彼には見えているようです (^Д^,, )

77 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 23:55:53 ID:BwRLmA9U0


 なんの偶然か、わかりませんが

( ,,^Д^) 「あ」

(#゚;;-゚) 

( ,,^Д^) 「……よろしくお願いします」

(#゚;;-゚) 「……? よろしく」

 焼き芋の件の翌月、僕はでぃさんの隣の席になりました
 だから、というかなんというか


(#゚;;-゚) 「……あ」

( ,,^Д^) 「?」

(#゚;;-゚) 「……」

(゚;;-゚#) チラ

o川*゚ー゚)o 「それでさー」

ζ(゚ー゚*ζ 「えー?」

78 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 23:56:49 ID:BwRLmA9U0


(゚;;-゚#) 「……」

( ,,^Д^) 

( ,,^Д^) 「……あの」

(#゚;;-゚) …?

( ,,^Д^) 「教科書、忘れたんだったら、見ます?」

(#゚;;-゚) 


 あれ以降、僕はでぃさんと少し話をするようになりました



ミ,,゚Д゚彡 「はい、では今日の総合学習はグループごとに分かれてディベートをすることに……」


         【議題:目玉焼きにはソースか醤油か】


( ,,^Д^) 「……」 ← ソースグループ

<_;フ´ー`)フ 「……んでこんな心底どうでもいい討論やんなきゃなんねーの……?」 ←ソースグループ

79 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 23:57:20 ID:BwRLmA9U0


(-_-) 「議題じゃなくて、討論することそのものが大事って先生言ってたでしょ」 ←醤油グループ

<_プー゚)フ 「にしたってクソすぎんよ」 ←個人的には塩派

(#゚;;-゚)  ←醤油グループ

( ,,^Д^) 「……えっと、でぃさん」 ←個人的には醤油派

<_プー゚)フ ! 

(-_-) !? ←そもそも目玉より玉子焼き派

(#゚;;-゚) 「……?」 

( ,,^Д^) 「なにか、意見あります?」

(#゚;;-゚) 

(#゚;;-゚) 「……完熟か、半熟かのほうが、よかった」

<_プ−゚)フ

(-_-)

( ,,^Д^) 「あっはは。僕は半熟のを割って食べますねー」

(#゚;;-゚) 


...........

80 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 23:57:41 ID:BwRLmA9U0


(#゚;;-゚) 「……あ」 バッタリ

( ,,^Д^) 「おや」 バッタリ

(#゚;;-゚) 「……」

( ,,^Д^) 「……」

( ,,^Д^) テクテク

(#゚;;-゚) テクテク....

( ,,^Д^) (……もしかして、帰る方向一緒……?)

(#゚;;-゚) テクテク


 なんだかんだで、時々一緒に帰ったりも、するようになったりして
 ちょっとずつですが、会話をするようになりました


 ……ちょっとずつ、だったんです
 そんなに、ガッツリ話し込んだわけでは、なかったんです

81 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 23:58:21 ID:BwRLmA9U0
 … … …



(#゚;;-゚) ヨロヨロ

( ,,^Д^) 「……えっと、袋、持ちましょうか? 途中まで、ですけど」

(#゚;;-゚) 「……別に、いい」 フラフラ

( ,,^Д^) (……) 

 帰り道、でぃさんは時々スーパーに寄ると、大きな買い物袋を抱えて出てくることがありました
 袋から飛び出した長ネギなんかを見る限りでは、夕飯の材料のように思われたのですが

( ,,^Д^) 「持ちますよ、やっぱり」 ヒョイ

(#゚;;-゚) 「あ」

( ,,^Д^) テクテク

(#゚;;-゚)

( ,,^Д^) 「……料理とか、するんですか?」

(#゚;;-゚) 

(#゚;;-゚) 「……うん」

82 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 23:59:05 ID:BwRLmA9U0



( ,,^Д^) テクテク

(#゚;;-゚) 「お母さん、よく言ってるから」

( ,,^Д^) 「ふむ」


(#゚;;-゚) 「誰のおかげで食べてけてると思ってるんだー、って」


( ,,^Д^) 

 ……ここで、預かってたレジ袋を取り落とさなかったのは 
 我ながら、よく耐えたと思います

83 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 23:59:25 ID:BwRLmA9U0

(#゚;;-゚) 「お父さんが、いなくなってから、かな……」

( ,,^Д^) 

(#゚;;-゚) 「……おじいちゃんが、生きてたころは。食べ物は大事なんだって、人間食べなきゃ死ぬんだって、よく言われた。
      だから、確かにそうだな、って。私は、お母さんのおかげで食べていけてるんだから」

(#゚;;-゚) 「料理の手間くらいは、私がやらないと、ダメなんだなって。なるほど、って……」

                    (゚;;-゚#)
( ,,^Д^)

(゚;;-゚#) 「どうしたの?」

( ,,^Д^)

( ,,^Д^) 「……ああ……いえ……」


 ……ガッツリ、話し込んだわけでもないのに
 さらりと、なんでもないことのように飛び出す、その台詞から
 見えてくるものが、いろいろと、多すぎて―――



――――――

84 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 23:59:54 ID:BwRLmA9U0




(#゚;;-゚)     ( ,,-Д-)   ブオオオオオオ         |洗面所|

(#゚;;-゚)     ( ,,^Д^)   ブオオオオオオ.....        |洗面所|

(#゚;;-゚)    (^Д^,, )   ブ......              |洗面所|


(^Д^,, ) 「……えっと、何してるんです?」

(#゚;;-゚) 「鏡、見てた」

 風呂上がり、僕が髪を乾かしている間、でぃさんはずっと
 ずっと、洗面所の鏡を見つめていました

(#゚;;-゚) 「……映らないけど。私は」

( ,,^Д^) 「まあ、幽霊ですしね……」 


(#゚;;-゚)  ジーーーーー   |鏡|


( ,,^Д^) 「……あの、ところで」

85 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:00:32 ID:6XMG5Ti20


(#゚;;-゚) ?

( ,,^Д^) 「えーと、もう夜も遅いですけど……」

(#゚;;-゚)

( ,,-Д-) 「……」

( ,,-Д-) 「……いえ。やっぱりなんでもないです」

(#゚;;-゚) 「そう」      |鏡|


 ……今晩、ずっとここにいるつもりなんですか? と
 聞こうと、思ったんですが

 それは、遠回しに『出ていけ』と伝えるも同然 そんな気がして
 そしてそれは、半分くらい『自分の家に行かなくていいのか』と、そう伝えることにもなりそうで

86 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:01:35 ID:6XMG5Ti20



                ( ,,^Д^)          |鏡|

(#゚;;-゚)           (^Д^,, )          |鏡|

               ( ,,^Д^)          |鏡|


( ,,^Д^)        |鏡|

 後ろを向けば、そこには、確かに でぃさんが、ふわふわと浮いていて
 けれど、鏡に映るのは僕ひとり


( ,,^Д^)


( ,,^Д^) 「僕が、見ているのは……」


(#゚;;-゚) ?


( ,,^Д^) 「……なんでも、ないです」



 ..............

87 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:03:11 ID:6XMG5Ti20

 ――と、いうわけで
 豆電球の薄闇の中、部屋の隅で控えめに浮いているでぃさんの視線を感じつつも(幽霊は寝ないらしいです)、どうにか眠りについた翌日


( ,,^Д^) 「……調べてみようとか、自分で言っといてなんなんですけど」

( ,,^Д^) 「これ以上、見に行くとこ……心当たりとか、あります?」

(#゚;;-゚) ウーン.....

(#゚;;-゚) 「特には」

(;,,^Д^) 「ですよねー……」

 自殺でもなければ、他殺でもなく、事故死とも言いがたい
 神様が言ったらしい、その言葉
 未だ工事中のファイナル橋を横目に見ながら、僕たちは登校していました

88 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:03:49 ID:6XMG5Ti20

( ,,^Д^) 「えっと、不謹慎だったら申し訳ないんですが」

(#゚;;-゚) ?

( ,,^Д^) 「……一見、事故死のように見える死の、その裏に隠された陰謀、真相……とか。
       そういうのを、突き止めろ……思い出せって言われたのかなあと、そう思ってたんですよ。話聞いたときは」

(#゚;;-゚)

(#゚;;-゚) 「私も。でも……」

(#゚;;-゚) 「……私が、ひとりで死んだだけだと……思うんだけどな」 ウーン....

( ,,^Д^) 「……」

(#゚;;-゚) 「……ちょっとずつ、思い出してきてる。溺れた覚えはあるの」

( ,,^Д^)

( ,,^Д^) 「あるんですか」

(#゚;;-゚) 「うん。苦しかった」

(;,,^Д^) (……反応、しづらい)

89 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:04:53 ID:6XMG5Ti20

..........


 学校に着いてからも、授業はほとんどうわの空でした

( ,,^Д^) (……幽霊は普通人間には見えない、それを利用してひとり見つけろ……)

( ,,^Д^) (……そっちの方面から行ってみるべきですか?)

( ゚∋゚) 「『国境の長いトンネルを抜けると、そこは――』……この一文は、知ってる人も多いんじゃないかと思う。これは――」

( ,,^Д^) (ところで、でぃさんどこ行ったんでしょう)

 でぃさんは、3時間目くらいまでは、ぼうっと教室の隅のほうに浮かんでいましたが
 よっぽど暇だったのか、4時間目になると、教室の壁をすり抜けて、どこかへ行ってしまいました いや っていうか壁抜けできたんだ……

( ,,^Д^) (……なんで、僕にだけ見えるのか)

( ,,^Д^) (……)

( ,,^Д^) (……まあ……理由なんて……)


..................

90 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:05:49 ID:6XMG5Ti20


 ……と、いうわけで、です
 昼休み、僕はふたつ隣のクラスまで足を運ぶことにしました


( ,,^Д^) 「あ、素直さん。ハイン、いますか?」

o川*゚ー゚)o 「ハイン? ハインは……」

o川*゚ー゚)o 「……いないよ、今は」

( ,,^Д^) 「そうですか……」

 まあ、収穫はなかったんですけど

( ,,^Д^) (……どこ行きゃいいんだろう……)

(#゚;;-゚) 「……高岡さん、探してるの?」 スィーッ

(;,,^Д^) 「おわ……!! 急に出てくるのやめてくださいよ……」

( ,,^Д^) 「……ハインは、まあ。ちょっと聞きたいことがありまして」

(#゚;;-゚) 「だったら、さっき歩いてるの見た」

(;,,^Д^) 「え!? いや、見たってそんな」

91 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:07:06 ID:6XMG5Ti20


(#゚;;-゚) 「さっきの授業中、暇だったから校舎の外フラフラしてたら、見た」

( ,,^Д^) 「(あ、やっぱり暇だったんですね……)見たっていうと、どのあたりで?」

(#゚;;-゚) 「体育館のほう、行ってたと思う」

( ,,^Д^) 「ふむ……」


 ……とは言ったものの、体育館には見慣れた顔しかいませんでした


( ´_ゝ`) 「あれ、どした? おまえも参加か?」

( ,,^Д^) 「いえ、僕は別に……あの、ハイン見てません?」

( ´_ゝ`) 「高岡……? 見てないが。なんで?」

( ,,^Д^) 「なんでと言われると……まあ、いろいろ」

 エネルギーの有り余った男子たちが、Tシャツ姿でバスケに興じていただけで
 ぴしゃり、と体育館の戸を閉めて、さんさんと照る太陽の下 ひとり、腕を組む僕

92 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:08:09 ID:6XMG5Ti20

( ,,^Д^) (……)


「いたよ、高岡さん」 
      ヌッ  (#゚;;-゚)(;,,^Д^) !?
                  「おわぁ!?」


(^Д^,,;) 「だっ、から変にビビらせるのやめてくださ……」

(#゚;;-゚) 「こっち。裏」

(;,,^Д^) 「……」

 すぃー、と涼しげにフロート移動するでぃさんを、小走りに追いかけます
 向かう先はどうやら、体育館の裏手――

(#゚;;-゚) 「ほら。あそこ」

( ,,^Д^) 「あそこ、って……」


( ,,^Д^)


 体育館の外周沿いに歩いて、角からひょっこりと顔を出した僕が、目にしたもの
 それは――

93 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:08:33 ID:6XMG5Ti20

( ,,^Д^)


( ,,-Д-) 

( ,,-Д-) 「……あの。でぃさん」

(#゚;;-゚) 

( ,,-Д-) 「……ずっと、言おうと思ってたことが、あるんですけど」

(#゚;;-゚)  「……?」

( ,,^Д^) 「でぃさんは、道連れを探しているんですよね。地獄へ連れていく道連れを」

(#゚;;-゚) 「……うん」

( ,,^Д^) 「……」

( ,,^Д^) 「……じゃあ……」

94 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:09:03 ID:6XMG5Ti20



( ,,^Д^) 「僕を、連れて行ってもらえませんか?」



(#゚;;-゚) 

(#゚;;-゚) 「どうして」

( ,,^Д^) 「……いや、まあ、それは……」



从 ゚∀从 「――何見てんの?」


( ,,^Д^) 「……」

95 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:09:33 ID:6XMG5Ti20


( ,,^Д^) 「……なんせ、僕……これから……」


( ∵)

( ´ー`)

( <●><●>)



(;,,^Д^) 「……死ぬかも……しれないんで……」



(#メ..A#メ#)



 ――――トンネルを抜けると、そこは魔窟であった。


 ガラの悪い男子二人と、なぜか私服の男子ひとり(目力がすごい)
 計三人の男子が、ズタズタになった人間サンドバッグを取り囲んで、立っていました
 三人とも、拳から血を流しているように見えます 練習熱心ですね


 ……いや、まあ、殴った本人の血じゃ、ないですよね……

96 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:10:23 ID:6XMG5Ti20


( ´ー`) 「なにこいつ? 知り合い?」

从 ゚∀从 「あー、D組のやつだよ。どーでもいー」

 そして、その三人+サンドバッグ一個を、遠巻きに眺めているハイン
 ……遠巻きに眺めている、と、思うんですが 気のせいですかね
 ハインの右こぶしと、あと靴のつま先にも、どうも、赤黒いものがこびりついているように見えますね……


(#メ..A#メ#) 「……ぅ……」

(;,,^Д^)

 いたたまれなくなって目を逸らすと、ちょうど 物言わぬサンドバッグ氏と、視線がかち合いました
 いや、まぶたがめちゃくちゃ腫れてたので、あんまり目が合った実感はないのですが――

(;,,-Д-) 

( ,,-Д-) 「あー、えっと、ですね」

( <●><●>)

( ,,^Д^) 「やめろ! ……とまでは言いません! ですから、今日のところは一旦お開き、くらいのところで手を……」

97 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:11:00 ID:6XMG5Ti20



                  _ _     .'  , ..
          ∧  _ - ― = ̄  ̄`:, .∴ '     (    )
         , -'' ̄    __――=', ・,‘ r⌒>  _/ /
        /   -―  ̄ ̄   ̄"'" .   ’ | y'⌒  ⌒i
       /   ノ                 |  /  ノ |
      /  , イ )                 , ー'  /´ヾ_ノ
      /   _, \               / ,  ノ
      |  / \  `、            / / /
      j  /  ヽ  |           / / ,'
    / ノ   {  |          /  /|  |
   / /     | (_         !、_/ /   〉
  `、_〉      ー‐‐`            |_/



( ,, Д ) ズシャァ

( ∵) 「なあ、ほんと何なのこいつ?」

从 ゚∀从 「中学んときのバカだよ」

( <●><●>) 「金、持ってる?」

从 ゚∀从 「そこそこ持ってると思う」

 完全にサンドバッグ追加納入の流れでした あ、鼻血……
 鼻っ面を抑えてうずくまる僕に、まず、最初に近づいてきたのは

从 ゚∀从 「おまえ、何なの? いまさら正義の味方気取り?」

 意外なことに、というか 好都合なことに、というべきか ハイン

98 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:12:06 ID:6XMG5Ti20


( ,,^Д^) 「……」

( ,,-Д-)

( ,,-Д-) 「……いやあ……正義、ってわけじゃ、ないんですけど……」

( ,,^Д^) 「……3か月前の……あれが、結構、こたえたもんですから」

从 ゚∀从


( ´ー`) 「3か月? なんだそれ」

( ∵) 「わかんね」


 しばらく見ない間に、ハインは随分と目つきが悪くなっていました
 明らかに眼光が鋭くなっていて、眼の下のクマもひどい

99 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:12:49 ID:6XMG5Ti20


 ……そんな目に、何が見えているのか
 ほとんど、勘ではあるんですけど 昨日、神社で見たとき、気になったこと――
 確かめたいことがありました

从 ゚∀从 「……何言ってんだ、おまえ」

( ,,^Д^) (――でぃさん!)

从 ゚∀从 「?」

 小声で、でぃさんに呼びかけます 確かめたいのは、ただひとつ
 ――ハインに、彼女が見えるかどうか

 ……その、合図のつもりだったんですが



    \パン!/


(;,,^Д^) 「!?」

100 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:13:09 ID:6XMG5Ti20

( ´ー`) 「あ? なんだ今の……」



    \パン!/                         \メキ......../
              \パン!/ 
  \ミシッ.../
                                   \パン!/
    \パン!/
            \パン!/              \パ―――゚ン!/


( ´ー`)

( ∵) 「……え、なにこの音。どっから鳴ってんの? は?」


 \パン!/               \パン!/
           \ガァン!!!/      
  \パン!/       \パン!/
                        \コロス...../
 \パン!/
                \シネ..../         \ドンドンドン/


(;,,^Д^)

(;,,^Д^) (……ら、ラップ現象……?)

101 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:13:43 ID:6XMG5Ti20


( ;<●><●>) 「え……な、なんですかこれ。心霊……心霊現象!?」

从 ゚∀从 「心れ……」

从 ゚∀从

从;゚∀从 「―――――!!」

( ,,^Д^) (!)

 ふっと、僕のほうを見たハインが 一瞬
 一瞬、なにか信じられないものを、見たような表情を――

(#゚;;-゚) 「今のうち」

(;,,^Д^) 「お……っ! あ、はい!」 ダッ


 ――浮かべたのですが、僕のほうもわりとそれどころではなくて それどころではなく顔面が痛くて
 後ろから聞こえたでぃさんの声に従うまま 必死に身を起こして、その場から逃走しました


..........

102 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:14:15 ID:6XMG5Ti20

 で、どこまで逃げたでしょう
 無我夢中にひたすら走って、校舎の中へ戻り、階段を駆け上がって
 ……自分でもなぜこんなところに来たのかわかりませんが、とりあえず僕は屋上のドアを蹴り開けると、そのまま大の字にぶっ倒れました


(;,, Д ) 「……はー、はー、はー……」

(;,, Д ) 「……あ、危なかった……」

(#゚;;-゚)

(;,, Д ) 「……あれ、やったの、でぃさん、ですか……」

(#゚;;-゚) 「うん。やってみたら、できた」

(;,, Д ) 

(;,, Д ) 「やってみたら」

(#゚;;-゚) 「うん」

(;,, Д ) 「……世に言う心霊現象も、案外、そのくらい気軽な感じで、起こってるのかも、しれませんね……」

103 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:15:18 ID:6XMG5Ti20

 それだけ言って、僕はしばらく呼吸を整えることに専念しました
 どうにかサンドバッグ二号は回避できましたが、そういえば、一号の彼はあの隙に逃げ出すことができたのでしょうか

( ,, Д )

( ,, Д ) 「……でぃ、さん」

 ?

( ,, Д ) 「……」

 ……恨んでは、いませんか、と
 聞こうとしたのに、どうしても
 どうしても、その先を言うことが、できなくて……



――――――――

104 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:15:56 ID:6XMG5Ti20



 何がきっかけだったのか、僕にはわかりません
 もしかしたら、理由なんてなかったのかも たまたま機嫌が悪かっただけ、とか
 ただ、覚えているのは

 明確に、空気が悪くなったのは、たしか――修学旅行の、班決めだったこと


<_フ´ー`)フ 「ニータ校は東京行くらしいんだよな。俺もディズニーとか行きたかったー」 デローン

(-_-) 「ファイナルは北海道らしいから、イメージはあんまり変わんないね」

<_フ>ー<)フ 「やだやだやだー! 俺も男女混合ディズニーで甘いひと時を過ごしたいー!」

(-_-) 「ナイトスキーは女子誘ってもいいって言ってたじゃない。誰か誘えば?」

<_フ´ー`)フ 「サシで誘えるレベルの人はいないから班に賭けてたのー……」

(-_-) 「んなこと言うやつは結局どこ行ってもダメだと思うよ」


 僕ら、ソーサク高校の修学旅行は、毎年長野でのスキー研修と決まっていまして
 ……これが、男女別だったんですね

105 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:16:23 ID:6XMG5Ti20


(^Д^,, ) 「……」 チラッ


(#゚;;-゚) ポツーン


 ……遠足か何かであれば、まだしも
 修学旅行、それも男女別となると、さすがにどうしようもなくて


ミ,,゚Д゚彡 「……」


ミ,,゚Д゚彡 (なあ、高岡)

从 ゚∀从 「ン? なに先生」

ミ,,゚Д゚彡 (……でぃ、おまえの班に入れてやってくれないか)

从 ゚∀从 (……えぇー……?)

ミ,,゚Д゚彡 (えーって言うな、えーって)

从 -∀从 (……あーあー、はいはい。わかったわかった)

106 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:16:52 ID:6XMG5Ti20

从゚∀ 从 「……おーい、でぃ。でぃさーん?」

(#゚;;-゚) ?

从゚∀ 从 「班。あたしらんとこ、来る?」

(#゚;;-゚)

(#゚;;-゚) 「うん」

从 ゚∀从 「はい、了解。せんせー、決まったよ」


( ,,^Д^) 「……」



 ……ハインは、まあ 多少ガラが悪くはあっても なんだかんだと、クラスでそこそこ良い位置にいたので
 女子の中でも、中心的な位置にいた生徒でしたから 先生も、それに任せたんでしょう

 ホームルーム終了、ギリギリのタイミングになって、でぃさんはハインの班に拾われ
 とりあえず、これで収拾はついたと そう言わんばかりに
 チャイムの音とともに、先生は教室を出ていきました

107 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:17:13 ID:6XMG5Ti20

(-_-) 「……で? タカラは?」

( ,,^Д^) 「……はい?」

(-_-) 「いや、ナイトスキー。誰か誘ったりすんの?」

<_フ´ー`)フ 「こいつにそんな相手いるわけないじゃーん。俺にすらいないのに……」

<_プー゚)フ 「……いや、あれか。でぃさん?」

( ,,^Д^)

( ,,^Д^) 「はい?」

<_プー゚)フ 「や、最近わりと話しかけてるみたいだから」

(-_-) 「あ、そーいえば……。この前、一緒に帰ってるの見たね」

<_プー゚)フ 「……あー。狙ってたりすんの?」

( ,,^Д^) 「……いや、別に、そういうわけでは……」

108 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:17:49 ID:6XMG5Ti20





从 ゚∀从 「あー。マジ災難」




( ,,^Д^)


o川*゚ー゚)o 「まーまー」

从 -∀从 「修学旅行でまで貧乏クジかよ。なんであたしばっかこうなんのかね」

o川*゚−゚)o 「ちょっとちょっとー。一応あたしもいるんですけどー?」

从 ゚∀从 「……はぁ」 チラリ

(#゚;;-゚)

109 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/04(月) 00:18:09 ID:6XMG5Ti20


从 ゚∀从 「……いーかげん、自覚してほしいんだけどなァ。みんなから、嫌われてる、ってさ」


(#゚;;-゚) 

o川*゚ー゚)o 「さすがにやめたげなよー。かわいそーでしょ、聞こえてなかったみたいだからいいけど……」 ヒソヒソ

从 ゚∀从 「いーや。あーいうのは聞いてないフリして実際は全部聞いてるやつ。そーいうとこが一番ウザい」

从 ゚∀从 「っていうか、あいつ修学旅行行けんの? ちゃんと金払えんの?」


(#゚;;-゚) 


<_プー゚)フ 「……」

(-_-) 「……ふぅ」

( ,,^Д^) 


―――――――――

inserted by FC2 system