あにさまのようです
その4



61 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/10/25(金) 15:45:29 ID:wqYWxG2Q0
ζ(。_。 ζ「あにさま、あにさま」

( ・∀・)「おはようデレ」

ζ(。_。 ζ「あにさま、おはようございます」

( ・∀・)「ふむ、どうしたんだい。悩みがあるなら聞いてあげよう」

ζ(。_。 ζ「あの……その……」

( ・∀・)「うん」

ζ(。_。*ζ「恋文を……頂きました」

( ・∀・)「」

62 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/10/25(金) 15:46:20 ID:wqYWxG2Q0
ζ(゚、゚*ζ「あにさま、あにさま」

( ・∀・)「」

ζ(゚、゚*ζ「あにさま」

( ・∀・)「……恋文」

ζ(゚、゚*ζ「はい、あにさま」

( ・∀・)「どんな相手だい」

ζ(。_。*ζ「近くの図書館に良くいらしている学生さんです。この間落ちてきた本から庇って頂いて」

( ・∀・)「うん」

ζ(。_。*ζ「時々お話しを……」

( ・∀・)「詩歌の話を?」

ζ(。_。*ζ「はい、あにさま」

63 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/10/25(金) 15:47:05 ID:wqYWxG2Q0
( ・∀・)「デレ、デレ」

ζ(゚、゚*ζ「はい、あにさま」

( ・∀・)「デレは、その差出人を慕っているのだね」

ζ(/、//*ζ「はい」

( ・∀・)「わかった。デレが望むなら、一度つれておいで」

ζ(/、///*ζ「はい、あにさま」

64 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/10/25(金) 15:47:57 ID:wqYWxG2Q0
ζ(゚ー゚*ζ「あにさま」

( ・∀・)「うん」

ζ(゚ー゚*ζ「こちら、棺桶死オサム様」

( ・∀・)「うん」

( ゚_ゞ゚)「棺桶死オサムと申します。今日は、デレさんとの交際のお許しを頂きたく、参上致しました」

( ・∀・)「うん、立ち話も何だから、上がりなさい。お茶を入れよう」

65 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/10/25(金) 15:48:45 ID:wqYWxG2Q0
ζ(゚ー゚*ζ「あにさま、お手伝いします」

( ・∀・)「いや、大丈夫だよ」

ζ(゚、゚*ζ「でも」

( ・∀・)「デレは、あの彼と一緒に居ておやり。居心地が悪いだろうから」

ζ(゚ー゚*ζ「はい、あにさま。ではお願い致します」

( ・∀・)「……」

66 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/10/25(金) 15:49:38 ID:wqYWxG2Q0
( ・∀・)「さて、お茶が入ったよ。まずはおあがり」

ζ(゚ー゚*ζ「はい、あにさま」

( ゚_ゞ゚)「頂きます」

( ・∀・)「ふむ、それで君は、デレと交際していずれは貰い受けたいと」

( ゚_ゞ゚)「はい。お許し頂けるならばそのようにと、考えております」

( ・∀・)「ふむ、ふむ」

ζ(゚、゚*ζ「あにさま」

( ・∀・)「いいだろう。デレが望むなら、僕はデレを送り出そう」

ζ(゚ヮ゚*ζ「あにさま!」

( *゚_ゞ゚)「ありがとうございます。必ずや身を立て、デレさんを幸せに致します」

( ・∀・)「うん」

67 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/10/25(金) 15:50:19 ID:wqYWxG2Q0
( ・∀・)「しかし、なんだ。それは随分と先の事だね」

( ゚_ゞ゚)「はい。お恥ずかしながら、未だ学生の身ですので」

( ・∀・)「それまで待たずとも、さっさと祝言をあげてしまうと良い」

( ゚_ゞ゚)「お気持ちは有り難いのですが、親に世話になる身でそれは」

( ・∀・)「なに、あの世なら学生も何も関係無いさ」

ζ(゚、゚*ζ「え」

( ; _ゞ゚)「ぐう」

ζ(゚、゚;ζ「オサム様!」

( ・∀・)「きっとあの世で幸せにおなり」

68 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/10/25(金) 15:51:41 ID:wqYWxG2Q0
ζ(゚、゚;ζ「オサム様! オサム様!」

( ・∀・)「大丈夫だよデレ。君も直ぐだ」

ζ(゚、 ;ζ「早くお医者さ あぐっ」

( ・∀・)「目を閉じるまで頭を撫でてあげようね。話をしながら、昔良くしてあげたろう」

ζ( 、 ;ζ「どうして、あにさま……」

( ・∀・)「どうして、どうしてか。最初の君の祝言は祝ったんだよ。詩歌の好きな優しい夫だった。そうしたら、君は夫婦で事故でこの世を去った」

( ・∀・)「残された赤子に、悩んでデレと名付けた。デレに良く似たデレは、長じてまた、詩歌を好む伴侶を連れてきた。またデレが死んでしまう。許せぬと思った」

69 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/10/25(金) 15:52:36 ID:wqYWxG2Q0
( ・∀・)「男を殺した。庇ったデレも一緒に殺してしまった」

( ・∀・)「でもそれで良かったんだ。僕とて、デレをこの手にかけたくはない。けれどいずれ誰ぞに摘まれる命なら」

( ・∀・)「僕が殺してやらねば。せめてデレを愛する僕が、何度でも」

( ・∀・)「この世の不幸を受ける前に、あの世での幸福を」

70 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/10/25(金) 15:53:27 ID:wqYWxG2Q0


「ああデレ、次のデレも、直ぐに見つけてあげるからね」



おやすみと少女の髪を撫で、男がかき消えた後には、若い男女の骸がふたつ。

遠く離れた赤子の家で、夫婦揃って骸がふたつ。
その傍らに、赤子を抱いて影ひとつ。

71 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/10/25(金) 15:54:14 ID:wqYWxG2Q0
(;ー;*)「ふぎゃ、ふああ」

( ・∀・)「なんだいデレ。どうしたんだいデレ」

(;ー;*)「ふぎ、ふぎゃぎゃ」

( ・∀・)「安心をし。僕は妹に手を出す獣ではないし、デレの好きな詩歌をいくつも読んでやろう。一緒に眠ってやろう」

( ・∀・)「君にいくつも幸福をあげよう。君が幸福になる為に、何でもしよう」


( ・∀・)「だけど出来れば、今度の君は、僕と永を生きておくれね」

72 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/10/25(金) 15:54:57 ID:wqYWxG2Q0



妹の幸福を願うあにさまと、その妹達のおはなし。



<<<その3あとがき>>>

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