蒼い春

2 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:27:39 ID:cHnDGMZU0

        ______
  ♪ \  |「 ̄ ̄ ̄ `||`l / ♪
   ─   || ォ゚゚゚Πへ.:|| :|  ─
    /  |L二二二ニ!| ;| \
       | ̄ ̄| ̄ ̄|~::|
       |__|__|/   ♪


(*゚ー゚)「…………」 ジィーッ

 ガチャッ

ミセ*゚ー゚)リ「お姉ちゃーん! そろそろご飯だよー!」

(*゚ー゚)「……」テレビジィ〜〜〜ッッ!

ミセ*゚ー゚)リ


ミセ;*゚ー゚)リ「……お姉ちゃん、またライブの録画見てるの?
       って、しかもまた同じ曲のとこを……」

(;*゚ー゚)「……えへ。大好きだから、つい」

3 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:31:24 ID:cHnDGMZU0


ミセ*゚ー゚)リ「……まあいいや! お姉ちゃんのツンちゃん大好きっぷりは家族全員知ってるし!」

ミセ*゚ー゚)リ「あと20分くらいでライブ終わるでしょ? お父さんの料理、それまで足引っ張っとくね!」

(;*゚ー゚)「あ、いいよ。これ聞いたら行くから!」

ミセ*゚ー゚)リ「そう? んじゃ、先いってるね!」

 ガチャッ!


< 〜♪♪♪


(*゚ー゚)「…………」

(*゚ー゚)「……見つめる度に、鮮やかに遠ざかるー」



| ドア |*゚ー゚)リ チラッ


(*゚ー゚)「……私の……夢の始まりが……」


ミセ*゚ー゚)リ「……踊らないの? 踊れるのに」

(;*゚ー゚)「ッ!? こら、コノッ!!」

ミセ*゚ー゚)リ「早くしてよね〜!!」スタコラサッサー

(;*゚ー゚)「……まったく、ミセリはもうっ!」

(*゚ー゚)


(*゚ー゚)「……」


.

4 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:32:29 ID:cHnDGMZU0


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


≪1階 リビング≫


ミセ*゚ー゚)リ「――でね、友達がね」

('A`)「うんうんすげえすげえ」 パクパク


\ミセ;*゚Д゚)リ/ 「もうすっごいパフェ食べるの! スゴクない!?」

('A`)「おうすげえ。やっぱすげえよミセリは」 モグモグ

ミセ;*゚Д゚)リ「でしょお!? いや私の話じゃないんだけども」

( 'A`)σ「それより食えよたんまりと。パフェよりうめえ俺のメシを」

ミセ;*゚ー゚)リ「ってかお父さん私の話聞いてた?」

('A`)「ミセリ、愛してるぞ」

ミセ*゚ー゚)リ


ミセ*^ー^)リ「えへへ私もパパ大好き〜〜」スリヨル

ヘ('A`)ヘ 「おうおう撫でてやろう。それはもう犬猫を撫で回すようにな」 ナデナデ


(;*゚ー゚)「……ミセリ、はしたないよ。パパも止めて」

('A`)「だとよ。だから俺は言ったんだ、俺のメシを食えと」

ミセ*゚ー゚)リ「は〜い! ……改めて、いただきます!」

.

5 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:34:13 ID:cHnDGMZU0


〜〜食後〜〜



ミセ*´ー`)リ「フィー食べた! ミっちゃんは満足なり」

(*´ー`)「うむ。おいしかったねえ」


('A`)「おうおめえら。デザートのお時間だぜ」 コトッ

('A`)「パピー特製のプリンだ。しっかり食えよな、カロリーなど気にせずに」


       + キラン
.      廿
ミセ*゚Д゚)リ∩ 「ふおお!! 我が家の至宝、パピーのプリン!!」

ミセ*゚Д゚)リ「略してパピプリン!! いただきやす!!」パクモグ!

(;*゚ー゚)「パピプリン来た!! はやく、私にもッッ!!」

('A`)「おう、しぃにはこっち。進学祝いのスペシャルパピプリンだ」 ドンッ!


  テテーン
   ヽ__    ミセ;*゚Д゚)リ「うわっ!! めっちゃすごい!!」
    |・∀・|
  へ|__|>    (;*゚Д゚)「ぜんぜんプリンに見えないッッッ!!」
       )
           ('A`)「あいにくスペシャルなもんでな。へへっ」

6 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:35:20 ID:cHnDGMZU0


ミセ;*゚Д゚)リ「パピー凄い!! 写真とろ」 パシャパシャ
   つ〔〕

('A`)「しぃ、進学おめっとさん。おめえが頭の良い子で助かってるぜ」

   + キラン
('A`) 「お小遣いアップ、期待してくれよな」

(;*゚ー゚)「本当に!? どれくらい!?」

('A`)「……毎月、プラス、2000円ッッッッッ」

ミセ*゚ー゚)リ

(*゚ー゚)




ミセ;*゚Д゚)リ「アアッ?! なんつー高額アップじゃ!?」

(;*゚ー゚)「……いいの? いいの!?」

('A`)「うちが財政難に見えるかよ。上手く使え、この金を」

(;*゚Д゚)「ふお、おおおお〜〜〜」


(;*゚ー゚)「お父さん、ありがとうッ!」 ギュッ

)'A`) 「へへ。参ったな」

ミセ*゚ー゚)リ「便乗っ!」 ギュ〜

)'A`( 「まったくよ、この調子なら今度は抱き枕をプレゼントしねえとな」

7 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:36:30 ID:cHnDGMZU0


ミセ*゚ー゚)リ「――そいじゃま更に改めまして、いただき」

(*゚ー゚)「待った! スペシャルパピプリン、ママにも見せてあげなきゃ!」トテトテトテ
 つ皿と


ミセ;*゚ー゚)リ「……あ、そうだね」


('A`)「……」


.

8 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:37:10 ID:cHnDGMZU0


≪1階 仏間≫


 スゥー(ふすまを開ける音)

 ストンッ(ふすまを閉める音)


(*゚ー゚)「よいしょっと」

(*゚ー゚)「仏壇にパピプリンを置いて、っと」

(*゚ー゚)


(*゚ー゚)「ママ、ドクオさんが作ってくれたパピプリンだよ」

(;*゚ー゚)「どんどん、なんか……造形が意味不明になってく……」


(*゚ー゚)「……前も言ったけど、いいとこに進学できたよ。
     あと、なんだろう。言ってないこと……」

(*゚ー゚)「……頑張る。そのくらいー……かなっ!」

(*゚ー゚)「……」


(*゚ー゚)「……また来るね。おやすみなさい、ママ」


 スゥー(ふすまを開ける音)

 ストンッ(ふすまを閉める音)

9 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:37:50 ID:cHnDGMZU0


━━━━━━━━━━━━━━━━


≪夜中 しぃの部屋≫


 …コンコン


(*´ー`)「……ん」


<…寝てるか?ちっと話がある


(*゚ー゚)「……お父さん……?」

<入っていいかい 悪いな


(*゚ー゚)「うん。ちょっと待って、起きるから」 スクッ


 カチッ(電気をつける音)

(*゚ー゚)「どうぞ〜」

 ガチャ

('A`)「おう、悪いな」

(*゚ー゚)「いいよ。まだ早いし」

( 'A`)「入るぜ……」

10 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:38:31 ID:cHnDGMZU0


('A`)


(*゚ー゚)

('A`)

(*゚ー゚)


('A`)

('A`)

('A`)


(;*゚ー゚)「……」

('A`)「……」


('A`)


('A`)「……すまん。コミュ障なんだ。なんか聞いてくれ」

(;*゚ー゚)「……何の、お話?」


('A`)「……おう。ちっと、湿っぽい、真面目な話だ」


(*゚ー゚)「……うん。そういう時のお父さん、本当に分かりやすい」

('A`)

(;*゚ー゚)「すごいコミュ障になるから……」

11 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:39:47 ID:cHnDGMZU0


('A`)「……中学よ、わざわざ、いいとこに行かなくてもよかったんだぜ」


(*゚ー゚)「……見てたでしょ。私、自分で決めたよ?」

('A`)「……子供に気を遣われる親ってのは、案外しんどい……」


(*゚ー゚)「……謝らないよ、決めたから」

('A`)「……ま、今更だけどな。入学式は来週だ。俺もついて行くよ」

(*゚ー゚)「……」


( 'A`)っ「……これ、やるよ。明後日、ここでライブがある」

(;*゚ー゚)「……え? これって、……アスキー学園のゲストチケット?」


('A`)



('A`)「……おめえはアイドルにならない道を選んだ。
   そんなおめえに、このチケットを渡すか、正直迷った」

('A`)「アイドル養成学校、アスキーアート学園。
    勉強漬けで見学にすら行かなかったんだ。一度くれえ、と思ってな」

(;*゚ー゚)「え、でも、私は……」


('A`)


('A`)「……ダメな親でごめんな。チケット、好きにしてくれ。
    ダメだな、俺の方がなんか、未練がましい……」

12 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:40:40 ID:cHnDGMZU0


(*゚ー゚)「……ううん。ありがとう」

('A`)

(*゚ー゚)「チケットもらうね。行ってくるよ」

('A`)「……悪いな。年甲斐もなく、ワガママを言って」

(*゚ー゚)「……お互い様だよ。お母さん、怒ってるんだからね」

('A`)「……おう。んじゃ、俺はもう寝るぜ」

(*゚ー゚)「うん。おやすみなさい」


 ガチャ バタン…


(*゚ー゚)「……やれやれ」


(*゚ー゚)「アスキーアート学園、か」

(*゚ー゚)「……一度きりの学園祭だ。へへ……」


 カチッ(電気を消す音)


 (そしてしぃちゃんは寝る)

13 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:41:06 ID:cHnDGMZU0











.

14 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:41:49 ID:cHnDGMZU0



 ――翌々日 早朝


ζ(゚ー゚*ζ「ほっ、ほっ、ほっ……」


 アスキーアート学園の一日をジョギングで始める生徒は多い。
 学園指定ジャージに身を包む少女・デレもまた、その一人であった。


ノパ听)「ファイトオオオオオオオオオオオッッ!!」

川 ゚ -゚)「おー」

 デレの後ろを走る二人もまた、その一人であった。(?)


ζ(゚ー゚*ζ「ほっ、ほっ、ほいっと! 二人とも、そろそろ上がる?」

ノパ听)「走るの飽きたぞオオオッッッ!!」

川 ゚ -゚)「もう七時だし、丁度いいな。ここからは歩いていこう」

ζ(゚ー゚*ζ「オッケー。お疲れさま〜」


 (以降テクテクシーンのため、地の文は休憩)

15 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:43:20 ID:cHnDGMZU0


ζ(´ー`*ζ「あー疲れた。ちょっと疲れた」テクテク

ノパ听)「私は全然疲れてない……消化不良、不完全燃焼だッ!!」テクテク

川 ゚ -゚)「アホかヒート。本番は昼のステージ、今から疲れてどうする」テクテク

ノハ;゚听)「……そうだったアッッ!!」テクテク

ζ(´ー`*ζ「アホだねえ」テクテク

川 ゚ -゚)「ねえ」テクテク

ノパ听)「ちくしょう……」トボトボ....


                             
              /◎)))          
             / // |  ウイイイイイイイイイイン!
            / //  |
           ,/ //   .|
          / //   |
         ,/ //.    |
         / //     |
        ,/  //  ━━○=○
    ( ゚∀)/  //       ||
   | / つ¶_//_     ○ニ○
   L ヽ /. |  |   
   _∪ |___|_|   
   [____]_]           ζ(゚ー゚*ζ「ステージも絶賛組み立て中だねえ」
 /  A A 屋  _ヽ    
 |______|_|          (゚- ゚ 川 「なかなか大きいね。悪くない」
/◎。◎。◎。◎。◎ヽ= / ̄/
ヽ_◎_◎_◎_◎ ◎ノ=ノヽニヽ      ノハ;゚听)σ「あっち! あっちに大きい鳥が居るぞ!?」

                      ζ(゚ー゚*ζ「でも、これが具体的にどこら辺の部品なのか、全然分からないね……」

16 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:44:33 ID:cHnDGMZU0


ζ(゚ー゚*ζ「今年はどんな子が来るのかねえ」テクテクテクテ

川 ゚ -゚)「さあ。でも、予想できない方が楽しい」クテクテクテク

ζ(゚ー゚*ζ「ふふ。そうだねえ、きっと今年も楽しくなるよ」テクテクテクテク


ζ(゚ー゚*ζ「新入生の子達もきっと、楽しい気持ちでいっぱいだよ!
       だからさ、私達もいっぱい頑張ろうね! 次の子達に誇れるように!」テクテクテーッ

川 ゚ -゚)「分かっているさ。私も奴らの 『ドギモ』 を抜いてやるつもりだ」テクテク

ノハ;゚听)σ「え、なんで二人とも見ないんだ!?
       あんな大きな鳥っ……あ行っちゃう!! あーーー!!」テクテクテク

ζ(゚ー゚*ζ「それに私だって期待してるんだからね?
       去年のユニットフェスで大活躍した二人にはさ」テクッテクッ

川 ゚ -゚)「……ふん。ツンと組んで優勝した奴に言われるのは悔しいな。
     今年こそは追い抜く。ツンにも言っておいてくれ、次こそはと」テクテクテクテク

ノハ#゚听)「うおおお!! なんか知らんけどうおおおお!!」テクーッ テクーッ

17 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:48:06 ID:cHnDGMZU0


ζ(´ー`*ζ「……そうだねえ。次こそは、だねえ」テクリンテクリン

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「……やはり、決断は変わっていないのか?」テクトコテクトコ

ζ(´ー`*ζ


ζ(´ー`*ζ「……今日のライブは、ちょっと盛り下がるかもねえ」トコートコートコー

川 ゚ -゚)「……まったく。とんでもないお姫様だよ、あいつは……」トコロ コトコト

Σノハ;゚听)σ「ああーッ! また鳥だ!! 今度はいっぱいだ!」


.

18 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:48:38 ID:cHnDGMZU0


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


≪午前10時 アスキーアート学園 校門前≫


 ようやく学園が一般に開放され、人混みがずつ門の向こうにとけていく。
 今日のライブを楽しみにしていた人達は、コミケ入場列のような長い列を成していた。

 そんな長蛇の列の大体真ん中あたりで、もがく少女が二人――


ミセ;*゚Д゚)リ「にっ人間まみれだね! お姉ちゃんッ!」

(;*゚ー゚)「ね! はぐれないようにね、手ちゃんと繋いでようね!」

ミセ;*゚ー゚)リ「ね! こ〜りゃ凄い! ひえええ!」


(;;^ω^)ノシ 「押さないでくださぁい! まだライブまで時間はありまぁす!
        座席も十分ありまぁす! ご協力おねがいしまぁす!」

(;;^ω^)ノシ 「おねっ、お願いだおーッ! お願いだおーッ!」


ミセ;*゚ー゚)リ「……あの人だけでこの列を整理するの、無理だよね」

(;*゚ー゚)「うん……。まあ、そこまで列も荒れてないし、大丈夫だよ」

19 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:49:03 ID:cHnDGMZU0


〜〜〜〜なんやかんやで入場後〜〜〜


 校門前 噴水広場



ミセ;*゚Д゚)リ「ここがアスキーアート学園! 財力を感じる……」
   つ〔〕 パシャ

(;*゚ー゚)「すごい、財力を感じる……」

ミセ;*゚ー゚)リ「どっから回る、どっから回る!?
      敷地内、ほとんど解放されてるんだよ! すごいよね!!」

(*゚ー゚)「凄い、ここが……」



「――おほん! お二人さん、ハローハロー」


(*゚ー゚)「?」クルッ

ミセ*゚ー゚)リ「……私達?」クルッ


.

20 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:50:00 ID:cHnDGMZU0


ハハ ロ -ロ)ハ 「――イエス! ザッツライト!!」


(;*゚ー゚)「……晴峰ハロだ」

ミセ;*゚Д゚)リ

ハハ ロ -ロ)ハ「それもイエス! 知っててくれてありがとうネ!」


(;*゚Д゚)「晴峰ハロだーーーーー!!」

ミセ;*゚Д゚)リ「うわあ、本物だあ!」
   つ〔〕 パシャパシャ


〜ひとしきり興奮した後〜


ハハ ロ -ロ)ハb 「今日は年に一度の歓迎ライブ!
         手の空いてる生徒は、こうしてゲストの案内をしているネ!」

(*゚ー゚)「まじかーまじかーあのハローさんに案内してもらえるのかーこわいなーこわいなー」

ミセ*゚ー゚)リ「おねおねおねおねちゃああんおつついて」ガクガクガkガgクガクカジョバー゙クガク

ハハ;ロ -ロ)ハ「……とりあえず、落ち着ける場所に行った方がよさそうだネ」

         ヒャッホー
三三三┏( ^o^)┛<移動シーンはカット!

21 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:50:43 ID:cHnDGMZU0



 ――――女子寮 フラワーガーデン


 一面に広がる薔薇やらチューリップやら何やらの花!

 作者の花知識が貧困なため詳しい描写はできないが、立派なお花畑がある!


ミセ*゚ー゚)リ「……すご……」
  つ〔〕 パシャ

(*゚ー゚)「……なんだか、落ち着いてきました……」

ミセ*゚ー゚)リ「花に対してチョロすぎる私達だね……」


ハハ ロ -ロ)ハ「ここは学園自慢のお花畑! あっちに座れるトコがあるから行きましょう!」テクテク

ミセ*゚ー゚)リ「いいなあアスキーアート学園! こんな素敵な場所があるなんてさ〜」トコトコ

ハハ ロ -ロ)ハ「ハハハ!!」


ハハ;ロ -ロ)ハ「……それがそうとも言ってられなくて、花粉症には少々厳しい環境デス……」テクテク

(;*゚ー゚)「世知辛いですね……」テクテク

ハハ;ロ -ロ)ハ「アイドル、そういうものデス……」テクテクテク

.

22 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:51:21 ID:cHnDGMZU0







 ――――ふと、どこかから歌が聞こえてきた。




.

23 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:51:46 ID:cHnDGMZU0


ハハ ロ -ロ)ハ「……おっと。先客というか、常連さんが居ますネ」トコトコ


 その歌は、しぃが一番よく知っている一曲――


ミセ;*゚ー゚)リ「……これ、蒼い春だよね?」トコトコ

(;*゚ー゚)「……」トコ トコ


ミセ;*゚ー゚)リ「しかもこの声、って……」トコトコトコ

ハハ ロ -ロ)ハ「……ホントはシークレットなんだけど、ラッキーって事でGO!」トコトコ



ハハ ロ -ロ)ハ∩ 「ヘーーイ!! ツンデレガール!!」



 淡いピンク色のベンチに座って、そよ風に金髪ツインドリルをなびかせる少女――


 しぃは、その少女の事を、きっと、誰よりも――――


.

24 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:52:25 ID:cHnDGMZU0




ξ )ξ「――――……今日も、またー♪」


ξ--)ξ「私の夢に……――――♪」




(;*゚ー゚)「……ツンちゃん……」


ミセ;*゚Д゚)リ「ほげ、ほ、ほんものだよーっ!」ヒソヒソ

ハハ ロ -ロ)ハ(……ふふ。もうちょっと歌わせた方がサービスになるネ)



ξ゚听)ξ



ξ--)ξ「……お疲れさま、ハロー。新入生?」

ハハ ロ -ロ)ハ「おっと。もう歌わないです?」

ξ゚听)ξ「……歌わないわ。知ってるでしょうに」

ハハ ロ -ロ)ハ「……新入生じゃないけどゲスト。アイドル好きの姉妹だよ」

25 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:53:08 ID:cHnDGMZU0


ミセ;*゚Д゚)リ「おげ、志ヶ谷ミセリです! 写真いいですかっ!」
   つ〔〕 ソワソワ

ξ゚ー゚)ξ「……うん、いいよ。こっちおいで」

ミセ;*゚Д゚)リ「や、ヤッター!!! わーーー!」どてどてどて

ミセ;*゚Д゚)リ「お姉ちゃんも入って! 家宝誕生の一枚に加わって!」プルプルプル......


(;*゚ー゚)


ミセ;*゚ー゚)リ「……お姉ちゃん? 気絶してない? 大丈夫?」

26 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:53:57 ID:cHnDGMZU0


(;*゚ー゚)「………………」


ξ゚听)ξ「……貴方は来ないの? 隣、まだ空いてるよ」


(;*゚ー゚)「……年内にアイドルを辞める」

ハハ ロ -ロ)ハ

(;*゚ー゚)「っていう噂は、本当ですか……?」

ξ゚听)ξ


 風が止み、静かになる。

 今はお祭り騒ぎの筈なのに、遠くにある喧騒は、さらに遠くに離れていった。
 しぃとツンの視線は固く結ばれ、しばらく微動だにしなかった。


(;*゚ー゚)

ξ゚听)ξ「……ええ、本当よ。それも年内じゃなくて、今日のライブで発表する」


Σミセ;*゚Д゚)リ「ど、ドゥエーーーーーーーーーーーーー!??!?!?!?」ドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエ

ハハ;ロ -ロ)ハ「アーア、言っちゃった」アチャー

(;*゚ー゚)「……噂は本当だったんですね。でもどうしてっ……!」

ξ゚听)ξ「……うーん。そうだねえ」

 しぃの問いに、ツンは困ったような微笑みを見せた。

.

27 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:54:49 ID:cHnDGMZU0


ξ゚听)ξ「……ねえ、貴方はアイドルになりたいって、思ったことはない?」

(;*゚ー゚)「え、私が……?」

ミセ;*゚Д゚)リ∩「わたしある! すごい楽しそう! 印税!」


ξ゚ー゚)ξ「……どうかな。ここに来るくらいなら、一回くらいあるよね」

(*゚ー゚)「……は、はいっ。あります、けど……」

ξ゚ー゚)ξ「なら、どうしてアイドルを目指さなかったの?」

(;*゚ー゚)「…………」

ハハ ロ -ロ)ハ「ヘイ。トップアイドルがそれ言ったら威圧だゼ」


ξ゚听)ξ「ごめんね。でもね、私にとってさっきの質問と今の質問は同じなの」

(;*゚ー゚)


(;*゚ー゚)「……わ、私ッ! ツンちゃんにアイドル辞めてほしくないです!!」

 言葉に詰まったしぃは、前のめりになって思ったことを口にした。
 一端のファンに言えることはこれしかないと、彼女は分かっていた。

28 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2016/04/03(日) 20:55:31 ID:cHnDGMZU0


ξ゚听)ξ「……うん。ありがとう。お昼のライブ、見に来てね」

 だが、ツンちゃんは軽く受け応えて席を立った。

ξ゚听)ξ「リハに戻らなきゃ。写真、あとで撮ろうね。
       終わったら楽屋に来て。ちゃんと通すから」

ハハ ロ -ロ)ハ「……ったく、律儀なヤツだぜ……」


(;*゚ー゚)「……」

::ミセ;*゚Д゚)リ:: 「ヤメーッ! 辞めるってーッ!! うそだァーッ!!」ワナワナ

ハハ ロ -ロ)ハb 「――ハハハ! 大丈夫ネ!!」ビシッ!

ハハ ロ -ロ)ハ「ツンはステージに帰ってくるネ!
       結局あの子はツンデレなのヨ! 大丈夫ッ!」

ハハ ロ -ロ)ハ

ハハ ロ -ロ)ハ「……ただ少し、距離を置きたいだけなのネ……」

ミセ;*゚Д゚)リ「……え、なにと、ですか」

ハハ ロ -ロ)ハ


ハハ ロ -ロ)ハ「きっと、『風桐ツン』から、少しだけ……」


.

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