('A`)便利屋ドクオの野暮用です

53 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:35:44 ID:Cj5bthWI0
(-@∀@)「ハァッ!!」


 アサピーがそう叫びながら、グラスを持っていない方の手を前方へ振りかざした。

 同時に、どこからか飛来してくるいくつかの赤い小さな物体。
それが何なのか、どうやって飛来してくるのかは分からなかったが、速度は銃弾と大差ない。


('∀`)「んなもんあたんねぇよ!!」


 身体を捻らせて弾を避ける。
飛んできたのは6発。そのうち5発は後ろのドアへ当たった。
残りの1発は、左手の銃のスライドで弾いたのだった。


('∀`)「……全く一体どんな手品を――――」



 ――そう言いかけた時、気がついた。
かすかに漂う、その臭いに。



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54 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:36:54 ID:Cj5bthWI0
('A`)「……血の臭い……?」

('A`)「おいデレ!! 怪我はねぇか!?」

ζ(゚ー゚;ζ「えっ? 私は大丈夫だよ?」


 振り返って確認せずとも、そう返事をしている以上、彼女は無事だ。


('A`)「……だとしたら……」


 足元に転がったはずの赤い物体を探す。
だが、それを見つけることはできない。

 ――ただ一つ存在したのは、小さな血痕だった。



('A`)「…………血、ねぇ……。面白いもんを武器にしてるな、あんた」


 赤い物体の正体は、血。
飛来して来た時は固形化していたようだが、今は元の液体になっていた。


(-@∀@)「ふふふ……この力に驚きましたか……」

('∀`)「わりぃが、俺はオカルトは信じねーんだよ。信じてるのはこいつだけさ!」


 両手の拳銃の引き金を、交互に引く。
それだけで、あっという間にマガジンは空になってしまう。

55 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:37:37 ID:Cj5bthWI0
(-@∀@)「ハッ!」

 アサピーは、俺の動作と同時に右手を振り上げる。
するとワイングラスから飛び出た血が、一枚の盾となって俺の放った銃弾を防いだ。


('∀`)「面白え……面白えぜお前!!


 ジャケットを勢い良く捲ると、内ポケットからマガジンが飛び出して空中に浮かんだ。

 同時に両手の拳銃から空のマガジンを取り出して、空中で弧を描くようにして新しいマガジンを挿入する。


('∀`)「ハッハァ!!」


 飛来してくる血を躱しながら、左手の銃を連射する。
盾の中心部、ただ一点をめがけて。


('∀`)「いつまでそいつに隠れてるつもりだよ!!」

(-@∀@)「ふふ……」


 なかなか思ったようにはいかない。
想像していたよりも、あの血の盾は頑丈なようだ。

 しかし、俺は構わず撃ち続けた。



 ――そして、血の盾に小さな亀裂が入ったのが見えた。


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56 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:38:34 ID:Cj5bthWI0
(;-@∀@)「――ッ!!」


 更に銃弾を撃ち込む。両手で、何度もリロードをして。

 やがて亀裂は端まで広がり、その盾は大きな音を立てて砕け散った。


('∀`)「神からのお届け物だぜ!!」


 盾が砕けてから、アサピーが次の盾を展開するまでの一瞬。
俺はその一瞬を逃さなかった。

 両手からそれぞれ別の方向に射出された銃弾は、血の入ったワイングラスと、それを持った男の腹に直撃した。


(;-@∀@)「ウ……グ…………ッ!!」ドッ

('A`)「あーあ。もうちょっと楽しませてくれると思ったんだけどな」


 アサピーは膝をついて、腹を押さえている。
ワイングラスから零れ出た血と、彼の腹から流れ出る血が混ざり合い、地面に大きな血溜まりを作っていく。


(;-@∀@)「……これでは……血が……」

('A`)「血ならそこに幾らでもあるだろ? かかってこいよ」

57 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:39:40 ID:Cj5bthWI0
(;-@∀@)「……私の血が混ざっては……純粋な血液じゃあない……。それではダメなのです……ッ!!」

('A`)「…………じゃあ本当に終わりってことかよ」


 両手の拳銃をクルクルと回しながら、腰のホルスターへしまう。
 地面に散らばったマガジンや薬莢を蹴り飛ばしながら、俺はアサピーの元へと歩み寄った。


('A`)「……ったく。準備運動にもならなかったぜ」

(;-@∀@)「…………」

('A`)「何見てんだよ」

(;-@∀@)「……ハァッ!!」

('A`)「――ッ!!」


 うずくまっていたアサピーは、俺の隙を見て両手を振りかざした。




 ――――まずい。油断していた。



 そう思った時には、もうすでに遅かった。



 純粋な血液なら、俺の後方に大量に転がっているではないか――。



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58 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:40:27 ID:Cj5bthWI0

(-@∀@)「死ねェッ!!」


 いくつもの血の塊が、俺の背中をめがけて飛来してくるのがわかった。
風を切る音が、少しずつ近づいてくる。

 俺はただ、何もせずにその場に立ち尽くしていた。



(;'A`)「――ッ……!!」



 やがて、俺の背中に突き刺さるいくつもの血の塊。



 その無慈悲な攻撃に、俺は抗う事もできなかった。




(-@∀@)「……ハハハハハッ……!! 一度使ったものを再利用するのは当然ですよね……!!」




('A`)「…………ん?」



(-@∀@)「…………えっ?」



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59 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:41:23 ID:Cj5bthWI0
('A`)「……わりぃな」



 ジャケットを強く捲くる。
その勢いで、突き刺さっていた血の塊はコロコロと音を立てて地面に散らばった。



('∀`)「……このジャケットはな――――」





「背中までマガジンで埋め尽くされてるんだよ」





(;-@∀@)「――ッ!!!」



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60 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:42:51 ID:Cj5bthWI0

('∀`)「後方には注意しねぇとなぁ。玉突き事故だけは勘弁だぜ、イカレ眼鏡」

(;-@∀@)「ガッ……!!」


 ホルスターから取り出した銃で、アサピーの両手の甲を撃ち抜く。
普通ならば、この手で反撃しようとは思わないだろう。


(;-@∀@)「……ぐッ…………」

('A`)「悪くねぇダンスナンバーだったぜ。ただちょっと、テンポが悪かったな」


 再度拳銃をホルスターにしまって、アサピーの目の前に立つ。


('A`)「さて、ここのお偉いさんはどこで退屈してるんだ?」

(;-@∀@)「…………」

('A`)「言えよ」


 へたり込んだアサピーの膝を撃ち抜く。

 速撃ちと言うよりは、さながら居合のような動作で。


(;-@∀@)「アガッ……!!」

('A`)「これ以上五体不満足になりたくなきゃ、そのニヤけた口を取っとと割るべきだな」

61 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:43:27 ID:Cj5bthWI0
 靴底で薬莢を転がしながら、アサピーの顔をじっと睨みつける。
ただそれだけで、彼は竦み上がっていた。とても演技には見えない。


(;-@∀@)「くッ…………。……そこの扉を出た先にある建物に……」

('A`)「そうか」


 場所がわかれば、この男に用はない。
ちらりと後ろを振り返って、デレにこっちへ来るよう合図した。


(;-@∀@)「ま、待ってください!! あなたは一体……何をしにここへ……!」

('A`)「…………ハッ、余計なことは聞くもんじゃねーよ……」

(;-@∀@)「なっ!!」


 素早くホルスターから拳銃を取り出して、アサピーの額を撃ち抜く。
血溜まりの向こうに綺麗な放射状を描いた血痕を残して、その頭はゆっくりと垂れていった。




('A`)「……ちょっとした、野暮用さ」





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62 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:44:40 ID:Cj5bthWI0
 集会堂の奥にあった扉を出て、正面にある建物。
ちょうど集会堂と同じくらいの大きさだ。
俺達はその建物の中に入って、長い廊下を歩いていた。

ζ(゚ー゚*ζ「……そのジャケット、重くないの?」

('A`)「ああ、もう慣れちまったよ」

ζ(゚ー゚;ζ「慣れるんだ……」


 愛用のホルスターを作ったデザイナーに、これまた特注で作らせた黒い革製のジャケット。

 裏地がびっしり埋まるほどにまで、マガジンを入れておくことが出来る。
二丁の拳銃で大量の弾を消費してしまう俺にとっては、便利な代物だ。

 この季節になると随分暑苦しく感じるが、仕事なので仕方がない。



('A`)「……さて……」


 ようやくたどり着いた、長い廊下の突き当たりにある一つの扉。
ここに来るまでに幾つかの扉があったが、全てもぬけの殻だったのだ。

 耳を澄ますと、中から僅かに物音が聞こえる。


('A`)「デレ、俺の後ろに隠れてろよ」

ζ(゚ー゚;ζ「う、うん」ササッ

63 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:45:37 ID:Cj5bthWI0
 ホルスターから取り出した拳銃を両手に構えて、深呼吸をする。
 そして勢い良く、扉を蹴破った。


('A`)「…………」


 しかし、中に人はいなかった。

 どうやらこの部屋は物置のようだ。
しかしただの物置にしては広いこの部屋に、俺は違和感を感じた。


('A`)「音がしたってことは、この部屋のどこかにまだ扉があるってことか?」

 中に足を踏み入れて、置かれた棚の後ろや机の下を覗いてみる。
 しかし、それらしいものは見当たらない。
おまけに窓の外には塀しかなかった。


('A`)「……デレ、騙されたみてーだ」


 大きな棚を元の位置に戻しながら、そう言った。


 しかし、返事はない。


('A`)「……デレ?」


 振り返るが、そこに彼女の姿はない。


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64 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:46:25 ID:Cj5bthWI0

(;'A`)「チッ!!」


 ――まずい。

 つい、意識を別の所へ置いてしまっていた。

 何かあってからじゃ遅い。
そう思うよりも早く急いで廊下に出たが――――




――――そこにあったのは、体格のいい男の姿だった。




(´・_ゝ・`)「…………何を焦っている」


('A`)「…………」



 司祭服を身に纏い、間抜けな帽子を被った男。

 その左手には、大きな剣が握られていた。



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65 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:50:02 ID:Cj5bthWI0
('A`)「……デレはどこだ」

(´・_ゝ・`)「デレ? ……ああ、君と一緒にいた女のことか」

(´・_ゝ・`)「……彼女は…………さぁどこだろうな」

('A`)「…………」

(´・_ゝ・`)「どうやら、君がうちの人間を殺した犯人で間違いないようだな」


 そう言いながら男は、左手に握っていた剣を両手に構えて、姿勢を低くした。


('A`)「ああ。あの間抜け面とイカレ眼鏡なら、俺がこの手で天国に導いてやったよ」


 両手の拳銃を握り直して、男の顔に向ける。
 男はじりじりと間合いを詰めながら、こちらの様子を窺っているようだ。


(´・_ゝ・`)「俺は神父のデミタスだ。覚えておけ」

('∀`)「“覚えておけ”って事は、つまり俺を殺す自信がねぇって事か?」

(´・_ゝ・`)「ぬかせッ!!」


 石の床だというのに、デミタスと名乗った男の足は踏み出しただけで大きな音を鳴らした。

 その音の大きさに比例して、迫りくる速さも並大抵のものではなかった。


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66 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:51:29 ID:Cj5bthWI0
 デミタスの最初の一撃は、突き。
接近戦に慣れていない俺にとっては躱すのが最も楽な攻撃だが、銃弾と違って剣は大きい。
横っ腹すれすれのところで回避した。


(´・_ゝ・`)「ふんッ!!」


 デミタスは突かれた剣を引きながら、横に薙ぎ払うように剣を振るう。
 俺はトリガーガードの付け根で剣を受け、もう一方の銃でデミタスへ連射した。

 デミタスは剣を軸に身体を捻らせて、俺の腹の方へと潜り込んでくる。


(´・_ゝ・`)「ハァッ!!」


 剣を右手で持ち、離した左手の拳を俺の腹へ突き出してきた。

 俺は空いている方の拳銃のグリップエンドでその拳を弾いて、再び連射した。


(´・_ゝ・`)「くッ……!!」


 流石にこの距離で躱すのは困難だと察したのか、デミタスは剣を引いて間合いを空けた。


('∀`)「……なかなかやるじゃん。あのイカレ眼鏡よりは楽しませてくれそうだ」

(´・_ゝ・`)「……ふっ……アサピーと一緒にされては困る……」



(´・_ゝ・`)「“帰天”もまともにできない、あの男とはな」



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67 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:52:32 ID:Cj5bthWI0
 帰天。
 それが何を意味しているのかはわからないが、デミタスはアサピーとは違う能力を持っているという事だろうか。


(´・_ゝ・`)「……すぐに終わらせてやろう」


 デミタスはそう言うと、剣の切っ先を床に向け、じっと構えた。

 そして自らの手をその刃の付け根に当てて、血を垂らした。


(´・_ゝ・`)「……“帰天・血滅剣”!」



 刃に垂れた血が樋に染み渡った時。

 その刃がぼんやりと赤く光りだした時。

 デミタスはそう言った。



(´・_ゝ・`)「ハァァッ!!」



 再び床を踏み込んで間合いを詰めてくる。
今度は突きではなく、払いのようだ。


('∀`)「ハハハッ、ここはオカルト展示場か!?」


 あの剣が、あの儀式のような動作がどういう効果をもたらすのかわからないうちは、簡単に攻撃を受け止める訳にはいかない。

 デミタスの腕の動きを見て、一撃目は身を引いて躱した。

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68 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:53:46 ID:Cj5bthWI0
('∀`)「どうしたどうした!!」

(´・_ゝ・`)「フンッ!!」


 二撃目も、左からの払い。
俺は両手の銃からマガジンを取り出して、後ろの物置に飛び込んだ。

 空中に浮いたマガジンが、デミタスの剣に触れる。


 剣で簡単に切れるようなものじゃあない。
 だというのに、そのマガジンはいとも容易く真っ二つになってしまった。



('∀`)「……なるほど、銃で受け止めるわけにゃいかねーってことか」


(´・_ゝ・`)「俺としては、受け止めてくれた方がありがたいがな」


('∀`)「ご期待には添えねぇよ!!」


 新しいマガジンを装填して、デミタスに向かって両手の引き金を何度も引く。
 放たれた幾つもの銃弾は、デミタスの振るった剣によって弾かれていく。


('∀`)「休んでる余裕はねーぞ!!」


 歩きながら何度も続けて銃弾を放つ。

 一歩、一歩とデミタスは下がりながら、その銃弾を見事に弾いていく。

69 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:54:54 ID:Cj5bthWI0


 やがて再び廊下に出た頃、俺は両手のマガジンリリースボタンを押して、デミタスに向かって弾の入ったマガジンを放り投げた。


(;´・_ゝ・`)「ッ!?」


 不意の動作に、デミタスの反応が一瞬だけ遅れる。


 俺はその隙を逃さなかった。


('∀`)「ハハハハハッ!!!」


 強く床を蹴って、デミタスに急接近する。
同時に先ほど放り投げたマガジンを空中で装填して、残っていた弾をデミタスの腹部へ撃ち込んだ。


(;´・_ゝ・`)「ぐッ……!!」


 即座にデミタスを蹴って、間合いを取る。

 確実に撃ち抜いた。大量の血が、溢れ出していた。


 しかし、左手で腹部を抑えながら、それでもデミタスは剣を握ることをやめなかった。


(;´・_ゝ・`)「……こ……この程度……」

(;´・_ゝ・`)「……帰天を成し遂げた俺には無意味……ッ!!」


 そう叫ぶと同時に、デミタスの腹部から溢れ出ていた血の流れが止まった。

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70 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:56:28 ID:Cj5bthWI0
('A`)「……なんだ、つまんねぇの」

(;´・_ゝ・`)「……はは……ナメてもらっては困るな……!」


 再び、両手で剣を構えるデミタス。

 先ほどの出血や痛みのせいか、その切っ先は微かに揺れていた。



('∀`)「そんじゃまぁ、楽にしてやるよ!!」

(´・_ゝ・`)「ハァァァァッ!!」


 剣を向け、急接近してくるデミタス。

 俺は両手の銃から二発の銃弾を放つだけで、その場から動くことはしなかった。


 一発の銃弾はデミタスの剣によって、簡単に弾かれた。


(´・_ゝ・`)「そんなもの当たらんさ!!」


 振るった剣を戻し、今度は突きの体制へ。
 そのまま勢いを落とすこと無く、突進を続けてきた。




('∀`)「――よく見ろよ」




(;´・_ゝ・`)「――――ッ!!」


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71 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:57:49 ID:Cj5bthWI0


 石の床に向かって放たれていた、もう一発の銃弾。

 それは見事に跳弾し、接近してきたデミタスのちょうど膝の部分へ命中したのだった。



(;´・_ゝ・`)「ガハ……ッ!!」



 斜めになって、無様に床に倒れこむデミタス。

 その右手から剣が離れ、ちょうど俺の足元へと滑ってくる。
それを靴底で受け止めながら、右手の拳銃の銃口をデミタスの額に向けた。



('A`)「なかなかの剣術だったぜ。まあもっとも、剣同士でも俺には勝てなかっただろうけどな」


(;´・_ゝ・`)「……クソ……ッ」


('A`)「デレはどこだ」

(;´・_ゝ・`)「…………」

('A`)「お前がここで一番偉いってわけじゃあないんだろ? そのお偉いさんにはどこに行けば会えるんだ」

(;´・_ゝ・`)「……言わんさ。もっとも、言ったところで、お前は俺を殺すだろう」

('A`)「よくわかってるじゃねぇか」


 ハンマーを起こして、デミタスの額に照準を合わせる。

72 名前: ◆H/3wgXUnC2[] 投稿日:2016/03/31(木) 05:59:42 ID:Cj5bthWI0

('A`)「わからなきゃ、探せばいいだけだ」
 

 引き金を引くと、デミタスの額に大きな穴が空いて、後方に脳と血を撒き散らした。
同時に、その頭から外れた帽子。



 ――そして顕になった、髪の毛の無い頭頂部。



 彡⌒ミ
(´ _ゝ `)



('∀`)「……なるほど。その似合わねぇ帽子は、ハゲ隠しだったって事か」



 薬莢だらけの床を、ゆっくりと歩く。

 帽子を拾い上げ、それを男の頭に被せ直して、俺はこの建物を後にした。






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