の利にもならない。
o川*゚ ,゚)o 「いこ、試作ちゃん」
ため息一つ、魔女は死体の跡へ背を向けた。
砦へ戻って試作ちゃん二号の調整をしなければ。
待ち人は来ずともやるべきことはいくらでもある。
が、魔女の言葉に反し、試作ちゃんは麓の方へ視線を向けたまま動かない。
鞘に納めようとしていた刀を再び引き抜き、構える。
( ;;;Фωφ) 「…………まだ、いる」
o川*゚ ,゚)o 「……?サーチには何もかからないけど……」
魔女が訝しげに試作ちゃんの視線を追う。
展開している広域探知の魔法に反応するのは獣の類のみ。
それもどれも中型未満で、魔力の反応なども無い。
試作ちゃんが刀を構えるほどの相手では無いはずだ。
が、二人が目を向ける方向の空に、黒い点が複数見えた。
鳥では無い。
もっと巨大な何か。
それが太く頑丈な丸太であると気づくころには、既に魔女の眼前まで迫り来ていた。
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547 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:23:38 ID:ZWuj8HrY0
-
魔女の前に試作ちゃんが躍り出て、飛来する丸太へ刀を振るう。
鈍い金属音。
試作ちゃんの斬撃は丸太の軌道を横へ流す。
魔女を逸れた丸太は地面に激しく衝突し、砕け散りながら跳ね飛んでゆく。
残りの数本も同じく難なくいなす。
重く硬い丸太を受けておきながら、試作ちゃんの刀には刃こぼれ一つない。
o川*゚ー゚)o 「…………びっくりした」
( ;;;Фωφ) 「うむ」
o川*゚ー゚)o 「ありがとね試作ちゃん。あんなの当たったら死んじゃうとこだった」
( ;;;Фωφ) 「うそ」
o川*^ー^)o 「ふふふ」
言葉で危機感を匂わせながらも、魔女は笑顔であった。
砕けた丸太の一片を拾い、眼前へ。
これ自体は何の変哲もないただの木だ。
恐らくは麓のあたりで伐採されたまま放置されていたものだろう。
ただし、木片は指で軽く潰すと水が滲むほどたっぷりと濡れている。
僅かな魔力も感じ取れた。
恐らくは水の魔法を用いてこの丸太を発射、魔女を狙撃したのだ。
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548 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:26:34 ID:ZWuj8HrY0
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o川*゚ー゚)o (丸太があった場所を考えると……距離は1km弱ってとこかな?)
o川*゚ー゚)o (これだけ重いものを飛ばすことが出来る水魔法の使い手ってなると、限られてくるよねぇ)
丸太の飛来した方向に、再び何かの影が見えた。
今度は物を撃ち出したのではなく魔法そのものだ。
溝色に濁った水の大蛇が、空を泳ぐが如く高速で迫る。
刀を構え、試作ちゃんが再び前へ。
確かに試作ちゃんならば魔法の攻撃も捌くが出来るだろう。
しかしそれはあくまで中級程度までの話。
さらに言えば物理的な破壊力に重きを置いたものに限る。
故に、この魔法は試作ちゃんでは防ぎきれない。
o川*゚ー゚)o 「ほいさー!」
試作ちゃんを襟首を掴んで引っ張り、障壁を張る。
同時に魔法の蛇が襲来。防壁との衝突の寸前に爆音と共に炸裂した。
白い水煙が視界を覆い、硬質化した水の刃が周囲へ飛び散る。
水を変異させた強力な溶解毒だ。
魔力の障壁は問題なく魔法を防いでいるが、周囲の地面はみるみるケロイド状に変化していく。
真面にこの雨を浴びれば骨すら残らず、地面を流れるヘドロになっていたことだろう。
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549 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:29:16 ID:ZWuj8HrY0
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o川*゚ー゚)o 「おっ返しぃ!☆」
溶解毒の魔法をやり過ごしきったと共に、魔女は腕を振るった。
電光に似た魔力の閃が天に走り、巨大な火炎の礫を複数出現させる。
小さな町ならば一つで十分火の海にすることが可能な爆破魔法。
それが、数にして13。
これら炸裂すれば、地上の周囲数kmは蒸発を約束された灼熱と化すだろう。
対して。下方から強い魔法の輝きが爆ぜる。
爆破魔法と同数の水魔法の槍が、それぞれの中心を打ち貫いた。
相対する魔法の邂逅。
真っ先に閃光が目を焼き、天地を揺るがす轟音が次いで鼓膜をしびれさせる。
吐き出された紅蓮の熱は次々に隆起し膨張し、青い空を暁の色に染めた。
( ;;;Фωφ) 「む?」
炎は、麓の一帯を覆いつくしている。
が。地表にまでは届かず、上空で煮えたぎっているばかりだ。
見れば、爆破の範囲よりも広く、濃密な霧が地表を覆い尽くしている。
これが、火炎の侵攻を妨げている。
防御魔法の一種だ。
正面から受け止めるのではなく、柔軟性を活かし力を逸らすタイプ。
直撃であれば破ることが出来たはずだが、先に炸裂させられたため力が足りなくなったらしい。
ついつい、口元が吊り上がる。
ここまで本気で力を高めてきた彼らに失礼なのだけれど、その有能さに心が震えて仕方がない。
魔法が発動してから、数秒程度の間に適切な対応。
単に魔法の能力が高いだけの人間では、魔女の攻撃は防げない
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550 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:32:40 ID:ZWuj8HrY0
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o川*゚ー゚)o 「……さ、今の攻撃の意味は伝わったよね」
魔女が再度腕を振ると、未だ残っていた爆炎が、何かに吸い込まれたかのように収束する。
入れ代りに、高濃度の魔力を全力で垂れ流した。
ちょっとしたフェイクだ。探知魔法越しでは、強大な魔法を準備していると判断するだろう。
o川*゚ー゚)o 「いつまでもそんなとこに居ると、周り全部巻き込んで消しちゃうぞ☆」
過激な矢文の返事は、すぐに届いた。
俄かに頭上を覆うどす黒い雲。
魔法による天候操作だが、ただの雨招きなどでは無い。
落ちてきた一つ目の雨粒が、空を見上げていた魔女のローブの裾を裂く。
地面とぶつかる音は、水では無く金属のそれ。
ちらりと視線を向けると、固体化した水の刃が地面に突き刺さっている。
二つ目から次は、滝のような土砂降りであった。
刃の雨が視界を白に染め、けたたましい激音が聴覚を埋め尽くす。
即座に発動した障壁によって魔女と試作ちゃんは守られているが、魔法の傘はすぐに穴だらけになってゆく。
数度に渡って張りなおすことで凌ぎ切り、魔女はボロボロの障壁を破棄した。
o川*゚ー゚)o 「あくまで狙撃戦する気……?」
( ;;;Фωφ) 「ギュード!!」
敵の座標を探り、反撃を打とうとした魔女の背後。
地面に刺さったままであった水の刃の群れが液体に戻り、蔦の形状を取って発射された。
試作ちゃんが即座に切り払ったが、次々放たれる蔦に手数が追いつかず、魔女は四肢と胴を拘束される
煩わしげに振り払おうとした魔女の眼前。
一体いつの間に接近していたのか、二人の人影が襲来する。
ローブを羽織り、フードは目深で顔は見えない。
それぞれに意匠の異なる剣を持ち、線対象に構えながら魔女へ突進する。
長距離を飛行してきた勢いのまま、交叉させる形で魔女の首に刃を叩き付けた。
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551 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:35:06 ID:ZWuj8HrY0
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残響。
火花が散り、金属の飛沫が爆ぜる
瞬時に割って入った試作ちゃんの二刀が、双斬を防ぎ弾いた。
二人組は斬りつけたまま脇を抜け、濡れた地面を滑り、手を着いて向き直りながら停止する。
一切の間を置かず、片方がもう一方に剣を投げ渡し魔法式の組み立てを開始。
両手に剣を持った方は、数歩濡れた地面で足を空回りさせつつも、獣の如く駆けだす。
魔女は水の拘束を全て蒸発させ解除。
迫る双剣持ちに、手を翳す。
無色透明、魔力反応も無い、波動の砲撃を二発。
上半身を木端微塵にするつもりだったが、突如現れた水の壁が蒸発しながらも直撃を妨げる。
白い水煙をぬけ、剣士が跳躍。
腕を交叉し、柄尻を胸に押し当てた体勢で、双刃を魔女に。
十分な勢い。
対応は髪の毛数本分遅れる。
そう判断した魔女は、防御でなく攻撃の魔法を選択した。
彼女が捨てた守りは、二刀閃かす試作ちゃんが肩代わりする。
( ;;;Фωφ) 「“二刃一瘡”!!」
試作ちゃんの振るう、連なる二つの斬撃。
飛び掛かっていた双剣の男は、空中でありえない制動をし、急に後退した。
惜しい。今の謎機動が無ければ、試作ちゃんの刃は男の胴を割っていただろう。
自身戸惑う挙動にバランスを崩した男。
魔女は彼に対し魔法を発動する。
拳大の衝撃波を、自分で数えるのも面倒なほど多量に放つ。
今度こそ捕らえた。
その確信を砕くように、もう一方の男が、杖を構えて前に出る。
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552 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:37:08 ID:ZWuj8HrY0
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周囲の水が瞬く間に杖の男の背後に集約する。
そこからさらに蛸や烏賊の足のように形を与えられた水の刃が、的確に衝撃波を迎え撃った。
水が爆ぜ、白い霧が視界を荒々しく隠す。
百にも及ぶ魔女の攻撃を、霧と轟音に分解してやり過ごした男は、涼しげな顔のまま、小さく息を吐いた。
攻撃の余波で、二人ともフードが外れている。
表情の違う、同じ顔。
( ´_ゝ`)
剣の方は、静かながらも激情の覗く目元。
(´<_` )
杖の方は、反面感情を漏らさぬ冷たいほどの無表情。
魔女は、追撃を放つことなく、笑った。
口を三日月にし、唇の裏に舌を滑らせる
サスガ兄弟。
ただの人間の領域で言えば最高クラスの魔法使いにして剣士。
魔女に「苦戦した」と思わせた数少ない真人間夫婦の息子たち。
退屈な魔女の人生における、貴重で希少で良質な余興。
素の性能でも及第点の彼らが、万全以上とも言える準備をしてやってきた。
さまざまな目的を失念しそうな程、魔女の心は滾っている。
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553 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:39:25 ID:ZWuj8HrY0
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(´<_` ) 「……貴様のことだからどうせ来ることは知っていたのだろうから余計な前置きはいらないはずだ。だから一つだけ聞いておく」
( ´_ゝ`) 「オトジャ、殺せばいいだけの話だ」
(´<_` ) 「……妹の手足はどこだ」
o川*゚ー゚)o 「ああ、イモっちゃんの?それならちゃんと大切に保管してるよ」
魔女が指を鳴らす。
すると、虚空に小さな子供の手足が、綺麗に揃えられた状態で現れた。
滞空するその四肢は、淡い魔力のベールに包み込まれている。
o川*^ー^)o 「ちゃんと、胴体に合わせて成長させてあるから安心してね」
( ´_ゝ`) 「…………」
o川*゚ー゚)o 「この手足に見合う他の素材が中々見つからなくて。いっそイモっちゃんの身体全部使えば早…………」
魔女の言葉を切ったのは、サスガ兄弟の兄、アニジャ=サスガの投げつけた剣だった。
試作ちゃんが受け流し、回転しながら地面を滑ってゆく。
(´<_` ) 「抑えろ、兄者」
( ´_ゝ`) 「……わかってる」
アニジャ本人はその場にとどまってはいるが今にも飛び掛かって来そうだ。
そこまで体を震わせながらも堪えているのは、憤怒の情を爆発させたところで倒せる相手でないと理解しているからだろう。
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554 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:40:43 ID:ZWuj8HrY0
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o川*゚ー゚)o 「…………これね、実は存在概念的には胴体とつながったままなの。
私の魔法で無理やり切り離した状態に誤魔化しているから、こうして別々の場所にあるけれど、ね」
魔女が見せびらかすようにイモっちゃんの四肢をクルクルと回した。
付け根、本来胴と繋がっていた断面には綺麗に皮膚が張り、その表面には掘り込みの魔法陣。
今、故郷の町で寝たきりの生活をしている胴体の方にも似た魔法をかけてある。
o川*゚ー゚)o 「だから、私を倒して魔法の効力が切れれば、勝手に元に戻るわ」
現物を見せたところで、魔女は手足を元の保管場所へ転送。その場から避難させた。
o川*゚ー゚)o 「シンプルでいいでしょ?イモっちゃんの手足を気にして、半端なことなんてしなくていいからね」
( ´_ゝ`)
(´<_` )
o川*゚ー゚)o 「と、いうわけで☆」
魔女の姿が、大人の妖艶な肢体へ変化。
今回はいつものドレスの上に、金糸で装飾を施された漆黒の法衣を羽織纏う。
o川*゚ー゚)o 「二人の気兼ねもちゃんと解消したし☆」
( ´_ゝ`)
(´<_` )
o川*^ー^)o 「あらゆる卑劣、あらゆる姑息、惜しまず使ってかかっておいで―――」
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555 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:43:22 ID:ZWuj8HrY0
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o川* ー )o 「―――かわいいかわいい、ぼうやたち」
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556 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/11/03(月) 22:44:05 ID:ZWuj8HrY0
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