■ブーン系ゴールドラッシュ2013〜突発! タイトル祭り〜
└ζ(゚ー゚*ζつづきが気になるようです
- 1 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/03(金) 01:55:14 ID:wegexpfk0
- ζ(゚ー゚*ζ「えっと」ガサゴソ
ζ(゚ー゚*ζ「あった、あった」
ζ(^ー^*ζ「えへへ」
ζ(゚ー゚*ζ「さて、」
- 2 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 01:56:40 ID:wegexpfk0
ζ(゚ー゚*ζつづきが気になるようです
- 3 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 01:59:18 ID:wegexpfk0
- カーテンの隙間から一本の光の筋が差し込む。
きらきらと輝くそれを、彼女は心地の良いまどろみの中からじっと見つめた。
ああ、今日はきっといい天気だ。
そう思うと、彼女の頬は自然と緩む。
ゆっくりと身体を起こして、布団と自分自身とを切り離した。
そっと光に触れ、カーテンを開ける。
シャーっと気持ちの良い音を立てて目の前に広がった景色には、眩しいほどの白と青。
川 *゚ー゚)「いい天気だ」
腕をぐっと持ち上げて、背伸びをする。
川 *゚ー゚)「さて、支度しないと」
これから1日が始まると思うだけで、彼女の心は躍った。
それほどまでに、今日というこの日は彼女にとって特別な日だった。
- 4 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 02:03:38 ID:wegexpfk0
- ――――――
―――
川 *゚ー゚)「いってきます」
玄関で花瓶の水を取り換える母親にそう声を掛けると、「いってらっしゃい」という優しい声と
ふっくらとした笑顔が返ってきた。
彼女もまた微笑み返し、扉大きく開けた。
川 *゚ー゚)「ちょうどいい時間かな」
お気に入りの深い紅色のヒールをこつこつと歌わせ、向いの通りを目指す。
春の生温い風は真っ白なワンピースの裾を揺らし、燦々と輝く太陽は黒いジャケットにほどこされた金色の刺繍をより美しく見せた。
川 *゚ー゚)「あれ、」
通りに辿り着くと、一台のスポーツカーが止まっている。それは彼女が今まで何度も目にしたことのあるものであった。
小走りで近づいて行くと、運転席側のドアが開き、一人の男性が姿を現した。
川 *゚ー゚)「ごめん、待たせちゃったかな?」
( ^ω^)「全然待ってないよ。 さ、乗って乗って」
彼は笑顔で彼女を迎え、慣れた様子でエスコートをするのだった。
- 6 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 02:08:31 ID:wegexpfk0
- 二人を乗せた車は、ゆっくりと発進し徐々にスピードを増していく。
乗車してすぐ、彼女はちょっとした違和感に気付いた。
川 *゚ー゚)「ん」
( ^ω^)「どうかした?」
川 *゚ー゚)「なんだか、今日はやけにしゃきっとした格好しているね」
( ^ω^)「そう?」
彼女は、ブーンがスーツやシャツなどかっちりとした服装を好まないと知っていた。
しかし、今日の彼は濃いグレーのジャケットに白のYシャツ、さらに細みのパンツを着用している。
川 *゚ー゚)「うん」
( ^ω^)「ま、気にしない、気にしない。 デレこそ、今日の服装……かわいいよ?」
川 *゚ー゚)「そ、そうかな、久しぶりのデートだから……。 ちょっと張り切っちゃった」
( ^ω^)「ははは、相変わらず素直だなぁ。 でも、それは僕もいっしょ」
彼女は彼の言葉に頬を紅く染めた。
付き合い始めてもう何年も経つというのに、二人は交際を始めた当初と何も変わらない心持のようだった。
- 7 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 02:14:03 ID:wegexpfk0
- 川 *゚ー゚)「さて、今日はどこに行こうかな」
( ^ω^)「じ、つ、は! もう目的地は決まってます!」
川 *゚ー゚)「そうなの? どこどこ?」
( ^ω^)「着いてからのお楽しみー」
川 *゚ー゚)「ふふっ、それは楽しみですね」
( ^ω^)「でしょでしょ!」
楽しそうに笑うブーンの横顔を見つめていると、心が温かくなるのを感じた。
彼女は昔から、彼の笑顔が好きだった。
背もぐんと伸びて、顔つきもずいぶんと大人びたが、笑顔だけはずっと変わらない。彼女はそう感じていた。
川 *゚ー゚)「……幸せ」
(* ^ω^)「な、何急に! 照れるって!」
こうやって笑い合える甘い空間は、二人にとってこれ以上ないほどの有意義な時間だった。
- 9 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 02:18:28 ID:wegexpfk0
- ―――――
――
川 *゚ー゚)「海かぁ……、ずいぶんと遠くまで車を走らせてると思った」
( ^ω^)「……ドライブは嫌いだった?」
川 *゚ー゚)「ふふ、まさか」
そういって、二人はお互いの手を取り合った。
それぞれの熱が、掌を通じてじんわりと広がる。
不規則な波音が優しく鼓膜を揺らし、潮の匂いが鼻の奥をかすめた。
川 *゚ー゚)「私、今日ヒールなんだけど……」
( ^ω^)「僕も革靴だ」
見つめって、数秒後。
二人は小さく笑い合い、同時に靴を脱いだ。
( ^ω^)「歩こうか?」
ブーンの問いに、彼女はこっくりと頷く。
- 10 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 02:24:40 ID:wegexpfk0
- ( ^ω^)「……今日さ、」
川 *゚ー゚)「ん?」
彼女は片手に持った靴をぷらぷらと泳がせながら、彼に軽く返事をした。
しかし、続くであろう言葉が一向に聞こえてこない。
川 *゚ー゚)「どうかした? 仕事でなんかあったとか……」
( ^ω^)「や、うーんと……あ、もう夕日が沈みそう」
川 *゚ー゚)「んー?」
ごまかすように発したブーンの言葉だったが、彼女は地平線のほうをふり返った。
傾きかけたまん丸な夕日が、海を橙色に染めている。
あと数十分もしたら、きっとすっぽりと沈み見えなくなってしまうだろう。
それは今日という一日の終りが、少しずつ迫ってきていることを意味していた。
川 *゚ー゚)「今日は遠くまで来たもんね。 それに……楽しい時間ってあっという間に過ぎていっちゃう」
( ^ω^)「…………」
- 11 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 02:30:03 ID:wegexpfk0
- ( ^ω^)「デレ、」
川 *゚ー゚)「……ブーン?」
彼女の横にいたはずの彼は、いつの間にか目の前にいて、かちりと視線を合わせた。
あまり見せない真剣な表情に、思わずどきりと心臓が跳ねる。
( ^ω^)「結婚、しよう」
川 *゚ー゚)「…………」
( ^ω^)「僕と結婚して下さい」
川 *゚ー゚)「………………けっ、こん?」
ブーンは力強く頷いた。
そして、ポケットの中をまさぐり出した手の中には、何かが握られている。彼はそれを彼女にむかって差し出した。
( ^ω^)「ブーン……これ……」
純白のリボンがきゅっと結ばれている桃色の小さなケース。
ブーンは、リボンの端を引っ張り、緊張した面持ちでそれの蓋を開ける。
中には夕日に反射してぴかぴかと光るひとつの指輪が埋め込まれていた。
- 12 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 02:36:28 ID:wegexpfk0
- ( ^ω^)「今まで一緒にいてくれてありがとう。 デレと過ごした日々は……本当に幸せだった。
僕は、君を一生手放したくない。 苦労をかけるかもしれないけど、必ず幸せにするよ……だから……」
川 *;ー;)「……うっ……、ううっ……」
( ^ω^)「これからもずっと、そばにいて下さい」
彼女の目から、次々と涙が溢れた。
それは拭っても、拭っても、とめどなく零れてきた。
川 *;ー;)「あ、りがと……、嬉しい……!」
彼はやっといつも通りの笑顔に戻り、彼女の頭にぽんと手をのせた。
川 *;ー;)「こちらこそ……よろしくお願い、します……」
( ^ω^)「あー……、良かった」
川 *^ー^)「ふっ、」
大袈裟に安堵する彼の表情に、彼女は思わず笑いが漏れた。
- 13 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 02:43:04 ID:wegexpfk0
- ( ^ω^)「そうそう、泣かないで笑ってよ! 笑顔が一番可愛いよ」
川 *゚ー゚)「ふふ、そう?」
( ^ω^)「ま、泣き顔も好きだけどさ」
川 *゚ー゚)「……ばか」
彼女は目を細くし、そっと彼の胸に頬を寄せる。
そうすると、ブーンが柔らかい真っ直ぐな髪をするするとなでてくれることを彼女は知っているからだ。
( ^ω^)「デレ……」
川 *゚ー゚)「ブーン……」
半分だけ海に呑まれた夕日は、二人の頬をぼんやりと赤く色づける。少し冷えた風が二人を包んだ。
そんな中で彼らは、お互いに顔を近づけ、囁き合うように言葉を紡ぐ。
彼の腕が強く、そして優しく彼女との距離をさらに縮める。
そして二人はキ
- 15 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 02:52:33 ID:wegexpfk0
- ζ(゚□゚*;ζ「ぎやあああああ!!! ハレンチ!!! エロ!!! すけべっ!!!」バタンッ
ζ(゚ー゚*;ζ「キッ、キキキッ、キッスなんて……そんな……」ガシガシガシ
ζ(-ー-*;ζ「きゃあああ、もうっ、あたしったら! 大胆すぎだよお!」バタバタ
川 ゚ -゚)「…………」
ζ(゚ー゚*ζ「…………え、」
川 ゚ -゚)「…………」
ζ(;ー;*ζ「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
ζ(;ー;*ζ「い、い、いつから!? いつからいたのよお姉ちゃんっ!!」
ζ *゚ー゚)ζ「さて」
川 ゚ -゚)「ってとこからいたぞ」
ζ(;ー;*ζ「最初っからなの!!??」
川 ゚ -゚)「そうなるな」
- 16 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 03:00:54 ID:wegexpfk0
- ζ(゚ー゚*ζ「死にたひ……」
川 ゚ -゚)「まぁそう言うな。 私たちは姉妹じゃないか」
ζ(゚ー゚*ζ「妹がこんな妄想日記書いてて、ひいてない……?」
川 ゚ -゚)「…………ああ」
ζ(゚ー゚*ζ「なんか嫌な沈黙あったね?」
川 ゚ -゚)「ま、引いてないと言うと嘘になってしまうが、嫌いにはなっていないぞ!」
ζ(゚ー゚*ζ「……そう、ありがとう」
川 ゚ -゚)「ところで、妹よ。 これはいくら妄想とは言え、現実味がなさすぎないか? こんなんで萌えるのか?」
ζ(゚ー゚*ζ「いいじゃん! めっちゃ現実的じゃん!」
川 ゚ -゚)「なんというかありがちな展開だが、お前はまだ中学生じゃないか。 結婚だの車だの早過ぎて現実味がないだろう。
それに変なことで設定細かくないか? 髪型はストレートだの服装にワンピースだの」
ζ(゚、゚*ζ「それは、憧れを形にしたいというか……」
- 17 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 03:08:44 ID:wegexpfk0
- ζ(゚ー゚*ζ「もー、お姉ちゃんには分かんないよっ」
川 ゚ -゚)「むむ?」
ζ(゚ー゚*ζ「くやしいけどお姉ちゃんは美人だし……、髪の毛もサラサラで真っすぐで……、
可愛いお洋服たくさん持ってて……、ヒールも似合うし……
私なんかと違っていろいろ恵まれてるんだもん。 わかるわけないよ」
川 ゚ -゚)「何を言っている。 お前は私の妹だぞ? 私がこんなに可愛いのだからお前だって可愛いさ」
ζ(゚ー゚*ζ(自分で言ってるしぃ……)
ζ(゚ー゚*ζ「や、あたしたち似てないもん」
川 ゚ -゚)「そうか? 似てると思うがな、とくに目なんて、ほらほr」
ζ(;ー;*ζ「とにかくっ! 今日読んだのは忘れて! じゃないともうお姉ちゃんとお話できないよう……」ウルルル
川 ゚ -゚)「……ふむ、ときに妹よ」
ζ(゚ー゚*ζ「なあに?」
川 ゚ -゚)「貴様、恋をしているのだな?」
ζ(゚ー゚*ζ「!?!?!?!?!?」
- 18 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 03:13:29 ID:wegexpfk0
- ζ(゚ー゚*ζ「ななななななんっ、何いきなり! し、してないし、別にしてないしっ!!」
川 ゚ -゚)「隠すこたぁない。 さっきのに出てきたブーンとやらが好きなんだろう?」
ζ(゚ー゚*ζ「ち、違っ!! 別に、ブーンくんは、そんなんじゃ……」
川 ゚ -゚)「ははは、可愛いヤツめ。 そいつの写真とかないのか?」
ζ(゚ー゚*ζ「ないっ! ないよぅ!!」
川 ゚ -゚)「1枚くらいあるだろう」
ζ(゚ー゚*ζ「…………文化祭のやつなら」
川 ゚ -゚)「貸しんしゃい」
ζ(゚ー゚*ζ「え、まぁいいけど……本当に好きとかじゃないんだからねっ」ズイ
川 ゚ -゚)「どらどら」
川 ゚ -゚)(…………あらら?)
- 19 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 03:17:43 ID:wegexpfk0
- ζ(゚ー゚*ζ「どう? かっこいいでしょう? って、別にだから好きとかじゃなくて! ただ、その……」ゴニョゴニョ
川 ゚ -゚)「(うーん、意外にも……)えーっと、うん。 優しそうな奴だな?」
ζ(゚ー゚*ζ「! 分かる!? そうなの、すごく優しくてさぁー!」テレテレ
川 ゚ -゚)「なぁ、妹よ」
ζ(゚ー゚*ζ「なになに!?」
川 ゚ -゚)「お前は少し太ってる人が好きなのか?」
ζ(゚ー゚*ζ「はあ!? 別に太ってないしっ!」
川;゚ -゚)「わ、悪い、言葉を間違えた……(でもだってこれあきらかに細みのパンツ無理だろjk……)」
川 ゚ -゚)「えっとその、少しふくよかな人が好きなのか?」
ζ(゚ー゚*ζ「”ふくよか”ってなあに?」
川 ゚ -゚)「デブってことだ」
ζ(゚ー゚#ζ「お姉ちゃん!!!!!!」
川 ゚ -゚)「すまん」
- 20 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 03:25:19 ID:wegexpfk0
- ζ(゚ー゚*ζ「本当に太ってないんだよ? それ写真だから!」
川 ゚ -゚)「やー、でも隣と比べて……」
ζ(゚ー゚*ζ「じゃあお相撲さんとブーンくんどっちが太ってる!!??」
川 ゚ -゚)「おいおい、お相撲さんは太ってるとかじゃないだろう。 あれはお仕事だk」
ζ(゚ー゚*ζ「どっち!!!!????」
川 ゚ -゚)「……お相撲さんです」
ζ(゚ー゚*ζ「ほうら、そうでしょ? お姉ちゃんって本当に失礼だよね」プンプン
川 ゚ -゚)「すまん……て、そんなことより!」
川 ゚ -゚)「コイツとはどんな関係なんだ?」
ζ(゚ー゚*ζ「ど、どんなって別に普通だけど……」
- 21 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 03:31:12 ID:wegexpfk0
- 川 ゚ -゚)「好きならデートのひとつやふたつでも誘ったらどうだ?」
ζ(゚ー゚*ζ「だから別にっ」
川 ゚ -゚)「うかうかしてると、他の奴にとられるぞ(可能性は低そうだが)」
ζ(゚ー゚*ζ「そ、そうだ、けど……」
川 ゚ -゚)「こんな夢物語で終わらせていいのか?」
ζ(゚ー゚*ζ「うう……」
川 ゚ -゚)「何冊も書きためているみたいだが……」パラパラ
ζ(;ー;*ζ「ちょ、勝手に見ないでええぇぇ」
川 ゚ -゚)「現実は、こうじゃないと思うぞ」
ζ(゚、゚*ζ「……なによそれ」
- 22 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 03:37:31 ID:wegexpfk0
- ζ(゚ー゚*ζ「現実はこんなにうまくいかないと思っているんでしょ! そんなの分かってるもん!
そんなの、そんなの……」
川 ゚ -゚)「違う、逆だよ」
ζ(゚ー゚*ζ「ぎゃく……?」
川 ゚ -゚)「ああ、現実はもっとすっげぇさ」
ζ(゚ー゚*ζ「?」
川 ゚ -゚)「もしデレが、勇気を出して頑張ればもっともっと楽しいことが待っていると思うぞ」
ζ(゚ー゚*ζ「……だ、だめだったら」
川 ゚ -゚)「そんときは、そんとき」シレッ
ζ(゚ー゚*ζ「無責任!」
川 ゚ -゚)「だから面白いんだろう。 それに、今のうちからだめだったらぁ……なんて考えるのはバカのやることだ」
- 23 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 03:40:59 ID:wegexpfk0
- ζ(゚ー゚*ζ「そう、だけど……でもやっぱむり」
川 ゚ -゚)「ん?」
ζ(゚ー゚*ζ「あたし可愛くないし、頭だってよくないし、全然だめだよ……ブーンくんだって困っちゃうよ……」
川 ゚ -゚)「私はそうは思わないぞ」
ζ(゚ー゚*ζ「え?」
川 ゚ -゚)「私は可愛いからさ」
ζ(゚ー゚*ζ(また……!)
川 ゚ -゚)「いろんな奴からデートを誘われるんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「……うん」
- 24 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 03:42:51 ID:wegexpfk0
- 川 ゚ -゚)「正直、誘われてやだなって思うときもある」
ζ(゚ー゚*ζ「ほら、やっぱり……!」
川 ゚ -゚)「でもそれは、かっこよくないからとか頭が悪いからとか、そんなんじゃない。
ふざけ半分で軽々しく言われると、馬鹿にされてるように思うし、腹が立つんだ」
川 ゚ -゚)「でも、一生懸命だったり、勇気を出してくれたんだなって感じとれる人なら嫌だなんて思わない。
むしろ嬉しいと思うし、自分も好きな人ができたらきちんと向き合おうって思えるんだ」
川 ゚ -゚)「ぶっちゃけ人間見た目が大事ってのも分からなくもないけど、それは1番じゃない。
気持ちはそれ以上に大切なんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「お姉ちゃん……」
川 ゚ -゚)「もっとぶっちゃけると、写真みたときコイツかー…って感じだったけど、お前が好きになるくらいならこの人はすg」
ζ(゚ー゚*ζ「出てって」
川 ゚ -゚)「いやいや、今いい事言ってる途中じゃn」
ζ(゚ー゚#ζ「出てって」
川 ゚ -゚)「おやすみ」パタン……
- 25 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 03:54:34 ID:wegexpfk0
- ζ(゚ー゚*ζ「まったく! 本当に失礼なんだから!」
ζ(゚ー゚*ζ「……頑張ってみようかな。 頑張って、デートに誘って……」
ζ(゚ー゚*ζ「な、なんて! 無理だよね……、あーでもっ!」
ζ(゚ー゚*ζ「勇気、出してみようかなぁ」
ガチャッ
川 ゚ -゚)「それがいいと思うの」ボソリ
ζ(-ー-*ζ「…………」
ζ(゚ー゚*ζ「お姉ちゃんっ!」カッ
川 ゚ -゚)「おやすみ」ボソリ
パタンッ
ζ(゚ー゚*ζ「まったく……」
ζ(゚ー゚*ζ「寝よっと」
- 26 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 03:55:17 ID:wegexpfk0
- デンキパチン
ζ(゚ー゚*ζ(今まで考えたことなかったけど……)
ζ(゚ー゚*ζ(本当に、勇気出して、う、うまくいっちゃったりして、付き合えたりして……)
ζ(゚ー゚*ζ(そうしたら、その先には何があるのかな)
ζ(゚ー゚*ζ(お姉ちゃんは私の日記なんかより、楽しいことが待ってるって言ってたけど)
ζ(゚ー゚*ζ(どうなんだろ……)
ζ(゚ー゚*ζ(同じ教室にいるだけでも心臓がどきどきしちゃうのに、)
ζ(゚ー゚*ζ(もし、隣に、近くにブーンくんがいてくれたら……)
ζ(゚ー゚*ζ(きっと私の心臓ばくはつしちゃう……)
ζ(゚ー゚*ζ(……あーでもやっぱりだめだったときのこと考えると怖いよ)
ζ(゚ー゚*ζ(あ、でも、ブーンくんが他の女の子と付き合うこと考えると……かなしい)
ζ(゚ー゚*ζ(あーさっきからデモデモばっかり! 頭で考えてたって何にもならない!!)
ζ(-ー-*ζ(も、寝なきゃ……)
- 27 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 04:00:55 ID:wegexpfk0
- チュンチュン
イッテキマース
ζ(゚ー゚*ζ(昨日お姉ちゃんが変なこというから……なんか意識しちゃうな)
ζ(゚ー゚*ζ(勇気、勇気……)
ζ(゚ー゚*ζ「出せるかな……?」トコトコ
( ^ω^) バッタリ! ζ(゚ー゚*ζ
( ^ω^)「おいすー」
ζ(゚ー゚*ζ「え、あっ、」
( ^ω^)「?」
ζ(゚ー゚*ζ「お、おはよう!」
( ^ω^)「はい、おはようお」
( ^ω^)「デレちゃん、今日はちゃんと宿題やってきたの?」
ζ(゚ー゚*ζ「えっ? しゅくだ……、え!? あったっけ!?」
( ^ω^)「ぶはは、やっぱり」
- 28 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 04:02:15 ID:wegexpfk0
- ζ(゚ー゚*ζ(うわあああああ!!! 昨日、あんなことしてたからっ!! もうバカバカ!!)
ζ(゚ー゚*ζ「あー、えっと……。 えへへ、だらしない、ね……」
( ^ω^)「?」
ζ(゚ー゚*ζ(うぅ〜、呆れられたよね……)
( ^ω^)「デレちゃん、デレちゃん」
ζ(゚ー゚*ζ「……なあに?」
( ^ω^)「そんな心配しないでいいお。 僕が宿題見せてあげるお」
ζ(゚ー゚*ζ「(ぎゃっ、なんか勘違いされた!?)え、いいの?」
( ^ω^)「おん」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、ありがと〜……(やっぱり優しい……でもなんか……ああもうっ)」
- 29 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 04:07:04 ID:wegexpfk0
- ( ^ω^)「デレちゃん、デレちゃん」
ζ(゚ー゚*ζ「え、あ、なあに?」
( ^ω^)「きっと他にもクラスで忘れてる奴いるお」
ζ(゚ー゚*ζ「あはは、そうかもね(きっと元気付けようとしてくれてる……)」
( ^ω^)「でも、奴らには見せてやらないお」
ζ(゚ー゚*ζ「えっ、あ、そうなの?」
( ^ω^)「デレちゃんだけ」
ζ(゚ー゚*ζ「…………?」
( ^ω^)「特別だおー」
ζ(゚ー゚*ζ「!!!」
- 30 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 04:10:23 ID:wegexpfk0
- ――うかうかしてると、他の奴にとられるぞ
ζ(゚ー゚*ζ「あ……、」
( ^ω^)「?」
――こんな夢物語で終わらせていいのか?
ζ(゚ー゚*ζ(やだ、絶対やだ! でもでもでも)
( ^ω^)「どうしたお? 遅刻しちゃうおー」
ζ(゚ー゚*ζ「………………ね、ねぇ」ギュッ
( ^ω^)「? ……デレちゃん?」
ζ(゚ー゚*;ζ(勝手にブーンくんの袖掴んじゃったああああ!)
- 31 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 04:13:46 ID:wegexpfk0
- ( ^ω^)「おーん?」
ζ(゚ー゚*ζ(で、でも、ここまできたら……!)
一歩踏み出した先にはなにがあるんだろう。
そこには、私の想像以上に楽しい出来事が待っているかもしれない。
もし、もしそうだったら、それを知らずに生きていくことは、きっとすごくもったいない。
あるいは、辛いこと悲しいことが待ち構えているかもしれない。
それでも、私は、
ζ(゚ー゚*ζ(いっけええええぇぇぇぇぇ!!!)
ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ、ブーンくん!」
- 32 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 04:14:55 ID:wegexpfk0
ζ(゚ー゚*ζつづきが気になるようです
おわり
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