■ブーン系ゴールドラッシュ2013〜突発! タイトル祭り〜
└彼は自ら月になることを望んだようです
- 807 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 15:11:46 ID:Wmhrhr0A0
「おーい。戻ってこいよう」
声が、聞こえる
「おーい」
無視無視
「聞こえてるだろー?」
ああ。聞こえてる。
でも、すまんな
( ´_ゝ`)「俺は、戻るわけには行かないんだ」
償わなければならない。
「もう、償えているよう。彼女は、お前がそこで朽ち果てることは望んでいない」
( ´_ゝ`)「朽ち果てないさ。星だから」
星は、朽ち果てない。
彼女のために、永遠に償い続けることができる
( ´_ゝ`)「素晴らしいことだと思わないか?」
彼は自ら月になることを望んだようです
- 808 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 15:12:29 ID:Wmhrhr0A0
「おーい」
( ´_ゝ`)「戻らないぞ」
と、そのとき、体に何かが乗ったような感覚。
見てみると、体に宇宙服を着たあいつがいた
(´<_` )「きちゃった☆」
さあ、無視を始めようか。
(´<_` )「おいおい、無視しないでよう。何してるんだって正気に戻ったらどうしてくれる」
( ´_ゝ`)「戻れよ。ほれ、ほれ」
(´<_` )「おお。喋ってくれた」
( ´_ゝ`)「帰れ」
(´<_` )「えー? やだよう」
( ´_ゝ`)「帰れ」
(´<_` )「……はーいはい」
そう、それでいい。
孤独こそが、俺への罰なんだ。
- 809 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 15:13:27 ID:Wmhrhr0A0
( ´_ゝ`)「……だれだ」
ζ(゚―゚*ζ「宇宙人です」
( ´_ゝ`)「俺には人間に見えるがな」
出て行ってほしいと思った。
でも、知らない宇宙人にそんなことは言えない。
ζ(゚―゚*ζ「ねえねえ」
( ´_ゝ`)「なんだ」
ζ(゚―゚*ζ「私ね、行きたい星があるの」
( ´_ゝ`)「それは、どこだ?」
話に付き合ってやる。
だからさっさとでていってくれと思った。
ζ(^―^*ζ「好きな人のところ」
ζ(^―^*ζ「ずっと、ずうっとまってるのに、目覚めてくれないの」
ζ(^―^*ζ「早く目覚めてほしいなあ。星なんかにならずに」
ああ、お前だったのか。
朝が来る、目覚めなきゃ
- 810 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 15:15:42 ID:Wmhrhr0A0
( ´_ゝ`)「あ……れ?」
(´<_` )「! 兄者! みんな、兄者が目覚めたああああああああああああああああああああ」
世界は、明るくなっていた。
とりえずベッドから床へと降り立つ。
久しぶりの重力に、足がよろめく。
俺は、星なんかではなかった。
俺は、月なんかではなかった。
俺は、現実では、飛び降り自殺に失敗して植物状態となったただの人だった。
俺は、目覚めてはならなかった。
ζ(゚―゚*ζ「兄者!」
彼女がやってきた。
( ´_ゝ`)「……ごめん」
飛び降りた理由は、浮気。
( ´_ゝ`)「もういちど、飛んでくるよ」
こんどこそ、うまくいくはず。
お前が喜ぶよう、もういちど、月に。
- 811 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 15:16:26 ID:Wmhrhr0A0
彼は、月になりました。
私は、とめることができませんでした。
ζ(;―;*ζ「……馬鹿」
怒ってなんて、いなかったのに。
ζ(;―;*ζ「いくら、私が皮膚が弱いから、太陽が見れないからって、一緒に見ていた、月に、なるなんて、」
ζ(;―;*ζ
ζ(;―;*ζ「きれいだなあ」
もうしばらくだけ彼を見てから、私も彼を追おうと思いました。
おわり
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