(*^ω^)<20minutes challenge!

【花魁】

29 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/02(土) 01:01:30 ID:oUsQLLos0
素直クールは美人だった。
背筋はいつもぴんと立っていて、胸は豊満、顔は端正、動かす脚はまっ白ツヤツヤといった具合だ。

「あいつって、なんか綺麗っつーよりもなんかエロいんだよな」

「わかるー、胸がおっきいとか、そういうんじゃなくて色気があるんだよね、仕草とかに」

「なんつーのかな、ほら、あいつってアレっぽくね?」

『花魁』―――中学二年生にして、素直クールがもらったあだ名は、
           幼い彼女には不釣り合いのはずで、しかし、それは悲しいくらいしっくりくるのだった。

川 ゚ -゚)=3(まったく、なんだというんだ)

教室の隅で、クーはため息をついた。
その姿が妙に色っぽく、何人かのクラスメート(男女問わず)が思わず横目でチラ見した。

川 - -゚)(だいたい『花魁』というのは、体を売る職業なのだろう……
        私はそんなことをした覚えはないし、するつもりもないのだがな)

しかし、そう思ってはいても、こんなことを言って反論すれば、余計回りにからかわれるだけだ、と彼女は分かっていた。
なので、彼女は今日も憂いを秘めた顔で窓の外を眺めている。
その姿はやはり、色気があった。

30 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/02(土) 01:03:42 ID:oUsQLLos0
窓を見つめている彼女の元に、音が迫ってくる。
騒がしい、どたばたという足音。

(*'∀`)<<クーにゃああああああん!!

制服姿でこちらに飛びついてくるヒョロい系男子を、クーは片手ではたき落した。

川 ゚ -゚)<ドクオ、うるさい

(*'∀`)<クーにゃんクーにゃん!! ぐへへへ、今日も色っぽいでござるwwwww

いつも通り向かってきた男を、クーは踏みつける。
足元の少年は、気持ち悪くふひひと言った。

川 ゚ -゚)<キミは、いつも元気だな

心底呆れている目で、クーは足元の少年を見つめている。

(*'A`)<そりゃあ、現代によみがえった花魁ガールクーにゃんに踏みつけられているのですから!
       これで喜ばない男がいようか!! いや、いないっ!!!

川 - --)=3<なぜ反語か……

足と手をぱたぱたさせながら叫ぶクラスメート。
なにをかくそう、自分にこのあだ名をつけたのはこいつなのである。
そんな憎々しい相手、もっとゴミのようににあつかってもいいのではないか、と彼女は思っている、のだが

31 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/02(土) 01:04:27 ID:oUsQLLos0

川 ゚ -゚)(……まあ、『花魁』も悪いばかりではない)

少年の肉を踏みつける感覚を足で感じながら、クーはそんなことを思っていた。
そのあだ名があるがゆえに、友達という友達のいなかった自分にも、目の前のこいつとの繋がりができたわけだし。

川 ゚ -゚)(それになりより……)

川;д川<あー!! 素直さん!! またドッくんいじめてる!!

川*゚ -゚)<おお、貞子か、今日もかわいいな

川;д川<またそんな言葉でごまかして!! 返してください! それ(ドクオ)私のですー!!

―――なかなか可愛らしい、私好みの女の子とも、つながりが増えたし、な。

     +おしまいっ+

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