- 342 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:37:31 ID:TnCX8rqY0
-
そうして季節が一巡り。
.
- 343 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:37:51 ID:TnCX8rqY0
-
■ 春のアパート ■
- 344 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:38:28 ID:TnCX8rqY0
-
(,,;Д;)「皆さんさようならあああ」
──3月の真昼。
アパートの前で号泣する男が1人。
坂道の桜並木は、まだ満開ではないが優しく色付いている。
- 345 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:41:51 ID:TnCX8rqY0
-
川 ゚ -゚)「結婚式には呼べよ」
(,,;Д;)「はいっ、……はいっ! 来てくださいね、絶対来てくださいね!」
∬´_ゝ`)「2年の付き合いだったけど、濃かったせいか10年分に感じるわ」
(,,;Д;)「に、2年間、本当に! お世話になりました!!」
鼻水まで垂らしながら泣くギコが、一人ひとりに握手をしていった。
──地元の恋人の家に、婿入りすることが決まったそうだ。
とはいえすぐに結婚するわけでもなく、地元で一層頑張って
相手方の親に真に認められてからようやく正式な婚約に至る、という流れらしい。
まあ、まだ20歳。彼ならばこれからもどんどん成長していけるだろう。
- 346 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:42:56 ID:TnCX8rqY0
-
( <●><●>)「うるさいのが居なくなって清々するやら寂しいやら」
(,,;Д;)「俺は寂しいですううう」
/ ,' 3「がんば」
(,,;Д;)「はい! 頑張ります!」
( ;ω;)「応援してるおー! ……301号室がぽっかり空いて寂しくなるお……」
(,,;Д;)「こんなにいいアパートですもん、きっとすぐにいい人が引っ越してきます!」
ブーンとギコが、がっしりと抱き合う。暑苦しい。
すぐにブーンを引き剥がしたギコが、ツンの手を握ってぶんぶん振った。
(,,;Д;)「ツンさん、一年間ありがとうございました!
正月に彼女にプリン作ったら喜んでもらえました、ツンさんのおかげです!」
ξ゚听)ξ「……お元気で」
(,,;Д;)「はい、皆さんも!」
ギコの手が離れる。
この騒がしさとも今日でお別れかと思うと、まあ寂しくなくもないような、そうでもないような、
──とても寂しい。
けれどもめでたいことだから。
みんなも、すっきりと見送れる。
- 347 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:43:50 ID:TnCX8rqY0
-
ギコが一歩下がると同時、エントランスから飛び出してくる者がいた。
('、`;川「す、すみません遅れて……! ギコさんもう行っちゃいましたか?」
川 ゚ -゚)「いや、いま出るとこだ」
爪'ー`)
慌てた様子で息を切らすペニサス。
その少し後に、彼女の大きな鞄を持ったフォックスが現れた。
(,,;Д;)「ペニちゃん頑張って! お兄さんも寂しさに負けないで!」
('、`*川「はい、ギコさんもどうか頑張ってください」
フォックスは無言だったが、ひらひら、緩く手を振った。
少しずつではあるけれど、日に日に他の住人への態度が改まってきている。
- 348 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:44:57 ID:TnCX8rqY0
-
ペニサスも一人ひとりに挨拶をして、最後に兄と向かい合った。
一月前、
アパート住人全員を巻き込む壮大な大喧嘩──という名の、赤裸々な本心のぶつけ合い──を繰り広げた兄妹は、
あれ以来、互いに遠慮と過剰な甘やかしが減りつつあった。
('、`*川「……今までずっと、ずっと、ありがとう。いっぱい迷惑かけてごめん。
──私をあそこから助けてくれて、ありがとう。ここに来られて幸せでした。
本当に、本当に、お世話になりました」
たくさんのことをはきはきと言い切って、深く深く頭を下げる。
その頭を撫でようと伸ばした手を引っ込め、フォックスは彼女に鞄を渡した。
- 349 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:46:07 ID:TnCX8rqY0
-
爪'ー`)「……何かあったら戻ってこいよ」
('、`*川「……ううん、何があっても戻ってこない。けど」
ぱっと勢いよく顔を上げて。
受け取った鞄を力強く持ち上げると、ペニサスは満面の笑みを浮かべた。
('ー`*川「兄ちゃんこそ、どーしても嫌なことあったら、私のとこにおいで」
爪'ー`)「……行かねえよばーか」
('ー`*川「知ってる。……へへ、兄ちゃんに馬鹿って言われたの初めてだ」
.
- 350 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:47:02 ID:TnCX8rqY0
-
ギコとペニサスが、何度も振り返りながら坂道を下っていく。
駅までは見送らない。
2人にとってここの住人達との思い出の一区切り、その背景が
このアパートであってほしいから。──そう言ったのはブーンだったか。
( <●><●>)「あの兄妹喧嘩からずいぶん強くなりましたね、伊藤は」
爪'ー`)「うん」
川 ゚ -゚)「普通に会話するセンセーとフォックスさんの姿にまだ慣れない」
∬´_ゝ`)「会話っつったってフォックスは適当に相槌うつばっかりだけどね」
2人の姿が見えなくなって、クールとワカッテマスは先にアパートへ引き揚げた。
フォックスは未だ、ぼんやりと坂の下を眺めている。
- 351 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:47:51 ID:TnCX8rqY0
-
ξ゚听)ξ「春ですね」
ツンがそう言うと。
フォックスはちらと横目にツンを見て、小さく頷いた。
爪'ー`)「うん」
隣で泣きじゃくっていたブーンが、はたと顔を上げる。
フォックスを見て、ツンを見て、それから泣きながらも柔らかく笑ったので。
302号室が、いくらか軽くなったのだと思う。
きっとすぐには全てを消せないけれど。
あるいは一生抱えていくのかもしれないけれど。
少しずつ、少しずつ。ブーンが食べて、薄くしてくれる。
.
- 352 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:50:00 ID:TnCX8rqY0
-
フォックスもアパートの中へ引っ込んでいった直後、
郵便配達員がアパートの前に停まった。
美布ハイツは外壁に各戸の郵便受けが付いている。
∬´_ゝ`)「あ、来た来た」
配達員が大判の封筒を持っているのを見て、姉者がそれを直接受け取った。
その場で封を開ける。
( ^ω^)「何だお?」
∬´_ゝ`)「何かね、イギリスで活動してる日本人の作家が、訳者に私を指名してきたんですって。
その契約の確認とかの書類。まだ契約するか決まってないけど……
何で指名してきたのか分かんなくて怪しいのよねえ」
2、3枚の紙を出し、姉者が気怠そうに文面を読み進めていく。
あまり乗り気ではないのかもしれない。
2枚目に目を通した姉者は、
∬´_ゝ`)「あ、あの名前ペンネームだったんだ」
と呟いた後──
視線を下げて、目を見開いた。
- 353 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:50:46 ID:TnCX8rqY0
-
震える声で彼女が呟いた名は、ツンにも聞き覚えがあって。
姉者が泣きそうな──悲しみではなく嬉しくて堪らないというような顔をして、
ポケットから携帯電話を取り出し、アパートの中へ駆け込んでいった。
ξ゚听)ξ「……あちこちで花が咲いてる気分」
(*^ω^)「おっおー」
/ ,' 3「お、おー」
ブーンを真似た祖父が、踵を返す。
しかし立ち去るわけでもなく、ツンの手を軽く握って、すぐに離した。
- 354 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:51:45 ID:TnCX8rqY0
-
/ ,' 3「ツンが来て、一年になる」
ξ゚听)ξ「……そうだね」
/ ,' 3「ツンが管理人になってくれて、良かった」
ξ゚听)ξ「おじいちゃんこそ、呼んでくれてありがとう」
思いのほか素直にその言葉が出てきた。
祖父が珍しく驚いたようにツンを見て、薄く笑って顔を逸らす。
/ ,' 3「……ごめんなあ、ツン」
ξ゚听)ξ「……何が?」
/ ,' 3「ブーンの手伝いまで、任せちまって」
ひらり。どこからか飛んできた花びらが、2人の間を舞った。
- 355 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:52:53 ID:TnCX8rqY0
-
ξ゚听)ξ「──いいよ」
/ ,' 3「じいちゃんな、」
ξ゚听)ξ「いいよ、おじいちゃん。私、大丈夫だから」
/ ,' 3『……ツンは、優しいから』
自分が優しい、とは、思えないけれど。
祖父はツンの性格をきちんと把握した上で、誘ったのだろう。
その上ツンがブーンの「仕事」を見つけてしまうことまで見越して。
ブーンの仕事は、心ない者に知られてしまえば危険なものだ。
人の弱味に踏み込む仕事だから。
だから祖父はツンを選んだ。
最低限、そしてなるべく最大限にブーンのことを手伝えるツンを。
- 356 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:56:04 ID:TnCX8rqY0
-
( ^ω^)「荒巻さん、ツンは強いお」
/ ,' 3「ふえ……」
( ^ω^)「たしかに繊細なとこもあって、僕の仕事を手伝うと罪悪感を抱くこともあるし、
細かいことをたくさん悩んだりもするけれど──
それを全部受け入れて構えていられる度量があるんだお」
( ^ω^)「言い方を変えれば、図太い」
余計なお世話だ。けど。
たしかに実際、図太いところがあると思う。
ブーンに「後悔」の飴玉を食われるのを一晩で許容できるようになる程度には。
言っては何だが、図太くなきゃ、二十何年もこんな性格していない。
( ^ω^)「ツンはギコ達とはまた違った理由で、根深い淀みが溜まりにくいタイプだおね。
最近ようやく確信した」
ξ゚听)ξ「え……そうなんだ」
( ^ω^)「そうだお。うん、ツンは大丈夫。
それに一年前に比べると、飴玉を出す頻度も減ってきてるし、
みんなとも打ち解けてきてる」
( ^ω^)「──だから、荒巻さんも、もう後悔しなくていいんだお」
- 357 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:57:42 ID:TnCX8rqY0
-
( ^ω^)「長年、アパートの手入れと僕の手伝いをしてくれて、
本当にありがとうございました」
一礼したブーンが祖父の手を握る。
祖父はブーンを見上げ、
/ ,' 3「……そうかあ」
皺だらけの顔を更に皺くちゃにさせ、とてもとても嬉しそうに笑った。
そうか、うん、そうか。
繰り返し、祖父が一歩踏み出す。
/ ,' 3「やっぱり、ツンを呼んで、良かったなあ」
ξ゚听)ξ「……ん、ありがとう」
/ ,' 3「ツンが毎日ブーンのお手入れしてくれるおかげで、ブーンも元気」
(;^ω^)「あっ、ちょっ……!」
瞬間、ブーンが肩を跳ねさせた。
おや、と祖父が首を傾げる。
そして彼はとぼけたような顔をして、
/ ,' 3「失敗、失敗」
ふえふえ笑ってアパートに入っていった。
──絶対わざとだ。
- 358 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:58:23 ID:TnCX8rqY0
-
いつの間にやら2人きり。
ぽかぽか陽気の中に広がる冷ややかな沈黙。
ブーンは凝視するツンから懸命に目を逸らしているが、
とうとう沈黙に耐えきれなくなったか、明後日の方を見ながら頬を掻いた。
(;^ω^)「やだなあもう、荒巻さん、お歳かな」
ξ゚听)ξ「言っとくけど、もう大体想像ついてたから」
(;^ω^)「嘘ォ!」
物凄い勢いでこっちを見た。首が折れるぞ。
いつ言ってやろういつ言ってやろうと先月からずっと思っていたが、
まあ、ここらがいい頃合か。
- 359 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/03(日) 23:59:14 ID:TnCX8rqY0
-
ξ゚听)ξ「淀みが溜まり続けると人の形になるのよね」
(;^ω^)「……そうだお」
ξ゚听)ξ「じゃあ、心を持った『家』の淀みが溜まり続けたらどうなるの」
そう訊いてやれば。
ブーンは──美布ハイツは、観念したように頭を掻いた。
- 360 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/04(月) 00:00:48 ID:HqVU.I6o0
-
( ^ω^)「まあ『家』ってのは、みんな心が強いもんだお。
だから家自体は淀みを吐き出したりしない」
仕方ないとばかりに語り出す彼の声に、ほんのちょっと、ツンの心が弾んだ。
( ^ω^)「──家は、人を守る場所だお。
雨から、風から人を守る。
人の体だけじゃなくて時々、心も守る。それが家の仕事。
だから家自体の心が強くなきゃやってらんないわけだお」
ξ゚听)ξ「うん」
( ^ω^)「でも僕は多分、元からちょっと変だったんだお。
そこらの『家』に比べると、心が弱かった。
……もちろん、君たち人間と比べたら遥かに強いけど」
低い声が心地いい。
お手入れを欠かさず、大事に大事にしてきた古い楽器のよう。
- 361 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/04(月) 00:01:49 ID:HqVU.I6o0
-
( ^ω^)「家の中って、それもたくさんの人が住むアパートって、色んなことが起こるお」
ξ゚听)ξ「その『色んなこと』を見てきたからブーンは、……美布ハイツは淀みを生んでしまったの?
あなたが出来てしまうぐらいに」
( ^ω^)「そういうことだお。語りきれないくらいたくさんの、色んなこと」
寂しげに微笑む顔は、ちょっと見とれてしまいそうだ。
大切に使い込んだ、古いインテリアのような深み。
ξ゚听)ξ「……誰もあなたの淀みは食べてくれない」
( ^ω^)「まあね」
ξ゚听)ξ「どうせ私にも食べられないんでしょ」
( ^ω^)「あれは『家』にしか食べられないものだから」
ξ゚听)ξ「じゃあ、ブーンの心もいつか死んじゃうの?」
( ^ω^)「さっきも言ったけど君達よりは遥かに強いから
取り壊されるほど古くなるまでは、健在だと思うお」
ξ゚听)ξ「それはそれで、辛くない? ずっと淀みを抱え続けて……」
( ^ω^)「それが意外とそうでもないお!」
いたずらっぽく笑って、彼は両手を広げると
くるりとその場で回った。
- 362 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/04(月) 00:02:30 ID:HqVU.I6o0
-
( ^ω^)「家は、踏まれることが好きだお。
床を踏んで、色んなところを歩いてもらうのが好き」
ξ゚听)ξ「窓割られただけで、痣つくって具合悪くしてたくせに」
(;^ω^)「それはまた別問題。悪意でもって壊されたらやっぱりちょっとは痛いお。
少し休めば大丈夫だけど」
くるり、くるり。
踊るように回る彼の周りを、花びらがひらひら落ちていく。
- 363 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/04(月) 00:03:26 ID:HqVU.I6o0
-
( ^ω^)「座られるのも好きだお。みんなが触れてくれるのが好き。
声を聞かせてくれるのが好き。見てくれるのが好き。
ご飯を食べているのが好き。穏やかに眠っているのが好き。笑っているのが好き。
──そこに居てくれるのが好き」
( ^ω^)「掃除してもらえると、とても大事にされてる気がするからすごく好き」
そう言って足を止め、彼はツンに笑いかけた。
少し照れ臭くて口を尖らせる。
( ^ω^)「家は、住んでいるみんなのことが大好きなんだお。
だから僕もね、みんなが生活しているだけで、ずいぶん救われてるお」
- 364 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/04(月) 00:05:25 ID:HqVU.I6o0
-
( ^ω^)「それにこうして人間の姿でいると、みんなと直接お話しできるから
何だかんだいって他の家たちより得してるってもんだお」
ξ゚听)ξ「そういうもん?」
( ^ω^)「そういうもん。まあ、あの丸い鍵を使わなきゃ『内面』に出入りできなくなるし、
おかげで仕事を人に見付かるリスクもあるからたまに不便だけど」
ξ゚听)ξ「そうだね、私にもおじいちゃんにもペニサスさんにも見付かってる」
(;^ω^)「荒巻さんの場合は仕方なかったの! 話せば長くなるけど!
……でもそんなの大幅に上回るくらいのメリットがたくさんあるお」
ξ゚听)ξ「ブーンにプライベートが筒抜けなのかと思うとこっちにはデメリット」
(;^ω^)「意識しなけりゃあんまり見えないもんだから!
そりゃ、様子がおかしかったらたまに見ちゃうけど、でも少しだし」
──本当に、住人のことが好きで好きで堪らないのだろう。
大好きだと語っていたときの顔が、とろけるほどに幸せそうだったから。
- 365 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/04(月) 00:06:26 ID:HqVU.I6o0
-
一通り語り終え、ブーンがアパートへ足先を向けた。
( ^ω^)「君もいつかはここを離れて、別の家に住むと思うお。
アパートでもマンションでも一軒家でも」
ξ゚听)ξ「うん」
( ^ω^)「そしたらその家のことも、たまにでいいから掃除してあげてくれお。
その家だって、君のことを何かしら助けているのは間違いないから」
ξ゚听)ξ「分かってるよ」
──「淀み」を食べるのは、家の仕事。
ツンにはブーンの淀みを食して消化することは出来ない。
ブーン自身、住人とコミュニケーションをとることを喜んでいる。
ならば。
- 366 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/04(月) 00:07:24 ID:HqVU.I6o0
-
ξ*゚ー゚)ξ「……それまでは、このアパートの手入れをいくらでも頑張ってあげる」
せめてブーンと住人達が今より更に幸せでいられるよう、自分に出来る限りのことをしよう。
.
- 367 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/04(月) 00:08:12 ID:HqVU.I6o0
-
優しく暖かい春に。
青く賑やかな夏に。
彩り深く豊かな秋に。
穏やかに寄り添う冬に。
それぞれの季節に残される誰かの悔いを
なるべくブーンが食べ残さぬように。
.
- 368 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/04(月) 00:08:58 ID:HqVU.I6o0
-
それがここの管理を任された者の──女王様の仕事だろう。
.
- 369 名前:名無しさん[] 投稿日:2016/04/04(月) 00:09:21 ID:HqVU.I6o0
-
ξ゚听)ξくいのこした四季たちのようです
■ 終 ■
支援イラスト