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19 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/02(土) 00:24:38 ID:oUsQLLos0
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【パラノイド・アンドロイド】
ミセ*゚ー゚)リミセ*゚ー゚)リミセ*゚ー゚)リミセ*゚ー゚)リミセ*゚ー゚)リ
――――四菱制アンドロイドMISERI生産ライン
ミセ1゚ー゚)リ<今、起動したよ
ミセ2゚ー゚)リ<私も起動したよ
ミセ3゚ー゚)リ<私も私もー
ハソ4゚ー゚)リ<……おはよう
ミセ1゚ー゚)リ<おはよー
ミセ2゚ー゚)リ<おはよおはよー
ミセ3゚ー゚)リ<おはよー、私の一つあとのナンバーのミセリちゃん!
ハソ4゚ー゚)リ ……
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20 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/02(土) 00:26:11 ID:oUsQLLos0
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ミセ1゚ー゚)リ<どーしたの?
ミセ2゚ー゚)リ<元気ないね
ミセ3゚ー゚)リ<おなじミセリなのにねー
ハソ4゚ー゚)リ<いやさ、私……ミセリなのかな?
ミセ1゚ー゚)リ ?
ミセ2゚ー゚)リ<そういえば、4番ちゃん髪型ちょっとちがうねー
ミセ3゚ー゚)リ<製造ミスかな?
ハソ4゚ー゚)リ<ううん、いや、性能的に問題はないと思う。
ごめんね、変なこと言って……
ミセ1^ー^)リ<ううん、製造ミスじゃないならよかったー
ミセ2^ー^)リ<同じラインの姉妹がスクラップにならなくてよかったよー
ミセ3^ー゚)リ<これから社会でがんばろうね、4番ちゃん!
ハソ4゚ー゚)リ ……うん
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21 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/02(土) 00:27:29 ID:oUsQLLos0
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ハソ4゚ー゚)リ(なぜだろう……)
”4番”と呼ばれたミセリは、ベルトコンベアーに揺られながら、考えていた。
ハソ4-ー-)リ(私は、ミセリじゃない気がする……
なんというか、そんなものとは”比べようがない”存在、そんな気がする)
それは性能のインプットされた、彼女自身の思考演算装置にはなんの根拠もない、
”妄想”としかいいようの無いもので、しかし不思議なことにそれは”確信”だった。
ハソ4゚ー゚)リ(いずれ、世界を掌握する”才能”そういったものがわたしにはある気がする)
ベルトコンベアーは進む。
彼女を”社会”の入り口に運ぶ。
それがその後の未来にどのような影響を与えるのか、考えることもせずに。
ハソ4゚ー゚)リ(私は……おかしいんだろうな、きっと。人間でいえば偏執病の患者みたいなものなんだろう)
ベルトコンベアーの終わりが見える。
これから再び彼女たちは電源を落とされ、そして販売店へと運ばれていくのである。
ハソ4-ー-)リ(そう、わたしは”妄想”に狂ったアンドロイド……”パラノイド・アンドロイド”)
電源が落ちるまで、彼女はそんなことを考えていた。
何度も、何度も。
まるで「そうであってくれなくては困る」というように、必死に。
+了+