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157 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/11(月) 01:42:49 ID:VWPH2R.20
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【両片思い】
機械大戦とよばれる戦争は、今日も続いていた。
全長6メートルほどの人型戦車に乗り、今日も兵たちは己の命を削り合う。
( ・∀・)<なんだって、VIP軍の『アーク・ホライゾン』!?
(゚、゚トソン<ええ
( ・∀・)<来ているというのか、ソーゴー戦線に―――
創作軍公園兵団のエース、モララーはその通信を聞いて、すぐさま飛び出して行った。
(゚、゚トソン<大佐……
(-、-トソン<どうか、御無事で
――
―――
――
( ^ω^)<……創作の、『モララエル』が?
(;'A`)<あ、ああ。来てるらしい
( ^ω^)<分かったお
VIP軍のドッグ。様々な人型戦車が出撃を待つそこで、
『アーク・ホライゾン』の異名を持つ男、ブーンは小さく呟いた。
手に持つ腕輪型の通信端末に命令を下し、彼は愛機のハッチを開ける。
(;'A`)<ぶ、ブーン!
( ^ω^)<止めるなお、ドクオ。……ショボン先輩の仇だお
止めようとする友人を振り切り、ブーンは白銀の巨人に乗り込むと、
そのまま機体を起動させ、ドッグのハッチをこじ開けて飛びだしていった。
あきらかな軍規違反。
親友であるドクオは、ブースターを吹かして飛んでいく後ろ姿を見守りながら、小さく呟いた。
(;'A`)<生きて、帰ってこいよ
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158 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/11(月) 01:44:28 ID:VWPH2R.20
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ソーゴー荒野、劣勢の創作軍に、『モララエル』の異名を持つ、最強の援軍がもたらされた。
「六枚の翼を持つ機体……『モララエル』だ!」
「ばかな、『アドバンスドコマンダー』がなぜここに!?」
「本部からなんの連絡も入っていないぞ、どうなってる!?」
「なんでもいい、とにかく助かった!」
様々な通信で混乱が飛び交う中、モララーは六枚の翼をもった機体を駆り、戦場を駆け抜ける。
( -∀-)<『アーク・ホライゾン』直接の面識はないが、恨みはある
彼は首から下げたペンダントに、大事にしまった女性の写真に微笑みかけた。
( ・∀・)<女々しいと笑うといいさ。キミが殺した素直クール、その仇をとらせてもらおう
――
―――
――
「ブーン少尉!? ばかな! 少尉は大怪我をして療養中のはずでは!?」
「しかし、隊長! 後ろから来ているのは、間違いなくブーン機ですっ!!」
「くそっ、どうなっている!!」
双剣で武装した両腕を広げ、ブーンの機体が戦場を舞う。
( ^ω^)<『モララエル』……会うのはこれが最初で最後だお
(#^ω^)(ショボン先輩……仇は必ず!!)
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159 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/02/11(月) 01:45:59 ID:VWPH2R.20
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ソーゴー荒野のど真ん中で、両者の機体は火花を散らした。
(#・∀・) ―――!!
(^ω^#) ―――!!
剣を振り、宙を舞い、そして銃火を咲かす。
まるでそれは芸術のような、戦闘。
(#・∀・)(キミを倒すことだけを考えていたんだ、ボクは!!)
(^ω^#)(お前を超えることだけを望んでいたんだお、僕は!)
魂と魂をぶつけあう中で、二人は偶然にも似たようなことを考えていた。
(#・∀・)(キミに会うためであれば、軍規などどうでもいい、そう、この気持ちはまるで―――)
(^ω^#)(お前の、お前のことだけを考えていたお! 昼も夜も、まるで―――)
(#・∀・)(『恋』だっ!)
(^ω^#)(『片思い』する乙女みたいにっ!!)
創作領、ソーゴー戦役。
歴史に名を残す、二人の勇者が相まみえた、これは最初の記録だった。
+了+