■泡になりたいようです。
└その1
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1 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/06/09(土) 22:15:06 ID:ukTN.HiY0
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物語の始まりは
ある曇りの、星が一つも見えない夜のことでした。
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2 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/09(土) 22:21:08 ID:ukTN.HiY0
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['A`]「こんな日でもこの町に暗闇と静寂は訪れないのか。」
海岸で一人の男が光り輝く町を見ながらそう呟きました。
彼は数年前、親友に捨てられてからこの海岸で一人ぼっちでした。
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3 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/09(土) 22:22:00 ID:ukTN.HiY0
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彼の名はドクオ。
彼の頭は木の箱でできおり、顔は油性ペンで書かれたおそまつな顔でした。
そして体は木製で、関節は球体でできており、デッサン人形のような体をしていました。
それゆえ彼は何時も長袖のパーカーを着て顔と体を隠しています。
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5 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/09(土) 22:25:00 ID:ukTN.HiY0
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そんな彼の日課は夜の海岸での宝探しです。
海に乗ってやって来た宝物を見つけては、自分の頭に入れて保管し、昼間にその宝物を取り出して眺めるのが彼の趣味でした。
何時もは星の光をたよりに宝を探すのですが、今日は町の眩しすぎる光を頼りに宝物を探していました。
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6 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/09(土) 22:27:49 ID:ukTN.HiY0
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['A`*]「おっ、エロ本発見!」
['A`*]「うお、これは今までのエロ本で1番…」
《ねぇ》
[;'A`]そ「ひぃっ!!不審者じゃありませんよ!ごめんなさい!!」
星が見えない夜、彼が見つけた宝物は
[;'A`]「…え?」
バシャバシャ
ξ゚听)ξ《ここどこ?》
それはそれは美しい、変な声の人魚でした。
ξ゚听)ξ泡になりたいようです。['A`]
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8 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/06/09(土) 22:59:56 ID:ukTN.HiY0
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「もし、迷子になったならあの1番光り輝く星の光を頼りにしなさい。」
子供の頃、お母さんにそう教えられたことがある。
そして迷子になるたび私はその言いつけを守ってきた。
今回も例に漏れず、仲間とはぐれてしまった。
いつもなら1番光り輝く星の下に行けば皆に会えるのに、今日は困ったことにその星が見付からなかった。
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9 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/06/09(土) 23:03:09 ID:ukTN.HiY0
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ξ゚听)ξ《まいったわね、あの星が見つからないと皆に会えないわ》
星を探してしばらく泳いでいると、沢山の星達が遠くで光っているのが見えた。
でも、星達はいつもは空にいたハズなのに今日は低いところにいるようだ。
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10 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2012/06/09(土) 23:17:55 ID:ukTN.HiY0
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ξ゚听)ξ《きっとあの中に1番光り輝くあの星もあるはずだわ》
私はその星達を目指し、自慢の尾ひれを動かして沢山泳いだ。
なのに…
ξ゚听)ξ《あの1番光り輝く星もないし、仲間もいないじゃない。どうゆうことなの》
['A`]「月は空にしかないし、人魚の仲間は海にしかいないだろ…」
ξ゚听)ξ《じゃあ、私、もう皆に会えないのね。あの星がなくなってしまったもの》
['A`]「いや、月はなくなってないぞ、隠れてるだけで…」
ξ゚听)ξ《仕方がないから、今日からはあなたと暮らすことにするわ》
['A`]「え?」
ξ゚听)ξ《よろしくね》
こうして、ひとりぼっちの人魚とドクオは一緒に暮らすことになりました。
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7 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/09(土) 22:31:57 ID:ukTN.HiY0
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お題募集します。
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